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第1章 幼年期
第4話 おねしょ
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こっちの世界に来てから約2年が経ち、俺も晴れて二歳になった。俺がこっちの世界に転生してきた時、俺が生後何カ月かは分かってないのだが、俺がダンジョンで見つかった日を誕生日として育てられてきた。
「グラリス、誕生日おめでとう」
「おめでとう、グラリス」
「おめでとうございます。グラリス様」
子ども用のケーキが用意され、俺の誕生日パーティが始まった。
「ママすき。パパすき。えいみぃすき!」
こんな感じに二歳にもなると二語文ではあるが話せるようになってきた。まだお母さん、お父さんなどはレベルが足りてなくまだ話せない。
更には二足歩行も確立され始めた。まだ安定はしていないが小走りくらいはできるまで成長した。
人ってこんなにすぐ成長するんだなぁ。物心着いて赤ちゃんを過ごすとかなりそう感じる。
この二年間、大して変わった事はなかったが、一歳を過ぎた頃から寝る前に沢山本を読み聞かせてくれるようになった。
あの日以来、興味本位で何度か書斎に出向いていたのだが、ある時、それがエイミーに見つかってしまった。
お母さんに「本を読みたそうにしています!」と伝えられ、「うちの子は天才なのかしら」と、ありとあらゆる本を読んできてもらった。
魔法の使い方や、それを使う為に必要な魔力の話。魔力は人それぞれで、多ければ多いほどより多くの、より強力な魔法が使う事ができる。
人の魔力量は先天的な物と後天的な物もあり、生まれつき魔力量が多い人少ない人、使えば使う程沢山増える人そんなに増えない人、という感じに差が生まれるらしい。
また、魔力には種類があって、火、水、風、雷、闇、地、などその他多くの属性があり、それを魔力属性と呼ぶらしい。その属性にちなんだ魔法が使えるのだとか。
魔力属性は四歳になると発現するらしいからまぁ気長に待つとしよう。魔法が使えるなら俺は何属性でも大歓迎だ!
でも魔力が発生しない場合もあるらしいからそこはちょっと怖い点ではある。
その他にもこの世界は中央大陸、熱大陸、寒大陸の三つの大陸があるという事。俺が住んでいるのは一番生活のしやすい中央大陸だ。
さらには力で世界を治め恐れられていた魔王が存在していたと言う事。ちなみにその魔王はある勇者によって300年前に殺されたらしい。
そして最後に、額に三日月のような宝石が埋まっている種族がいるらしい。
そいつらに関わると食べられてしまうらしい。
……まぁこれに関してはあんまり信じて居ないけどな。
他にも色んな事を本から学ぶ事ができた。毎晩読み聞かせしてくれてありがとうお母さんandエイミー。
「グラリス様! どんどん食べてくださいね!」
お母さんが作ったケーキは死ぬほど美味しかった。最近使えるようになったフォークをうまく使い、無我夢中にケーキを食べ進めた。
こうして俺の誕生日パーティは幕を閉じた。
──────
パンパン……パンパン……パンパン……
「よ、よぉ。遅かったじゃねぇか」
やめろ……やめてくれ……もうやめてくれ!!
「ばぁ!?」
夢……か……。
最近あの地獄のような日々の夢を見るようになった。もう思い出したくもないあの悪夢のような人生。
いじめもろくに対処せず手に負えないワルは無視。いじめを見てもただのじゃれ合いだと言って教室に返される。
そしてクラスの人たちはありもしない噂をすぐに信じる。
世の中良い人なんかほとんど居ない。少なからず俺の周りには……俺の……周り……か……。
俺は小さい瞳から大量の涙が溢れ出てきた。わんわん泣いた。まるで子どものように。いや、見かけは子どもなのか。
彼女の存在。1番大切で1番信頼していた彼女。
正直、今どう考えたって何も起きないし、俺のためにもならない。
でも……でも。いくら思い出しても辛かった。
その涙は悲しさか虚しさか何かよくわからなかった。でもその涙は止まらなかった。
「グラリス様! どうされたのですか!」
泣き声に気付いたエイミーが俺のいる部屋まで駆けつけてくれた。
俺はそれでも涙を止めることが出来なかった。子どもだからか、それとも……いや、考えるのはもうやめにしよう。
でも。この傷はしっかり胸に刻んでおこう。
俺が正しい方向に迎えるために。
昔の俺を考えるのをやめた時、俺はあることに気が付いた。
「グラリス様……初めてのおねしょを!?!?」
そうだ。あまりの悪夢に俺の小さな膀胱は緩み、おねしょしてしまっていた。
寝ていたシーツには少し黄色かかったシミが俺の腰あたりから拡がっていた。
見た目は子どもだが中身は高校生だ。
おねしょというものには抵抗があった。
だから今まで意識的にオムツにしか用を足したことはなかった。それはそれで辛いものがあるのだがな……。
だが……おねしょをしない俺を見てお母さん達は寝る時のオムツを付けるのをつい最近やめたばかりであった。
「い、今すぐ着替えを用意しますので! お待ちくださいグラリス様!」
焦った様子のエイミーを見て涙が止んだ俺は急に恥ずかしさを覚えた。
……もう絶対におねしょはしない。
そして……こっちの世界で俺は地獄を見ないで最強になる。
今俺に出来ることは精一杯生きることだけだ。
そう心に決めた二歳の俺なのであった。
──────
初めてのおねしょから数ヶ月が経った。
俺は数ヶ月で目覚しい成長をした。二語文が三語文に進化したし、安定して走ることもできるようになった。
「エイミー、はっぱ、ある」
こんな感じに今ではエイミーを連れて外へ散歩に行くのが毎日の日課だ。やっとエイミーちゃんとお話が出来る。嬉しい限りだ。
俺はさっき言った植物の方へ走っていったその時、
ドテッ
痛たたたた……。
俺は小石につまずいて盛大に転んでしまった。
「グラリス様! 大丈夫ですか!」
エイミーは心配そうに走ってこっちに向かってきた。
擦りむいた膝を俺がさすっていると……あれ?
さっきまで擦りむいていた膝がみるみる元の状態へと回復して行った。
……魔法か? いやにしては早すぎる。聞いた話によれば四歳頃からって話だったからな。まさかの2歳半で魔力獲得!! 的な? 最強までもしかしてすぐなのか?
はははまさか……なんて考えていると
ドテッ!
俺が転んだ時よりも盛大に転んだ音が聞こえた。音が聞こえる方に顔を向けると……まぁ、思った通りだ。
「いてててて……グラリス様はご無事でしょうか……」
だから自分の心配を先にしなさい!
俺がこの家に来てからエイミーにはとてもお世話になっている。エイミー自身もかなり成長しているのが見て取れていた。だがこのドジな性格は治らないようだ。
「だいじょうぶ! えいみぃ、だいじょうぶ?」
「……は、はい! 私は大丈夫です!」
そう言ってエイミーはメイド服に付いた砂を払いこちらにまた向かってきた。
俺はまだ背が低く、しかも今はお尻を着いて座っている。さらに俺は今まだ二歳半。何をしても許される時……!
歩み寄ってくるエイミーのゆらゆら揺れるスカートの中にすかさず視線を向けた。……白だ。それだけでも大きな収穫だ。
ニヤけるのを我慢しエイミーの手を借り、立ち上がった。俺の目線はちょうどエイミーの膝辺りに来るのだが、エイミーの膝からさっき転んだ怪我だろうか、かなり擦りむけ、血が出ていた。
「えいみぃ、けが、してる」
俺がそう伝えると「大丈夫です!」と言って俺の頭を撫でてくれた。
「それにしてもグラリス様はお若いのに全然泣きませんね。これも天才だからでしょうか……」
そんなこと言ってるエイミーを横目に俺はエイミーの傷口に手を当てた。すると小さく輝き、瞬く間に傷口が塞がり、出血も止まった。
それに気が付いたエイミーは元傷口を何度も触り驚いたようにこっちを見てきた。
「……グラリス様……。やっぱりあなたは天才です!! 帰ったらすぐ報告しましょう!!」
何だかこれから凄いことになりそうだ。
「グラリス、誕生日おめでとう」
「おめでとう、グラリス」
「おめでとうございます。グラリス様」
子ども用のケーキが用意され、俺の誕生日パーティが始まった。
「ママすき。パパすき。えいみぃすき!」
こんな感じに二歳にもなると二語文ではあるが話せるようになってきた。まだお母さん、お父さんなどはレベルが足りてなくまだ話せない。
更には二足歩行も確立され始めた。まだ安定はしていないが小走りくらいはできるまで成長した。
人ってこんなにすぐ成長するんだなぁ。物心着いて赤ちゃんを過ごすとかなりそう感じる。
この二年間、大して変わった事はなかったが、一歳を過ぎた頃から寝る前に沢山本を読み聞かせてくれるようになった。
あの日以来、興味本位で何度か書斎に出向いていたのだが、ある時、それがエイミーに見つかってしまった。
お母さんに「本を読みたそうにしています!」と伝えられ、「うちの子は天才なのかしら」と、ありとあらゆる本を読んできてもらった。
魔法の使い方や、それを使う為に必要な魔力の話。魔力は人それぞれで、多ければ多いほどより多くの、より強力な魔法が使う事ができる。
人の魔力量は先天的な物と後天的な物もあり、生まれつき魔力量が多い人少ない人、使えば使う程沢山増える人そんなに増えない人、という感じに差が生まれるらしい。
また、魔力には種類があって、火、水、風、雷、闇、地、などその他多くの属性があり、それを魔力属性と呼ぶらしい。その属性にちなんだ魔法が使えるのだとか。
魔力属性は四歳になると発現するらしいからまぁ気長に待つとしよう。魔法が使えるなら俺は何属性でも大歓迎だ!
でも魔力が発生しない場合もあるらしいからそこはちょっと怖い点ではある。
その他にもこの世界は中央大陸、熱大陸、寒大陸の三つの大陸があるという事。俺が住んでいるのは一番生活のしやすい中央大陸だ。
さらには力で世界を治め恐れられていた魔王が存在していたと言う事。ちなみにその魔王はある勇者によって300年前に殺されたらしい。
そして最後に、額に三日月のような宝石が埋まっている種族がいるらしい。
そいつらに関わると食べられてしまうらしい。
……まぁこれに関してはあんまり信じて居ないけどな。
他にも色んな事を本から学ぶ事ができた。毎晩読み聞かせしてくれてありがとうお母さんandエイミー。
「グラリス様! どんどん食べてくださいね!」
お母さんが作ったケーキは死ぬほど美味しかった。最近使えるようになったフォークをうまく使い、無我夢中にケーキを食べ進めた。
こうして俺の誕生日パーティは幕を閉じた。
──────
パンパン……パンパン……パンパン……
「よ、よぉ。遅かったじゃねぇか」
やめろ……やめてくれ……もうやめてくれ!!
「ばぁ!?」
夢……か……。
最近あの地獄のような日々の夢を見るようになった。もう思い出したくもないあの悪夢のような人生。
いじめもろくに対処せず手に負えないワルは無視。いじめを見てもただのじゃれ合いだと言って教室に返される。
そしてクラスの人たちはありもしない噂をすぐに信じる。
世の中良い人なんかほとんど居ない。少なからず俺の周りには……俺の……周り……か……。
俺は小さい瞳から大量の涙が溢れ出てきた。わんわん泣いた。まるで子どものように。いや、見かけは子どもなのか。
彼女の存在。1番大切で1番信頼していた彼女。
正直、今どう考えたって何も起きないし、俺のためにもならない。
でも……でも。いくら思い出しても辛かった。
その涙は悲しさか虚しさか何かよくわからなかった。でもその涙は止まらなかった。
「グラリス様! どうされたのですか!」
泣き声に気付いたエイミーが俺のいる部屋まで駆けつけてくれた。
俺はそれでも涙を止めることが出来なかった。子どもだからか、それとも……いや、考えるのはもうやめにしよう。
でも。この傷はしっかり胸に刻んでおこう。
俺が正しい方向に迎えるために。
昔の俺を考えるのをやめた時、俺はあることに気が付いた。
「グラリス様……初めてのおねしょを!?!?」
そうだ。あまりの悪夢に俺の小さな膀胱は緩み、おねしょしてしまっていた。
寝ていたシーツには少し黄色かかったシミが俺の腰あたりから拡がっていた。
見た目は子どもだが中身は高校生だ。
おねしょというものには抵抗があった。
だから今まで意識的にオムツにしか用を足したことはなかった。それはそれで辛いものがあるのだがな……。
だが……おねしょをしない俺を見てお母さん達は寝る時のオムツを付けるのをつい最近やめたばかりであった。
「い、今すぐ着替えを用意しますので! お待ちくださいグラリス様!」
焦った様子のエイミーを見て涙が止んだ俺は急に恥ずかしさを覚えた。
……もう絶対におねしょはしない。
そして……こっちの世界で俺は地獄を見ないで最強になる。
今俺に出来ることは精一杯生きることだけだ。
そう心に決めた二歳の俺なのであった。
──────
初めてのおねしょから数ヶ月が経った。
俺は数ヶ月で目覚しい成長をした。二語文が三語文に進化したし、安定して走ることもできるようになった。
「エイミー、はっぱ、ある」
こんな感じに今ではエイミーを連れて外へ散歩に行くのが毎日の日課だ。やっとエイミーちゃんとお話が出来る。嬉しい限りだ。
俺はさっき言った植物の方へ走っていったその時、
ドテッ
痛たたたた……。
俺は小石につまずいて盛大に転んでしまった。
「グラリス様! 大丈夫ですか!」
エイミーは心配そうに走ってこっちに向かってきた。
擦りむいた膝を俺がさすっていると……あれ?
さっきまで擦りむいていた膝がみるみる元の状態へと回復して行った。
……魔法か? いやにしては早すぎる。聞いた話によれば四歳頃からって話だったからな。まさかの2歳半で魔力獲得!! 的な? 最強までもしかしてすぐなのか?
はははまさか……なんて考えていると
ドテッ!
俺が転んだ時よりも盛大に転んだ音が聞こえた。音が聞こえる方に顔を向けると……まぁ、思った通りだ。
「いてててて……グラリス様はご無事でしょうか……」
だから自分の心配を先にしなさい!
俺がこの家に来てからエイミーにはとてもお世話になっている。エイミー自身もかなり成長しているのが見て取れていた。だがこのドジな性格は治らないようだ。
「だいじょうぶ! えいみぃ、だいじょうぶ?」
「……は、はい! 私は大丈夫です!」
そう言ってエイミーはメイド服に付いた砂を払いこちらにまた向かってきた。
俺はまだ背が低く、しかも今はお尻を着いて座っている。さらに俺は今まだ二歳半。何をしても許される時……!
歩み寄ってくるエイミーのゆらゆら揺れるスカートの中にすかさず視線を向けた。……白だ。それだけでも大きな収穫だ。
ニヤけるのを我慢しエイミーの手を借り、立ち上がった。俺の目線はちょうどエイミーの膝辺りに来るのだが、エイミーの膝からさっき転んだ怪我だろうか、かなり擦りむけ、血が出ていた。
「えいみぃ、けが、してる」
俺がそう伝えると「大丈夫です!」と言って俺の頭を撫でてくれた。
「それにしてもグラリス様はお若いのに全然泣きませんね。これも天才だからでしょうか……」
そんなこと言ってるエイミーを横目に俺はエイミーの傷口に手を当てた。すると小さく輝き、瞬く間に傷口が塞がり、出血も止まった。
それに気が付いたエイミーは元傷口を何度も触り驚いたようにこっちを見てきた。
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