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第五章 明石
第23話 回帰
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「ヒメコ、どういう事なの?殿が胸を患っているって」
「医師はお診立て下さいました?」
アサ姫は頷いた。
「ええ、胸の音を聴いて、熱や脈を計って貰った。按摩師や験者も呼んだわ。殿は嫌がったけれど無理を通した。確かに胸に軽く邪気は溜まっていたようだけれど、しっかり休めば回復するだろうと」
「それで、将軍様はきちんとお休み下さったのですか?」
アサ姫は黙った。予想通りだ。
「今日は頼時が伊豆の土産を持参いたしました。蜜柑と生姜です。将軍様、御台さまに召し上がっていただきたいので炊事場をお借りして宜しいでしょうか?」
「勿論よ」
アサ姫は答えて、侍女に手伝うよう声をかけてくれる。
「生姜はよく洗って、そのまますり下ろして下さい。それから蜜柑を皮を剥く前によく洗って、皮を剥いたら、その皮はサッと湯通しして下さい。蜜柑の果実と生姜をひたひたの水で煮詰めてトロトロにします。ちなみに、蜂蜜はありますか?」
問うたら侍女は頷いた。
「はい、将軍様がお好きなので。でも私共は使用を禁じられております」
ヒメコは苦笑いした。
「ご自分が食べる為に、ですね」
侍女は首を竦める。
「構いませんから、ほんのひと匙だけ、その鍋に入れて一緒に煮詰めてください。責任は私が取りますから」
侍女は下女達と顔を見合わせた後、頷いた。
「姫御前様のご指示に従いなさい」
湯通しされて笊にあげられた蜜柑の皮を見ながら思い出す。遠い過去、伊豆の北条で皆と蜜柑を食べた。皮は薬となるから綺麗に並べて天日に干すように、と指示していた佐殿。でもその後、戦に追われた佐殿は、自身の身体を労わる暇もなかったのだろう。
やがて、鍋の中の果実はトロトロになってくる。仕上げに蜜柑の皮を投入して、少しだけ一緒に火にかけて貰う。
「では、皿にその蜜柑の皮を乗せて、その皮の中に鍋の中身を詰めて丸めて、上から残った汁をかけて下さい。それで出来上がりです」
また、それとは別に吸い椀を用意して貰い、懐から取り出した懐紙に包んできた黄色の粉を振りかける。
「これは陳皮と言って、蜜柑の皮を天日に干して乾かしておいたものです。身体を温めてくれるので、皆さんもこれから蜜柑の皮を剥いた時には作っておくと便利ですよ。味噌汁にも吸い物にも煮物にも何にでも使えます。身体を温めて風邪を防いでくれるそうです」
それから念のため毒味をお願いしてから膳を手にした。廊で待っていた頼時を呼ぶ。
「頼時殿、此方を将軍様に差し上げて来て下さるかしら」
「はい。でも母上は?」
「私は御台さまに差し上げてから後で」
そう言葉を濁して頼時を送る。
きっと、頼朝は医師や験者を呼ばせたのがヒメコだと察して怒っていることだろう。自分が持って行ったら口にしてくれないのではないかと危ぶまれたので、今日頼時が同行してくれたのは助かった。
「御台さま、どうぞ。身体の温まる薬膳を拵えて参りました」
そう言って、アサ姫の前に膳を差し出す。
「まぁ、綺麗ね。あら、これ、蜜柑じゃないの。このまま頂いていいの?」
「はい、伊豆の蜜柑です。皮も洗って湯を通しておりますので、ヘタ以外は食べられます。宜しければ。でもお口に合わなければその中身だけで充分に身体が温まります」
アサ姫は皮に箸を入れた。恐る恐る口に運んでから、まぁと歓声を上げる。
「いい香り。懐かしいわ。伊豆の蜜柑なのね」
嬉しそうに箸を進めてから、驚いた顔でヒメコを見る。
「何、これ?甘くて辛くて不思議な味だわ」
