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第五話「ギルドでの再登録」
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「ど、どうしよう……」
手を握られたまま至近距離で悩まれても困るんだが……。
まぁ、役得ということにしておこう。
「えっと、お前の名前はシズクでいいのか?」
「そ、そうです。シズク・コトノハと言います……」
シズクはまだ荒い吐息を漏らしつつ自己紹介。
「俺の名前はビ……いやシュヴァルツだ。よろしくな」
「は、はいっ」
めくり上げられた服がまだ直っていないシズク。
細いウエストからチラ見せされるへそがなんともいえない。
「よ、よろしくです。その……シュヴァルツ、くん……?」
眉尻を下げて不安そうに見つめてくるシズク。
「えっと、その……年下の異性に呼び捨てされるのが初めてだったから……なんかその……違和感というか……」
恥じらうシズクの姿。
数多の女性を見てきたおっさんの俺でも、ここまで初々しい反応をされると胸がキュンとしてしまう……。
目が泳ぎながら、自然と掴んでいる手に力が入ってしまう。
「あ、ああ、そうか、すまないな……」
「う、ううん……呼び捨てでも、その……大丈夫だから……」
…………。
ぎゅっと手を握られたままなのがとても気まずいんだが……。
「シズク、その……とりあえずギルドに登録をしたいんだが頼めるか?」
「え……。う、うん……!」
「んじゃ頼むよ」
とっとと済ませて帰ろう。じゃないと、アイシャに次いで俺まで変な気分になってしまう……。
酒場にでも立ち寄ってマリアでもからかって帰――――――そうか……酒場に寄っても酔うだけだし……歓楽街もお断りされるんだった……。
俺は夜、なにをすればいいんだ……。
「はい、よろこ、んでっ――――――きゃっ……!」
「ちょ――――」
つまづいたシズクが勢いよく倒れ込んでくる。
突然の出来事に反応が遅れた俺は、頭を床に思い切り打ち付けた。
「ぐぉぉ……頭がっ……!」
衝撃で忘れていた頭痛が再び襲い来る。
「ご、ごめんなさいっ! ケガはないですか⁉」
シズクの心配する声になんとか、「だ、大丈夫だ……」と返事を返す。
「いてて……」
なんとか上半身を起こそうと試みる。
しかし、なにか腰のあたりに乗っかっている気がする……。
「……なっ⁉」
き、騎乗位、だとっ……。
はだけた衣服に、チラ見せのへそ、下乳などなど。倒れた勢いで素晴ら――――じゃなく、すごい状況になっている。
見下ろしながら背筋を逸らしているところがまたエロ過ぎるんだが……。くびれた腰と少し筋肉質なところもまた……。
これがボンキュッボンというやつか……。
「シュヴァルツ君、顔が赤いですけど大丈夫ですか⁉」
心配してくれるのは嬉しいが、下半身がそれどころではなくなりそうなので――――
「大丈夫だから……その、早くどいてくれないか……」
「ほ、ほんとに大丈夫なんですか⁉」
問いかけと同時にシズクの腰が小刻みに前後に動きだす。
腰を……腰を揺らすな……。
「大丈夫だから……その……、そんな恰好で上に乗るのはやめてくれないか……」
「そんな恰好って…………ん?――――――――――――はひゃうっ⁉」
自分の現状をようやく理解したシズクは頭から煙を噴きだしていた。
顔は真っ赤になり、目はぐるぐると回っている。
「い、いつの間にこんなことにっ……⁉」
シズクが慌てふためき、俺の上で左右に体を揺らす。
「とにかく早くどいてくれないか……⁉」
「ご、ごめんなさいっ……」
急いで立ち上がろうとするシズク。
「今すぐ立ちま――――はぅっ!」
「……っ⁉」
今度はシズクの胸が俺の顔に押し付けられた。
や、柔らけぇ……。
「ご、ごめんなさいっ……!」
天然か……この子は天然なのか……。
この状況、もし俺が襲いかかっても文句言えないだろ……。
「はわわ……! 私、男の人の上に乗って、しかもこんな格好で………………。もうお嫁にいけないよぉ……」
シズクは気力を失って混乱した。
「あぁもう……面倒くさい奴だな……」
「ひゃぅ……?」
大剣は持てなくなってしまっが、女の子の一人や二人なんて軽いもんだろう。
「はわわっ……!」
上に乗っていたシズクを持ち上げ、そのままお姫さま抱っこに切り替える。
「よし、やっぱり軽いな」
これでようやく話が進められる。
「え……あ、あのっ……⁉」
「早く登録を済ませたいんだ。どっちに行けばいい?」
顔が火照ったままのシズクが「はわわ……」と焦っている。
「なにをそんなに動揺しているんだ……」
「お、おお、男の……! 裸の男の人に、おひっ、お姫さま抱っこされて……はわわ……!」
「シズク、落ち着け……」
「シ、シズクって呼び捨てで、お姫さま抱っこで、年下の、裸の男の子……」
――――――――ボフンッ!
「ん……?」
今、聞こえてはいけない音がシズクから聞こえたような……。
「おい、大丈夫か?」
「……」
「おい!」
「…………」
寝てる……。いや、気絶してるのか……。
「はぁ……、一体どうしろってんだ……」
アイシャは受付、初めて出会ったシズクは気絶……。
「とりあえずクレスの部屋に戻るしかないか……」
手を握られたまま至近距離で悩まれても困るんだが……。
まぁ、役得ということにしておこう。
「えっと、お前の名前はシズクでいいのか?」
「そ、そうです。シズク・コトノハと言います……」
シズクはまだ荒い吐息を漏らしつつ自己紹介。
「俺の名前はビ……いやシュヴァルツだ。よろしくな」
「は、はいっ」
めくり上げられた服がまだ直っていないシズク。
細いウエストからチラ見せされるへそがなんともいえない。
「よ、よろしくです。その……シュヴァルツ、くん……?」
眉尻を下げて不安そうに見つめてくるシズク。
「えっと、その……年下の異性に呼び捨てされるのが初めてだったから……なんかその……違和感というか……」
恥じらうシズクの姿。
数多の女性を見てきたおっさんの俺でも、ここまで初々しい反応をされると胸がキュンとしてしまう……。
目が泳ぎながら、自然と掴んでいる手に力が入ってしまう。
「あ、ああ、そうか、すまないな……」
「う、ううん……呼び捨てでも、その……大丈夫だから……」
…………。
ぎゅっと手を握られたままなのがとても気まずいんだが……。
「シズク、その……とりあえずギルドに登録をしたいんだが頼めるか?」
「え……。う、うん……!」
「んじゃ頼むよ」
とっとと済ませて帰ろう。じゃないと、アイシャに次いで俺まで変な気分になってしまう……。
酒場にでも立ち寄ってマリアでもからかって帰――――――そうか……酒場に寄っても酔うだけだし……歓楽街もお断りされるんだった……。
俺は夜、なにをすればいいんだ……。
「はい、よろこ、んでっ――――――きゃっ……!」
「ちょ――――」
つまづいたシズクが勢いよく倒れ込んでくる。
突然の出来事に反応が遅れた俺は、頭を床に思い切り打ち付けた。
「ぐぉぉ……頭がっ……!」
衝撃で忘れていた頭痛が再び襲い来る。
「ご、ごめんなさいっ! ケガはないですか⁉」
シズクの心配する声になんとか、「だ、大丈夫だ……」と返事を返す。
「いてて……」
なんとか上半身を起こそうと試みる。
しかし、なにか腰のあたりに乗っかっている気がする……。
「……なっ⁉」
き、騎乗位、だとっ……。
はだけた衣服に、チラ見せのへそ、下乳などなど。倒れた勢いで素晴ら――――じゃなく、すごい状況になっている。
見下ろしながら背筋を逸らしているところがまたエロ過ぎるんだが……。くびれた腰と少し筋肉質なところもまた……。
これがボンキュッボンというやつか……。
「シュヴァルツ君、顔が赤いですけど大丈夫ですか⁉」
心配してくれるのは嬉しいが、下半身がそれどころではなくなりそうなので――――
「大丈夫だから……その、早くどいてくれないか……」
「ほ、ほんとに大丈夫なんですか⁉」
問いかけと同時にシズクの腰が小刻みに前後に動きだす。
腰を……腰を揺らすな……。
「大丈夫だから……その……、そんな恰好で上に乗るのはやめてくれないか……」
「そんな恰好って…………ん?――――――――――――はひゃうっ⁉」
自分の現状をようやく理解したシズクは頭から煙を噴きだしていた。
顔は真っ赤になり、目はぐるぐると回っている。
「い、いつの間にこんなことにっ……⁉」
シズクが慌てふためき、俺の上で左右に体を揺らす。
「とにかく早くどいてくれないか……⁉」
「ご、ごめんなさいっ……」
急いで立ち上がろうとするシズク。
「今すぐ立ちま――――はぅっ!」
「……っ⁉」
今度はシズクの胸が俺の顔に押し付けられた。
や、柔らけぇ……。
「ご、ごめんなさいっ……!」
天然か……この子は天然なのか……。
この状況、もし俺が襲いかかっても文句言えないだろ……。
「はわわ……! 私、男の人の上に乗って、しかもこんな格好で………………。もうお嫁にいけないよぉ……」
シズクは気力を失って混乱した。
「あぁもう……面倒くさい奴だな……」
「ひゃぅ……?」
大剣は持てなくなってしまっが、女の子の一人や二人なんて軽いもんだろう。
「はわわっ……!」
上に乗っていたシズクを持ち上げ、そのままお姫さま抱っこに切り替える。
「よし、やっぱり軽いな」
これでようやく話が進められる。
「え……あ、あのっ……⁉」
「早く登録を済ませたいんだ。どっちに行けばいい?」
顔が火照ったままのシズクが「はわわ……」と焦っている。
「なにをそんなに動揺しているんだ……」
「お、おお、男の……! 裸の男の人に、おひっ、お姫さま抱っこされて……はわわ……!」
「シズク、落ち着け……」
「シ、シズクって呼び捨てで、お姫さま抱っこで、年下の、裸の男の子……」
――――――――ボフンッ!
「ん……?」
今、聞こえてはいけない音がシズクから聞こえたような……。
「おい、大丈夫か?」
「……」
「おい!」
「…………」
寝てる……。いや、気絶してるのか……。
「はぁ……、一体どうしろってんだ……」
アイシャは受付、初めて出会ったシズクは気絶……。
「とりあえずクレスの部屋に戻るしかないか……」
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