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アナザーストーリー

フウセンカズラ あなたと飛びたい*

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 浅い所、ふっくらと腫れて存在を主張している前立腺を優しく押し込むと、薫くんはいつも僕の腰に足を回して奥に促そうとしてくる。
「も、ちからっ、奥、欲しいっ」
 強請ってくる顔がいじらしくて、もっと虐めたくなってぎゅうっと弱い所に押し付けた。
 きゅっと中が素直に反応して、僕の性器を締め付ける。奥へ奥へと飲み込もうとするように、中が蠕動して縁がひくひくと震えた。
 咥えこまれたところからたまらない痺れが腰へと駆け上がる。
「でも、薫くん。ここ、好きだよね」
 押し付けたままぐりぐりと捏ね繰り回してやると、薫くんは細い悲鳴を上げながら喉を仰け反らせた。腹に先走りを垂らした性器がびくびくと跳ねている。
 刺激に全身を震わせながら涙目で僕の目を捉えて、「はやく…」と唱える彼に僕の性器もびくんと跳ねた。
 気を張ってないと、すぐに持っていかれそうになる。
 普段のスマートな彼と、セックスをしている時のとろとろに蕩けた彼とのギャップが僕の支配欲を満たして、一層性感が高まった。
「うん、いいよ、入れてあげる」
 羞恥心を煽るようにわざと声に出してから、焦らすようにゆっくりゆっくりと奥へ性器を推し進めていくと彼がもどかし気に首を振った。
 本当は一気に奥まで貫かれたいのを知ってる。
「お、まえ、あとで、覚えとけよ…っ!」
 僕が故意で意地悪をしているのがバレてしまった。でもそうやって強がるのも可愛くて、もう少しだけ虐めることにする。
 半ばほどまで埋め込んでから、ギリギリまで引き抜くと慌てたように中と縁がぎゅっと締まってずちゅっと濡れた音が漏れた。
「あっ、アッ!も、おねが…!」
 途端に蕩けた表情を晒して、彼が僕の肩に爪を立てる。鼓動に合わせて震える前立腺の感触をもっと楽しみたいけど、これ以上焦らすときっと拗ねてしまうだろう。
「薫くん、可愛い。大好きだよ」
 素直に伝えれるようになった心を零しながら、腰が逃げないように添えた手に力を入れて一気に奥まで捻じ込んだ。
「ひっ!アァ!」
 甘い悲鳴が響いた。中が痙攣して、僕の性器をぎゅうぎゅうに締め付ける。もっと奥までと誘う波のように脈打つ。
「くっ…!」
 込み上げる射精感を腹筋に力を込めて必死で往なした。
 薫くんのお腹がヒクヒクと震えて、軽く達したことが分かった。
「あ、あ、アッ、ひっ、イくっ」
 遅れてお腹にくっつくくらい勃起していた性器の先端からとぷりと白濁が溢れ出る。
 それ後で全部舐め取らせて。
 本当は口の中に全部出して欲しいんだけど、薫くんは咥えられるの怖がっちゃうから。
 そうした時の薫くんの反応と、その味を想像して下腹がずくっと疼いた。
 あ、僕変態だ。
 一度いなしたはずの射精感が込み上げてきて、薫くんのお腹の奥を突き上げる。そのまま捏ね回すと抱え込んだ太ももがびくびくと痙攣した。
 連動して中もびくびく震えてぞぞっと背筋が強く痺れた。
 もう、我慢できない。
 抽挿を再開すると、薫くんは身体を精一杯仰け反らして腰をくねらせた。
「アッ、アッ!も、ムリ!イッたイッた!つら、いっ」
 声は聞こえてるけど、僕もちょっと余裕がない。
 中の痙攣と、縁の締め付けと、薫くんの甘い声全部に煽られて一気に射精感が込み上げてきた。これは多分我慢できるレベルじゃない。
「わかって、る。ケド、僕も…っ」
 びくびくと痙攣を続ける中を激しくかき混ぜると「ひぃん!」と上擦った声が漏れて、薫くんの腰が逃げるように仰け反った。
 それを無理矢理押さえつけて叩きつけるように腰を動かす。
「アッ、ヒッぐ…!!ダメッ!」
