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第5章 ランドバルク王国王女イグレーヌ
イグレーヌ01
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わたしはランドバルク王国、第一王女イグレーヌ。
兄のブラッドリーに追われて、亡命の旅を続けている。
父が急逝し、わたしを追い出すことで兄は王となったのだ。
べつにわたしは王の座を奪おうとしたのではない。
もともと、第一王妃の子で長男である兄が王を継ぐのは当然であり、なんの問題もなかった。
ただ、兄は人種差別主義者であり、ランドバルク人以外を弾圧するという考えだった。
父はそんな兄を王にふさわしくないと見たのだ。
それで、わたしを女王にするということになったのだ。
わたしは別に女王になりたいというわけではなかった。
ただ、兄の人種差別主義は違うと思っていた。
国は王族のためにあるものではなく、国民のためにあるもの。
だから、王族は国民の安全や平和に資するものでなくてはならないのだ。
それで兄は動いた。
なんと北の悪魔の力を借りたのだ。
父はすぐに急逝することとなった。
それはわたしを女王にする宣言の前であった。
兄がなにか手を打ったには違いない。
王位はまず前王が指定するものがなる。
指定したものがなければ王室法に定める皇位継承の順で認められるのだ。
つまり、父が死んだ時点では次の王の指定はなされておらず、王位継承一位である兄が王となったのだ。
そうなるとわたしは邪魔なものとなる。
反乱を起こそうとしたという濡れ衣を着せて処刑しようとしたのだ。
普通なら、軍を掌握した兄から逃げることなどできないのだが、わたしを助けてくれる人がいたのだ。
父の懐刀であるランスロットだ。
ランスロットは剣の天才であり、剣神として周辺諸国にも知れ渡っていた。
武闘大会でも不敗を誇っていた。
もちろん、兄はランスロットが自分の親衛隊になると思っていた。
国の最高武力は自分のものだと信じて疑わなかった。
そのランスロットはわたしに剣をささげたのだ。
それだけではない。
王国の頭脳とよばれたエヴァンスもわたしにつくこととなった。
兄についたのは、旧勢力の貴族たち。
前王が改革を行おうとしたときの反対勢力。
それに比べ、わたしには新しい力が味方した。
この古い考えに固まった国を変えようという若い力がわたしの側についたのだ。
国は二分されることとなった。
だけど、わたしの勢力のほうが少し強かったのだ。
それに対抗して兄は北の悪魔と手を結ぶこととなった。
悪魔国から魔王の左手という5人の悪魔を呼び寄せたのだ。
ともに世界を制服しようと。
兄は悪魔国に定期的に生贄をささげることによって力を借りたのだ。
つまり、ランドバルク王国を人間牧場としようというのだ。
兄の選民思想により劣った民族を悪魔にささげることはなんの問題もないのだった。
それに将来的にはロラン王国やフリード共和国を征服すれば、生贄なんていくらでもいる。
ブラッドリーはそういう考え方だ。
わたしは民のために立ち上がる決心をしたのだった。
兄のブラッドリーに追われて、亡命の旅を続けている。
父が急逝し、わたしを追い出すことで兄は王となったのだ。
べつにわたしは王の座を奪おうとしたのではない。
もともと、第一王妃の子で長男である兄が王を継ぐのは当然であり、なんの問題もなかった。
ただ、兄は人種差別主義者であり、ランドバルク人以外を弾圧するという考えだった。
父はそんな兄を王にふさわしくないと見たのだ。
それで、わたしを女王にするということになったのだ。
わたしは別に女王になりたいというわけではなかった。
ただ、兄の人種差別主義は違うと思っていた。
国は王族のためにあるものではなく、国民のためにあるもの。
だから、王族は国民の安全や平和に資するものでなくてはならないのだ。
それで兄は動いた。
なんと北の悪魔の力を借りたのだ。
父はすぐに急逝することとなった。
それはわたしを女王にする宣言の前であった。
兄がなにか手を打ったには違いない。
王位はまず前王が指定するものがなる。
指定したものがなければ王室法に定める皇位継承の順で認められるのだ。
つまり、父が死んだ時点では次の王の指定はなされておらず、王位継承一位である兄が王となったのだ。
そうなるとわたしは邪魔なものとなる。
反乱を起こそうとしたという濡れ衣を着せて処刑しようとしたのだ。
普通なら、軍を掌握した兄から逃げることなどできないのだが、わたしを助けてくれる人がいたのだ。
父の懐刀であるランスロットだ。
ランスロットは剣の天才であり、剣神として周辺諸国にも知れ渡っていた。
武闘大会でも不敗を誇っていた。
もちろん、兄はランスロットが自分の親衛隊になると思っていた。
国の最高武力は自分のものだと信じて疑わなかった。
そのランスロットはわたしに剣をささげたのだ。
それだけではない。
王国の頭脳とよばれたエヴァンスもわたしにつくこととなった。
兄についたのは、旧勢力の貴族たち。
前王が改革を行おうとしたときの反対勢力。
それに比べ、わたしには新しい力が味方した。
この古い考えに固まった国を変えようという若い力がわたしの側についたのだ。
国は二分されることとなった。
だけど、わたしの勢力のほうが少し強かったのだ。
それに対抗して兄は北の悪魔と手を結ぶこととなった。
悪魔国から魔王の左手という5人の悪魔を呼び寄せたのだ。
ともに世界を制服しようと。
兄は悪魔国に定期的に生贄をささげることによって力を借りたのだ。
つまり、ランドバルク王国を人間牧場としようというのだ。
兄の選民思想により劣った民族を悪魔にささげることはなんの問題もないのだった。
それに将来的にはロラン王国やフリード共和国を征服すれば、生贄なんていくらでもいる。
ブラッドリーはそういう考え方だ。
わたしは民のために立ち上がる決心をしたのだった。
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