炎上バブル

株式会社AZUSAという会社

　巷では、長時間労働の実態が注目され始めている。私の勤める会社も、悲しいがそのひとつである。長時間労働が日常化されている。

　ここ５か月間の私の残業時間の平均は１００時間である。１２０時間を超える月もあったが、部長命令で残業時間を短縮して申告するようになっているので、人事は私の本当の残業時間を知らない。まして、労働基準監督署員の方々も知るはずが無い。

　この会社は３６協定を結んでいる。だから長時間残業が許されている。協定で規定されているのを超えなければ残業し放題だ。けれど、だからといって１カ月の残業時間が１２０時間は１度も超えてはいけないらし。しかし私は何度か超えた。でも申告はしない。そういう約束であり、命令であるからだ。

　残業代は給料に上乗せされる。それはとても助かっているし、自身にも繋がっている。自分の頑張りが数字として反映されると、会社に認めてもらえたような気がするからだ。そして、今月も頑張ったんだ、と自分を労う事にもなる気がしている。

　でも、もう限界が近い。
　この会社に新卒入社して６年目となった。
　最近では長時間の残業に終わりの兆しが見えないし、２３時に退勤する生活が続いている。それにも関わらず、土曜日と祝日は出勤。酷いときは日曜日も出勤する。連勤になる。時々、あまりにも残業時間が多すぎるので、午前代休や午後代休となることがある。しかし、いくら半日勤務だとしても出勤は出勤である。これでは全く休んだ気にならない。心も体も休まらず、疲れももちろん取れない。

　でもこれが、この会社の本質であるのだ。

　のどかな街と知られる長野県。そして国宝である松本城もある松本市。
　
　私の勤め先である株式会社ＡＺＵＳＡは、先を天竜川につながる梓川が近くを流れる。

　ゆっくり進む川の流れとは裏腹に、車内は炎上中。