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第六章 宇津田姫
第16話 川の流れ
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返事をしようと顔を上げたヒミカの横にピョコンと頭が覗く。
「駄目だよ。五郎叔父の了解を取らないと」
トモだった。
「五郎叔父?もしや北条五郎時房殿のことでしょうか?」
「うん、そう。俺、京に向かう途中で五郎叔父に言われてんだもん。母上が誰かと結婚しそうになったら知らせろって」
「まぁ」
ヒミカは驚いて二の句が継げない。いつの間にそんなことを。
「でも北条五郎殿は鎌倉では?」
「今は京の六波羅に居るらしってミヤが言ってたから、六波羅に行けば多分会えるよ」
「ミヤ?」
「ほら、佐殿のお屋敷の飯炊きの子。祖母上と仲良しの。あの子が言っててん。六波羅に鎌倉からえらい綺麗な顔の武士が来はったって。光源氏みたいやわぁって女衆が覗き見しに押し掛けてるって噂」
「光源氏ですか。それはそれは。では、早速お会いして了解をいただいてきましょう」
「具親様、でも」
「まず北条時房殿のご了解を得てから、先程の続きをお話しさせてください」
ぐっと手を握られ、ヒミカは呑まれるようにして頷く。
「はい」
「じゃあ、俺がお供してやるよ」
トモの言葉に具親は顔を輝かせた。
「それは心強い。時房殿が光源氏なら、トモは柏木かな」
笑う具親にトモは口を尖らせる。
「柏木?俺、あいつ嫌い」
「じゃあ夕霧とか?」
「もっと嫌いだよ。大体さぁ、源氏物語なんて男の読むもんじゃない。俺は源為朝がいい」
「それは勇ましい。でも確かにその通りですね。では為朝公、宜しく頼みますよ」
そう言って二人は仲良く出掛けて行った。
時房に何と話をするのだろう?
ヒミカは落ち着かずに時を過ごすが、二人はなかなか戻らない。やがて夕刻になって、やっと戻った具親の頰は腫れていた。
「具親様、一体どうなされたのですか?」
問うたらトモが答えた。
「五郎叔父が一発殴らせろって言って殴ったんだ。小四郎兄上に殴られた分だからって」
「え」
確かに京に向かう前に三島大社の前でコシロ兄に殴られたとかいう話をしていたような記憶はあるけれど。
「でも、相手が佐殿じゃあ、しょんねぇ。小四郎兄上にもそう言っとくって言ってたよ。だから了解は得たってこと。だよね、佐殿?」
そう言ってトモは具親の背に飛び付いた。
「良かったぁ。これで遠慮せず佐殿の屋敷に居て、あのハァッてヤツとフカンて目を教えて貰えるね」
「おや、もしやトモは今まで遠慮してたのですか?」
「そりゃあ少しはね。でも佐殿が母上と結婚したら佐殿は俺の父上になるってことだろ?もう遠慮せずにこっちで遊べるじゃん」
ヒミカは苦笑して駆け回るトモを眺めた。連れて来た子らの中で一番年長のトモ。ヒミカや弟妹らを護ろうと責任を感じながら過ごしてきたのだろうと思うと申し訳なさと共に愛おしさが胸いっぱいに広がる。
トモは具親の背によじ登りながら聞いた。
「やけどさぁ、なして避けんとそのまま殴られたん?ほんまはかわせたやろ?」
具親はトモの両の膝裏を持って背におぶうとゆらゆらとあやすようにして揺さぶり始めた。
「え、佐殿?わぁ、俺、赤子じゃないって!下ろしてくれよ」
「元服するまでは子どもです」
「やけどさぁ」
「元服していつか大人になったらわかりますよ」
「え、何が?」
「男はたまに黙って殴られなあかん時もあるんどす。覚えておきなはれ」
