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戒め1
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しおりを挟む知らず、噛み締めた唇を緩ませて舌を這わせる。
葉人はメモの通り、個室に入るとネクタイで目隠しをして洋便器の蓋の上に腰かけた。
トイレのすぐ傍にスピーカーがあるせいか、驚くほど大きな音でチャイムが鳴り、思わず飛び上がる。
「…はっ…ぁ…」
口の中がカラカラに干上がり、指を固く握りしめる。
チャイムの余韻が消える頃、
きぃぃ……
「っ!」
妙に長くドアを軋ませ、誰かがトイレに入ってくる。
違いますように…と願う心を裏切るように、足音は個室の前まできて止まった。
「ハナちゃん、待たせたね」
図書室の時と同じ、くぐもった聞き取りにくい声。
「返事は?」
「っ!!…は…い」
男の手が葉人の顎を掴んで上を向かせた。
温かく湿った感触が葉人の唇を覆い、こじ開けて舌を入れてくる。
歯列をなぞり上げ、下唇を軽く噛んでは舌先でつつく。
いきなりのディープキスに、葉人は首を振って逃げようとした。
「…ねぇハナちゃん。朝、何してた?」
「あ…」
「ワルイコ…してたよね?」
低くなったその声の中に恐怖を見つけて、首を振る。
「ち…ちが……だって!無理矢理…」
「手」
痴漢の逸物を擦りあげた手をいきなり握られ、びくんと飛び上がって手を引こうとした。
「キタナイの触った手はこれだよね」
「…ぁ…だ………だって…」
「ワルイコにはオシオキがいるね。服を脱いで」
「ごめ…ごめんなさい…ごめんなさいっ…もうしない……」
「服を、脱げ」
簡潔に言われ、葉人は逆らうことができずにシャツのボタンに手をかける。
ひとつ…ふたつ…
空気に晒され、肌が泡立つ。
「下も」
「…っ…はい」
目隠しをしたままベルトを探り当て、下半身も空気に晒すと、なんとも頼りない不安感に手を握りしめた。
男の手が、葉人を壁の方へ向かせると、腰をグイッと引かれて慌てて壁に手をついた。
「ここ、痴漢に使わせてたね」
指が何の前触れもなく、いきなり葉人のアナへと入れられ、痛みに逃れようともがく。
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