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しおりを挟む私は一度大急ぎで自宅まで”飛んで”戻ると、パジャマから着替え外出用の衣装に着替える。
私のスタイルの良さを活かしつつ、神々しさを演出したい。
やはりここは肩の出たマント付きの黒のボディコンドレスが一番だろう。
胸元がぱっくりと開き、大きな胸が谷間を強調する。
ウェストは細く引き締まっていて、お尻も大きく張り出している。
ドレスから伸びたスラリと長い脚線美は見るものを魅了してやまない。
加えて装飾品として、ネックレスとイヤリング。手首にはブレスレットもつけている。
ロングの髪にしっかりとブラッシングを掛け、最後にメイクをすれば完成である。
そして、私は鏡の前でクルリと回ってみる。
「よし!完璧!」と私は思わず声に出してしまった。
これで私の神々しさは十分に演出できただろう。後は夜の街へ繰り出すだけだ・・・。
(さて、それじゃあ行きますか)と私は心の中で呟くのだった・・・。
そして、私はベージュのパンプスを履き、”窓から”勢いよく外に飛び出した!
そのまま、空高く舞い上がり、ゆっくりと下を見下ろす。
地上の町の明かりがとても綺麗に見えた。
眼下には豆粒よりも小さい人々の往来が見て取れる。
夜も更けているというのに、人通りが多いのはさすが日本と言ったところだろう。
私はそんな人々を遥かな高みから見下ろすとニヤリと笑うのだった。
「・・・よく考えたら、こんな大勢の人の前で巨人になるのは初めてよね・・・」と私は呟く。
これまでの3回は人気があまりない、もしくは、ほとんど目撃がされない様な状況で巨人となっていた。
人通りが多い所で巨人になってしまえば、うっかりと人を踏み潰して大騒ぎになってしまうかもしれないと思ったからだ。
流石に私に敵意を持っていない人たちを踏み潰しちゃうのには夢の中とは言え抵抗があった。
だから私は無意識に人目を避けるようにしていたんだろう。
ところが人々に信仰心を抱かせるために私の巨大な姿を見せるのが良いという事が分かった。
だったら、もう試さずにはいられない。私の神々しい巨大な姿を人々に見せつけたくて仕方がなかった。
・・・踏み潰さないように気をつければいいだけの話。空中に浮かびながらだったら出来るだろう。
それにどうせ夢なのだ。
「さて・・どれくらい大きくなろうかな・・・」
空中に静止した状態で眼下を見下ろしながら、私は嗜虐的な笑みを浮かべていた。
今の私は自分がどれくらいまで大きくなれるか何となくは認識している。
私はまだまだ大きくなれる余地があった。
「ふふっ・・・・じゃあ、いくわよ!」と私は呟くと、指をパチンとならした!
すると、ゆっくりと私の身体が膨張し始める・・・。
空の異変に人々が指を差して、何事かと騒いでいた。
『お、おい、あれなんだ?』
『人が浮いている・・・!?』
『なんかしかもデカくねえか?』
『なんかやべぇよ・・・おい、早く逃げないと!』
人々は空を見上げながら口々に言葉を発している。
私はそんな彼らの反応にニヤニヤと笑う
(あはっ・・・いい反応ね。さあ・・・もっと見せてあげるわよ)と私は心の中で呟くと、ゆっくりと手を上に上げていく・・・。
すると、それに合わせて私の身体も上昇し始めた。
「・・・さあ、どうかしら?」と私は言いながら地上を見下ろす。
今や身長50メートルを超える程巨大化した私を見て人々は恐怖に震えていた・・・。
『う、うわぁぁぁっ!!』
『な・・・なんだこれ!?』
『に、逃げろぉぉっ!!』
などと口々に叫んでいた。
地上では人々がパニックになって走り回っていた。
そんな彼らから早速私に対する畏敬と憧憬の念が感じられる。
まだまだ、数は大したものではないが、すでに100名以上の人間が私に対しての信仰心を持っているようだ。
(ふふふっ!良い感じね)と私は思う。
そして、ゆっくりと口を開いたのだった・・・。
「女神様の降臨よ・・・!踏み潰されたくなかったら、私に対して頭を垂れなさい」
そう言って、私はニヤリと笑うのだった・・・。
その途端、私の直下にいる人々が一斉に私に対して跪き始めた。
『う・・・うわぁぁ!!』
『お、お許しくださいっ!!どうか命だけはっ!!』
などと口々に言いながら、彼らは必死に私に許しを乞うてきたのだ。
(ふふっ!良い感じに信仰心が集まってきたわね)
私はさらに大きくなっていく・・・。そして、ついには100mを超える大きさになる。
『な、なんだあれ!?』
『巨人っ!?』
『て、天使だ・・・天使が降臨したんだっ!!』
人々の狼狽える声や、悲鳴がさらに広がっていくのが分かる。
私が大きくなるにつれて、彼らの反応の大きさも比例するように大きくなっていく。
「ふふっ・・・だけどまだまだこれからが本番よ?」
そして、私はさらに指をパチンと鳴らしたのだった!
グググ・・・!
私の身体の巨大化がさらに加速していく・・・!!
同時に空高く飛翔し、雲の上まで来たところで止まると、夜の街が一望できた。眼下には街全体の夜景が広がっている。
『う、うわぁぁ!!』
『きゃああ!何あれっ!?』
と人々は悲鳴を上げる。
多くの人々が私を認識し始め、流れ込んでくる信仰心がさらに増えていく。
私はそんな彼らの反応を楽しみながら、どんどん巨大化を続けた。
そして、遂には500mを超える程の大きさにまでなったのだ!!
私は大声で「跪きなさい!女神の御前よ!!」と言って地上の人々に告げる。
私の眼下には跪く人々と、その上空で仁王立ちする巨大な女神の姿が映っていた。
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