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しおりを挟むこじ入れられる指が上顎を擦り、鼻に抜ける声が零れる。
「……ン、 っ こ、小林先輩と お付き合いすることに、しました 」
「あんな男とか」
「それ で、も 好きだって、言ってくれて 」
「 」
「僕は 相思相愛 で……愛されたい から ぁっ!ソコ、は っ」
巧みな指先が敏感なところに触れると、堪えようとしても体が跳ねる。すっかり知られてしまった性感帯を愛撫する手は、自身よりもこの体のことをよく知っているようだった。
「あられもない声を上げて他の男に抱かれておきながら、何を言っている」
侮蔑のような視線。
他の男の元に行くと言いながら抱かれる姿は、酷く滑稽なんだろう。
それでも、抱かれずにはいられない、無様で情けない自分は……
「言葉がそんなに欲しいのか」
意地悪げに唇の端が歪む。
佐伯の考えにひやりとしたものを感じ取って、咄嗟にずり上がって逃げようとした。
けれど力ではかなうはずもなく、ぐっ と力任せに侵入しようとした温もりに首を振った。
「やっ、だ、め ゴム、も っローションもっ ぁ、あン!! 」
一番太い箇所が入り口をゆるりと擦る。
一気に犯してくれたならば頭を真っ白にしてよがることもできるだろうに、没頭できるほど激しい刺激でもなく、だからと言って無視できないくらいの快感に体中の力が抜けて突っ伏した。
「あ、あ 」
腰を抱えられ、しっかりと抱きこまれてしまえば逃げ道はなく、
「 や、 ぃや、も ァ、 」
こちらが苦しくて辛いのが分かっていながら、ゆるゆると体を揺すられて……
シーツに爪を立てるも掴むことはできなくて、焦れる感触に腰を振って擦り付けるもソレは奥まで犯してはくれなかった。
背後に手を回しても届かなくて、涙が零れそうになった目を閉じて首を振る。
「 おね、が ソコばっかり、は い、や 」
「ソコはドコで、ナニが欲しいんだ?」
嗚咽で息が止まりそうだった。
今、何を言えと?
「あっ 」
仰向けに返され、その拍子に外れてしまったソレを物欲しそうについ目で追うと、佐伯が意地の悪そうに笑みを唇の端に乗せた。
冷ややかにこちらを見下ろす顔には、行動で示せと書いてあるようで。
上がる息を押さえながら、眼前で足を開いた。
立ち上がって涎を垂らすソコも、先程弄られただけでぐずぐずになっている最奥も、指で開いてすべてを視線に晒す。
「 ふっ ぅ」
しゃくり上げる振動で先端から溢れた雫が伝う。
体中が真っ赤になって、恥ずかしさに目を固く閉じるがそれでも許してはくれない。
「ココ 入り口、じゃ なくて、奥 ナカ、の方 」
ぱたぱたと涙がシーツを打つ音が聞こえても、やはり「良し」とは言ってもらえず……
「 ぶ、ちょ の、」
羞恥に言葉が途切れて、震えでカチカチと歯が鳴った。
体の熱と、恥ずかしさと、出来なくて放り出されるんじゃないかと言う恐ろしさに、身がすくんでしまう。
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