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空白
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しおりを挟むそっと光彦の左手が、膝の上に置いていた葉人の手を包み込むと、その温かさに身を預けたくなり、光彦の家へ行きたいと言い出しそうになって唇を噛む。
首に張り付けた絆創膏を撫でる。
光彦にこんなものを見せられない。
幸い体調が悪いと思っているようなので、それに便乗することにする。
また一つ重ねた嘘に、罪悪感を感じながら光彦の手を握り返す。
「あの、携帯なんですが…もうしばらくいいですか?母が1日休みの日に行きたくて…」
「いつでもいいよ。返すときは小田切の写真いっぱい撮って返してくれ」
「えっ!?オレのですか?」
駐車場に車を止めながら、恥ずかしそうに笑って答える。
「恋人の写真持っていたいって思うのはダメか?」
その言葉がくすぐったく思え、葉人はごまかすために急いで車を降りる。
「気が…向いたらで、いいですか?」
「ん?もちろん」
笑い返して生徒用の玄関へ向かおうとすると、ポケットに入れた携帯が震える。
『上』
簡潔過ぎるメールに目眩を覚えながら、ぐるりと屋上を見上げる。
一棟の端で、人影がこちらを見ていた。
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