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リリアーナ
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痴れ者の男の話など今は聞く時ではないと思い、数名の近衛を連れて証拠を見に行くことにした。
王家の馬車が夜の街道を走り、豪華な門を潜る。
「殿下!なぜ…何かありましたか?」
数時間前に別れたマイル公爵が豪華な衣装から着替えた姿で、馬車から降りる俺を出迎えた。
「声を落としてくれ。リリアーナの顔色が悪かっただろう?心配になった」
マイル公爵家の使用人に聞こえないように耳打ちをして黙らせてからライドを呼び小声で命じる。
「二名、足音を消してリリアーナの部屋」
後ろに控えていた近衛が動き走り出す。それを目で追うマイル公爵は娘が何か仕出かしたかと悟った表情になり、近衛の姿を不安そうに見ている。
祝賀会でいつものようにリリアーナに接した俺と無事の帰還を喜んで涙ぐむ娘をマイル公爵は見ている。婚約して数年、リリアーナの教育が終わり次第、婚姻をする予定…だったが…
俺のリリアーナを心配しているという言葉のわりにただならぬ雰囲気を感じたのか、宰相を勤めるマイル公爵は震え始めた。
「公爵、行こうか。決して邪魔をするな」
マイル公爵は俺の言葉に頷き、目的の部屋へ向かい後ろを歩いて続く。
部屋の扉の前には近衛が一名立ち、もう一人はリリアーナの侍女の口を押さえて拘束していた。それを見ただけで笑いそうになるが耐える。
扉に近づいて手を上げ、自身の結んだ口に人差し指をあてる。それから指を下に向け回し、近衛に扉を少し開けろと合図を送る。
「…、ぁ…あ…ぁいい…もっと…舐め…て…イリヤ」
艶を持ったかすれた娘の声を聞いたマイル公爵の体が動いたが、俺は腕を掴んで止める。
「お嬢様…こんなに濡らして…ほら…もっと足を広げて…自分で持ってくださらないと」
「イリヤっ…吸って!ん…あ!ぁぁイく!」
「イったね…さあ…僕の陰茎を舐めて…ああ…入れたいけど我慢だね…純潔は散らせない」
マイル公爵は自身の終わりを悟ったろうが俺はもう少し聞くかと思い、隙間から聞こえる声に耳を傾ける。
「イリヤの…大きい…」
「リリアーナ…僕を見て…頭を動かして…上手…ああ…」
なにをしているのか言葉を聞けば容易く想像できてマイル公爵をちらと見れば、こちらも想像通りの顔をしていた。
俺は腕を下げ、頭を傾けて扉を開けさせた。
案の定、祝賀会で着ていたドレスを乱し、男の陰茎を口に含んだリリアーナの後ろ姿が目に入った。薄暗い部屋でもいくつも置かれた蝋燭の明かりのおかげで男の顔もよく見える。
静かに開けられた扉にリリアーナは気づかず、懸命に頭を振り、娼婦のように奉仕を続けている。寝台に座り快楽を味わっていた男は突然開かれた扉に体を強ばらせ、呼吸も止めたようにこちらを凝視している。
俺は両手を打ち鳴らし音を立てる。淫らな水音がその音に消され、驚いたリリアーナは悲鳴を上げた。
「どうやったら陰茎を含んだまま叫べる?器用な娘を持ったな、マイル公爵。さて、聞こうか?リリアーナ」
「いやー!お父様!どうして…殿下が…」
床に尻餅をついて、後ろへ下がっていくリリアーナを扉から動かず見つめる。
近衛に手を振り、窓へ向かって逃げ出そうとする男を捕らえさせる。
「知っている男か?」
「当家に属する家門の男です」
「貴族だと?見たことがない男だ」
「…下位貴族の三男です。当家には勉強をしにきております」
「…面白い勉強だな。私は令嬢の閨の作法は母親がすると思っていた。勘違いだったか?」
頭を下げたままマイル公爵は答える。
「殿下の勘違いではありません。申し訳ありません。どんな沙汰でも…」
リリアーナは手を口にあてて声を出さずにいることしかできないようだった。祝賀会で着ていた衣装のまま男を自室へ連れ込み、始めたであろう淫らな時間。胸ははだけ、足は膝まで晒していても隠すこともできずに、目に映る事実に震えている。
「…お父様…イリヤに無理矢理…」
リリアーナの嘘を吐く小さな声は届いたはずだが、マイル公爵は俺に向かって頭を下げたまま動かない。
「さて、どうする…陛下に伝えなくては。大臣らにも説明しなくてはならない。婚約破棄の原因をこのまま伝えるか?それとも…」
マイル公爵は絶望を感じているだろうな。どれだけの賠償が発生するか…宰相なのだから一番理解しているだろう。
時間をかけて選んだ婚約者候補から婚約者になるまでの俺の数年が無駄になった。元婚約者候補の令嬢はすでに高位貴族令息と婚約をしている。王家にまた婚約者探しをさせることを自分の娘のせいで行わなくてはならないなら頭も上がらないか。
ふらつくマイル公爵の耐える姿を見下ろす。
黒い髪に白い色が混ざった頭を見ながら思うことは面倒くさい…だ。婚約者の選び直しなどうんざりだったが、リリアーナを許すことはできない。視線を移し、未だ絨毯の上でうずくまるリリアーナを見る。
王家の馬車が夜の街道を走り、豪華な門を潜る。
「殿下!なぜ…何かありましたか?」
数時間前に別れたマイル公爵が豪華な衣装から着替えた姿で、馬車から降りる俺を出迎えた。
「声を落としてくれ。リリアーナの顔色が悪かっただろう?心配になった」
マイル公爵家の使用人に聞こえないように耳打ちをして黙らせてからライドを呼び小声で命じる。
「二名、足音を消してリリアーナの部屋」
後ろに控えていた近衛が動き走り出す。それを目で追うマイル公爵は娘が何か仕出かしたかと悟った表情になり、近衛の姿を不安そうに見ている。
祝賀会でいつものようにリリアーナに接した俺と無事の帰還を喜んで涙ぐむ娘をマイル公爵は見ている。婚約して数年、リリアーナの教育が終わり次第、婚姻をする予定…だったが…
俺のリリアーナを心配しているという言葉のわりにただならぬ雰囲気を感じたのか、宰相を勤めるマイル公爵は震え始めた。
「公爵、行こうか。決して邪魔をするな」
マイル公爵は俺の言葉に頷き、目的の部屋へ向かい後ろを歩いて続く。
部屋の扉の前には近衛が一名立ち、もう一人はリリアーナの侍女の口を押さえて拘束していた。それを見ただけで笑いそうになるが耐える。
扉に近づいて手を上げ、自身の結んだ口に人差し指をあてる。それから指を下に向け回し、近衛に扉を少し開けろと合図を送る。
「…、ぁ…あ…ぁいい…もっと…舐め…て…イリヤ」
艶を持ったかすれた娘の声を聞いたマイル公爵の体が動いたが、俺は腕を掴んで止める。
「お嬢様…こんなに濡らして…ほら…もっと足を広げて…自分で持ってくださらないと」
「イリヤっ…吸って!ん…あ!ぁぁイく!」
「イったね…さあ…僕の陰茎を舐めて…ああ…入れたいけど我慢だね…純潔は散らせない」
マイル公爵は自身の終わりを悟ったろうが俺はもう少し聞くかと思い、隙間から聞こえる声に耳を傾ける。
「イリヤの…大きい…」
「リリアーナ…僕を見て…頭を動かして…上手…ああ…」
なにをしているのか言葉を聞けば容易く想像できてマイル公爵をちらと見れば、こちらも想像通りの顔をしていた。
俺は腕を下げ、頭を傾けて扉を開けさせた。
案の定、祝賀会で着ていたドレスを乱し、男の陰茎を口に含んだリリアーナの後ろ姿が目に入った。薄暗い部屋でもいくつも置かれた蝋燭の明かりのおかげで男の顔もよく見える。
静かに開けられた扉にリリアーナは気づかず、懸命に頭を振り、娼婦のように奉仕を続けている。寝台に座り快楽を味わっていた男は突然開かれた扉に体を強ばらせ、呼吸も止めたようにこちらを凝視している。
俺は両手を打ち鳴らし音を立てる。淫らな水音がその音に消され、驚いたリリアーナは悲鳴を上げた。
「どうやったら陰茎を含んだまま叫べる?器用な娘を持ったな、マイル公爵。さて、聞こうか?リリアーナ」
「いやー!お父様!どうして…殿下が…」
床に尻餅をついて、後ろへ下がっていくリリアーナを扉から動かず見つめる。
近衛に手を振り、窓へ向かって逃げ出そうとする男を捕らえさせる。
「知っている男か?」
「当家に属する家門の男です」
「貴族だと?見たことがない男だ」
「…下位貴族の三男です。当家には勉強をしにきております」
「…面白い勉強だな。私は令嬢の閨の作法は母親がすると思っていた。勘違いだったか?」
頭を下げたままマイル公爵は答える。
「殿下の勘違いではありません。申し訳ありません。どんな沙汰でも…」
リリアーナは手を口にあてて声を出さずにいることしかできないようだった。祝賀会で着ていた衣装のまま男を自室へ連れ込み、始めたであろう淫らな時間。胸ははだけ、足は膝まで晒していても隠すこともできずに、目に映る事実に震えている。
「…お父様…イリヤに無理矢理…」
リリアーナの嘘を吐く小さな声は届いたはずだが、マイル公爵は俺に向かって頭を下げたまま動かない。
「さて、どうする…陛下に伝えなくては。大臣らにも説明しなくてはならない。婚約破棄の原因をこのまま伝えるか?それとも…」
マイル公爵は絶望を感じているだろうな。どれだけの賠償が発生するか…宰相なのだから一番理解しているだろう。
時間をかけて選んだ婚約者候補から婚約者になるまでの俺の数年が無駄になった。元婚約者候補の令嬢はすでに高位貴族令息と婚約をしている。王家にまた婚約者探しをさせることを自分の娘のせいで行わなくてはならないなら頭も上がらないか。
ふらつくマイル公爵の耐える姿を見下ろす。
黒い髪に白い色が混ざった頭を見ながら思うことは面倒くさい…だ。婚約者の選び直しなどうんざりだったが、リリアーナを許すことはできない。視線を移し、未だ絨毯の上でうずくまるリリアーナを見る。
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