2 / 13
出会い
しおりを挟む「ここはどこなの?」
あたりは煙だらけ。前もよくみえません。
私はスマホのライトをつけました。
「あ、これみて!」
あやとが指差す先には動物のような足あとがあったのです。
おそらくこの足跡をたどれば赤いリボンは見つかるはず。
それから私たちはヘトヘトになるまで歩きました。足あとがなくなり、周りをライトで照らしてみました。
そこには一件の家が。
私は迷いもせずに、勢いよく玄関らしきものを開けます。
「見つけたわよー!私のリボン返して!」
「いらっしゃい」
「え?」
「え?」
「えーーーーー?」
「ね、ね、猫が喋ったーーー!!」
「あら、猫のままだったわね。それ!」
猫は女の子へと姿を変えたのです。
驚く私たちを気にすることもなく女の子は続けました。
「乱暴なマネしてごめんなさい」
女の子は私の手のひらにリボンを置きます。
「ここはケムケムの森。私の名前はリッカ。魔法使いよ。あなた達のいる次元ではやってはいけない3つのルールがあるの。1つ目は魔女の姿をみせないこと。2つ目は喋らないこと。3つ目は魔法を使うとこを見られてはいけないこと。だから強引にここへ連れてきたわけ。」
「魔法?次元?」
「説明不足だったわね。ここはあなた達からしたら異次元よ。」
リッカは混乱する私たちを横目に淡々と喋り続けます。
「蝶々になって違う次元へと旅行をすることにしたの。そしたら蜘蛛の巣に引っかかったのよ。もう最悪。魔法も使えないし、どうしようかと思ったら、助けてくれて。だからあなた達にお礼をしようと思って連れてきたわ。何がいい?本当のカップルになりたいとか?」
リッカは意地悪そうな顔で提案してくる。
「なんでそこまで知ってるの?」
「だってタイミングを見るためにずっと聞いてたもん。2人の話。そしたらもうー、昼間からあんなことやこんなこと...」
「や、やめてくれー!」
頬を赤らめて必死に話を止める。
「本当に私たちにお礼しよう思ってます?」
「ぇえ!思ってるわよ。とりあえず今日は家でゆっくりしてちょうだい。」
「私たち家に帰らないとまずいんです。わかるでしょ?」
「無断外泊なんて嫁に怒られちゃうよ」
「大丈夫よ。わたしは偉大な魔法使い。髪飾りを渡す時に戻すわよ。それともえーっと、あの話をしてた時まで戻す?ベットで...」
「わ、わかりました!今日はゆっくりしていきます!!!」
こうして異次元にきた私たちは、偉大な魔法使い?リッカの家に泊まることにしました。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない
堀 和三盆
恋愛
一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。
信じられなかった。
母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。
そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。
日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
あなたのことなんて、もうどうでもいいです
もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。
元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【本編完結】記憶をなくしたあなたへ
ブラウン
恋愛
記憶をなくしたあなたへ。
私は誓約書通り、あなたとは会うことはありません。
あなたも誓約書通り私たちを探さないでください。
私には愛し合った記憶があるが、あなたにはないという事実。
もう一度信じることができるのか、愛せるのか。
2人の愛を紡いでいく。
本編は6話完結です。
それ以降は番外編で、カイルやその他の子供たちの状況などを投稿していきます
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる