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迷い
しおりを挟むあやとと一緒に過ごす時間はとても新鮮であり、心地の良いものでした。
私が野菜を取って、あやとが魚を捕まえる。
一緒にご飯を作ったり、一緒にお散歩をしたり、何気ないこの生活が特別に幸せな時間です。
私は、幸せを感じるほどに迷っていくのでした。
このままここで生活してしまおうか、元の生活に戻ろうか。いっそのことリッカに期限を付けてもらえばよかった。そんな風にも思いました。
きっとあやとも同じことを考えていて、私が悩んでいることも知っています。そして、この話をすれば帰ろうってなることまで分かっています。だから切り出せないのです。
そうして2ヶ月が過ぎました。
今日はリッカの家に遊びに行くことにしました。
トントントン。
ノックをしてもリッカの姿はありません。
なにか嫌な予感がした私たちは、森の中を探すことにしました。
「おーい、リッカー!」
「どこなのー?リッカー!」
呼んでも呼んでも返事はありません。
もうすぐケムリの向こうです。
「もうケムリの中は全部探したぜ」
「もしかしてリッカは向こうかな?」
「ケムリの外には出ちゃダメって言ってたよな...」
「少しなら...いい....かな?」
顔を見合わせて一歩踏みだしました。
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