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【完結】九蓮宝灯【S/鬼畜】
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何度か奥を震わせた後、カズマの性器がずるりと出て行った。
ぞく、と背筋が痺れる。
腹の中に感じたどろりとした泥濘が溢れてきて枕に零れた。
最悪だ。寝る度に思い出すじゃないか。
足を下ろしたカズマが満身創痍の俺の横に半身を寝かせた。
肘を突いて、覗き込むように見下ろされる。
「大丈夫か?水汲んできてやるから待ってろ」
言うだけ言ってベッドから降りていった後ろ姿を信じられない思いで見送った。
…大丈夫か?耳を疑った。どの口がそんなことを。大丈夫じゃないですけど?!
未だに全身がわなわな震えている。もう指一本動かせない。
身体の動作チェックを行ってるうちにカズマがグラスとタオルを持って帰ってきた。ちなみに身体からはエラーしか返ってこなかった。
そのまま俺の横に座って、腰の下の枕をとっぱらってから身体を起こす。
「ほら、飲め」
口元にグラスが添えられて、ゆっくり傾けられた。
大人しくその水を飲み干して、人心地着いたところでカズマを睨みつける。
「…変わりようが怖い。裏がある」
思ったことをそのまま伝えると「ふはっ」と息を吐いて笑われた。
「どっちかって言うとこっちが素なんだけどなぁ」
困ったように苦笑いをするカズマは、確かにさっきまでの鬼畜ヅラではない。ママに色目を使ってた時の顔だ。
「蒼士郎があんまり可愛く泣くもんだから、ちょっとだけ意地悪はしたな」
色っぽく流し目を送られて、目が合う前に逸らした。
ちょっとだけじゃねぇよ。走馬灯見えたんだぞ。
「3回くらい死ぬと思って1回死んだと思った」
恐怖と快感を思い出して身体がぶるりと震える。身動ぎするとまた中からカズマが出した精液がとろりと溢れた。最悪だ。
顔を顰めた俺を見て、カズマは起こしていた身体をゆっくりと寝かせてくれた。
「大丈夫大丈夫。あんなもんじゃ死なない」
大丈夫かどうかは俺が決めるんだよ。
そもそもどうしてこんなことになったんだ。麻雀で負けて「オマエ、オレノモノ」って超理論をぶちかまされたんだけど、なんでそうなったかだ。
カズマは「負けない男」として俺を探してた。腕自慢なら100万張る必要はない。
ぐるぐると考えてると、カズマが濡れたタオルで俺の腹をグイッと拭った。
「身体拭いてやる。あと、汁まみれのベッドの応急処置」
意地悪気に笑いながら言われてカッと顔が熱くなった。
「誰のせいだよ」
大人しく身体を拭かれながら恨みがましく言うと、カズマは俺をベッドのあんまり濡れてない所にころんと転がしてから言った。
「出させたのは俺だけど出したのは蒼士郎」
殴ってやろうか。くそ、身体が動かない。
そもそも、お前が弄り回さなかったら…。と、そこまで考えて思い出した。
「…そういえば、カズマは何で俺を探してたんだよ」
湿地帯みたいになってるベッドに乾いたタオルを敷くカズマを見上げる。
カズマはちょっとだけ考える風に目線を上げてから、「ふむ」と息をついた。
「女に振られて新しい家探してたら魔女に会った。それで「負けない男を負かしてみたら」って言われたから」
ここに来て「ワタシマジョナノ」が再登場してきた。
あの女のせいでマットレスと枕の買い替え案件が発生したのか。いっそこのまま小さいベッドに買い換えるかなぁ。なんて考えながら「へぇ」と気のない返事を返した。
「突っ込まないんだな」
返してから、その一言で気付いてカズマを見やる。
「…新しい、家?」
「あぁ、魔女の方じゃないのか。そう、ここ」
あたり前だ。あんな得体の知れない女なんかどうでもいい。
これはお前のものは俺のものパターンだったか。断固拒否のやつだ。
「住ませないよ?」
「おかまいなく」
構うんだよ。このままカズマに居座られたら俺の死因は腹上死待ったナシだ。
俺が住ませない言い分を構築しているうちに、タオルを敷き終わったらしい。カズマがベッドに寝転んで俺を抱き寄せた。胸に抱き込まれて心臓の音がトクトク聞こえる。
「俺、結構つかえるぜ?家事全般一通りこなすし、夜の方はご存知の通りだし」
それがダメなんだよ。
「添い寝だけにしてやってもいいしな」
「に」ってなんだよ。別にひとりで寝れるからいらない。確かにこのトクトク聞こえるのは心地よくはあるけど。
「帰ったら綺麗な部屋にあったかいメシと風呂。ベッドはふかふか」
カズマが俺の額やこめかみにキスしながら囁く。
「女みたいに浮気だ何だの騒がないし、麻雀も付き合ってやれる」
…それは魅力的だ。
魔女にした願いのこともまだ検証が終わってないし…。
「そもそも蒼士郎に拒否権は無いんだけどな」
あるわ。俺の家だよ。お前のものは俺のもの理論は認めないからな。
「なぁ、ひと月でいいから試してみろよ」
まぁ、試すくらいなら…。
「その間ぐずぐずに甘やかして、俺なしじゃ居られなくしてやるから」
自信たっぷりの笑みを浮かべてカズマが言う。
どうだろうね。使えって言うなら使ってやろうじゃないの。
ぞく、と背筋が痺れる。
腹の中に感じたどろりとした泥濘が溢れてきて枕に零れた。
最悪だ。寝る度に思い出すじゃないか。
足を下ろしたカズマが満身創痍の俺の横に半身を寝かせた。
肘を突いて、覗き込むように見下ろされる。
「大丈夫か?水汲んできてやるから待ってろ」
言うだけ言ってベッドから降りていった後ろ姿を信じられない思いで見送った。
…大丈夫か?耳を疑った。どの口がそんなことを。大丈夫じゃないですけど?!
