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第六章 宇津田姫
第12話 名前
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「構いませんよ」
返ってきた言葉にヒミカは顔を上げる。
「それで構いません。私にとって、貴女は出逢った時からそういう貴女で、そういう貴女に心惹かれたのですから。どうぞそのままで居て下さい」
——そのまま?
「でも」
言いかけたヒミカに軽く首を横に振って、具親は続けた。
「これは慈円殿が一条高能殿の所で聞いてきた話なのですが、一条殿の妻の一人に、比企殿にお味方した糟谷有季殿の妹君がいらしたそうで、その縁者が一条殿を頼って京にいるそうです。彼らが言うには、二代将軍である頼家公の長子は、比企氏が滅びた時に母か乳母に抱かれて逃げ延びたと。その後は行方知れずだったが、つい先日、攻め手の大将の江間義時が見つけ出して、家人のトウマだかトウゴだかいう男に刺し殺させたとのこと」
「え」
ヒミカは思わず隣の邸へと目を飛ばしてしまう。ヨリは、一幡君は生きて京に。ここに居るのに。
そして思い至る。コシロ兄は決着を付けてくれたのだ。もう二度と一幡君に目がいかないように。ヒミカに追手がかからないように。
具親はヒミカの視線を追うように隣の邸を見ながら口を開いた。
「ヨリ、ですね」
ヒミカは答えられずに、ただ黙って具親を見た。頼家の子だからヨリ。安易にそう呼んでいたことを僅か悔いるが、もう遅い。どうしよう。糟屋殿の縁者にヨリの話が伝わってしまったらヨリはどうなるのか。鎌倉に戻されるのか?それが彼にとって良いのか悪いのかヒミカには分からない。迷うヒミカの前で具親は続けた。
「ヨリは私が預かって、絵師である祖父に託そうと思っていますが、彼はその生き方を納得できるでしょうか?それとも鎌倉へ戻りたいと思うのでしょうか?」
ヒミカは具親を見上げた。
「どうして、そこまで」
「私は単に貴女の気持ちに添いたいだけです」
「でも私は」
「ええ、江間殿を思い続けていただいて構いませんと先程口にした通りです。どうぞ今のまま、妻の振りをして私を助けてください。私は今それ以上望んでいませんから」
「具親様……」
言葉が出て来ない。
有難う御座います、と頭を下げて隣の邸へと向かう。これでヨリは京で生きていける。目の前で殺された母を、縁者らのことを忘れることは出来ないだろう。でもそれでも生きていって欲しい。彼らの分も。
部屋の奥、小机に向かうヨリの背に話しかける。
「ヨリ、佐殿が貴方には絵の才があると仰っていました。絵師になるつもりはないかとお訊ねです。絵師になるには絵の勉強を熱心にせねばなりませんが、口を使わずとも筆で言いたいことを人に伝えることが出来るようになります。絵で人を喜ばせることが出来ます。辛いこともきっと沢山ありましょうが、もし貴方に絵を習う気があるのでしたら、佐殿にお願いしてみましょうか?佐殿の祖父上は絵師なのだそうです」
ヨリはヒミカを振り返り、今まで向かっていた紙を一枚、サッと取り上げてヒミカに見せた。そこに描かれていたのはトモとシゲ。そして二人に撫でられ、気持ち良さそうに目を瞑っている黒猫。あたたかで優しい幸せな光景にヒミカは目を細めた。目尻から一筋涙が溢れる。
「貴方は人を幸せにする絵師になれるわ」
ヨリは頷いて、にっこりと微笑んだ。アサ姫と頼家に少し似たメダカのような少し上がった目尻。その強くて真っ直ぐな眼差しで、見る者の心を捉える絵師になるだろうとヒミカは思った。
ある日、ヒミカが具親の屋敷にて小物を片付けていたら、トモが駆けて来て具親に纏わりついた。
「ねぇねぇ、佐殿。あれ教えてよ、あれ」
「あれ?」
「ほら、戸を撫で撫でしながら、ハッて中の何かを飛ばしたあれ!」
「ああ」
具親は立ち上がってトモの頭の上に手を置いた。
「教えるのは良いが、あれは容易ではないぞ。何の為に身につけたいのか、まずそこからだ」
「何の為?そんなの決まってら。強くなる為だよ」
「では、何の為に強くなりたいのかな?」
「父上と約束したんだ。母上やシゲ達を守るって」
具親は微笑むと襷をかけて庭へと下りた。あの踏み固められた地の上に立ち、息を整える。それから両掌をそっと前に出した。
——リン。
軽やかな鐘の音。どこからだろうと目をやれば、具親が差し出した手の前方の一本の木の枝に小さな鐘が掛かっていた。
「え、今の何?何もしてないじゃない」
「では、やってみますか?」
具親の立っていた位置にトモが立つ。
「ハァッ!」
トモも真似して両掌を前に押し出すが、何も音はしない。
「えいっ、やぁっ、とぉっ!」
掛け声をかけて手や足を突き出すが、やはり何も起きない。
——リン。
澄んだ音に眼をやれば、少し離れた所から具親が手を伸ばしていた。
「ええっ、今の何?風?狡いよ!俺も鳴らしたいのに!」
「では、先ず立ち方からです。大切なのは力を抜くこと」
「力を抜く?抜いたら立ってられないよ。ほら、蛸みたいに」
きゃははと笑って具親に絡み付くトモに目をやりながら、すっかり具親に懐いてしまったなと思う。トモも次の年明けには十二になる。元服はどうなるのだろうかと考えてから首を横に振った。忘れよう。考えるな。考えない方がいい。
「それでは私はそろそろ出かけてきます」
具親が庭から上がってくるのに合わせてヒミカが迎えに歩み寄った時、ドボンと音がした。
「トモ!」
トモが庭の池に落ちていた。慌てて庭に降りようとするヒミカを具親が上衣をサッと脱いでヒミカに投げ寄せて留めた。
「彼は泳ぎは?」
ヒミカは首を横に振る。
「湯を沸かしておいてください」
言うなり具親は池に飛び込んだ。
やがて、具親に押し出されてトモが池から上がってくる。続いて具親も。
「御免なさい。お着物が大変なことに」
謝ったヒミカに具親はそっと首を横に振って笑った。
「男の子は元気で良い。トモは立派に育ってますよ。頼もしいことだ」
そう言って単を脱いで絞るのを、ヒミカは受け取り、早く此方へと誘った。
「あったかぁい」
共に湯に浸かり、笑顔を見せるトモに具親はお湯を肩からかけてやりながら笑った。
「泳ぐにはまだ寒いぞ。ほら、よくあったまって風邪を引き込まぬように。お母君や祖母上に風邪を移したら大変だからな。また夏になって暑くなったら、嵯峨辺りの川へ行くと水が澄んでいて気持ち良いぞ。そこで泳ぎを覚えるといい」
「へぇ、楽しそう。佐殿、連れて行ってくれるの?」
「いいとも」
快諾した具親がヒミカを振り仰いで微笑む。
「嵯峨までは、のんびりと千代の道を往くのです。避暑にはうってつけの土地ですよ」
「千代の道?」
ええと答えた具親は歌を口ずさみ出した。
——君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりて 苔むすまで
「何それ?また和歌ぁ?」
文句を言うトモに具親は苦笑して言った。
「そう、古今集の歌。そんな顔をするではない。流れが良いだろう?」
うーんと首を捻るトモの代わりにヒミカが応じる。
「ええ。響きが美しいです。どなたのお歌ですか?」
「読み人知らずです。これは愛の歌と言われています」
「愛の歌?恋の歌ではなくて?」
「ええ」
その時トモがくしゃみをした。
「おや、いけない。姫の前殿、湯ざめしてしまう前に早く着替えさせてあげてください」
そこで話は途切れてしまった。
その夕方、火鉢に当たりながら燻る炭をぼんやりと眺める。
「君が代は千代に八千代に」
その響きを思い出しながら口ずさむ。愛の歌と言っていた。
でも、愛ってなんだろう?
形のないもの。見えぬもの。揺らぐもの。
ううん、揺れているのはヒミカ自身。
──苦しい。息が苦しい。胸が。
足元が覚束ない、そんな心地がしてヒミカは胸を押さえた。
──カサ
胸元にしまいこんだ紙が音を出す。
でも、それをまた奥へとしまいこんでヒミカは立ち上がった。
その夜のことだった。寝付けなかったヒミカは縁に出てぼんやりと朧月を見ていた。身体が冷えたら頭も冷えるような気がしたのだ。
「お方様?」
「はい。どなた?」
声をかけられて、つい返事をしてしまう。ハッと思った時には遅かった。ヒミカは担ぎ上げられていた。
——攫われる。嫌だ!
咄嗟に呼んだ名は彼のものではなかった。
「具親様!」
返ってきた言葉にヒミカは顔を上げる。
「それで構いません。私にとって、貴女は出逢った時からそういう貴女で、そういう貴女に心惹かれたのですから。どうぞそのままで居て下さい」
——そのまま?
「でも」
言いかけたヒミカに軽く首を横に振って、具親は続けた。
「これは慈円殿が一条高能殿の所で聞いてきた話なのですが、一条殿の妻の一人に、比企殿にお味方した糟谷有季殿の妹君がいらしたそうで、その縁者が一条殿を頼って京にいるそうです。彼らが言うには、二代将軍である頼家公の長子は、比企氏が滅びた時に母か乳母に抱かれて逃げ延びたと。その後は行方知れずだったが、つい先日、攻め手の大将の江間義時が見つけ出して、家人のトウマだかトウゴだかいう男に刺し殺させたとのこと」
「え」
ヒミカは思わず隣の邸へと目を飛ばしてしまう。ヨリは、一幡君は生きて京に。ここに居るのに。
そして思い至る。コシロ兄は決着を付けてくれたのだ。もう二度と一幡君に目がいかないように。ヒミカに追手がかからないように。
具親はヒミカの視線を追うように隣の邸を見ながら口を開いた。
「ヨリ、ですね」
ヒミカは答えられずに、ただ黙って具親を見た。頼家の子だからヨリ。安易にそう呼んでいたことを僅か悔いるが、もう遅い。どうしよう。糟屋殿の縁者にヨリの話が伝わってしまったらヨリはどうなるのか。鎌倉に戻されるのか?それが彼にとって良いのか悪いのかヒミカには分からない。迷うヒミカの前で具親は続けた。
「ヨリは私が預かって、絵師である祖父に託そうと思っていますが、彼はその生き方を納得できるでしょうか?それとも鎌倉へ戻りたいと思うのでしょうか?」
ヒミカは具親を見上げた。
「どうして、そこまで」
「私は単に貴女の気持ちに添いたいだけです」
「でも私は」
「ええ、江間殿を思い続けていただいて構いませんと先程口にした通りです。どうぞ今のまま、妻の振りをして私を助けてください。私は今それ以上望んでいませんから」
「具親様……」
言葉が出て来ない。
有難う御座います、と頭を下げて隣の邸へと向かう。これでヨリは京で生きていける。目の前で殺された母を、縁者らのことを忘れることは出来ないだろう。でもそれでも生きていって欲しい。彼らの分も。
部屋の奥、小机に向かうヨリの背に話しかける。
「ヨリ、佐殿が貴方には絵の才があると仰っていました。絵師になるつもりはないかとお訊ねです。絵師になるには絵の勉強を熱心にせねばなりませんが、口を使わずとも筆で言いたいことを人に伝えることが出来るようになります。絵で人を喜ばせることが出来ます。辛いこともきっと沢山ありましょうが、もし貴方に絵を習う気があるのでしたら、佐殿にお願いしてみましょうか?佐殿の祖父上は絵師なのだそうです」
ヨリはヒミカを振り返り、今まで向かっていた紙を一枚、サッと取り上げてヒミカに見せた。そこに描かれていたのはトモとシゲ。そして二人に撫でられ、気持ち良さそうに目を瞑っている黒猫。あたたかで優しい幸せな光景にヒミカは目を細めた。目尻から一筋涙が溢れる。
「貴方は人を幸せにする絵師になれるわ」
ヨリは頷いて、にっこりと微笑んだ。アサ姫と頼家に少し似たメダカのような少し上がった目尻。その強くて真っ直ぐな眼差しで、見る者の心を捉える絵師になるだろうとヒミカは思った。
ある日、ヒミカが具親の屋敷にて小物を片付けていたら、トモが駆けて来て具親に纏わりついた。
「ねぇねぇ、佐殿。あれ教えてよ、あれ」
「あれ?」
「ほら、戸を撫で撫でしながら、ハッて中の何かを飛ばしたあれ!」
「ああ」
具親は立ち上がってトモの頭の上に手を置いた。
「教えるのは良いが、あれは容易ではないぞ。何の為に身につけたいのか、まずそこからだ」
「何の為?そんなの決まってら。強くなる為だよ」
「では、何の為に強くなりたいのかな?」
「父上と約束したんだ。母上やシゲ達を守るって」
具親は微笑むと襷をかけて庭へと下りた。あの踏み固められた地の上に立ち、息を整える。それから両掌をそっと前に出した。
——リン。
軽やかな鐘の音。どこからだろうと目をやれば、具親が差し出した手の前方の一本の木の枝に小さな鐘が掛かっていた。
「え、今の何?何もしてないじゃない」
「では、やってみますか?」
具親の立っていた位置にトモが立つ。
「ハァッ!」
トモも真似して両掌を前に押し出すが、何も音はしない。
「えいっ、やぁっ、とぉっ!」
掛け声をかけて手や足を突き出すが、やはり何も起きない。
——リン。
澄んだ音に眼をやれば、少し離れた所から具親が手を伸ばしていた。
「ええっ、今の何?風?狡いよ!俺も鳴らしたいのに!」
「では、先ず立ち方からです。大切なのは力を抜くこと」
「力を抜く?抜いたら立ってられないよ。ほら、蛸みたいに」
きゃははと笑って具親に絡み付くトモに目をやりながら、すっかり具親に懐いてしまったなと思う。トモも次の年明けには十二になる。元服はどうなるのだろうかと考えてから首を横に振った。忘れよう。考えるな。考えない方がいい。
「それでは私はそろそろ出かけてきます」
具親が庭から上がってくるのに合わせてヒミカが迎えに歩み寄った時、ドボンと音がした。
「トモ!」
トモが庭の池に落ちていた。慌てて庭に降りようとするヒミカを具親が上衣をサッと脱いでヒミカに投げ寄せて留めた。
「彼は泳ぎは?」
ヒミカは首を横に振る。
「湯を沸かしておいてください」
言うなり具親は池に飛び込んだ。
やがて、具親に押し出されてトモが池から上がってくる。続いて具親も。
「御免なさい。お着物が大変なことに」
謝ったヒミカに具親はそっと首を横に振って笑った。
「男の子は元気で良い。トモは立派に育ってますよ。頼もしいことだ」
そう言って単を脱いで絞るのを、ヒミカは受け取り、早く此方へと誘った。
「あったかぁい」
共に湯に浸かり、笑顔を見せるトモに具親はお湯を肩からかけてやりながら笑った。
「泳ぐにはまだ寒いぞ。ほら、よくあったまって風邪を引き込まぬように。お母君や祖母上に風邪を移したら大変だからな。また夏になって暑くなったら、嵯峨辺りの川へ行くと水が澄んでいて気持ち良いぞ。そこで泳ぎを覚えるといい」
「へぇ、楽しそう。佐殿、連れて行ってくれるの?」
「いいとも」
快諾した具親がヒミカを振り仰いで微笑む。
「嵯峨までは、のんびりと千代の道を往くのです。避暑にはうってつけの土地ですよ」
「千代の道?」
ええと答えた具親は歌を口ずさみ出した。
——君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりて 苔むすまで
「何それ?また和歌ぁ?」
文句を言うトモに具親は苦笑して言った。
「そう、古今集の歌。そんな顔をするではない。流れが良いだろう?」
うーんと首を捻るトモの代わりにヒミカが応じる。
「ええ。響きが美しいです。どなたのお歌ですか?」
「読み人知らずです。これは愛の歌と言われています」
「愛の歌?恋の歌ではなくて?」
「ええ」
その時トモがくしゃみをした。
「おや、いけない。姫の前殿、湯ざめしてしまう前に早く着替えさせてあげてください」
そこで話は途切れてしまった。
その夕方、火鉢に当たりながら燻る炭をぼんやりと眺める。
「君が代は千代に八千代に」
その響きを思い出しながら口ずさむ。愛の歌と言っていた。
でも、愛ってなんだろう?
形のないもの。見えぬもの。揺らぐもの。
ううん、揺れているのはヒミカ自身。
──苦しい。息が苦しい。胸が。
足元が覚束ない、そんな心地がしてヒミカは胸を押さえた。
──カサ
胸元にしまいこんだ紙が音を出す。
でも、それをまた奥へとしまいこんでヒミカは立ち上がった。
その夜のことだった。寝付けなかったヒミカは縁に出てぼんやりと朧月を見ていた。身体が冷えたら頭も冷えるような気がしたのだ。
「お方様?」
「はい。どなた?」
声をかけられて、つい返事をしてしまう。ハッと思った時には遅かった。ヒミカは担ぎ上げられていた。
——攫われる。嫌だ!
咄嗟に呼んだ名は彼のものではなかった。
「具親様!」
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