67 / 76
66
しおりを挟む社長と秘書の関係について聞いたことがある。ただの噂だと思っていたが、義理の息子にあたる佐伯が言うのだから事実なのだろう。
そう言った意味で社長が秘書を連れまわしているのだとはっきりと言われ、赤い顔がますます赤らんだ。
「こい」
グイっと腕を取られ、スツールから転げ落ちそうになってカウンターに縋りつく。
けれどそれは助けてはくれず……
またハシバミ色に光を見せる佐伯を恐々と見上げた。
「秘書の仕事の時間だ」
息を飲む僕の気持ちなんかお構いなしに、引きずられていくしかなかった。
ベッドに投げ出されて条件反射的に逃げを打ったが、足首を掴まれてどうしようもなくなってしまった。
悪足掻きとして、小さく静止の声を出す。
「や、やめて くだ……っ」
布越しにその箇所を押し上げられ、上がりそうになった声を飲み込んで胸を押し返す。
「それに、 この、こう言うの は 止めたいんです!この関係を っ」
「終わらせたい」の言葉が、入り込んだ佐伯の指先に遮られて消える。
「お前が言っていた話したいことは、それか」
頷いて見せるも奥まったソコを指先で叩かれ、駆けあがってくる震えに小さく歯が鳴った。
「 準備してきておいてか?」
「 これで、終わりにしてください 」
「これで か。もうしない じゃないんだな」
言葉遊びの揚げ足取りに反論しようとしたが、歪んだような笑みがそれを押しとどめ、
「 っ これで最後 に」
ワイシャツが剥ぎ取られ、空気に触れた肌が粟立つ。
強引に引きずり下ろされたスラックスが、ベッドの端から落ちるのを見ながら佐伯のネクタイに手を伸ばした。
滑らかな感触の深い黄色のネクタイ。
どこかのブランドの物だったはず……と、ロゴを見てぼんやり思った。
きっとこれも、奥さんが選んだ物なんだろう。
それから微かに香ったクチナシの臭いに、ツンと鼻が痛んで、視界がぼやける。
幸せそうな家族像を思い出して、ぽとりと雫が落ちる。
泣き出しても意に介さない佐伯は、きっと僕がなぜ泣いているのかも気にしないんだろう。
薄い皮膚の辺りを撫ぜられると、骨が近いせいか落ち着かない気分になってくる。
「 ひ、ン んっ 」
触れられた箇所から響く疼きが体を震わせて……
「終わりにしたいと言う割には反応がいいな」
「んっ それ、は 」
晒すように足を抱え上げられれば、佐伯に触れられて反応したソコが目に飛び込んできた。
確かな証拠を見せられてしまえば否定の言葉もできず、唇をぐっと噛んで顔を背ける。
「噛むな。また傷になる」
「 」
唇に割り込ませてくる親指は骨っぽくて力強く、堪え切れずに口を開けると容赦なく咥内へと侵入してくる。
反射的にそれに舌を這わせ、ちゅっと吸い付く。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので
こじらせた処女
BL
大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。
とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる