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第1章
第7話 ハプニング
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「なにこれ! 甘くて美味しい!」
俺は遅刻した償いとして、巨大パフェを奢った。パクパクと食べるケイトにひたすら、昨日からあったことを話した。
ケイトとにはちゃんと隠れて魔法の練習をしていることも伝えた。
「それで……全く使えなくてさ」
「なーに、多分心配することないよ! 私の治癒魔法だってたまたまお母さんの怪我直そうと思ってできるようになったんだから」
こんな会話大声でしていいものなのかとも思ったが、まぁ、何も言われてないし大丈夫か。
俺もたまたま使えるようになるのかなぁ……
あ、あと、えっと……なんて言ったっけあの人……
あの大男にもちゃんと教えてもらおう。もし明日来てくれるのであれば……
「まぁ、なにより。またバッド君が会ってくれて嬉しいし、安心したよ」
「本当に申し訳ございませんでした!」
俺は机に向かって、深々と頭を下げた。
でも本当に間に合ってよかった。こんなところで疎遠にでもなってしまってたらと思うと……バッドエンドまっしぐらだ。
「まったく、浮気でもしてるのかと思ったよ」
「えあ!! ……ご、ごめん!!」
俺は"浮気"という言葉に過剰に反応してしまい、ビクリと身体を跳ねさせてしまった。
その時、膝が机に当たってしまい盛大にコップから水がこぼれてしまった。
「濡れてない? 大丈夫? ……ってごめんなさい」
前回あった時よりもカジュアルになったケイト服にほとんどこぼれた水がかかっていた。
「私は大丈夫だけど……この後どうしよう……」
あーーー! どうしようどうしよう!!!
嫌われたかな? 怒ってるかな!? どうしたらいいのかな!?!?
……そ、そうだ!!!
「ごめん! 服濡れちゃってるし申し訳ないからケイトがもし良かったら……」
☆☆☆
「あら~いらっしゃい! ゆっくりしていってね~。お母さん今日おやすみ貰ったけど急に買い物行きたくなっちゃったわ~。晩ご飯までには帰ってくるからね~」
どうしてこうなった。
そう。ここは俺の家だ。とっさに思いついた策がこれだった。
あの時の俺はどうにかしないと、という気持ちでいっぱいだった。これが最善だと思った。
でも普通に考えろ。出会ってまだ数日で家呼ぶ馬鹿いるか? いーやいない。少なくとも1ヶ月は必要だ。
「お母さん……元気な人なんだね……」
「ま、まぁね……」
気まずそうにするケイトを見ると、既にもう服は乾いていた。
何しに来たんだよまじ……
「と、とりあえず服洗濯しちゃうからこれに着替えて貰ってもいいかな。洗濯カゴにいれといてくれたら勝手に洗われるから。俺は部屋で待ってるね」
そう言って、適当に取ってきたお母さんの部屋着を渡し、ササッと自分の部屋へと入って行った。
ベッドにパタンっ、と倒れ込んだ俺は考える。
「どうしよう」
本日何度目のどうしようだ。よくよく考えてみたら今日の一日濃すぎるな……
「……もう嫌われたらしょうがないか」
俺はフッ、と起き上がり部屋の片付けを始めた。
リビングでくつろぐつもりだが、念の為綺麗にしておこう。
部屋に散らかった服やゴミなどを適当にポイポイと片ずける。
ん? 部屋汚いのかって? そんな事ないさ。だって汚かったらポイポイじゃ綺麗にならないだろ?
と、まぁそんなことはどうでも良くて。とりあえずこれくらいでいいかな……
その時だった。
ガチャ
「バッド君……?」
ケイトの着替えが終わり、俺の部屋のドアを外から開け、顔だけ出して俺の名前を呼んだ。
まじかよ! こっち来るのかよ!
確かにさっき何も言わなかったから……そういうことになっちゃってるのか……
「け、ケイト! こ、こっちで良いなら全然入ってきてもいいよ!」
「それは良いんだけど……ちょっと色々あって……」
なんだろう。その色々とは。
まぁ、俺の部屋でも良いのならとりあえず入れてから話そう。
「まぁ、とりあえず部屋入りなよ……」
俺はなかなか開かないドアを開けた。
「あ、ちょ、待って!」
もう遅かった。
ドアの先にいたケイトは恥ずかしそうに左手で胸元を隠していた。
俺は何も考えず凝視してしまう。
広く開いた首元、片方の肩からは服がずり落ちていた。
ズボンもぶかぶかなようで、左手で抑えていたが、ほぼ履いてないも同然だった。
右手で胸元を隠し、左手でズボンを抑える彼女の白い下着は、上も下も丸見えであった。
その時やっと俺は気がついた。
渡した部屋着がお父さんのものだったということを。
「バッド君の……馬鹿……」
顔を真っ赤にするケイトを見て、焦りと驚きの感情を押し殺し、何も言わずすぐさま、ケイトを部屋に入れ、俺は部屋を出てドアをバタンっ! と閉めた。
やってしまった……全部良くない方向に進んでる……
よりによってなんでお父さんのと間違えるんだよ! 俺のだったらまだサイズ感……ってもうそんなこと考えても遅いよ!
とぼとぼとリビングへと向かい、お母さんの部屋へとはいる。
「今回はちゃんとあってるよな……」
また、とぼとぼと俺の部屋へと戻り小さくドアを開け、部屋着を投げ入れた。
その時俺は小さく「ごめんなさい……」と伝え、部屋の前で体育座りをした。
……本当に何してるんだよ俺。
見ればわかっただろ!! 明らかにサイズ感違っただろ!!
リビングに置いてあった適当なのにしなければ良かったのか……
今日はハプニングだらけだ。しかも全部俺のせい。
でも、まぁ……後悔は……してないなぁ……
って何考えてんだよ!! 忘れろそんなこと!! 下着が白だったってこともだ!!
その時だった。
「バッド君。ちょっと入ってきてくれる」
暗い声のケイトに、俺は呼び出された。俺は全てを受け入れ、部屋へと入った。
俺は遅刻した償いとして、巨大パフェを奢った。パクパクと食べるケイトにひたすら、昨日からあったことを話した。
ケイトとにはちゃんと隠れて魔法の練習をしていることも伝えた。
「それで……全く使えなくてさ」
「なーに、多分心配することないよ! 私の治癒魔法だってたまたまお母さんの怪我直そうと思ってできるようになったんだから」
こんな会話大声でしていいものなのかとも思ったが、まぁ、何も言われてないし大丈夫か。
俺もたまたま使えるようになるのかなぁ……
あ、あと、えっと……なんて言ったっけあの人……
あの大男にもちゃんと教えてもらおう。もし明日来てくれるのであれば……
「まぁ、なにより。またバッド君が会ってくれて嬉しいし、安心したよ」
「本当に申し訳ございませんでした!」
俺は机に向かって、深々と頭を下げた。
でも本当に間に合ってよかった。こんなところで疎遠にでもなってしまってたらと思うと……バッドエンドまっしぐらだ。
「まったく、浮気でもしてるのかと思ったよ」
「えあ!! ……ご、ごめん!!」
俺は"浮気"という言葉に過剰に反応してしまい、ビクリと身体を跳ねさせてしまった。
その時、膝が机に当たってしまい盛大にコップから水がこぼれてしまった。
「濡れてない? 大丈夫? ……ってごめんなさい」
前回あった時よりもカジュアルになったケイト服にほとんどこぼれた水がかかっていた。
「私は大丈夫だけど……この後どうしよう……」
あーーー! どうしようどうしよう!!!
嫌われたかな? 怒ってるかな!? どうしたらいいのかな!?!?
……そ、そうだ!!!