「はい、蜜柑の果実と生姜を煮詰めて少しだけ蜂蜜を加えました。身体を温めて風邪除けになります」
「そうなのね。最初は驚いたけれど美味しいわ。有難う。殿は召し上がったのかしら?」
その時、頼時が戸の外から声をかけてきた。
「失礼します。江間頼時です。入っても宜しいでしょうか?」
「まぁ、頼時。勿論よ。それで、殿は召し上がられたの?」
「はい。初めは驚いておられましたが、伊豆の蜜柑と生姜だとお伝えしましたら、喜んで全て平らげてくださいました」
「それは良かったこと。近頃食欲がないと仰っていたので案じていたのよ」
「それで、母を呼ぶように言われましたので、此方に参りました」
仕方ない。怒られに行こう。ヒメコは立ち上がり、頼時に付いて頼朝の元へと行った。
頼朝はニヤッと笑って
「ヒメコ、意外に美味かったぞ。今日は薬膳と来たか。それも頼時に持たせるとは考えたな」
頼朝の言葉に丁寧に頭を下げる。同じく頭を下げて、先に部屋を出て行こうとした頼時を呼び止めて、頼朝は自分の前に座らせた。
「頼時、年が明けたら、私は密かに京を訪れるつもりだ。そなたの父、義時にも伝えてある。少々危うい旅になるやも知れんが共に行ってくれるか?」
頼時は、深く頭を下げて
「有難うございます。お供させて下さい。もし差し支えなければ、あの刀を腰に帯びることをお許しいただけますか?私の初陣となりますので」
言って顔を上げた。
「無論だ。そうか、確かにそなたの初陣と言って良いな。私の初陣はもう四十年近く前になる」
そうして、斜め上を眺めて吟じ始める。
「都流岐太刀、いよよ研ぐべし古ゆ 清けく負ひて 来にし その名ぞ」
ヒメコは首を傾げた。
「これは大伴家持の歌だ。古来より『武』とは、『剣』とは、天下を分けて命を生み出し、造化を断ち切って回帰を促すもの。その途上には様々な困難もあろうが、頼もしき仲間と共であれば、その険しい道も楽しい道行きになる。頼時、そなたを頼りにしておるぞ」
頼時は短くはきと返事をして、ヒメコを見た。
「私と父に何かありましたら、トモと江間をどうぞお頼みします」
ヒメコは目礼した。
「そうだな、江間にはトモもシゲもいる。御家人らも皆、同じ鎌倉の家族たちだ。私はこの鎌倉という家を守る為にずっと戦ってきた。その総仕上げをしてくるからな。ヒメコよ。アサと三幡、そして千幡をしっかと頼むぞ」
「はい」
返事をして額を床に擦り付ける。ふと、源氏の巫女となった時に、同じことを頼まれたことを思い出す。あの時、頼朝は死を覚悟していたはず。でも生き延びた。だから今回もきっと。
「どうぞご武運を」
言って頭を上げたら頼朝は軽く微笑んでいた。その笑顔に、昔、幼い頃に比企で遊んでくれた佐殿の面影が戻る。
「今回は乗っ取られないのか?」
「え?」
「石橋山に赴く前には『トカゲのように尻尾を切ってでも逃げて生き延びろ』と言ったのに」
言われて思い出す。
「おかげで北条殿にひどく張り飛ばされました」
「そうだったな。だが、確かに散り散りになって逃げたおかげで我らはまた再起出来た。これからも鎌倉を頼むぞ」
「私はもう巫女ではありませんが」
答えたら、頼朝は真面目な顔をして言った。
「いや、比企の尼君も巫女であり、私の乳母であり、今は鎌倉の護り神となった。私はそう思っている。ヒミカ、そなたも源氏の巫女で、この頼時の乳母。比企の娘として頼家や千幡、また頼時を支えて、武士たちの家であるこの鎌倉を護ってくれよ」
ヒメコは頭を下げた。心の奥に潜む不安に、声は出さずに祈りを捧げる。
——どうぞ、ご無事で。家には家主が欠かせぬもの。
だが、それがヒメコが頼朝の声を聞いた最後となった。
真冬の寒い日、稲毛重成の妻の追善供養の為に相模川に架けられた橋の落成供養に出かけたその帰途に、頼朝は突然落馬し、一旦は立ち上がって御所まで戻ったものの、水を飲んだ後に意識を失い、そのまま床についてしまったのだ。年明け間近な、師走二十七日のことだった。
