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問
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しばらくは彼女のことが気になり、色々なことを試してみたが全て失敗に終わった。
話しかけても、目の前に立ち塞がっても彼女は一切反応を見せなかった。彼女には僕が見えていないのかもしれない。
それから僕は、無反応の彼女相手に日々の不満を口にするようになった。彼女には僕が見えていないと思うと、安心して愚痴をこぼすことが出来たのだ。
彼女は僕にとって、なくてはならない存在になった。そこに愛なんて綺麗なものがあったとは思わないが、そう思わせる程の魅力が彼女にはあった。
僕は彼女について知りたくなった。
彼女はどこの誰なのか
なぜ僕の部屋に現れたのか
もっと知りたい。彼女について。
そんな僕の想いとは裏腹に、彼女は今日も沈黙を貫く。それが彼女の意思なのか、そうせざるを得ないのか、僕には知るよしもなかった。
僕は、彼女がいつも窓の外を眺めていることに何か意味があるのでは、と思い始めた。
窓の外に目を向けると病院が見えた。彼女はあの病院で亡くなったのだろうか。
そんな勝手な推測をしながら、いつの間にかその病院へと足を運んでいた。
不思議な気分だ。
初めて来たはずなのに、見覚えがある。
導かれるように病室に入る。
そこには彼女が眠っていた。
生きていたのか。
話しかけても、目の前に立ち塞がっても彼女は一切反応を見せなかった。彼女には僕が見えていないのかもしれない。
それから僕は、無反応の彼女相手に日々の不満を口にするようになった。彼女には僕が見えていないと思うと、安心して愚痴をこぼすことが出来たのだ。
彼女は僕にとって、なくてはならない存在になった。そこに愛なんて綺麗なものがあったとは思わないが、そう思わせる程の魅力が彼女にはあった。
僕は彼女について知りたくなった。
彼女はどこの誰なのか
なぜ僕の部屋に現れたのか
もっと知りたい。彼女について。
そんな僕の想いとは裏腹に、彼女は今日も沈黙を貫く。それが彼女の意思なのか、そうせざるを得ないのか、僕には知るよしもなかった。
僕は、彼女がいつも窓の外を眺めていることに何か意味があるのでは、と思い始めた。
窓の外に目を向けると病院が見えた。彼女はあの病院で亡くなったのだろうか。
そんな勝手な推測をしながら、いつの間にかその病院へと足を運んでいた。
不思議な気分だ。
初めて来たはずなのに、見覚えがある。
導かれるように病室に入る。
そこには彼女が眠っていた。
生きていたのか。
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