「えー、やだよ!そんなん堪忍したってや」
「おやおや、京言葉が大分と混じり始めましたなぁ。やけど、そうゆうもんやで仕方あらへんのや」
「ちゃいますえ」
「え?」
「仕方あらへんやのうて、しょんないやねん」
「しょんない?」
「母上と結婚するなら覚えといて。母上の口癖だから」
「成る程。しょんないやねん、ですか」
「ちゃうわ、しょんないだけや」
「しょんないだけやどすか」
「ちゃうちゃう!」
「ちゃいますのんか?」
「そうや。ちゃいますのんや。えーと、何だっけ?」
「へぇ、何どしたかなぁ?」
多分にからかっているだろう具親に大真面目なトモ。微笑ましい二人の姿を見ながらヒミカは左手の薬指に巻いていた青い紐をそっと外して声をかけた。
「トモ、こちらへいらっしゃい」
トモを膝の上に座らせて、その髪を束ねている紐を外し、くしゃついた髪を丁寧に櫛けずると色褪せた紐で綺麗に結わえる。トモが元服する時には、鎌倉のコシロ兄の元へ戻ることになるだろう。そうしたら、この紐も鎌倉のコシロ兄の元へ帰るのだ。コシロ兄の母君の形見。
「おー、いてて。あの北条時房という方は、あんな美麗な顔でにっこりと美しく微笑みながら、思いっ切り遠慮なく殴ってくれましたよ。彼は前のご夫君の弟君なのですよね?貴女の義理の弟だったということですか」
「はい。でも彼はまだ三つくらいの年の頃から私に懐いてくれていたので、本当の弟のような存在です」
そう答えながら、冷やした布を具親の頬にあてがう。
「成る程。それは殴られて当たり前ですね。それにしても、鎌倉の方々にとって、佐殿、源頼朝公はとても大きな存在なのですね」
——佐殿。
「ええ」
ヒミカは頷いた。もっと生きていて欲しかった。護れなかった人。
でも彼はきっと彼のお役目を果たして眠りについたのだ。あとをアサ姫とコシロ兄と鎌倉の仲間たちに託して。そして自分にも。
この世に意味のないことなどない。全ては神のお計らい。素直に受け止めてまた次に渡していけばいい。川のように。
「駄目だよ。五郎叔父の了解を取らないと」
トモだった。
「五郎叔父?もしや北条五郎時房殿のことでしょうか?」
「うん、そう。俺、京に向かう途中で五郎叔父に言われてんだもん。母上が誰かと結婚しそうになったら知らせろって」
「まぁ」
ヒミカは驚いて二の句が継げない。いつの間にそんなことを。
「でも北条五郎殿は鎌倉では?」
「今は京の六波羅に居るらしってミヤが言ってたから、六波羅に行けば多分会えるよ」
「ミヤ?」
「ほら、佐殿のお屋敷の飯炊きの子。祖母上と仲良しの。あの子が言っててん。六波羅に鎌倉からえらい綺麗な顔の武士が来はったって。光源氏みたいやわぁって女衆が覗き見しに押し掛けてるって噂」
「光源氏ですか。それはそれは。では、早速お会いして了解をいただいてきましょう」
「具親様、でも」
「まず北条時房殿のご了解を得てから、先程の続きをお話しさせてください」
ぐっと手を握られ、ヒミカは呑まれるようにして頷く。
「はい」
「じゃあ、俺がお供してやるよ」
トモの言葉に具親は顔を輝かせた。
「それは心強い。時房殿が光源氏なら、トモは柏木かな」
笑う具親にトモは口を尖らせる。
「柏木?俺、あいつ嫌い」
「じゃあ夕霧とか?」
「もっと嫌いだよ。大体さぁ、源氏物語なんて男の読むもんじゃない。俺は源為朝がいい」
「それは勇ましい。でも確かにその通りですね。では為朝公、宜しく頼みますよ」
そう言って二人は仲良く出掛けて行った。
時房に何と話をするのだろう?
