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しおりを挟む逃げ出したいけれど、最奥を穿つ杭に声を上げないでいるので精一杯だ。
「 じゃあ、次の休みに行こうな」
そう言って切り上げる。
ぼんやりと聞いた内容は、家族で出かける話だろう。
軋むような痛みを感じて、胸を押さえて奥歯を噛み締める。
「 っ、ご家族で お出かけ です、か?」
抑えた呼吸の下から尋ねると、携帯電話を放り出した佐伯が僕を見た。
見下ろされるのには慣れたけれど、見下ろすのはまだ慣れない。
睨みつけられると後唇がジワリと疼いて締めつけるのが分かり、ナカにずっと差し込まれていたモノがそれに反応して脈打った。
本当にこの人は どうかしてる。
浮気をしながら、あんなにも平然と喋れるものなのだろうか?
「お前は ちょっかいを出してきた奴と、遠出か」
「 っ、ふ ぅ、 っ!っ !」
電話で中断されていた律動が再開され、ぱちゅん ぱちゅんと肌同士が打ち合う音と捏ねられたローションの粘っこい音で体を満たされている僕には、佐伯の問いかけは切れ切れにしか聞こえない。
「な、に ?」
太腿に力を入れて佐伯の上で腰を振るも、ナカを穿つ熱さと痺れてぐずる子供が体を揺すっているようだった。
「せ、ぱぁ ぃ?の こと で 」
ナカを抉られて脳が痺れ、涎と間延びしたバカみたいな言葉が漏れる。
体の深い箇所をノックされて、足の先まで感じて震えた。
「せん、ぱ い 」
自分が腰を振る振動で、股間の起立したものが腿に触れて涎を垂らすのが、たまらなく気持ちいい。
突き落とされる直前の、崖の上をふらふらとどちらに倒れるかわからないまま歩くような不安感が、癖になる。
喘ぎすぎて乾いた唇を舐めようとしたら、涎が唇の端から零れ落ちた。
「ひぁ ……ぁ、先輩と、出かけ ぁンっ」
顎を伝って流れる涎を舐め上げるように、佐伯の舌が喉を舐め上げてきた。
熱いのに冷たい軌跡が続き、それが背中を撓らせる程の衝撃を連れてくる。
「もういい」
「ど、 して? きも、ちぃ 」
ナカで膨らむモノをイイトコロに押し付け、その刺激で視界が白く染まる、先走りをだらだら垂らしただらしのない僕自身を、ぎゅうっと握り締めて擦り上げる。
「ぃ、あ イイ、ん ィク! イクっ!」
波に乗るような感覚に、射精を宣言して自らを弄り続ける。
「 イ、く か っ!!」
「ふざけるな」
「ひ ────っ」
腕を取られて、あと少しでイケるはずだったソコからは、白い色を滲ませた先走りが滴る。
糸を引くソレが光を反射してからぷつんと切れた。
「他所の男のことを言いながらイクのか」
不機嫌そうに眇められた目と、不愉快そうに歪んだ唇。
「ぃやっ!! ちが、いますっ! 」
出口が見つからず、ぐるぐると回る熱に操られるように首を振って見せたが、そのせいで体が動いてナカの佐伯の熱をイイトコロに擦りつける結果となった。
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