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しおりを挟む抉られたソコが異様な熱を持って…
苦しさでのたうつが解放しては貰えず、繰り返し奥を穿つ痛みに悲鳴が溢れる。
「… たすけ、て……ぁっああぁぁぁっ」
首を振り、叫んだ口から流れ出た唾液を畳に擦り付ける。
覆い被さる汰紀の体がひくりと震えた途端、最奥に熱さを感じた。
「うっ…く……そ… っ…」
ぐち、ぐち、と腰を動かし、腸内へと精液を摩り込むように腰を動かす。
「やっぱり、まだきついよね?」
「し、る…かよっ出したんならとっとと出てけ!」
「えぇ?やぁだ。…知ってる?中出しされると腹下すって」
面白そうなその声に、ぎくりと背筋が凍り付く。
汰紀は面白そうに腰を二、三突き出した。
「あっ…ぅ……」
「お願いするなら、ちゃんと処理して上げてもいいけど?」
「っ…誰が…… するかよっ!!」
身を捩り、背後の汰紀にそう怒鳴り付けた瞬間、バシリと平手が飛んだ。
「まだ、自分の立場も、人質がいるって事も分かってないの?」
二撃目に備えて固く目を瞑った侑紀に、ふ…と笑いが聞こえる。
更に殴られるのかと警戒していたが、いつまで経っても振り下ろされない腕に疑問を感じて目を開けた。
見下ろす目と、目が合った…
「この部屋のさ、壁、凄いと思わない?」
「………」
「思わない?」
どっと足が下ろされ、背中を踏みつけた。
「ぁっ……っああ!まったく、悪趣味な壁だよな!」
やけくそ気味にそう返した答えに、汰紀は何故だか微笑んで返す。
「うん。まったくもって…本当に、 悪趣味だ 」
ぐるりと格子を囲む壁を見やり、汰紀は微笑を嘲笑へと変えた。
「腹いてぇ…」
弱々しく呻きながら、手探りで格子の端にあるトイレに這い寄る。
格子の端に辿り着き、手は拘束されたままだったので足でトイレを確認した。
爪先に触れた、畳と格子以外の感触にほっとする。
『この壁の使い方、教えて上げるよ』
そう言って汰紀は部屋の明かりを消した…
「っ…く、そぉっ」
腹痛に、ぎりぎりと奥歯が音を立てる。
自分以外、音を立てる物のないそこではそれすらも大きく響き、侑紀ははっと口を閉じた。
「……」
場所は何も変わらない。
変わらないはずなのに、暗転したその場の雰囲気はどろりと濁った物に傾きつつあった。
耳が痛くなるような沈黙に、限界を感じて息を漏らす。
「はっ、何が壁の使い方だ。こう暗くちゃ絵なんか見える訳ねぇし」
そう吐き出すも、その声は響く事もせず、応えもないままに霧散した。
沈黙と暗闇に、居心地の悪さを感じ、
「汰紀っ!!ちっせぇ子供じゃねぇんだから、暗いのなんか怖くねぇぞ!」
返る静寂に、息を飲む。
「んな事より飯食わせろ!!飢え死にさせる気か!?」
けれどもやはり音は返らず…
真っ暗な中、格子に身を寄せた。
「おい!風呂は!?お前の汚ぇもん付けたままでいたくないだけど!!
返事しろよ!聞こえてるの知ってんだぞ!?どっかから悪趣味にオレがこうやって言ってるの見て笑ってんだろ!?
汰紀っ!!」
ひとしきり叫んだ後に訪れた静けさが、背筋を撫でたかのように悪寒が起こる。
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