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第5章 ランドバルク王国王女イグレーヌ
エピローグ2
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「ドラちゃん」
ぼくに話しかける優しい声。
うーん。でもすごく眠いんだ。
ぼくは、歳をとったからね。
ほとんど、一日中寝ているんだよ。
でも、ぼくは片目を開ける。
そこは、いつもの世界ではない光につつまれた部屋だった。
「ドラちゃん、今回も善く生きましたね」
目の前には白い服の女の人。
あのときと同じだ。
ぼくは死んだんだ。
ぼくは両目をあけて立ち上がる。
そして、白い女の人を見上げる。
「うん、すごく楽しかったよ。
たくさんの人に囲まれて、たくさんの子供もいて。
たくさん遊んで、たくさん寝て、おいしいものをたくさん食べて。
すごく幸せだったよ」
「そう、ドラちゃんはやっぱり生きるのが上手だね」
「うん、たくさん生きたよ。
たくさんの人たちを拾ったよ」
「そうでしたね。
ドラちゃんにはたくさんの人が救われました」
「でも、すごく眠いんだ」
「上手に生きたドラちゃんには、ご褒美があるの。
また生き返って善く生きてほしいの」
「えっ、また?」
「そう、また別の世界でね」
そうか、また生きるのか。
つぎの世界もきっと楽しいんだろうな。
今度はもっと多くの人を拾って、もっと食べて、寝て遊んで…
「ドラちゃんなら善くいきられるよ」
ぼくは首を縦に振る。
そのとたん、目の前が暗くなっていくのだった。
「ドラちゃん、ミルクの時間ですよ」
おかあさんの声。
今いくよ。
ぼくは3本の尻尾を器用に揺らしておかあさんのところに歩いていくのだった。
前世は拾われた猫だったので。転生したら人間を拾っています 了
ぼくに話しかける優しい声。
うーん。でもすごく眠いんだ。
ぼくは、歳をとったからね。
ほとんど、一日中寝ているんだよ。
でも、ぼくは片目を開ける。
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「ドラちゃん、今回も善く生きましたね」
目の前には白い服の女の人。
あのときと同じだ。
ぼくは死んだんだ。
ぼくは両目をあけて立ち上がる。
そして、白い女の人を見上げる。
「うん、すごく楽しかったよ。
たくさんの人に囲まれて、たくさんの子供もいて。
たくさん遊んで、たくさん寝て、おいしいものをたくさん食べて。
すごく幸せだったよ」
「そう、ドラちゃんはやっぱり生きるのが上手だね」
「うん、たくさん生きたよ。
たくさんの人たちを拾ったよ」
「そうでしたね。
ドラちゃんにはたくさんの人が救われました」
「でも、すごく眠いんだ」
「上手に生きたドラちゃんには、ご褒美があるの。
また生き返って善く生きてほしいの」
「えっ、また?」
「そう、また別の世界でね」
そうか、また生きるのか。
つぎの世界もきっと楽しいんだろうな。
今度はもっと多くの人を拾って、もっと食べて、寝て遊んで…
「ドラちゃんなら善くいきられるよ」
ぼくは首を縦に振る。
そのとたん、目の前が暗くなっていくのだった。
「ドラちゃん、ミルクの時間ですよ」
おかあさんの声。
今いくよ。
ぼくは3本の尻尾を器用に揺らしておかあさんのところに歩いていくのだった。
前世は拾われた猫だったので。転生したら人間を拾っています 了
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