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第2章 源氏の白巫女
第4話 結界
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翌朝、ヒメコは早起きをすると祖母から分けて貰った浄めの袋を腰に括りつけて屋敷を出た。思った通り、木屑が散らかっている。裏手に立てかけてあった竹箒で集めていく。その勢いで辺りの落ち葉や枯れ枝も集めて掃き清めていたら、声をかけられた。
「よぉ、早いな」
男の声にギョッとして顔を上げたら、昨日コシロ兄と仲良く話をしていた男だった。確か四郎と呼ばれていた筈。
「あんた、巫女なんだって?」
問われて、首を頷かせる。声を出すのは憚られて、コシロ兄は一緒でないのかと辺りを探ったら、「ああ」と四郎は馬屋の方を指差した。
「小四郎なら馬の世話」
軽く頭を下げてそちらの方に逃げようとする。と、
「おいおい、取って食いやしねぇから逃げないでくれよ」
先手を打たれてしまった。
「俺、そんなに怖い顔してるか?これでも兄上たちよりは好男子で通ってるんだけどな」
冗談めかした口調で言われる。
どうしよう。何か言わなくては失礼だと思いつつ、言葉か出ない。としたら、やはり逃げるしかない。
手にしていた箒に目を落とし、サササッと掃きながら横移動して逃げる。でも四郎は笑いながら付いてきた。
「あんた面白いな。俺は佐々木四郎高綱だ。宜しくな。で、巫女がこんな所で何してんだよ?巫女って掃除するのが仕事なのか?ここは神社じゃねぇぞ。ここはこれから合戦だぜ。掃いて綺麗にしたって仕方ねぇよ。男がいっぱいだからすぐにまた汚れるし、場合によっちゃ血や泥でもっとグチャグチャのドロドロになるぜ。掃除するだけ無駄だよ。無駄無駄」
その言葉にカチンときた。
「無駄ではありません。汚れたらまた綺麗にすればいい。私はその為にここに居るんです!」
言ってから、ハッと口を結ぶ。でも遅かった。
四郎は目を見開いた後、声を出して笑い始めた。
「なんだ。あんた、意外に気が強いじゃんか。へぇ、本当に面白いな。で、その腰に付けた袋は何だよ?やけに重そうだが、それも掃除に使うのか?」
目敏い。ヒメコは後ずさりをした。無意識に竹箒を胸の前でしっかりと握り締める。
「おいおいおい、だから俺は尋ねてるだけで、何もしやしないって」
四郎はそう言ってガリガリと頭を掻く。
さすがに申し訳ない気がしてきた。
「結界を張る為に埋めるんです」
それだけを言って、サッと走って逃げる。目指すは馬屋の横の惣門。
四郎は先程の場所から動かずに、ただヒメコのことを目で追っていた。
でもヒメコはもう気にせずに竹箒を上下ひっくり返すと柄の方で門のすぐ脇の地面をガツガツと掘り始めた。
浅く小さくていい。二寸か三寸。土で覆い隠せるくらいの穴を掘れたら…。
でも人の出入りが多く、踏み固められた土はなかなか掘り起こせない。
と、竹箒が取り上げられた。見上げれば四郎がヒメコを見下ろしていた。
「悪かったな。穴を掘るなら代わるよ。どいてろ」
ヒメコは言われた通りに少し脇にどいた。四郎はどこからか鉄の棒を持って来てそれで土を抉っていく。
「何をしてる」
低い声にどキリとして顔を上げたら、コシロ兄が立っていた。
「結界を張るんだとさ」
四郎が代わりに答えてくれる。コシロ兄がチラとヒメコを見た。安堵して声を出す。
「ここに小さな穴を掘りたいのです。そうしたら佐々木殿が手伝うと仰ってくださって」
何とかそれだけ言う。
「ここの一箇所だけ穴を掘ればいいのか?」
ヒメコは首を横に振って、門の反対側を指差した。
「そちらの門の脇にも。それぞれ二、三寸の小さな穴を一つずつ掘りたいのです。そこの穴にこれを半分ずつ埋めて、また土を被せたら終わりです」
そう言って、袋を取り外して持ち上げてみせる。
コシロ兄は門の反対側に向かい、屈んで穴を掘り始めた。
「これくらいでいいか?」
四郎に声をかけられ、ヒメコは顔を上げる。確かに小さな穴が掘られていた。腰の袋から白い紙に包まれたそれらを取り出す。
紙に包まれていたのは、炭、塩、そしてさざれ石。
先ず炭を半分穴に入れ、次に塩、最後にさざれ石を入れて穴の横に盛られていた土を手で掬って穴の中に戻し埋めていく。穴が埋まったら丁寧に掌で撫で固め、両掌を合わせて頭を下げた。
「あっちも掘れたようだぞ」
四郎の声に顔を上げたら、コシロ兄がこちらを見ていた。駆け寄って、袋の中の残り半分を先程と同じ順序で穴の中に入れていく。最後に土を戻して同じように撫で固めて両掌を合わせた。
「終わりか?」
尋ねられ、頷く。
「江間殿も佐々木殿も有難うございました」
頭を下げたら、また四郎に笑われた。
「どうしていつも笑うんですか?」
つい聞いてしまう。軽く睨んでしまっていたかもしれない。そうしたら四郎は「なぁ」とコシロ兄の肩に肘を乗せた。
「俺は兄が三人もいるから、佐々木殿だなんて呼ばれたこともないし、この小四郎が江間殿だなんて聞き慣れなくてさ。つい笑っちまうんだ。別に悪気はないから許してくれよ。でもさ、どうせ結界を張るなら、この北条ごと囲えばいいじゃんか。どうして、門の二箇所だけなんだ?」
「それは、囲ってしまうと悪しきものが中に溜まって増幅してしまうからです」
「増幅?」
コシロ兄の声に少しホッとして顔を上げる。コシロ兄は不思議そうな顔をしていた。
「はい。結界は本来は神域を護るもの。悪しきものが入って中を穢されないようにするものです。神社の鳥居のように。でも、それでも人に取り憑いたりして、どうしても悪しきものは中に入ってしまう。だから入ってくるのは仕方ないものとして、入って溜まる都度に祓い清めます。それが掃除と浄めです。中が浄められると悪しきものは中に居られなくなって逃げ出そうとします。でも、もし隈なく結界を張ってしまっていたら逃げ道がなくなり、悪しきものは苦しんで、外の悪しきものを呼んで引き寄せてしまう。だから逃げ道を残しておくんです。その為に入り口だけに軽い結界を張りました。そこを通る人に穢れがあっても結界がそれを阻んで、ある程度は外へと弾き返してくれますから。そして、もし中へ付いて入ってしまっても、中できちんと祓い続ければ、いずれ外へ出て行きます。だから掃除と浄めが大切なのです」
言い終わって、はぁとため息をつく。祖母から教わったことだけれど、間違ってなかっただろうか。自信を持って伝えられていない自分が、我ながら情けない。自分はまだ未熟だ。
「へえ、成る程。それでさっき無駄って言ったのを怒ったわけね。納得した。もう無駄なんて言わねぇ。本当、悪かったよ」
四郎がそう言ってくれる。コシロ兄は目を伏せていたけれど、納得したような顔をしてくれていた。それでホッとする。
と、四郎が「あのさぁ」と口を開いた。
「あんた、小四郎のことは昨日コシロ兄って呼んでたろ?じゃあ、俺は四郎兄でいいぜ。妹が出来たみたいで楽しいや。で、あんたの名は?なんて呼べばいい?」
「え」
突然そんなことを聞かれてヒメコは戸惑う。
「おい、四郎。いつまでもふざけてるな。行くぞ」
コシロ兄が四郎の腕を掴んでさっさと歩き出す。
「何だよ、まだ彼女と話してんだよ。お前、行くなら先に行けよ」
コシロ兄の手を振り解いてこちらに向かおうとする四郎の手首をコシロ兄はもう一度掴むと凄んだ。
「いいから来い。彼女にはもう話しかけるな」
「何だよ。お前の妹じゃないんだろ?何でそんなに邪魔すんだよ」
「俺達はこれから合戦に参じる身。血で穢れる身だ。対し、彼女は巫女。穢れには極力近付けたくない。だから距離を保て。これは佐殿から直々に下された命だ」
「別にどうこうするつもりはねぇよ。軽く立ち話するくらいいいじゃんか」
それに答えず四郎を睨みつけるコシロ兄。
「よぉ、早いな」
男の声にギョッとして顔を上げたら、昨日コシロ兄と仲良く話をしていた男だった。確か四郎と呼ばれていた筈。
「あんた、巫女なんだって?」
問われて、首を頷かせる。声を出すのは憚られて、コシロ兄は一緒でないのかと辺りを探ったら、「ああ」と四郎は馬屋の方を指差した。
「小四郎なら馬の世話」
軽く頭を下げてそちらの方に逃げようとする。と、
「おいおい、取って食いやしねぇから逃げないでくれよ」
先手を打たれてしまった。
「俺、そんなに怖い顔してるか?これでも兄上たちよりは好男子で通ってるんだけどな」
冗談めかした口調で言われる。
どうしよう。何か言わなくては失礼だと思いつつ、言葉か出ない。としたら、やはり逃げるしかない。
手にしていた箒に目を落とし、サササッと掃きながら横移動して逃げる。でも四郎は笑いながら付いてきた。
「あんた面白いな。俺は佐々木四郎高綱だ。宜しくな。で、巫女がこんな所で何してんだよ?巫女って掃除するのが仕事なのか?ここは神社じゃねぇぞ。ここはこれから合戦だぜ。掃いて綺麗にしたって仕方ねぇよ。男がいっぱいだからすぐにまた汚れるし、場合によっちゃ血や泥でもっとグチャグチャのドロドロになるぜ。掃除するだけ無駄だよ。無駄無駄」
その言葉にカチンときた。
「無駄ではありません。汚れたらまた綺麗にすればいい。私はその為にここに居るんです!」
言ってから、ハッと口を結ぶ。でも遅かった。
四郎は目を見開いた後、声を出して笑い始めた。
「なんだ。あんた、意外に気が強いじゃんか。へぇ、本当に面白いな。で、その腰に付けた袋は何だよ?やけに重そうだが、それも掃除に使うのか?」
目敏い。ヒメコは後ずさりをした。無意識に竹箒を胸の前でしっかりと握り締める。
「おいおいおい、だから俺は尋ねてるだけで、何もしやしないって」
四郎はそう言ってガリガリと頭を掻く。
さすがに申し訳ない気がしてきた。
「結界を張る為に埋めるんです」
それだけを言って、サッと走って逃げる。目指すは馬屋の横の惣門。
四郎は先程の場所から動かずに、ただヒメコのことを目で追っていた。
でもヒメコはもう気にせずに竹箒を上下ひっくり返すと柄の方で門のすぐ脇の地面をガツガツと掘り始めた。
浅く小さくていい。二寸か三寸。土で覆い隠せるくらいの穴を掘れたら…。
でも人の出入りが多く、踏み固められた土はなかなか掘り起こせない。
と、竹箒が取り上げられた。見上げれば四郎がヒメコを見下ろしていた。
「悪かったな。穴を掘るなら代わるよ。どいてろ」
ヒメコは言われた通りに少し脇にどいた。四郎はどこからか鉄の棒を持って来てそれで土を抉っていく。
「何をしてる」
低い声にどキリとして顔を上げたら、コシロ兄が立っていた。
「結界を張るんだとさ」
四郎が代わりに答えてくれる。コシロ兄がチラとヒメコを見た。安堵して声を出す。
「ここに小さな穴を掘りたいのです。そうしたら佐々木殿が手伝うと仰ってくださって」
何とかそれだけ言う。
「ここの一箇所だけ穴を掘ればいいのか?」
ヒメコは首を横に振って、門の反対側を指差した。
「そちらの門の脇にも。それぞれ二、三寸の小さな穴を一つずつ掘りたいのです。そこの穴にこれを半分ずつ埋めて、また土を被せたら終わりです」
そう言って、袋を取り外して持ち上げてみせる。
コシロ兄は門の反対側に向かい、屈んで穴を掘り始めた。
「これくらいでいいか?」
四郎に声をかけられ、ヒメコは顔を上げる。確かに小さな穴が掘られていた。腰の袋から白い紙に包まれたそれらを取り出す。
