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キスマーク
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しおりを挟む「おい」
ぐぃっと肩を押されて目を瞬かせる。
急に起こされた寝起きの気分で、声をかけてきた相手に顔を向けた。
「せ…せんぱ…?」
明らかにイラッとした顔で、司郎はいつものように煙草を地面に擦り付ける。
「とりあえず退け」
そう言われて初めて、司郎にのし掛かっていることに気づく。
「え!?」
状況が飲み込めずにきょとんとしていると、手の中のベルトを乱暴に取り上げられた。
「オレ、授業受けてたんですけど…」
「…お前、医者行ってこい」
葉人に抜き取られたらしいベルトを直しながら、不機嫌にそう言い放つ。
「…オレ、何してました?」
「ナニしようとしてた」
そう言われて首を振る。
「そ…そんなこと…っだって、オレ…」
不機嫌を極めたような目で睨み付けられ、言葉を詰まらせる。
そんな目で見つめられても、自分自身この状況がよくわからない。
「…あのバカはどうした?」
「へ?」
該当する人物を思い付かず、首を傾げる。
「タケルとかなんとか言うヤツ。お前から目ぇ離すなって言ったんだが…」
「…電話…してみます」
携帯電話を開くと威からの不在着信があり、慌ててかけ直す。
『葉!?どこにいるんだ!?』
「ぅ…えーっと…屋上」
『動くなよ!』
そう怒鳴り声が聞こえ、ぷつりと通話が切れる。
沈黙した携帯電話を握りしめ、司郎に尋ねる。
「………記憶が飛ぶのって、何科に行けばいいんでしょうか…」
「知るか。ネットで調べろ」
ああそうか、と納得して携帯電話を開く。
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