【R18】BL短編集

【完結】家なき子【玩具/メス堕ち】

23*

　受け入れようと力を入れた腹筋が快感と恐怖に痙攣する。
　力を入れたせいで腹が圧迫されて苦しい。
　堰き止めきれなくなって溢れ出した薄い液体が性器を伝い落ちた。
「こわい…、こわい…」
　寒気に包まれてカタカタと震える身体を温めるように抱き込まれて、縋り付くように背中へ手を回した。
「大丈夫。そのまま」
　耳元に落ちてくるあやすような声色に安心感を覚えて、強張っていた肩の力が抜ける。
　こめかみや額にキスが落ちてきて寒気が薄らぐ。
　俺の身体が脱力したのを見計らったかのように、腰を抱く閏さんの腕に力が入る。
　腹の奥から、ぐぼっと鈍い音がした。
「ア!!…っ、ひ…！」
　…思っていたような、最初の時に感じたような強烈な衝撃はなかった。
　よかった、これなら我慢できる･･･。
　ほ。と息を吐く。
「さぁ、約束だ」
　安心して気が抜けた次の瞬間、前を堰き止めていたブジーが一気に抜き去られた。
「………っ…!!」
　悲鳴も出せなかった。
　遅れてやってきた快感と開放感が腹の中を暴れまわって全身を突き抜ける。
　腹の中を引きずり出して、全部まとめて外に出ていこうとする奔流に、呼吸と瞬きを忘れて身体が硬直した。
　閏さんの肩越しに伸びきった自分のつま先が見えた。
　充血しきってパンパンに腫れていた性器から、勢いよく白い液体が吹き上がる。
「･･･あ！？アッ！イクッ！」
　全く構えていなかったところに強烈な快感を叩きつけられて、高いところから落とされるような、身の毛がよだつ感覚に脳がパチンと弾けた。勝手に腹に力がこもる。
　思わず背中に縋り付いて爪を立てた。
「っ…く、」
　閏さんが眉を寄せて呻く。
　中を震えるような快感が走り抜けている辺り、多分痙攣して、締め付けているんだろう。
　閏さんの額から伝った汗が頬に垂れて、耳のほうに流れていくのが妙にはっきりと分かった。
　その擽ったい感覚を全部押し流して、後ろから上半身全部を攫っていくような快感の波が押し寄せる。
「アああﾞ！あﾞぅ…!!」
　獣のような声が漏れた。
　跳ねようとする腰を抑え込まれて快感が逃がせない。
　ディルドよりずっと太い、凶悪な性器が中で前後し、何度も奥の壁を突き抜けてその度に絶頂へ押しやられる。
　バチュ！バチュ！と肌を叩く音がどんどん早くなるのに合わせて、意識が明滅して、途切れて、揺さぶり起こされてを繰り返していた。
「ひぎっ！イグッ…!!イッでる！…こわれる…!!」
　自分と閏さんの腹の間で擦られる性器からじょぱじょぱとよく分からない液体が吹き出して、長い射精のような感覚がずっと続いている。
　バチッ、と、脳の大事な所が切れた音が聞こえた気がした。
「イぐっ、ぎ、きもちい…!!もっと！おくきもちいぃ!!」
　身体が造り替えられていく不安も恐怖も全部快感になって全身が侵される。
　少しだけ身体を起こした閏さんと目が合った。
　多分今酷い顔をしてる…。
　それを見て、閏さんは見蕩れるようなうっとりとした顔をした。
「私、も、イクよ…、中に…っ」
　その顔が少しだけ余裕なさげに歪んで、
　ぐぼ！ぐぶん！と一層強く打ち抉られる。奥を滅茶苦茶に犯している性器がビクリと震えた。
　振動と熱い奔流にまた押し上げられる。
「ひ！イぐぅ…!!」
　叩きつけるように何度か出入りをして、奥に精液が流れ込んでくる快感に全身で仰け反った。