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透る雫
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しおりを挟む「なっ……」
「いい絵だね」
「なぜ飾るんです⁉ 人目には晒さないでくださいと 」
急いで絵の方へと駆け寄る翠也を背後から捕まえる。
もう少しで絵に届くと言う所にある手を掴むと、腕の中の体が魚のように跳ねて……
「ここに来るのは君くらいだよ」
「あ……でもっ」
掴んだ手首に唇をやると、翠也の声が止まった。
微かに湿気る肌を軽くついばむ。
「っ 発作……ですか?」
おずおずと尋ねる彼に、
「うん」
と一言返す。
哀れなまでにそうだと信じる彼は、俺の悪戯を口を引き結んでじっと耐える。
それは、さながら殉教する聖者だ。
笑みが浮かびそうになる口元を引き締めながら塩気のある手首を舐め、その腰を引き寄せて首筋に顔を埋める。
深い香の匂いと、混じる翠也の体臭。
項から薫るそれを堪能したくて、回した手に力を込めて抱き締めた。
「あ 」
微かに苦しいと訴えるが、素直に従う気分ではなくて更に力を込める。
密着した腰の奥の変化を楽しみながら、彼の耳朶を口に含んだ。
「 ……ふ、ぅっ」
俺の服を彼が掴む。
細い指に掴まれたそこが皺を刻むのをくすぐったく思いながら、それを眺めていたくてしたいようにさせておく。
「ん っ」
上げそうになる声を堪える仕草に、女のそれよりも色気を感じる自分がいる。
女の、ねっとりとしたそれではない色気が好ましいと思う。
重怠い水を含み過ぎたものではなく、清廉で爽やかで、けれど瑞々しくいやらしい。
「……あっ」
体を身じろがせる動きに誤魔化しながら触れている股間を刺激してやると、思わずと言うふうに甲高い声が零れる。
────それが、なんとも情欲をそそる。
「それっ……それは、駄目です!」
つい上げてしまった声に恥じらいながら、ゆるゆると体を動かす俺の胸を押す。
「それ? どれ?」
これのこと? と聞きながら耳朶の中を舐めてやると、翠也の膝が力を失って床へと倒れ込んだ。
「……っ!」
「ちょうどいい、膝も舐めさせておくれ」
そう言い、彼の返事を待たずに膝を持ち上げる。
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膝の皿を舐め、内側の柔らかい部分をくすぐる。
肌の質を変えながら続く秘された場所へ舌を進めると、翠也の慌てた声が聞こえた。
「う、卯太朗さんっ! もう! そこはっ」
その慌てた理由を知っていて、あえて聞き流しながら彼の手を取る。
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