303 / 322
【更新中】苦痛にまつわるエトセトラ
3
しおりを挟む
「――と言うわけで、僕は君に痛いことはしない」
改めて顔合わせの席。向かいに座った山村くん(仮)にそう宣言すると、彼は大して表情も変えないまま上目使いにちろりと僕を眺めた。
一通りのデータをざっくり確認して――大方が前任者のオナニープレイで途中から最初と終わりしか見ていないので容量の割には随分短時間で済んだ――から、僕はちょっと浮かれ気分で山村くんと対峙している。
「……あれを「痛いこと」で済ませる辺り、貴様の感性も大概狂ってるな」
ため息交じりにそう零して山村くんは見せつけるみたいに内出血の酷い首筋を伸ばして撫でて見せた。ウチに来た最初の頃より随分やつれて見えるけどその瞳は理性的で、しっかり自我を保っていることが嬉しい。
あれ、と言うのがどれのことを指してるのか。
前任者は頭のおかしいナルシストの変態だったようで、山村くんに実に様々な拷問を行っていた。それも随分ノスタルジックなものばかり。途中から尋問より拷問自体が目的になってたのは明らかで、その手腕より上手に煽る山村くんにこそ感心した。
水責め、吊るし責め、プレスヤードに石抱き、鸛、驢馬、首筋の痣はガロットだったか……あとは何をやっていたっけ。どれも殺す気でやらない限りは中々死なないし、適切に見極めれば猫鞭やワニペンチみたいな外傷系より身体に残るダメージも少ないものばかり。身体が壊れないだけに連日続けられる様々な拷問から受ける苦痛は一級品だっただろう。普通の神経してたらとっくにイカれてる。
「よく言うよ。まだまだイケるって顔してた」
揶揄い半分に僕が前任者よりもうちょっと目敏いってことを教えてあげると、山村くんは視線にほんの少し警戒心を滲ませた。眉間に険が乗って表情が暗くなる。探るような視線は一瞬で引っ込んだけど、彼の中で僕の危険度が上がったのが分かった。
僕がどういう魂胆でモノを言ってるのか探りたいんだろうけど、生憎そんなに大したことは考えてない。
君を僕のモノにする。ただそれだけ。
君が大事に抱えてる秘密は僕にとってあんまり重要じゃない。だからきっと僕から何も読めなくて、さぞかし混乱してることだろう。顔に出てないのが凄い。
「――趣味の悪い加虐性癖でないなら」
「ぶふっ」
やっぱり前任者が自分を痛めつける事自体に執着し始めてたことには気付いてたか。まぁあんなにあからさまに股間を膨らませてればね。
思わず吹き出した僕を山村くんが不愉快そうに見ているので「ごめん」と謝って続きを促した。
「私を痛めつけるのが目的でないのなら、私に何をどうして何が聞きたいと?」
視線で探れないとわかったら素直に聞いてくるの、潔くてかっこいいな。
――できれば同じ気持ちを持って欲しい。
けどまぁ現時点ですぐにとは言わない。先は長いし僕は気が長い方だ。機転も利くから色々やりながら臨機応変に君を手に入れる方法を考えてる。
それにはまず。
「好きな食べ物は?」
「は?」
「甘いものとか好き? 趣味はある? 本は読む方?」
ホントの君のことを教えて欲しい。
改めて顔合わせの席。向かいに座った山村くん(仮)にそう宣言すると、彼は大して表情も変えないまま上目使いにちろりと僕を眺めた。
一通りのデータをざっくり確認して――大方が前任者のオナニープレイで途中から最初と終わりしか見ていないので容量の割には随分短時間で済んだ――から、僕はちょっと浮かれ気分で山村くんと対峙している。
「……あれを「痛いこと」で済ませる辺り、貴様の感性も大概狂ってるな」
ため息交じりにそう零して山村くんは見せつけるみたいに内出血の酷い首筋を伸ばして撫でて見せた。ウチに来た最初の頃より随分やつれて見えるけどその瞳は理性的で、しっかり自我を保っていることが嬉しい。
あれ、と言うのがどれのことを指してるのか。
前任者は頭のおかしいナルシストの変態だったようで、山村くんに実に様々な拷問を行っていた。それも随分ノスタルジックなものばかり。途中から尋問より拷問自体が目的になってたのは明らかで、その手腕より上手に煽る山村くんにこそ感心した。
水責め、吊るし責め、プレスヤードに石抱き、鸛、驢馬、首筋の痣はガロットだったか……あとは何をやっていたっけ。どれも殺す気でやらない限りは中々死なないし、適切に見極めれば猫鞭やワニペンチみたいな外傷系より身体に残るダメージも少ないものばかり。身体が壊れないだけに連日続けられる様々な拷問から受ける苦痛は一級品だっただろう。普通の神経してたらとっくにイカれてる。
「よく言うよ。まだまだイケるって顔してた」
揶揄い半分に僕が前任者よりもうちょっと目敏いってことを教えてあげると、山村くんは視線にほんの少し警戒心を滲ませた。眉間に険が乗って表情が暗くなる。探るような視線は一瞬で引っ込んだけど、彼の中で僕の危険度が上がったのが分かった。
僕がどういう魂胆でモノを言ってるのか探りたいんだろうけど、生憎そんなに大したことは考えてない。
君を僕のモノにする。ただそれだけ。
君が大事に抱えてる秘密は僕にとってあんまり重要じゃない。だからきっと僕から何も読めなくて、さぞかし混乱してることだろう。顔に出てないのが凄い。
「――趣味の悪い加虐性癖でないなら」
「ぶふっ」
やっぱり前任者が自分を痛めつける事自体に執着し始めてたことには気付いてたか。まぁあんなにあからさまに股間を膨らませてればね。
思わず吹き出した僕を山村くんが不愉快そうに見ているので「ごめん」と謝って続きを促した。
「私を痛めつけるのが目的でないのなら、私に何をどうして何が聞きたいと?」
視線で探れないとわかったら素直に聞いてくるの、潔くてかっこいいな。
――できれば同じ気持ちを持って欲しい。
けどまぁ現時点ですぐにとは言わない。先は長いし僕は気が長い方だ。機転も利くから色々やりながら臨機応変に君を手に入れる方法を考えてる。
それにはまず。
「好きな食べ物は?」
「は?」
「甘いものとか好き? 趣味はある? 本は読む方?」
ホントの君のことを教えて欲しい。
51
お気に入りに追加
1,161
あなたにおすすめの小説
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
R-18♡BL短編集♡
ぽんちょ♂
BL
頭をカラにして読む短編BL集(R18)です。
pixivもやってるので見てくださいませ✨
♡喘ぎや特殊性癖などなどバンバン出てきます。苦手な方はお気をつけくださいね。感想待ってます😊
リクエストも待ってます!
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
【R-18】♡喘ぎ詰め合わせ♥あほえろ短編集
夜井
BL
完結済みの短編エロのみを公開していきます。
現在公開中の作品(随時更新)
『異世界転生したら、激太触手に犯されて即堕ちしちゃった話♥』
異種姦・産卵・大量中出し・即堕ち・二輪挿し・フェラ/イラマ・ごっくん・乳首責め・結腸責め・尿道責め・トコロテン・小スカ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる