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第三話「引っ越し祝い」
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まさか宗教おばさんからの猛攻でこれほど疲れるとは思ってもみなかった……。
まるで高校の時、文化祭を決める時に威勢の良いクラスメイトが「ぜってーコレが面白いって!」「そうだそうだー!」と雄たけびを上げている感覚と似ていた……。つまり、しんどい……。あの時からクラスの中で独りだったが、クラス全体でやらなければいけない分、余計に辛かったな。
いつもはシャワーだけだが、今日は久しぶりに湯船に浸かろう。
浴槽を洗い湯船にお湯が溜まるまで居間で待機。「お風呂が沸きました」の合図を聞き風呂場まで直行。軽くシャワーを浴びてから湯船に浸かる。
「はぁあああああああああぁぁ……」
疲れと共に魂まで出て行きそうなため息が口から漏れた。
「結局、風呂を待っている間も連絡なし、か……」
何か重大な間違いを犯してしまったのだろうか。返事が返ってこない理由を考えてみよう。
そもそも、向こうから『ありがとう』というメールに対して『こちらこそ』と返しただけ。相手の要件は終了しているので返事が返ってこないのは当たり前。俺だったらそこで終わる。
「っ⁉」
つまり返信する時に別の要件も付け加えるべきだったということか!
「くっ……そんな高等技術、選択肢にすらなかった……」
人との交流が少ない俺にとってなんてハードルの高い要求を……大学入試より難しいじゃないか……。
「はぁ……」
給湯器の機械で時間を確認すると八時半を電子表示が告げていた。
それにしても、今日は改めて思い知らされた。やはり二人ともこの世の者とは思えないほどに美しい……可愛い……綺麗……。
彩芽は小柄なまま美しい銀色の髪をなびかせ、まだあどけなさの残る顔立ち。水色のワンピースと相まって淡い色合いに包まれた雰囲気は本物の天使……。更にぺたんことツンデレ属性付与とか、ゲームだったらチートキャラ以外の何ものでもない。
その彩芽と対照的な双子の姉の彩香は大人びた顔立ちに豊満な胸、スラっとした体形に程よい筋肉がついていた。
銀色に輝く髪は肩にかからない程度だが、それがまた彩香の美しさの中に幼さを醸し出す。妹が大好きな優しいお姉さんで、時々見せる妹とのスキンシップが可愛らしい女神。あのふんわりと柔らかい話し方も相手の心を穏やかにしてくれる……。
姉妹揃って非現実的なチートキャラとは……。
浴槽に背中を預けて天井を見上げる。
「……」
銀髪美少女三原則その二、「一線は超えない」。
皮肉も込めて三原則に加えたものの、実際に目の前にしてみると揺らぎそうになる……。あんな天使や女神とキャッキャウフフの向こう側に行ってしまったら、それこそ昇天してしまう。いや、この場合二つの意味で逝ってしまうのかもしれない……。
「あぁ……天使の寝姿を一目でも拝みたかった……」
今頃、姉妹でお風呂でも入って――
「グハァッ……!」
あ、危ない……想像しただけで意識を持っていかれる所だった……。少し視界がぼやけている気がする。
ちょっとのぼせたかもしれないな。
そろそろ出ようと浴槽に手をついて立ち上がる。
「あ、あれ……」
久しぶりに湯船に浸かったせいか眩暈が……クラクラする……。
外の空気を吸わないとやばいかもしれない……。
湯船からふらつきながらも、片足ずつ外へと足を出して浴室の扉を開ける。
「はぁ……はぁ……」
ああ、コレやばい……かも――――――――
「…………寒っ」
あれ……なんで俺素っ裸で脱衣所に倒れてるんだ……?
なんだか視界もぼやけて違和感がある。
「……」
寝起きのような気分で立ち上がって脱衣所に裸のまま佇んでみた。
「……寒っ」
ようやく意識が戻ってきたのか、体が徐々に震えた。
床は水浸しで体は冷えきっている。
「ああ、そうか……湯船から出ようとして意識が……」
頭を押さえてみると、まだ髪の毛は湿っていた。
今何時だ……。
視界の右側に見える洗面所の隅に置いたスマホを手に取り確認。
「十一時……って寝すぎだろ……」
よほどおばさんパワーが強かったのだろう。あと、風呂場で女神と天使のキャッキャウフフを想像しかけた事が原因かもしれない……。
倒れてしまった原因を追及しつつ、冷めた体を暖める為にもう一度シャワーを浴びる。
二回目の風呂上りはきちんと髪を乾かし、ベッドに腰掛けたあと、そのままゴロンと寝転んだ。
まるで高校の時、文化祭を決める時に威勢の良いクラスメイトが「ぜってーコレが面白いって!」「そうだそうだー!」と雄たけびを上げている感覚と似ていた……。つまり、しんどい……。あの時からクラスの中で独りだったが、クラス全体でやらなければいけない分、余計に辛かったな。
いつもはシャワーだけだが、今日は久しぶりに湯船に浸かろう。
浴槽を洗い湯船にお湯が溜まるまで居間で待機。「お風呂が沸きました」の合図を聞き風呂場まで直行。軽くシャワーを浴びてから湯船に浸かる。
「はぁあああああああああぁぁ……」
疲れと共に魂まで出て行きそうなため息が口から漏れた。
「結局、風呂を待っている間も連絡なし、か……」
何か重大な間違いを犯してしまったのだろうか。返事が返ってこない理由を考えてみよう。
そもそも、向こうから『ありがとう』というメールに対して『こちらこそ』と返しただけ。相手の要件は終了しているので返事が返ってこないのは当たり前。俺だったらそこで終わる。
「っ⁉」
つまり返信する時に別の要件も付け加えるべきだったということか!
「くっ……そんな高等技術、選択肢にすらなかった……」
人との交流が少ない俺にとってなんてハードルの高い要求を……大学入試より難しいじゃないか……。
「はぁ……」
給湯器の機械で時間を確認すると八時半を電子表示が告げていた。
それにしても、今日は改めて思い知らされた。やはり二人ともこの世の者とは思えないほどに美しい……可愛い……綺麗……。
彩芽は小柄なまま美しい銀色の髪をなびかせ、まだあどけなさの残る顔立ち。水色のワンピースと相まって淡い色合いに包まれた雰囲気は本物の天使……。更にぺたんことツンデレ属性付与とか、ゲームだったらチートキャラ以外の何ものでもない。
その彩芽と対照的な双子の姉の彩香は大人びた顔立ちに豊満な胸、スラっとした体形に程よい筋肉がついていた。
銀色に輝く髪は肩にかからない程度だが、それがまた彩香の美しさの中に幼さを醸し出す。妹が大好きな優しいお姉さんで、時々見せる妹とのスキンシップが可愛らしい女神。あのふんわりと柔らかい話し方も相手の心を穏やかにしてくれる……。
姉妹揃って非現実的なチートキャラとは……。
浴槽に背中を預けて天井を見上げる。
「……」
銀髪美少女三原則その二、「一線は超えない」。
皮肉も込めて三原則に加えたものの、実際に目の前にしてみると揺らぎそうになる……。あんな天使や女神とキャッキャウフフの向こう側に行ってしまったら、それこそ昇天してしまう。いや、この場合二つの意味で逝ってしまうのかもしれない……。
「あぁ……天使の寝姿を一目でも拝みたかった……」
今頃、姉妹でお風呂でも入って――
「グハァッ……!」
あ、危ない……想像しただけで意識を持っていかれる所だった……。少し視界がぼやけている気がする。
ちょっとのぼせたかもしれないな。
そろそろ出ようと浴槽に手をついて立ち上がる。
「あ、あれ……」
久しぶりに湯船に浸かったせいか眩暈が……クラクラする……。
外の空気を吸わないとやばいかもしれない……。
湯船からふらつきながらも、片足ずつ外へと足を出して浴室の扉を開ける。
「はぁ……はぁ……」
ああ、コレやばい……かも――――――――
「…………寒っ」
あれ……なんで俺素っ裸で脱衣所に倒れてるんだ……?
なんだか視界もぼやけて違和感がある。
「……」
寝起きのような気分で立ち上がって脱衣所に裸のまま佇んでみた。
「……寒っ」
ようやく意識が戻ってきたのか、体が徐々に震えた。
床は水浸しで体は冷えきっている。
「ああ、そうか……湯船から出ようとして意識が……」
頭を押さえてみると、まだ髪の毛は湿っていた。
今何時だ……。
視界の右側に見える洗面所の隅に置いたスマホを手に取り確認。
「十一時……って寝すぎだろ……」
よほどおばさんパワーが強かったのだろう。あと、風呂場で女神と天使のキャッキャウフフを想像しかけた事が原因かもしれない……。
倒れてしまった原因を追及しつつ、冷めた体を暖める為にもう一度シャワーを浴びる。
二回目の風呂上りはきちんと髪を乾かし、ベッドに腰掛けたあと、そのままゴロンと寝転んだ。
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