【R18】BL短編集

【完結】しょうがあるけどしょうがない【フィギング/閲覧注意】

10*

「はぇ…？」
むずむずっ、と性器が疼いた。
「え、…やッ…!!」
びぐんっ！と勝手に体が痙攣した。
「あ、こっちも」
状況が上手く理解できない。というより、したくない。現実逃避で感覚は鈍らないものかと冷や汗を流しながら必死で現状から目を逸らしている内に、ベッドに転がったままだった生姜がぬぶっ、と尻に戻ってきた。
途端に前後からあの灼熱感が込み上げてきて、全身の毛穴がぶあっと開いた。
「アﾞあぁﾞァアﾞ!!」
ぴっとりと吸い付くように張り付いた生姜は、必死で身動ぎして性器を揺すっても亀頭から離れてくれそうにない。それどころか、揺すって感じる風圧に擽られて余計にそこをしんしんと苛んだ。そして今もじりじりと込み上げてくる熱の温度は上がり続けている。
「うﾞぅ゛うﾞうﾞ～～～ッ」
どっと汗が噴き出す。粟立つのが見て取れるほど毛穴の開いた肌はしっとりと湿って、所々ではつぅ、と滴る跡もできはじめていた。
「萎えませんねぇ…。先輩って結構Mなんです？」
不思議そうな、それでいてちょっと意地悪げに弾んだ声が落ちてくる。
そうなんだ。自分でも信じられないことに、全身で苦痛を感じているというのに俺の性器は変わらず勃起したまま萎える気配すらない。それどころか、時折興奮を伝えるようにびくんっと跳ねて、その度にとぷっと先走りを零している。
こんな苦痛の中肯定なんて到底できないものの、かと言ってこの状態で否定して見せてもなんの説得力もない。結果俺は無視を決め込んだ。
「ふふ、じゃあ身体に聞いちゃいますね」
生瀬は楽し気にそう言うと、またトレーから生姜の切れ端を一枚取り上げた。
「やﾞめ…ッ！…ぁﾞア!!」
一瞬で何をされるのか悟って、逃げられなんてしないのに条件反射で身を捩れば、埋まった生姜がぐりんと蠢いて中を焼く。
込み上げる熱に「うﾞぅﾞぅﾞ」と呻いている内に、生瀬は汗と先走りが混ざった水溜まりに生姜をつぃ、と泳がせて、何の躊躇もなくぴとりと亀頭に張り付けた。そのまま鈴口は避けるようにして先端をくるりとひと撫でする。
最初の数秒か十数秒かは、ただむずむずと疼くだけ。
「……ッ」
それがじわじわと熱くなってきたと思ったら、焼けた鉄を押し付けられるかのような熱が一気に込み上げてくる。
「うﾞぅﾞ…!!」
身体が勝手に動いてしまう。まるで性器を見せつけるみたいに腰を突き上げて硬直すれば、中に埋まった生姜をぎゅうっと締め付けてしまって、そこがまた強烈に熱くなった。
「ひあﾞぁ！？」
締め付ければ締め付けるほどかっかと込み上げる熱がどんどん上昇していくように感じて、慌てて尻を緩めようと必死で息を吐く。
「あﾞあﾞァﾞ!!あづ…うﾞ…ッ、なませッ、も、もぉゆるしてぇえﾞ!!」
ぼろぼろと涙を零して懇願すれば、生瀬は「俺って結構Ｓだったんだなぁ」なんて聞こえよがしに零してまた一枚生姜を取り上げた。