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私として生きる覚悟
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とりあえず、上級貴族の屋敷を出よう。
そう思っていると、ネイサンが玄関の扉を開けて出て行こうとしいる。
「待ってください」
ネイサンに追いつこうと 駆け出した。
ところが、予想に反してネイサンか 立ち止まったままだったので 、その背中に鼻をぶつかってしまった。
「痛っ!」
痛む鼻を押さえながら、なぜ立ち止まったのかと ネイサンの横から外を覗く。
すると、玄関前のアプローチに武器を手にした
男たちが 私達を待ち構えている。
多分 手下だろう 。ざっと見て100人は いる。
(やっぱり、そうきましたか)
さっきのは私達を罠にはめるための演技だったんだ。 だが、手下達は、私達に まだ気づいていない。
「 引き返そう」
「はい」
ネイサンが耳打ちしてくる。 わざわざ戦う必要はない。しかし、そう返事をして踵を返す前に、誰かに後ろから突き飛ばされた。
「うわっ!」
そのことに気づいた時にはドアの外に出ていた。 たたらを踏んで、つんのめって転びそうになる。このままだと階段から落ちて 手下たちの中に飛び込んでしまう。 それを何とかしようと 両腕をぐるぐる回してバランスを取る。
「クロエ!」
間一髪、ネイサンに腕を掴まれて引き戻される。( 助かった)
ほっとした私達をあざ笑うように 玄関の扉が背後で閉る。
「なっ、 ちょっと」
扉を開けようとカチャカチャ言わせるが開く気配がない。 退路は断たれた。
ならば前進あるのみ。 どうやって逃げようかと門までの距離を測る。 しかし、肝心の門が閉まっている。
後ろの扉は閉まり、 前の門の扉も閉まっている。 完全に挟まれた。 逃げ場がない。
上級貴族は私たちを口封じして 事件を闇に葬ろうとしている。
扉の閉まる音に気付いたのか 手下たちが私たちに注目する。 そして、次々に手下達が抜刀する。
100対2の構図に顔をひきつらせる。
生き延びられるだろうか・・。
ここにいる全員が私たちを殺そうとしている 。「クロエ、後ろへ 」
手下たちの嫌な笑みを浮かべて、これ見よがしに
武器を手に 打ち付ける。
その目は、私たちのことを 獲物 だと言っている。狩る側と、狩られる側。 どくどくと脈打つ鼓動が自分を追い詰める。
初めて感じる殺意に体が硬くなり息が苦しい。
体は寒いのに 額に汗が滲む。
頭が真っ白で、自分が どこにいるのかさえ 分からなくなる。
(怖い!怖い!怖い! 逃げたい!逃げたい!逃げたい)
ただ、二つの言葉が頭でひしめき合う。
「クロエ ?」
ジリッ!
クロエは、靴の擦れる音にハッとして足元を見た。 並んでいたはずの靴が 片方だけ後ろにずれている。
私を守ってと 無意識にネイサンの後ろへ隠れようと後ずさったらしい。
それを見て 己の未熟さを突きつけられたようで ショックを受けて目を閉じる。
やってる事と、言ってる事が違う。
何が、軍人になるだ。
素振り300回で、軍人になれるなどと 甘い考えを持っていた自分が恥ずかしい。
何が、お姉さんだ。
何が、ネイサンも守るだ。
守られているのは私の方だ。ビビって逃げようとした自分が情けない。 情けなくてたまらない。
毎日の鍛錬で付けた自信が、ガラガラと崩れる。 それなのに、初めての事だからと 言い訳する自分がいる。 そんなことを考える ちっぽけなプライドに反吐が出る。大人でしょう。
ネイサンに頼ろうとする狡い自分が嫌いだ 。
子供だからと、小さいからと、戦ったことがないからと、逃げてネイサンの後ろに隠れて庇護されるだけでいいのか?
それで、良いのか私?
