【R18】BL短編集

【完結】皇帝ペンギン【甘め/微ハーレム】

15*

「あ…、ふっ、う…」
　ぎりぎりのところまで抜かれた性器がゆっくりと腹の奥を目指して戻ってくる。一度割り開かれた身体からは最初の圧迫感は薄らいでいて、受け入れるように腹に力を込めると擦られる感覚が鋭敏になって腰がぞくぞくと痺れた。
　入り込んでくる性器に押し出されるように息を吐く。
「…は、ぁ…、…お腹緩めるの、上手…。中が柔らかくなって、包まれてるみたいです…」
　先生が俺を見下ろしながらうっとりと囁いた。そんな身体の状態を説明されるような言葉に羞恥心が込み上げる。
　喋っている間も先生の腰は止まらない。ゆるゆると奥まで入り込んできて、行き止まりの壁をぐちぐちと捏ねて、またゆっくりと抜け出ていく。
「うぁあ、あ、あぁあ」
　それを繰り返されて、途切れのない刺激に腰から広がる痺れに全身が侵された。
　女を抱いている時のような表面的な快感とは違う、ゆっくり慣らされて堕とされるような、自分が抱かれてるんだとはっきり自覚させられるような快感。
　その快感に悶えているうちにやがて身体が奥まですっかり解されて、緩やかなその動きにもどかしさすら感じ始めたころ、単調な抽挿を繰り返していた先生の動きに変化があった。
　浅い所、解されている時に潮まで噴いてイかされた強烈な快感を感じる所を押し上げるようにして動きが止まる。
　じん、とそこが痺れて、遅れてぞわぞわと背筋が粟立った。
「…、…っ、それ…っ」
　だめです。と言う前に身体が軽く絶頂に達した。肩が跳ねて少しだけ身体が強張る。
　さざ波のように身体を這いまわる快感を甘く感じている内に、またそこから緩い絶頂感が込み上げてきた。
「っ、せんせ…っ、だめ…っ」
　身体が慣れてきた頃に時折揺する程度。先生はほとんど動いてないのに、そこを押し込まれているだけでまるでスイッチが押されっぱなしになっているかのように後から後から快感がやってくる。
　射精するほどの強烈さはない。ただ、射精というゴールがない分、終わりもない。
「あっ、あっ、イく…、また…っ」
　下腹部から痺れと快感が絶えず溢れ出してきて、身体が何度も緩い絶頂を繰り返した。
　これ、まずい…っ
　イく度にちょっとずつちょっとずつ、身体が敏感になってきているのがわかる。次の絶頂までのサイクルがどんどん短くなってきて、全身がぞくぞくと痺れはじめた。
「ひ、だめ…っ、これ、あっ、せんせっ、だめ…っ」
　必死で声を潜めても、途中途中で甘い声が漏れてしまう。
　腹から込み上げる身体中を触れるか触れないかの指先で擽られているような痺れを逃そうと身を捩る。でも身動ぎできたのは胸から上だけで、肝心の穿たれた腹から下は先生が優しく押さえつけていて動かせない。快感が逃せない。
　そうしている間にも絶えず射精を伴わない絶頂が穏やかな波のように繰り返し打ち寄せてきて、それは徐々に無視できない大きな波へと変わりはじめた。
「せんせ…っ！イっ、だめっ！…く…ッ！だめ…っ、ぃくっ！」
　我慢しきれない声が手の隙間から零れる。
　そこへ伝わる先生の性器の脈動すら快感に変換されて、どくどくと震わされる度に下腹が疼く。甘かったはずの絶頂が身体を跳ねさせるほどに育ち、腹の中を暴れまわっている。もう限界だと思っていた性器が触られてもいないのにはっきりと芯を持って先走りを垂らした。
「…イきっぱなしになっちゃった。可愛い。ここ、好きですか？」
　ずりゅ、とそこを捏ねられて、鋭い快感が背筋を駆け上がる。
「んんぅ！」
　意識する暇もないまま精液が零れ出て腹に散った。
　うそ、また…っ
「…また前立腺だけでイっちゃいましたね。倉木さん、お尻でイくの上手。偉いね」
　絶頂の余韻に襲われてがくがくと震える俺を見下ろして、朝日奈先生は子供を褒めるみたいににっこりと笑った。