紙に包まれていたのは、炭、塩、そしてさざれ石。
先ず炭を半分穴に入れ、次に塩、最後にさざれ石を入れて穴の横に盛られていた土を手で掬って穴の中に戻し埋めていく。穴が埋まったら丁寧に掌で撫で固め、両掌を合わせて頭を下げた。
「あっちも掘れたようだぞ」
四郎の声に顔を上げたら、コシロ兄がこちらを見ていた。駆け寄って、袋の中の残り半分を先程と同じ順序で穴の中に入れていく。最後に土を戻して同じように撫で固めて両掌を合わせた。
「終わりか?」
尋ねられ、頷く。
「江間殿も佐々木殿も有難うございました」
頭を下げたら、また四郎に笑われた。
「どうしていつも笑うんですか?」
つい聞いてしまう。軽く睨んでしまっていたかもしれない。そうしたら四郎は「なぁ」とコシロ兄の肩に肘を乗せた。
「俺は兄が三人もいるから、佐々木殿だなんて呼ばれたこともないし、この小四郎が江間殿だなんて聞き慣れなくてさ。つい笑っちまうんだ。別に悪気はないから許してくれよ。でもさ、どうせ結界を張るなら、この北条ごと囲えばいいじゃんか。どうして、門の二箇所だけなんだ?」
「それは、囲ってしまうと悪しきものが中に溜まって増幅してしまうからです」
「増幅?」
コシロ兄の声に少しホッとして顔を上げる。コシロ兄は不思議そうな顔をしていた。
「はい。結界は本来は神域を護るもの。悪しきものが入って中を穢されないようにするものです。神社の鳥居のように。でも、それでも人に取り憑いたりして、どうしても悪しきものは中に入ってしまう。だから入ってくるのは仕方ないものとして、入って溜まる都度に祓い清めます。それが掃除と浄めです。中が浄められると悪しきものは中に居られなくなって逃げ出そうとします。でも、もし隈なく結界を張ってしまっていたら逃げ道がなくなり、悪しきものは苦しんで、外の悪しきものを呼んで引き寄せてしまう。だから逃げ道を残しておくんです。その為に入り口だけに軽い結界を張りました。そこを通る人に穢れがあっても結界がそれを阻んで、ある程度は外へと弾き返してくれますから。そして、もし中へ付いて入ってしまっても、中できちんと祓い続ければ、いずれ外へ出て行きます。だから掃除と浄めが大切なのです」
言い終わって、はぁとため息をつく。祖母から教わったことだけれど、間違ってなかっただろうか。自信を持って伝えられていない自分が、我ながら情けない。自分はまだ未熟だ。
「へえ、成る程。それでさっき無駄って言ったのを怒ったわけね。納得した。もう無駄なんて言わねぇ。本当、悪かったよ」
四郎がそう言ってくれる。コシロ兄は目を伏せていたけれど、納得したような顔をしてくれていた。それでホッとする。
と、四郎が「あのさぁ」と口を開いた。
「あんた、小四郎のことは昨日コシロ兄って呼んでたろ?じゃあ、俺は四郎兄でいいぜ。妹が出来たみたいで楽しいや。で、あんたの名は?なんて呼べばいい?」
「え」
突然そんなことを聞かれてヒメコは戸惑う。
「おい、四郎。いつまでもふざけてるな。行くぞ」
コシロ兄が四郎の腕を掴んでさっさと歩き出す。
「何だよ、まだ彼女と話してんだよ。お前、行くなら先に行けよ」
コシロ兄の手を振り解いてこちらに向かおうとする四郎の手首をコシロ兄はもう一度掴むと凄んだ。
「いいから来い。彼女にはもう話しかけるな」
「何だよ。お前の妹じゃないんだろ?何でそんなに邪魔すんだよ」
「俺達はこれから合戦に参じる身。血で穢れる身だ。対し、彼女は巫女。穢れには極力近付けたくない。だから距離を保て。これは佐殿から直々に下された命だ」
「別にどうこうするつもりはねぇよ。軽く立ち話するくらいいいじゃんか」
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