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しおりを挟む「えっ・・・うそ・・・」
と思わず呟いてしまった。
建物の大きさが昨日見た夢と比べて小さくなっていたのだ!
つまりそれだけ私が大きくなっているということでもある。
うわ大きいなぁ・・・思いながらと改めて自分の大きさを確認する。
身長は昨日の夢の倍くらいだろうか? 建物の大きさから推測すると、今の私は人間の50倍くらいの大きさはあると思う。
100メートル近い大きさの巨人に私はなっていた。
それにしても・・・と私は考える。今の私の姿を見たら、みんなビックリするだろうなぁ・・・と思うと自然と笑みが溢れてきた。
昨日から私は絶好調のようだし、遥香は私のことを”神々しい”と褒めてくれた。
そんなただでさえ美しい私が、巨人になって人々の前に現れたらどうなるか?その反応を是非見てみたかった。
人は自分がどう見られるのか気になるものだが、私や遥香は特にその傾向が強い。これはモデルとしての性だろう。
「あ、でもパジャマ姿じゃん・・・私」
寝る前にパジャマに着替えたから、そのイメージが夢の中にも反映されているのだろうか?
変なところだけリアルだった。しかし、これじゃ流石に格好つかない。神々しさをアピールするためにはやっぱり衣装は重要だ。
「うーん、念じたら変えられないかな・・・?」
私はとりあえず念じてみることにした。
しかし、「・・・あれ?」と思わず声が出てしまう。
何も起こらなかったからだ。私の服装は先ほどと同じパジャマのままだった。
おかしい・・・確かにイメージはしているのに。「うーん・・・」と私は再び考え込んでしまう。
昨日もそうだけど、変な所でこの夢は融通が利かないようだ。
・・・まったく・・・衣装くらい自由にさせてくれてもいいのだけどねぇ・・・。
寝る前に衣装とかは吟味したほうがいいのかもしれないわね。もしかしたら、またこの夢を見られるのかもしれないし・・・。
・・・まあ、変えられないものは仕方ない。今回は衣装については諦めよう・・・。
私はそう結論づけると再び街に視線を移す。
「さて・・・と・・・」と私は呟きつつ街の中心に向かって歩き出すことにしたのだった。
………ズシン………ズシン………と地響きを鳴らしながら私は街の中を歩く。
当然、人々は起きているはずもなく静かな街並みが広がっていた。
しかし、そんな中でもやはり私の存在に気づいた人はいるようだ。
「・・・な、なんだあれ!?」
「きょ・・・巨人!!?」
「逃げろ!!」
という声が聞こえてくる。
どうやら異変に気づいて外に出てきた住人が何人かいるようだ。
まあそれもそうか・・・あんな地響き立てたら起きるだろう。それに、今の私は50倍の大きさだしね・・・。
気づかれないほうがおかしいだろう。
さて・・・どうしたものかしら?せっかく、外に出てきてもらったんだ。何かサービスでもした方がいいわよね? と思い、私はゆっくりとしゃがみ込むと、彼らに向かって手を伸ばした。
なんてことはない。ただの好奇心で巨人になった状態で、人間を見てみたかったからだ。
すると、彼らは悲鳴を上げて逃げ惑う。まあそりゃ怖いよね・・・こんな巨人にいきなり手を差し出されたら・・・。
でも私はそんな彼らの気持ちなどお構いなしにそのまま手を伸ばし、逃げ惑っている人を優しく指で摘んでいく。
「や・・・やめてくれぇぇぇ!!」という叫び声を彼らは上げるが、気にせず摘み上げ手のひらに乗せていく。
そして外に出ている全員をつまみ上げると、自分の目の前に持ってきた。
「・・・あ・・・ああ・・・」という声が彼らの口から漏れている。
恐怖で震えているのだろう。
手のひらに乗っているのは10人ほどの男性達でみんな若いようだ。大人だけじゃなく、子供も混じっている。
