貴公子、淫獄に堕つ

桃山夜舟

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呪詛

巣※

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「ここは……っ」

 辺りを見回した真霧は、言葉を失った。
 薄暗い洞窟のような場所だ。
 だが、ただの洞窟と異なるのは壁も床も天井も、見渡す限り肉色の触手で覆われていることだった。 
 様々な大きさ、太さの触手がぬらぬらと蠢いている。

 どうやらここは触手の巣らしい。
 真っ暗闇ではないのは、触手一つ一つがじんわりと発光しているからのようで、それもまた薄気味悪い。

 大抵のことでは動じなくなった真霧も、さすがに呆気に取られ、怖気に肌を粟立たせた。
 だが、真霧の恐れなど素知らぬ風情で、それらは真霧に群がってきた。
 当然逃げ場はなく、あっという間に全身触手に絡みつかれてしまう。

「ひっ」

 触手たちは先端から粘液を吐き出しては、真霧の体に吐きかける。
 甘ったるい香りのそれは真霧の意識を濁らせ、衣を溶かしていく。
 露わになった肌の上を触手たちが好き勝手に這い回り出した。

「やめ……、あ、ああ……っ」

 まるでいくつもの舌に全身を舐め回されているようだ。
 触手は脇や内腿、両手両足の指の間にも入り込んで、ぴちゃぴちゃと水音を立てて舐めしゃぶる。

「ああ……っ」

 ぶつぶつとした凹凸のある触手に左右の胸の尖りを擦り上げられ、真霧はびくびくと身を震わせた。

「ひ、んっ、や……ぁっ、それ、だめえっ」

 粘液で濡れ、ツンと硬く立ち上がったそこに触手の凹凸が引っかかるのがたまらない。

「ああぁ……っ、だ、め、もう……っ、ああー……!」

 執拗に胸を刺激され続け、触手をまとわりつかせた足の先をきゅんと丸めながら、達してしまった。
 だが、一度の絶頂で解放されるはずもなく、胸に絡みつく触手はそのままに、別の触手が新たに伸びてきた。
 大きな舌のような平べったい形の触手だ。
 ざらついた表面にたっぷりと粘液をまとったそれが、真霧の脚の間を這う。

「ひうっ」

 根本から先端にかけてを大胆に舐めしゃぶられて、悲鳴じみた声が喉奥から漏れる。

「あぁ……っ、や……っ、う、んん……っ」

 竿の上を肉厚な舌が何度も行き来し、その直裁な刺激だけでもたまらないのに、胸の尖りも強く弱く擦られ続けている。
 胸からも下肢からも透明な蜜が溢れ出しては、触手に舐めとられていく。
 と、今度は蜜をこぼしながらぱくぱくひくつく花芯の先端に、藁のように細い触手が忍び寄った。

「ひ……っ!」

 つぷりと触手が侵入した。

「あ、くぅ、うぅっ」

 ここを犯されるのは初めてではない。
 それでも、本来、異物を受け入れることなどありえない場所への強烈すぎる刺激に、真霧は目を大きく見開き、身を震わせた。
 触手はすぐに穴の奥へと達し、放出を待っていた白蜜を吸い上げる。

「ひぃ……、ああ……っ、うう……ん……っ」

 がくがくと震える膝の下から、新たな触手が這い上がってきた。
 節くれだった男の指のようなそれは、すでに滴る粘液で濡れそぼっていた窄まりへ、ずぶりと入り込む。

「ああっ」

 触手はうねる内壁をかき分け、下腹の裏のしこりのようなところをそそけた先端で小刻みに突いた。

「やぁ……っ、あぁ……あっ」

 身の内の泣きどころを表裏から突かれ、あまりの快感に真霧は泣き喚いた。
 だが、啼泣の声は蠢く触手の壁に吸い込まれ、どこにも届かない。

「は……、あ……もう、やめ……っ」

 ずるりと、後孔の触手が抜けた。
 哀願が通じたのかと思ったが、そうではなかった。
 代わりに脚の間で鎌首にもたげたのは、幼子の腕ほどもある太い触手だった。
 人の陰茎のように笠が張っているばかりか、その下にも何段にもくびれがある。
 その生々しい形状にぞっと肌が粟立ち、無意識に体が逃げを打つ。

「あぁっ、やぁ……っ」

 だが、抵抗はあっけなく抑え込まれた。
 大量の触手が真霧の全身を包み込むように集まり、身動きを封じられる。
 人の手指のように複数に枝分かれした触手たちが、左右の尻たぶを引いて広げた。
 極太の触手の雁首が、蕾に押し付けられる。

「ああ──っ!」

 腹の奥まで一息に貫かれた。

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