未だに全身がわなわな震えている。もう指一本動かせない。
身体の動作チェックを行ってるうちにカズマがグラスとタオルを持って帰ってきた。ちなみに身体からはエラーしか返ってこなかった。
そのまま俺の横に座って、腰の下の枕をとっぱらってから身体を起こす。
「ほら、飲め」
口元にグラスが添えられて、ゆっくり傾けられた。
大人しくその水を飲み干して、人心地着いたところでカズマを睨みつける。
「…変わりようが怖い。裏がある」
思ったことをそのまま伝えると「ふはっ」と息を吐いて笑われた。
「どっちかって言うとこっちが素なんだけどなぁ」
困ったように苦笑いをするカズマは、確かにさっきまでの鬼畜ヅラではない。ママに色目を使ってた時の顔だ。
「蒼士郎があんまり可愛く泣くもんだから、ちょっとだけ意地悪はしたな」
色っぽく流し目を送られて、目が合う前に逸らした。
ちょっとだけじゃねぇよ。走馬灯見えたんだぞ。
「3回くらい死ぬと思って1回死んだと思った」
恐怖と快感を思い出して身体がぶるりと震える。身動ぎするとまた中からカズマが出した精液がとろりと溢れた。最悪だ。
顔を顰めた俺を見て、カズマは起こしていた身体をゆっくりと寝かせてくれた。
「大丈夫大丈夫。あんなもんじゃ死なない」
大丈夫かどうかは俺が決めるんだよ。
そもそもどうしてこんなことになったんだ。麻雀で負けて「オマエ、オレノモノ」って超理論をぶちかまされたんだけど、なんでそうなったかだ。
カズマは「負けない男」として俺を探してた。腕自慢なら100万張る必要はない。
ぐるぐると考えてると、カズマが濡れたタオルで俺の腹をグイッと拭った。
「身体拭いてやる。あと、汁まみれのベッドの応急処置」
意地悪気に笑いながら言われてカッと顔が熱くなった。
「誰のせいだよ」
大人しく身体を拭かれながら恨みがましく言うと、カズマは俺をベッドのあんまり濡れてない所にころんと転がしてから言った。
「出させたのは俺だけど出したのは蒼士郎」
殴ってやろうか。くそ、身体が動かない。
そもそも、お前が弄り回さなかったら…。と、そこまで考えて思い出した。
「…そういえば、カズマは何で俺を探してたんだよ」
湿地帯みたいになってるベッドに乾いたタオルを敷くカズマを見上げる。
カズマはちょっとだけ考える風に目線を上げてから、「ふむ」と息をついた。
「女に振られて新しい家探してたら魔女に会った。それで「負けない男を負かしてみたら」って言われたから」
ここに来て「ワタシマジョナノ」が再登場してきた。
あの女のせいでマットレスと枕の買い替え案件が発生したのか。いっそこのまま小さいベッドに買い換えるかなぁ。なんて考えながら「へぇ」と気のない返事を返した。
「突っ込まないんだな」
返してから、その一言で気付いてカズマを見やる。
「…新しい、家?」
「あぁ、魔女の方じゃないのか。そう、ここ」
あたり前だ。あんな得体の知れない女なんかどうでもいい。
これはお前のものは俺のものパターンだったか。断固拒否のやつだ。
「住ませないよ?」
「おかまいなく」
構うんだよ。このままカズマに居座られたら俺の死因は腹上死待ったナシだ。
俺が住ませない言い分を構築しているうちに、タオルを敷き終わったらしい。カズマがベッドに寝転んで俺を抱き寄せた。胸に抱き込まれて心臓の音がトクトク聞こえる。
「俺、結構つかえるぜ?家事全般一通りこなすし、夜の方はご存知の通りだし」
それがダメなんだよ。
「添い寝だけにしてやってもいいしな」
「に」ってなんだよ。別にひとりで寝れるからいらない。確かにこのトクトク聞こえるのは心地よくはあるけど。
「帰ったら綺麗な部屋にあったかいメシと風呂。ベッドはふかふか」
カズマが俺の額やこめかみにキスしながら囁く。
「女みたいに浮気だ何だの騒がないし、麻雀も付き合ってやれる」
…それは魅力的だ。
魔女にした願いのこともまだ検証が終わってないし…。
「そもそも蒼士郎に拒否権は無いんだけどな」
あるわ。俺の家だよ。お前のものは俺のもの理論は認めないからな。
「なぁ、ひと月でいいから試してみろよ」
まぁ、試すくらいなら…。
「その間ぐずぐずに甘やかして、俺なしじゃ居られなくしてやるから」
自信たっぷりの笑みを浮かべてカズマが言う。
どうだろうね。使えって言うなら使ってやろうじゃないの。
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