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本編

パロディーで世の中は回っている

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「いまさらだけど、この世の中はパロディーで回っている気がするの」
「はあ…」
 神田メイによる突然の意味不明発言にとりあえず返事をする。
 どうも、現場の現場の長月なつきです。
 つい先ほど、神田メイ氏によるメタ発言をも超える身も蓋もない発言について、真相はまだわかりませんがこれから問題発言をすることは間違いないようです。神田メイ氏は過去にも神の意向やキャラクターによる忖度など意味不明なことをのたまいており今回もそのうちの一つではないかとみられております。
 以上現場からでした。
「あーっ!信じてない感じだねその返事は」
 信じるも何も言っている意味がわからない訳でうんとも違うとも言えない。
「もはや思い出すことのできない程のパロディーが隠れているよ、この作品には」
 作品?とな。今そう言ったよね。間違いなく言ったよね。
「すでに、キャラ登場の時点からパロってるからね。ホントにひどいもんだよ」
「はあ…」
 よくわからない。
「ねえ、さっきからちゃんと私の話を聞いてるの?ちょうづきさん」
「非常に惜しい感じではあるのだけれど、しかし神田さん。とてもとても有名な鬼のお兄さんみたいないい感じにネタにしやすい名前と違って僕のはどちらかというとしにくいわけで、そんな中でただの音読みというのはどうだろう。そして、僕の名前はながつきだ」
 意外とツッコミは難しい。というか、長台詞を吐くのは得意じゃない。
「これは失礼、なつすきさん」
 あっ、仕切り直した。
「まったく違う面白い名前にならないのは悲しい限りだけど、しかし神田さん。僕を、短パンにタンクトップと虫取り網に麦藁帽が似合いそうなコテコテの…なんだったら家系ラーメンよりもコテコテの夏を連想させる名前で呼ばないでくれ。僕の下の名前はなつきだ」
「失礼、噛みました」
「違うわざとだ」
「申し訳ございません。パロディました」
「もはや、隠す気もない!?」
 いっちょあがり。納品完了。
「と、まあこんな感じでパロディが出来上がるわけですよ」
 しまった!やられた。
 だけど…
「だけど!それで世の中が回っているわけじゃない」
「チッチッチッ、それが残念ながらそうなんだなー」
「というと?」
 ここまでくると、どういうことか聞きたくなる。
「パロディーの本質はまねることで面白くするわけですよ」
 ほうほう。
「つまり、ある会社が成功した方法をまねて成果を出すこともパロディーなわけですよ」
「ちょっとなに言ってるかわかんないです」
「……」
 だって本当にわからないのだからしょうがない。
 お願いだから、残念な人を見る目で見ないで。
「だって、効率を上げるだけなら別に真似しなくてもいいでしょ」
 たしかに一理ある。
「つまり、自分たちを低位から脱出させて面白い状況に持っていきたいわけですよ。つまり…」
「つまリ……」
「パロディーは正義!パロディー万歳!だから、存分にパクっていこう」
「いやちょっと待って!そうはならないから」
「この理論が通るから大丈夫」
 と、現在著作権法違反の容疑がかかっている神田氏は「あれはパクリではない、リスペクトしているうえでまねているのだからパロディーだ」などと意味不明な供述を繰り返しており捕まるのも時間の問題だとされています。
 以上、心の声、長月なつきが現場からお送りしました。
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