ヒミカは落ち着かずに時を過ごすが、二人はなかなか戻らない。やがて夕刻になって、やっと戻った具親の頰は腫れていた。
「具親様、一体どうなされたのですか?」
問うたらトモが答えた。
「五郎叔父が一発殴らせろって言って殴ったんだ。小四郎兄上に殴られた分だからって」
「え」
確かに京に向かう前に三島大社の前でコシロ兄に殴られたとかいう話をしていたような記憶はあるけれど。
「でも、相手が佐殿じゃあ、しょんねぇ。小四郎兄上にもそう言っとくって言ってたよ。だから了解は得たってこと。だよね、佐殿?」
そう言ってトモは具親の背に飛び付いた。
「良かったぁ。これで遠慮せず佐殿の屋敷に居て、あのハァッてヤツとフカンて目を教えて貰えるね」
「おや、もしやトモは今まで遠慮してたのですか?」
「そりゃあ少しはね。でも佐殿が母上と結婚したら佐殿は俺の父上になるってことだろ?もう遠慮せずにこっちで遊べるじゃん」
ヒミカは苦笑して駆け回るトモを眺めた。連れて来た子らの中で一番年長のトモ。ヒミカや弟妹らを護ろうと責任を感じながら過ごしてきたのだろうと思うと申し訳なさと共に愛おしさが胸いっぱいに広がる。
トモは具親の背によじ登りながら聞いた。
「やけどさぁ、なして避けんとそのまま殴られたん?ほんまはかわせたやろ?」
具親はトモの両の膝裏を持って背におぶうとゆらゆらとあやすようにして揺さぶり始めた。
「え、佐殿?わぁ、俺、赤子じゃないって!下ろしてくれよ」
「元服するまでは子どもです」
「やけどさぁ」
「元服していつか大人になったらわかりますよ」
「え、何が?」
「男はたまに黙って殴られなあかん時もあるんどす。覚えておきなはれ」
「えー、やだよ!そんなん堪忍したってや」
「おやおや、京言葉が大分と混じり始めましたなぁ。やけど、そうゆうもんやで仕方あらへんのや」
「ちゃいますえ」
「え?」
「仕方あらへんやのうて、しょんないやねん」
「しょんない?」
「母上と結婚するなら覚えといて。母上の口癖だから」
「成る程。しょんないやねん、ですか」
「ちゃうわ、しょんないだけや」
「しょんないだけやどすか」
「ちゃうちゃう!」
「ちゃいますのんか?」
「そうや。ちゃいますのんや。えーと、何だっけ?」
「へぇ、何どしたかなぁ?」
多分にからかっているだろう具親に大真面目なトモ。微笑ましい二人の姿を見ながらヒミカは左手の薬指に巻いていた青い紐をそっと外して声をかけた。
「トモ、こちらへいらっしゃい」
トモを膝の上に座らせて、その髪を束ねている紐を外し、くしゃついた髪を丁寧に櫛けずると色褪せた紐で綺麗に結わえる。トモが元服する時には、鎌倉のコシロ兄の元へ戻ることになるだろう。そうしたら、この紐も鎌倉のコシロ兄の元へ帰るのだ。コシロ兄の母君の形見。
「おー、いてて。あの北条時房という方は、あんな美麗な顔でにっこりと美しく微笑みながら、思いっ切り遠慮なく殴ってくれましたよ。彼は前のご夫君の弟君なのですよね?貴女の義理の弟だったということですか」
「はい。でも彼はまだ三つくらいの年の頃から私に懐いてくれていたので、本当の弟のような存在です」
そう答えながら、冷やした布を具親の頬にあてがう。
「成る程。それは殴られて当たり前ですね。それにしても、鎌倉の方々にとって、佐殿、源頼朝公はとても大きな存在なのですね」
——佐殿。
「ええ」
ヒミカは頷いた。もっと生きていて欲しかった。護れなかった人。
でも彼はきっと彼のお役目を果たして眠りについたのだ。あとをアサ姫とコシロ兄と鎌倉の仲間たちに託して。そして自分にも。
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