羽ばたけ楽器の精鋭達

藤堂 礼也

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関西大会と全国大会

羽ばたけ楽器の精鋭達

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顧問は府大会で疲れきった精鋭達を吹奏楽団体のコンサートや市の吹奏楽団(市吹)のコンサートに連れて行った。市吹に姫路の同期で、他の進路に行った江見がいた。なぜか江見を見た姫路はやる気がでた。みんなもそうらしい。自分の同期が色々な吹奏楽団で頑張っているのを見て力が湧いたらしい。すると顧問はいった。「私は君たちが頑張っているのを知っているよ。だからね。私は、君たちが全国に行っても行けなくても海外からのオファー、承諾したんだ。それに向けての曲も用意してるからコンクールの曲の息抜きがてらやると良いよ。その代わりコンクール曲をおろそかにしないでね。君たちならやれるよ。」僕達は頑張って前に進むしか無い。と、クラリネットの3年が、「先生、宮下ちゃんの楽器も持っていっていいですか?虐められた宮下ちゃんが一人でお留守番は可哀想です。一緒に吹きたかったな…。(ボソッ)」「うん。持っていこう。宮下さんのご両親から既に許可がおりている。というか持っていって欲しいって。みんなでコンクール出たかったね。宮下さんは全国見たいって言ってたのを私は知っている。だから、みんなで全国行こうね」みんなのエンジンはフルパワーで回っている。関西大会の練習期間、宮下を想い練習に励んだ。そして関西大会。明らかに強豪校ばかりだ。すると、クラリネットパートや姫路、ほかの部員に宮下がメッセージカードを作った。それが最後の宮下からのメッセージカードだった。一人ひとりに当てたメッセージカード。みんなはそれを御守りに関西大会の本番で実力を発揮しまくった。むしろ、実力以上のサウンドが出た。
見事全国大会への切符を勝ち取ったのだ。
帰りのバスの中、部員全員が車窓から見えた景色は小雨が爽やかに降り虹が綺麗に2つかかっていた。
みんなは全国大会で絶対金賞をとって宮下に見せるという気持ちが芽生えた。
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