みんな私よりも遥かに小さいから、50倍の大きさになった今の私の手のひらに楽に収まってしまった。
私はそんな彼らを見て思わず微笑んでしまう。だって、こんなに小さくて可愛い生き物が目の前にいるんだよ?そりゃ笑顔にもなるよね・・・。
「ねえ・・・みんなは私のことどう見えてるの?」と私は優しく語りかけた。
「・・・えっ?」と彼らは一瞬戸惑った様子を見せるがすぐに答え始める。
「お・・・大きく・・・見えます・・・」
「巨人だ・・・」
「怖いよぉ・・・」
という声が聞こえてくる。まあ予想通りの反応だったかな。
でも、私はその答えを聞けて満足だった。やっぱりそうだよね・・・と思う。
「ふふ、良かった!ちゃんと巨人に見えてるのね」と私は嬉しそうな表情を浮かべて言った。
すると、彼らは一斉に首を縦に振り始める。どうやら私の言っている事がきちんと伝わっているらしい。
「・・・ふふっ、嬉しいな・・・」と言いながら私は彼らに向かって微笑むのだった。
その後しばらく沈黙が続いたがやがて彼らの内の1人が口を開いた。
「あの・・・私たちをどうする気なんですか?」という質問だった。
まあ気になるよね?と思ったので私は正直に答えることにした。
「ん~特に何もする気はないんだけどね・・・ただ、ちょっと皆のこと見てみたかっただけよ」と私は言った。
昨日は日頃の恨みもあって、ついあの女子の家を踏み潰してしまったが、
私に危害を加えようとしなければ、私は別に人間たちを殺そうなんて思わない。たとえ夢の中だとしてもだ。
もっとも巨人になった美しい私の姿を人々に見て欲しいという欲があるのは、もう間違いないんだけどね。
「・・・そ、そうなんですか・・・」と彼らは安堵した様子を見せる。
そして、安堵した彼らの1人が今度は私に質問してきた。
「あ、あの・・・あなたは一体誰なのですか・・・?何故そんなに大きいのですか・・・?」
と聞いてくる。
私は「うーん・・・」と少し考えてからこう答えた。
「・・・そうね・・・簡単に言うと私が”女神”だからかしら?」と言ってみる私。
本当になんとなく興が乗って私はそういっただけだった。
しかし、その一言を聞いた彼らは更に大騒ぎになってしまう。
「め・・・女神様!?」
「本当にいたなんて・・・」
「ああ・・・神様・・・」
と口々に言う。
そして、みんな私に向かって祈りを捧げ始めたのだ。まるで神を崇めるかの如く・・・。
そんな光景を見て思わず嬉しくなりニヤけてしまう私であった。
可愛いなぁ・・・と思いながら見つめていると、あることに気づく。
「あれっ?なんかみんな顔が赤いけど大丈夫?」と私は言った。
すると彼らはさらに顔を真っ赤に染め上げていくのだ。
「だ、大丈夫です!」「気にしないでください!」と言うが明らかに様子がおかしかったので私は心配になり、顔を近づけた。
「なに・・・どうしたの?」と言いながらさらに顔を近づけると、彼らはますます赤くなっていった。
「あ・・・あの・・・」と一人の少年が口を開く。
「ん?なに?」私は聞き返す。
「・・・ち、近いです・・・」と言うので私は思わず笑ってしまう。
よく見てみると少年のあそこが膨らんでいるのが見えた。どうやら興奮しているようだ。
「あ・・・ごめんね?でも、どうしてそうなったのか教えてくれないかな?」私は聞いてみた。
すると彼は恥ずかしそうにしながらも答えてくれた。
「・・・あの、その・・・女神様があまりにも綺麗で・・・」と言うので私は嬉しくなった。
そして、そのまま彼の耳元で囁くようにこう言ったのだ。
「ありがとう・・・嬉しいわ」と笑顔で言うとさらに少年は赤くなった。
どうやら照れているようだ。可愛いなぁと思いながら指先を使って彼の全身を優しく撫でて上げた。すると・・・
「んっ・・・」という声と共に少年は身体をビクッと震わせる。
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