自分の立場を思い出しなさい。 お前に約束された未来はない。 魔力の無い私は、子供も産めないし、結婚さえできない。
そんな女を誰が必要とする。 両親が死んだら、後ろ盾もなくなる。 自分の立っている場所など、あっという間に崩れ落ちてしまう。
現実が優しいだけじゃないことを知らないわけじゃないでしょ。
今はネイサンのメイドとして働いているが、 いつお払い箱になるとも限らない。
そのことを知っているでしょう?いい加減 現実を受け入れなさい。
脳裏に 前世の苦しかったことや、嫌だったことが浮かぶ。出来ない逆上がりを夜中まで必死に手に豆を作るまで練習した。 いとこ達に進学校に受からなかったと馬鹿にされた。 だから、寝る間を惜しんで勉強して難関大学に合格した。 彼氏の浮気に泣いたこともある。
どれも 逃げずに乗り越えた。
この世界に『クロエ』として転生したけれど、前の記憶のある私は クロエの両親を自分の両親だとは思えなかった。他人の体で生活しているようで居心地が悪かった。 その上 自分のこの体質 。
クロエの両親は、そんな体に産んだ私たちが悪かったと謝っていたけれど、 本当の原因は自分にあるんではないかと疑っていた。
そんなクロエの両親を見ているうちに、向こうの世界の両親も 今の私を見たら 嘆くだろう。
そう考えるようになって、自立しようと考えた。 これ以上 迷惑をかけたくないし、クロエの両親を安心させたかった。
『 クロエ』にもなりきれない、『里華』にも戻れない。体と心に、別々の名前があって どちらにもなれない。だから、私は 私と生きていくと、そう決めたじゃない。
自分の力で立ち上がるんだ。助けられるだけの人間では駄目だ。 助けられる側の人間になろう。 固く閉じていた目を開ける。
だから・・。だから、私は退かない。
「 クロエ 」
「えっ」
落ち着いたネイサンの声に目を向けると 肩をポンと叩かれる。
ネイサンが、 ピンチだというのに 穏やかな顔で私を見下ろしている 。それを見ると、すっと力が抜ける。
そうだ。一人じゃない。ネイサンがいる。
ここで私が足手まといになっては、ネイサンを危機にさらすことになる。 両頬をバシッと叩く。
しっかりしろ私 !
気負わなければ、大丈夫。
勝つ必要はない。 負けなければ いいだけの事だ。それに、怪我をしても死なない限り ネイサンが助けてくれる。
剣を振り続けたこの3年は何年のため。
今こそ、日頃の練習の成果を出す時だ。
覚悟は決まった。私ならやれる。
でも、気持ちと体は うらはらで 剣を握る手は汗ばみカタカタと震えて 気圧されそうになる。
このままでは駄目だ。尻込みしそうになる自分を追い込むために一歩を踏み出す。
来るなら、来い!
そう思って剣を構える。
完全なやせ我慢だ 。でも、さっきより落ち着いている。 とりあえず切りつけてきた剣を受け止めて・・。いや、 避けながら門に向かった方が 生きてこの家を出られる可能性が高い。
そう考えて、色々とシュミレーションしてみる。
すると、ネイサンが 私を庇うように前に進みでて両手を動かし始める。魔法で攻撃する気だ。
ネイサンが 魔法で空中に光る剣を作りです。
それを見た手下たちが、こちらに向かってくる。 響き渡る手下たちの足音。
戦いの時だ。
「やー!」
ネイサンを援護しようと、敵に向かって駆け出したが 途中で異変に気づいて 立ち止る。
やる気満々だった手下達が なぜか空を見上げて、じりじりと後ずさる。
何が起きているの?
つられて自分も空を見るとネイサンが作った光る剣が、いつのまにか 十本になっている。
まるで分身の術みたいに分裂している。
そして、あれよあれよという間に分裂を繰り返し 数え切れないほどの数に。
空を埋め尽くす剣が流星群のように 手下たちに向かって降り注ぐ。なんて派手な攻撃。
手下たちが避けることもできずに攻撃をまともに受けて バタバタと倒れていく。
当たらなかった光る剣は 地面に当たると 砕け散って花火のように消えていく。
攻撃なのに、その刹那の美しさに目を奪われる。
( 綺麗だ・・)
最後の光る剣が消えて幻想的な景色に見惚れていたクロエは、我に返った。しかし、そのときには 誰も立っていない。これで終わり?私の出番は?
(私の初陣が・・)
ほっとしたような、物足りないような 複雑な気持ちで立ち尽くす。
「クロエ。 今のうちだ」
ネイサンに腕を掴まれて 倒れている手下たちを避けながら走る。 クロエは、そのネイサンの横顔を恨みがましい目で見る。 人が、どんな思いで覚悟したのか知ってるの? 生き残るために人を傷つけようとまで思ったのに!
一太刀も出来なかった。
さっきまでの私の覚悟は何だったのかと聞きたい。
しかし、ネイサンは逃げることに気を取られて私の気持ちに気づかない 。
頭では、分かっている。 私など ネイサンの足下にも及ばない。 あんな攻撃など出来ない。
それでも 私に手伝わせて欲しかった。
文句の一つも良いたい。でも、今は逃げるのが先だと 自分の感情を押し殺す。
***
ネイサンが閉まっている門を魔法で攻撃して突破する。 二人で手に手をとって走りながら門を潜り外に出た。 後ろを見たが、追っ手の気配がない。それを確認するとクロエはネイサンの手を放す。
無事、上級貴族の家から脱出できた。
これで、一安心だ 。
立ち止まると呼吸を整える。 いくら毎日走っていると言っても息が上がる。
『はぁ、はぁ、はぁ」
後は馬車で、さらに遠くへ逃げよう。
ピーター さんは どこだと馬車を探すが ピーターさんも、馬車も どちらの姿もない 。
一刻を争うのに。ピーターんが待ってると思ったのに何でいないの? それとも目立たない場所で待っているのかな?
あの上級貴族が自分達の秘密を知られた私たちのことを見逃すとは思えない 。
きっと先回りして私たちを殺そうと 宿に手下どもが待ち構えてるに違いない。
「ネイサン様。これから、どこに逃げますか?」
そう思っていると、ネイサンが玄関の扉を開けて出て行こうとしいる。
「待ってください」
ネイサンに追いつこうと 駆け出した。
ところが、予想に反してネイサンか 立ち止まったままだったので 、その背中に鼻をぶつかってしまった。
「痛っ!」
痛む鼻を押さえながら、なぜ立ち止まったのかと ネイサンの横から外を覗く。
すると、玄関前のアプローチに武器を手にした
男たちが 私達を待ち構えている。
多分 手下だろう 。ざっと見て100人は いる。
(やっぱり、そうきましたか)
さっきのは私達を罠にはめるための演技だったんだ。 だが、手下達は、私達に まだ気づいていない。
「 引き返そう」
「はい」
ネイサンが耳打ちしてくる。 わざわざ戦う必要はない。しかし、そう返事をして踵を返す前に、誰かに後ろから突き飛ばされた。
「うわっ!」
そのことに気づいた時にはドアの外に出ていた。 たたらを踏んで、つんのめって転びそうになる。このままだと階段から落ちて 手下たちの中に飛び込んでしまう。 それを何とかしようと 両腕をぐるぐる回してバランスを取る。
「クロエ!」
間一髪、ネイサンに腕を掴まれて引き戻される。( 助かった)
ほっとした私達をあざ笑うように 玄関の扉が背後で閉る。
「なっ、 ちょっと」
扉を開けようとカチャカチャ言わせるが開く気配がない。 退路は断たれた。
ならば前進あるのみ。 どうやって逃げようかと門までの距離を測る。 しかし、肝心の門が閉まっている。
後ろの扉は閉まり、 前の門の扉も閉まっている。 完全に挟まれた。 逃げ場がない。
上級貴族は私たちを口封じして 事件を闇に葬ろうとしている。
扉の閉まる音に気付いたのか 手下たちが私たちに注目する。 そして、次々に手下達が抜刀する。
100対2の構図に顔をひきつらせる。
生き延びられるだろうか・・。
ここにいる全員が私たちを殺そうとしている 。「クロエ、後ろへ 」
手下たちの嫌な笑みを浮かべて、これ見よがしに
武器を手に 打ち付ける。
その目は、私たちのことを 獲物 だと言っている。狩る側と、狩られる側。 どくどくと脈打つ鼓動が自分を追い詰める。
初めて感じる殺意に体が硬くなり息が苦しい。
体は寒いのに 額に汗が滲む。
頭が真っ白で、自分が どこにいるのかさえ 分からなくなる。
(怖い!怖い!怖い! 逃げたい!逃げたい!逃げたい)
ただ、二つの言葉が頭でひしめき合う。
「クロエ ?」
ジリッ!