 イッたばかりでどこもかしこも敏感になってるんだろう。打ち付けるたびに首に回された手に力が籠って、耐えるように俯いた顔はみるみる赤く染まっていった。
 中も相変わらず痙攣して僕の性器をきゅんきゅん締め付けてくる。
 時折縋るように涙目で見上げられるのに、今更やめてあげることはできない。
 射精に向けて深い抽挿を繰り返す。
 奥を突き上げる度に彼は「イイッ」とか、「ダメッ」とか、必死な声で零しながら僕に縋り付いていた。
 半開きになった口元から溢れた涎がてらてらと光ってるのがたまらなく色っぽくて、睾丸が一気に緊張して熱を持つ。
「っ…!ぅ、く…っ!」
 込み上げる射精感に任せて奥まで突き上げて性器の箍を外すと、彼の身体がきゅうっと縮こまって硬直した。
 僕の射精に合わせて腰がかくんと跳ねる。
「あっ、あ…っ、出て、るぅ…っ」
 焦点の合っていない視線が僕を捉えてゆらゆら揺れて、目尻からぽろ、と涙が零れた。
 射精して少し萎えた性器が鼓動に合わせてひくん、ひくん、と締め付けられる。それがまたぞわぞわと快感を運んできて、ぶるりと肩が震えた。
 このままもう一度…。
 そんな考えが浮かんで、射精を終えて柔らかくなった性器が押し出されないように慎重に抽挿を再開する。
「ヒッ!やっ!ダメ!」
 僕が何を考えてるのか察したんだろう。薫くんは僕が抱え込んだ足を必死でバタつかせて、腰を捩って抵抗した。
 でも、ベッドの上での主導権は僕が握ってる。
 逃げる腰を押さえつけて、少し硬度を取り戻した性器で大好きな奥を突いてあげると、薫くんは「くぅん」なんて子犬みたいに可愛く鳴いて身体を縮こまらせた。
「も、ゆる、して…」
 潤んだ瞳で見上げられて背筋がゾクンと痺れた。硬くなってきた性器が薫くんの中でひくんと跳ねたのが分かった。
「薫くん、それ、逆効果だよ」
 突くたびに中がヒクついて性器が揉まれるように締め付けられる。抽挿を繰り返すたびに僕が出した精液が縁からとろとろと溢れてくるのが分かる。
 いよいよ、もう一度、と思って力を込めた所で、薫くんが「ひくっ」と喉を鳴らした。
 見ると、目尻からぽろぽろ涙が零れてイヤイヤと首を振っている。
「も、イきすぎて、辛い…っ」
 緩く握った手の甲で子供みたいに涙を拭う姿に嗜虐心が煽られて一層性器に血が集まるのを感じた。またいつもの演技。どうしてそんなことをするんだろう。逆効果なのに。
 そんなことをされるともっと虐めたくなってしまう。
 でもこれ以上続けると、あとで一杯怒られるだろう。
 ずるりと半ばまで引き抜いて、そのまままた突き込んでやりたいのを、理性を総動員させて堪えた。
「…ごめんね。あんまり可愛いからつい」
 ゆっくり引き抜いて抱え込んだ腰を下ろしてあげると、僕の胸に薫くんの足の裏がぐいっと押し当てられた。そのまま後ろに押し返される。
「…もう、少なくとも1か月はシないからな」
 睨みつける目は、目尻がほんのり赤く染まっている程度で涙はすっかり乾いている。やっぱり嘘泣き。今日の演技も可愛かった。
 1か月。困ったな。それは長い。
 でも、きっと薫くんの方が我慢できなくなって、理由をつけて押し倒される。
 そう思うとそれはそれで楽しみだ。その時は泣くまで焦らして上に跨って貰おうかな。
 でも。
「明日からね」
 胸に押し当てられた足首を掴んで肩に乗せて、太ももを抱え込んでからもう一度、今度は一気に奥まで押し込んだ。

 次の日、丸一日口をきいてもらえなかった。






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ちょっと予約設定を失敗してしまって、このお話の二つほど前に床屋の兄ちゃんの話が追加されています。
前髪ばっつり→床屋の独り言→薫side→このお話、という流れで読んでいただければと思います。
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