【R18】BL短編集

いろあす

文字の大きさ
上 下
46 / 300
【完結】冒険の書【ファンタジー/触手】

9*

しおりを挟む
「お前は本当にいい目をするな」
 高揚した声で魔王が言う。
 聞き流しながら息を整える。触手の責めは止まっていたが、性器を包み込んだ触手はそのままだった。いつあの強烈な責めが再開されるか分からない。
 全身を這いずり回る快感の余韻に身体がヒクヒクと跳ねていた。
「どれ、少し面白いことをしてやろう」
 どうせ禄なことでは無い。
 警戒心を強めて身を強ばらせる。
「警戒は無駄だよ。精々可愛く鳴いてくれ」
 魔王が楽しげにそう言った1拍後。
「ンっぁ…、!?」
 何もされていないのに、乳首がビリビリと痺れた。
 思わず声が漏れる。
 触手に触られた訳でもない。魔法が発動した形跡もない。
 意味がわからず戸惑いを含んだ目で魔王を睨みつけると、楽しげに綻んだ目と視線が交差した。
「なに、時間を、少しな」
 言われて思い至る。
 時間を操れる魔王。
 意識の埒外に間合いに入ってくる能力。
「まさ、か…」
 そんなこと、あってはならない。自分の考え違いであって欲しかった。
 しかし、正解を褒めるように微笑んだ魔王の顔がそれを肯定していた。
「止めている間の刺激は後でまとめてくるぞ。さぁ、どれだけ止めてやろうか」
 微笑みを残忍な笑みに変えて、魔王が囁いた。
「っ!」
 明確な恐怖を感じて身動ぐ。
 触手に阻まれて逃げられないとわかっていても、抵抗するのを辞めることは出来なかった。
 触手を振りほどこうと身を捩った次の瞬間。
「ん!ンっアァ!」
 性器の中がずりずりと擦りあげられた。
 込み上げる射精感に背筋が痺れる。
 ビクン!と腰が跳ねて痺れが全身に広がった。
 その間、触手は一切動いていない。
 血の気が引いた。
 これはダメだ。予備動作を読んで構えることすら出来ない。
 無意識に首を振って魔王を見やる。
「まだ30秒ほどだぞ?もっと楽しませてくれ」
「まっ…!!」
 気付けば、口内に粘液が溢れていて、息苦しさに咳き込む。
「んぶっ!げほっ…!!」
 乳首をギリギリと締めつけられた。
 それを細かい突起がぷちゅぷちゅと擦り上げて、きゅうっと吸い上げられる。更にちろちろと擽るように舐められてゾクゾクと快感が駆け上がった。
 性器がどろどろの触手の中で激しく擦られて震える。根元から扱かれる快感が腰を溶かすように滞った。
「あぁ゙!ヒッ!やめ、あぁア゙!」
 込み上げる射精感を無視して啜り上げられて、全身が痙攣する。
 そのあたりで、今受けている快感のせいで更に絶頂が込み上げてきた。
「あ゙!ア゙!ひっ、イくッ…!!」
 過去と現在の絶頂がリンクする。
 それは感じたことの無いような大きな波だった。
「~~~!!」
 つま先までピンと硬直して、口から舌がだらしなく垂れる。涎を飲み下すことも出来ず、ダラダラと口端を汚しながら声にならない悲鳴をあげた。
 それでも、中に潜り込んだ触手は射精を許してくれない。ジュルジュルと美味そうに蠢いて満足気に震えていた。
「…あ、あ…、う…っ」
 全身が戦慄いて、硬直が解ける。
 額の辺りがパチパチと弾けた。目の奥がチカチカと明滅して眩しさに涙がこぼれた。
しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

俺は触手の巣でママをしている!〜卵をいっぱい産んじゃうよ!〜

ミクリ21
BL
触手の巣で、触手達の卵を産卵する青年の話。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

少年達は淫らな機械の上で許しを請う

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...