クロエは、靴の擦れる音にハッとして足元を見た。 並んでいたはずの靴が 片方だけ後ろにずれている。
私を守ってと 無意識にネイサンの後ろへ隠れようと後ずさったらしい。
それを見て 己の未熟さを突きつけられたようで ショックを受けて目を閉じる。
やってる事と、言ってる事が違う。
何が、軍人になるだ。
素振り300回で、軍人になれるなどと 甘い考えを持っていた自分が恥ずかしい。
何が、お姉さんだ。
何が、ネイサンも守るだ。
守られているのは私の方だ。ビビって逃げようとした自分が情けない。 情けなくてたまらない。
毎日の鍛錬で付けた自信が、ガラガラと崩れる。 それなのに、初めての事だからと 言い訳する自分がいる。 そんなことを考える ちっぽけなプライドに反吐が出る。大人でしょう。
ネイサンに頼ろうとする狡い自分が嫌いだ 。
子供だからと、小さいからと、戦ったことがないからと、逃げてネイサンの後ろに隠れて庇護されるだけでいいのか?
それで、良いのか私?
自分の立場を思い出しなさい。 お前に約束された未来はない。 魔力の無い私は、子供も産めないし、結婚さえできない。
そんな女を誰が必要とする。 両親が死んだら、後ろ盾もなくなる。 自分の立っている場所など、あっという間に崩れ落ちてしまう。
現実が優しいだけじゃないことを知らないわけじゃないでしょ。
今はネイサンのメイドとして働いているが、 いつお払い箱になるとも限らない。
そのことを知っているでしょう?いい加減 現実を受け入れなさい。
脳裏に 前世の苦しかったことや、嫌だったことが浮かぶ。出来ない逆上がりを夜中まで必死に手に豆を作るまで練習した。 いとこ達に進学校に受からなかったと馬鹿にされた。 だから、寝る間を惜しんで勉強して難関大学に合格した。 彼氏の浮気に泣いたこともある。
どれも 逃げずに乗り越えた。
この世界に『クロエ』として転生したけれど、前の記憶のある私は クロエの両親を自分の両親だとは思えなかった。他人の体で生活しているようで居心地が悪かった。 その上 自分のこの体質 。
クロエの両親は、そんな体に産んだ私たちが悪かったと謝っていたけれど、 本当の原因は自分にあるんではないかと疑っていた。
そんなクロエの両親を見ているうちに、向こうの世界の両親も 今の私を見たら 嘆くだろう。
そう考えるようになって、自立しようと考えた。 これ以上 迷惑をかけたくないし、クロエの両親を安心させたかった。
『 クロエ』にもなりきれない、『里華』にも戻れない。体と心に、別々の名前があって どちらにもなれない。だから、私は 私と生きていくと、そう決めたじゃない。
自分の力で立ち上がるんだ。助けられるだけの人間では駄目だ。 助けられる側の人間になろう。 固く閉じていた目を開ける。
だから・・。だから、私は退かない。
「 クロエ 」
「えっ」
落ち着いたネイサンの声に目を向けると 肩をポンと叩かれる。
ネイサンが、 ピンチだというのに 穏やかな顔で私を見下ろしている 。それを見ると、すっと力が抜ける。
そうだ。一人じゃない。ネイサンがいる。
ここで私が足手まといになっては、ネイサンを危機にさらすことになる。 両頬をバシッと叩く。
しっかりしろ私 !
気負わなければ、大丈夫。
勝つ必要はない。 負けなければ いいだけの事だ。それに、怪我をしても死なない限り ネイサンが助けてくれる。
剣を振り続けたこの3年は何年のため。
今こそ、日頃の練習の成果を出す時だ。
覚悟は決まった。私ならやれる。
でも、気持ちと体は うらはらで 剣を握る手は汗ばみカタカタと震えて 気圧されそうになる。
このままでは駄目だ。尻込みしそうになる自分を追い込むために一歩を踏み出す。
来るなら、来い!
そう思って剣を構える。
完全なやせ我慢だ 。でも、さっきより落ち着いている。 とりあえず切りつけてきた剣を受け止めて・・。いや、 避けながら門に向かった方が 生きてこの家を出られる可能性が高い。
そう考えて、色々とシュミレーションしてみる。
すると、ネイサンが 私を庇うように前に進みでて両手を動かし始める。魔法で攻撃する気だ。
ネイサンが 魔法で空中に光る剣を作りです。
それを見た手下たちが、こちらに向かってくる。 響き渡る手下たちの足音。
戦いの時だ。
「やー!」
ネイサンを援護しようと、敵に向かって駆け出したが 途中で異変に気づいて 立ち止る。
やる気満々だった手下達が なぜか空を見上げて、じりじりと後ずさる。
何が起きているの?
つられて自分も空を見るとネイサンが作った光る剣が、いつのまにか 十本になっている。
まるで分身の術みたいに分裂している。
そして、あれよあれよという間に分裂を繰り返し 数え切れないほどの数に。
空を埋め尽くす剣が流星群のように 手下たちに向かって降り注ぐ。なんて派手な攻撃。
手下たちが避けることもできずに攻撃をまともに受けて バタバタと倒れていく。
当たらなかった光る剣は 地面に当たると 砕け散って花火のように消えていく。
攻撃なのに、その刹那の美しさに目を奪われる。
( 綺麗だ・・)
最後の光る剣が消えて幻想的な景色に見惚れていたクロエは、我に返った。しかし、そのときには 誰も立っていない。これで終わり?私の出番は?
(私の初陣が・・)
ほっとしたような、物足りないような 複雑な気持ちで立ち尽くす。
「クロエ。 今のうちだ」
ネイサンに腕を掴まれて 倒れている手下たちを避けながら走る。 クロエは、そのネイサンの横顔を恨みがましい目で見る。 人が、どんな思いで覚悟したのか知ってるの? 生き残るために人を傷つけようとまで思ったのに!
一太刀も出来なかった。
さっきまでの私の覚悟は何だったのかと聞きたい。
しかし、ネイサンは逃げることに気を取られて私の気持ちに気づかない 。
頭では、分かっている。 私など ネイサンの足下にも及ばない。 あんな攻撃など出来ない。
それでも 私に手伝わせて欲しかった。
文句の一つも良いたい。でも、今は逃げるのが先だと 自分の感情を押し殺す。
***
ネイサンが閉まっている門を魔法で攻撃して突破する。 二人で手に手をとって走りながら門を潜り外に出た。 後ろを見たが、追っ手の気配がない。それを確認するとクロエはネイサンの手を放す。
無事、上級貴族の家から脱出できた。
これで、一安心だ 。
立ち止まると呼吸を整える。 いくら毎日走っていると言っても息が上がる。
『はぁ、はぁ、はぁ」
後は馬車で、さらに遠くへ逃げよう。
ピーター さんは どこだと馬車を探すが ピーターさんも、馬車も どちらの姿もない 。
一刻を争うのに。ピーターんが待ってると思ったのに何でいないの? それとも目立たない場所で待っているのかな?
あの上級貴族が自分達の秘密を知られた私たちのことを見逃すとは思えない 。
きっと先回りして私たちを殺そうと 宿に手下どもが待ち構えてるに違いない。
「ネイサン様。これから、どこに逃げますか?」
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