2 / 7
第2話 小さなのダークヒーロー?
しおりを挟む転生して3歳になったワシは今日も魔力の訓練をしている。
毎日努力出来るのがダークヒーローなのだ。
訓練のあとは、スラムの子どもたちが遊んでいるが、そこに混ざることはせず、訓練。
ワシはそんじょそこらのやつとは違うのだ。
母さんに友達ができないと心配されてしまうが仕方ない。
これも未来の為だ。
いや待て、一般的な幼児を演じた方が自然なのか??
あくまでもワシが目指しているのは、ダークなヒーローなのだ。
普段は息を潜めておくのためにも遊ぶのが正解なのでは‥
しかし、そうは言っても精神年齢が離れすぎて仲良くできそうにないがみんなに混ざって遊ぶほうが自然なのかもしれない、だってワシまだ3歳だもの
それからまた2年を経て5歳となったワシは原作のことをちょっとずつ思い出してきた。
まず、大まかなストーリーだが舞台は人間の学園で、貴族の女の子とスパイをしている魔族の貴族である男の子の2人が主人公で、学園の寮で2人は偶然同じ部屋になって魔族の主人公の正体がバレるところからはじまる。
それからなんやかんやあって邪神という世界を滅ぼそうとする共通の敵を倒すため人間と魔族の争いが収まっていき、主人公同士が恋してくっついて幸せな生活をする的なやつだ。
うん。ハッピーエンドだ。
まあワシには関係はないし、邪神も主人公たちが倒してくれるはずだからストーリーには干渉しないようにしようと思う。
ちなみにストーリーが始まるつまり、主人公が学園に入学するのは今から1年後だ。
ワシが今思い出せるのはこんなとこだ。
ってもうこんな時間だアイツがくる。
「おーい!遊ぼうぜー」
ほらきた。
短く切られた赤い髪に黒い目こいつはここら辺のガキ大将のレンだ。
精神年齢の違いから周りに馴染めなかったワシに優しくしてくれた優しいやつだ。
ちなみにワシは今世はクールキャラでいこうと思う。
別に人付き合いが苦手ってわけではない。ガチじゃ。
そんなわけでレンとはお互いに同じ病を患っている者として、よきライバルとして毎日遊んでゴホン、遊んでいるわけではなく互いを高めあっている。
将来は仲間にしてやろうと考えている。
もう一人エリーちゃんという青い髪でぱっちりとした目の少女がいるのだが今日は来ていないようだ。
ちなみにワシは黒髪黒目で結構イケメンである。
というかこの世界の人は大体みんなイケメンや美人で構成されている。
ゲームだしそうか。
「おまえほんとに毎日こんなことやっているのかよ」
(いくらなんでもごっこ遊びのレベルじゃないぞ。こいつヤバいな)
レンに言われてしまった。
今日はレンにも魔力の訓練を教えてやろうと、いつもの修行をする、しかし調子に乗りすぎたようでわしは気絶してしまい解散となった。
これにはレンも呆れてしまったようだ。
そりゃーこんなことで気絶するなんて、ダークヒーローを目指すものとしては呆れられて仕方がない。
しかも、レンはもう悪の怪人を倒しているらしい。早々にライバルに遅れをとっている。
これは由々しき事態だ。
今日から筋トレ倍にしなくては‥
夜
それはダークヒーローにとっての昼間。
何言っているか分からない?
大丈夫だこういうのは慣れだ。
前世合わせて80歳越したワシが言っているのだから間違いない。
とりあえず夜は良いのだ。
月が出ているとより良い。
なんなら赤い月はもっといい。
そこに雲がかかっているとより‥‥おっとついあの病の発作が出てしまった。
-閑話休題-
ワシが住むスラムにはたくさんの危険がある。
たとえばあそこ、あの人影が怪しい。
あれは邪の空気をまとっている。
ワシは日頃から邪の雰囲気を読み取る訓練をしているので分かる。ワシはとっさに物陰に隠れた。
あれはリンゴ売りのジョンだ。
あいつは怪しい気がしたんだ。
お、まだいるぞ、ジョンの後についていっているのはパン屋のジュリーだ。
アイツはパンを売るときの顔が怪しかったので覚えている。
「あいつは手に入れられたか」
「あいつがいないとあの御方を復活させることができないからな」
「はい。しっかりと。準備は進みつつあります」
なんか言っているがワシは耳が悪いので聞こえない。
いや、聞こえているが遠くの音は理解しない癖がついているので何言ってんのかわからない。
しかし、まだ出ていかない。
ワシは待てる男なのだ。
今じゃないとワシの第六感が言っている。
「じゃあ連れていってくれ」
「分かりました。こちらです」
2人はパン屋のなかに入って行く。
ワシも当然付いていく。
何を言っているのか分からなくても空気は読めるのだ。
ッ!これは
そこには今日遊びに来なかったエリーちゃんが檻に捕まっていた。
眠っているようだ。
ワシは考えた。
夜のパトロールはいつもしているがこんな場面に出くわしたことはない。
いや怖いって
ジョンの目キマッてますやん。
しかし、これ以上ないダークヒーローの出番に腕がなる。
「じゃああの薬はあるな」
「はい。これを」
「ちょっと待った~」
やっべ思わず出てきてしまった。
しかもあんまりカッコいい声が出なかった。
でもしょうがない、明らかにヤバそうな薬だもん。
どうしようか
ダークヒーローは正体がバレちゃいけないのに。
「ご近所のコマンくんじゃないか。よくないよ夜にこんなところにいたら、、ジュリーやれ」
こうなったらしょうがない
こういうときは前世で覚えた強力なコマンドで
ってコマンド忘れてるんじゃったー
「ごめんなさいコマンくん。あの御方の復活の為には犠牲が必要なの「上下ナナメetc‥」
「忘れてるものはしょうがない。はっ!とりゃっー!」
「ぶふぇっ コ、コマンドはど、どうしたの?このゲームはコマンドでたたかうんじゃ」
「はっ!ほっ!やぁ!どっこいしょ!」
「何でコマンドを使わずに‥‥」バタッ
「ジュリー何してるんだ?クッ何でこんな弱そうな掛け声のヤツにやられてるんだ、俺が、くっ、相手をし」バタッ、
「とりゃー!ほいしょー!」
ジュリーが何か大事そうな事を言っていたけど、気にしない。
コマン・ドー初めての戦いは勝利。
しかし、それはダークヒーローとは言えないものだった。
ワシぴえん。コマンは落ち込んでいた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

【完結】「心に決めた人がいる」と旦那様は言った
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
「俺にはずっと心に決めた人がいる。俺が貴方を愛することはない。貴女はその人を迎え入れることさえ許してくれればそれで良いのです。」
そう言われて愛のない結婚をしたスーザン。
彼女にはかつて愛した人との思い出があった・・・
産業革命後のイギリスをモデルにした架空の国が舞台です。貴族制度など独自の設定があります。
----
初めて書いた小説で初めての投稿で沢山の方に読んでいただき驚いています。
終わり方が納得できない!という方が多かったのでエピローグを追加します。
お読みいただきありがとうございます。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。

運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる