羽ばたけ楽器の精鋭達

藤堂 礼也

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関西大会への翼

羽ばたけ楽器の精鋭達

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また8人になったクラリネットパート。合奏が成立する。宮下はクラリネットパートのなかで一番上手かった。それに劣らないくらいの技量をもったクラリネットパート8人が集まった。宮下のソロは3年だけのクラリネットアンサンブルになった。
それが功を奏したのか、地区大会は金賞代表だった。
府大会は地区大会の一週間後にある。が、みんな曲に飽きてきたようだった。部長の姫路は皆んなに喝を入れなければと思いコンクールメンバーミーティングをひらいた。
「みんな、を、鼓舞、する。頑張る。」と小声で自分をまず鼓舞した姫路はコミュ障だった。そんな姫路のコミュ障を直そうと顧問は姫路を部長にしたのだった。
「みんなさ、コンクール曲、飽きてきた…よね。」
すると気の強いファゴットの3年が
「姫路、ボソボソ喋ってんじゃねえよ。聞こえねぇわ」
姫路:「みんな、コンクール曲飽きてきたよね。僕も飽きてるけど、先輩からの全国大会金賞頑張れって覚えてるよね?みんなこの言葉覚えてるよね!!」みんなはハッとした。あと4日で仕上げなければならない。次は府、関西、全国、3つもある。この4日で仕上げなければ、先輩達の約束を破ることになる!!と。合奏、自主練みんないっぱい頑張って府大会。
地区大会と全く一緒の動きだ。が、府大会なので、強豪校が次々に集い、全国大会常連校でも緊張する。前の学校が上手に聞こえる。プレッシャーに押しつぶされそうな表情だ。さて、プレッシャーに押しつぶされようかま押しつぶされまいが、本番は始まる。課題曲、自由曲と順調に進むなか、クラリネットアンサンブルで、誰かが、リードミスをした。
が、評価に影響はなかった。
金賞代表、府大会突破。
関西大会の代表選出、数が少ない。全国への道はとても細く厳しいものだ。2週間後に関西大会、1ヶ月後に後に全国。
関西大会無事に突破できる気は姫路にはなかったようだ。
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