「ごめん! 服濡れちゃってるし申し訳ないからケイトがもし良かったら……」
☆☆☆
「あら~いらっしゃい! ゆっくりしていってね~。お母さん今日おやすみ貰ったけど急に買い物行きたくなっちゃったわ~。晩ご飯までには帰ってくるからね~」
どうしてこうなった。
そう。ここは俺の家だ。とっさに思いついた策がこれだった。
あの時の俺はどうにかしないと、という気持ちでいっぱいだった。これが最善だと思った。
でも普通に考えろ。出会ってまだ数日で家呼ぶ馬鹿いるか? いーやいない。少なくとも1ヶ月は必要だ。
「お母さん……元気な人なんだね……」
「ま、まぁね……」
気まずそうにするケイトを見ると、既にもう服は乾いていた。
何しに来たんだよまじ……
「と、とりあえず服洗濯しちゃうからこれに着替えて貰ってもいいかな。洗濯カゴにいれといてくれたら勝手に洗われるから。俺は部屋で待ってるね」
そう言って、適当に取ってきたお母さんの部屋着を渡し、ササッと自分の部屋へと入って行った。
ベッドにパタンっ、と倒れ込んだ俺は考える。
「どうしよう」
本日何度目のどうしようだ。よくよく考えてみたら今日の一日濃すぎるな……
「……もう嫌われたらしょうがないか」
俺はフッ、と起き上がり部屋の片付けを始めた。
リビングでくつろぐつもりだが、念の為綺麗にしておこう。
部屋に散らかった服やゴミなどを適当にポイポイと片ずける。
ん? 部屋汚いのかって? そんな事ないさ。だって汚かったらポイポイじゃ綺麗にならないだろ?
と、まぁそんなことはどうでも良くて。とりあえずこれくらいでいいかな……
その時だった。
ガチャ
「バッド君……?」
ケイトの着替えが終わり、俺の部屋のドアを外から開け、顔だけ出して俺の名前を呼んだ。
まじかよ! こっち来るのかよ!
確かにさっき何も言わなかったから……そういうことになっちゃってるのか……
「け、ケイト! こ、こっちで良いなら全然入ってきてもいいよ!」
「それは良いんだけど……ちょっと色々あって……」
なんだろう。その色々とは。
まぁ、俺の部屋でも良いのならとりあえず入れてから話そう。
「まぁ、とりあえず部屋入りなよ……」
俺はなかなか開かないドアを開けた。
「あ、ちょ、待って!」
もう遅かった。
ドアの先にいたケイトは恥ずかしそうに左手で胸元を隠していた。
俺は何も考えず凝視してしまう。
広く開いた首元、片方の肩からは服がずり落ちていた。
ズボンもぶかぶかなようで、左手で抑えていたが、ほぼ履いてないも同然だった。
右手で胸元を隠し、左手でズボンを抑える彼女の白い下着は、上も下も丸見えであった。
その時やっと俺は気がついた。
渡した部屋着がお父さんのものだったということを。
「バッド君の……馬鹿……」
顔を真っ赤にするケイトを見て、焦りと驚きの感情を押し殺し、何も言わずすぐさま、ケイトを部屋に入れ、俺は部屋を出てドアをバタンっ! と閉めた。
やってしまった……全部良くない方向に進んでる……
よりによってなんでお父さんのと間違えるんだよ! 俺のだったらまだサイズ感……ってもうそんなこと考えても遅いよ!
とぼとぼとリビングへと向かい、お母さんの部屋へとはいる。
「今回はちゃんとあってるよな……」
また、とぼとぼと俺の部屋へと戻り小さくドアを開け、部屋着を投げ入れた。
その時俺は小さく「ごめんなさい……」と伝え、部屋の前で体育座りをした。
……本当に何してるんだよ俺。
見ればわかっただろ!! 明らかにサイズ感違っただろ!!
リビングに置いてあった適当なのにしなければ良かったのか……
今日はハプニングだらけだ。しかも全部俺のせい。
でも、まぁ……後悔は……してないなぁ……
って何考えてんだよ!! 忘れろそんなこと!! 下着が白だったってこともだ!!
その時だった。
「バッド君。ちょっと入ってきてくれる」
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