「医師はお診立て下さいました?」
アサ姫は頷いた。
「ええ、胸の音を聴いて、熱や脈を計って貰った。按摩師や験者も呼んだわ。殿は嫌がったけれど無理を通した。確かに胸に軽く邪気は溜まっていたようだけれど、しっかり休めば回復するだろうと」
「それで、将軍様はきちんとお休み下さったのですか?」
アサ姫は黙った。予想通りだ。
「今日は頼時が伊豆の土産を持参いたしました。蜜柑と生姜です。将軍様、御台さまに召し上がっていただきたいので炊事場をお借りして宜しいでしょうか?」
「勿論よ」
アサ姫は答えて、侍女に手伝うよう声をかけてくれる。
「生姜はよく洗って、そのまますり下ろして下さい。それから蜜柑を皮を剥く前によく洗って、皮を剥いたら、その皮はサッと湯通しして下さい。蜜柑の果実と生姜をひたひたの水で煮詰めてトロトロにします。ちなみに、蜂蜜はありますか?」
問うたら侍女は頷いた。
「はい、将軍様がお好きなので。でも私共は使用を禁じられております」
ヒメコは苦笑いした。
「ご自分が食べる為に、ですね」
侍女は首を竦める。
「構いませんから、ほんのひと匙だけ、その鍋に入れて一緒に煮詰めてください。責任は私が取りますから」
侍女は下女達と顔を見合わせた後、頷いた。
「姫御前様のご指示に従いなさい」
湯通しされて笊にあげられた蜜柑の皮を見ながら思い出す。遠い過去、伊豆の北条で皆と蜜柑を食べた。皮は薬となるから綺麗に並べて天日に干すように、と指示していた佐殿。でもその後、戦に追われた佐殿は、自身の身体を労わる暇もなかったのだろう。
やがて、鍋の中の果実はトロトロになってくる。仕上げに蜜柑の皮を投入して、少しだけ一緒に火にかけて貰う。
「では、皿にその蜜柑の皮を乗せて、その皮の中に鍋の中身を詰めて丸めて、上から残った汁をかけて下さい。それで出来上がりです」
また、それとは別に吸い椀を用意して貰い、懐から取り出した懐紙に包んできた黄色の粉を振りかける。
「これは陳皮と言って、蜜柑の皮を天日に干して乾かしておいたものです。身体を温めてくれるので、皆さんもこれから蜜柑の皮を剥いた時には作っておくと便利ですよ。味噌汁にも吸い物にも煮物にも何にでも使えます。身体を温めて風邪を防いでくれるそうです」
それから念のため毒味をお願いしてから膳を手にした。廊で待っていた頼時を呼ぶ。
「頼時殿、此方を将軍様に差し上げて来て下さるかしら」
「はい。でも母上は?」
「私は御台さまに差し上げてから後で」
そう言葉を濁して頼時を送る。
きっと、頼朝は医師や験者を呼ばせたのがヒメコだと察して怒っていることだろう。自分が持って行ったら口にしてくれないのではないかと危ぶまれたので、今日頼時が同行してくれたのは助かった。
「御台さま、どうぞ。身体の温まる薬膳を拵えて参りました」
そう言って、アサ姫の前に膳を差し出す。
「まぁ、綺麗ね。あら、これ、蜜柑じゃないの。このまま頂いていいの?」
「はい、伊豆の蜜柑です。皮も洗って湯を通しておりますので、ヘタ以外は食べられます。宜しければ。でもお口に合わなければその中身だけで充分に身体が温まります」
アサ姫は皮に箸を入れた。恐る恐る口に運んでから、まぁと歓声を上げる。
「いい香り。懐かしいわ。伊豆の蜜柑なのね」
嬉しそうに箸を進めてから、驚いた顔でヒメコを見る。
「何、これ?甘くて辛くて不思議な味だわ」
「はい、蜜柑の果実と生姜を煮詰めて少しだけ蜂蜜を加えました。身体を温めて風邪除けになります」
「そうなのね。最初は驚いたけれど美味しいわ。有難う。殿は召し上がったのかしら?」
その時、頼時が戸の外から声をかけてきた。
「失礼します。江間頼時です。入っても宜しいでしょうか?」
「まぁ、頼時。勿論よ。それで、殿は召し上がられたの?」
「はい。初めは驚いておられましたが、伊豆の蜜柑と生姜だとお伝えしましたら、喜んで全て平らげてくださいました」
「それは良かったこと。近頃食欲がないと仰っていたので案じていたのよ」
「それで、母を呼ぶように言われましたので、此方に参りました」
仕方ない。怒られに行こう。ヒメコは立ち上がり、頼時に付いて頼朝の元へと行った。
頼朝はニヤッと笑って
「ヒメコ、意外に美味かったぞ。今日は薬膳と来たか。それも頼時に持たせるとは考えたな」
頼朝の言葉に丁寧に頭を下げる。同じく頭を下げて、先に部屋を出て行こうとした頼時を呼び止めて、頼朝は自分の前に座らせた。
「頼時、年が明けたら、私は密かに京を訪れるつもりだ。そなたの父、義時にも伝えてある。少々危うい旅になるやも知れんが共に行ってくれるか?」
頼時は、深く頭を下げて
「有難うございます。お供させて下さい。もし差し支えなければ、あの刀を腰に帯びることをお許しいただけますか?私の初陣となりますので」
言って顔を上げた。
「無論だ。そうか、確かにそなたの初陣と言って良いな。私の初陣はもう四十年近く前になる」
そうして、斜め上を眺めて吟じ始める。
「都流岐太刀、いよよ研ぐべし古ゆ 清けく負ひて 来にし その名ぞ」
ヒメコは首を傾げた。
「これは大伴家持の歌だ。古来より『武』とは、『剣』とは、天下を分けて命を生み出し、造化を断ち切って回帰を促すもの。その途上には様々な困難もあろうが、頼もしき仲間と共であれば、その険しい道も楽しい道行きになる。頼時、そなたを頼りにしておるぞ」
頼時は短くはきと返事をして、ヒメコを見た。
「私と父に何かありましたら、トモと江間をどうぞお頼みします」
ヒメコは目礼した。
「そうだな、江間にはトモもシゲもいる。御家人らも皆、同じ鎌倉の家族たちだ。私はこの鎌倉という家を守る為にずっと戦ってきた。その総仕上げをしてくるからな。ヒメコよ。アサと三幡、そして千幡をしっかと頼むぞ」
「はい」
返事をして額を床に擦り付ける。ふと、源氏の巫女となった時に、同じことを頼まれたことを思い出す。あの時、頼朝は死を覚悟していたはず。でも生き延びた。だから今回もきっと。
「どうぞご武運を」
言って頭を上げたら頼朝は軽く微笑んでいた。その笑顔に、昔、幼い頃に比企で遊んでくれた佐殿の面影が戻る。
「今回は乗っ取られないのか?」
「え?」
「石橋山に赴く前には『トカゲのように尻尾を切ってでも逃げて生き延びろ』と言ったのに」
言われて思い出す。
「おかげで北条殿にひどく張り飛ばされました」
「そうだったな。だが、確かに散り散りになって逃げたおかげで我らはまた再起出来た。これからも鎌倉を頼むぞ」
「私はもう巫女ではありませんが」
答えたら、頼朝は真面目な顔をして言った。
「いや、比企の尼君も巫女であり、私の乳母であり、今は鎌倉の護り神となった。私はそう思っている。ヒミカ、そなたも源氏の巫女で、この頼時の乳母。比企の娘として頼家や千幡、また頼時を支えて、武士たちの家であるこの鎌倉を護ってくれよ」
ヒメコは頭を下げた。心の奥に潜む不安に、声は出さずに祈りを捧げる。
——どうぞ、ご無事で。家には家主が欠かせぬもの。
だが、それがヒメコが頼朝の声を聞いた最後となった。
真冬の寒い日、稲毛重成の妻の追善供養の為に相模川に架けられた橋の落成供養に出かけたその帰途に、頼朝は突然落馬し、一旦は立ち上がって御所まで戻ったものの、水を飲んだ後に意識を失い、そのまま床についてしまったのだ。年明け間近な、師走二十七日のことだった。
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