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お抱えの ジュエリーデザイナー
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観光から戻ってきたクロエは、 自分用に買ったお土産を見て楽しんでいると 隣のネイサンの部屋から物音が聞こえる。敵襲?
まさか、こんなに早くに?
大変だ。一秒でも早く助けなくてはと、剣を掴む。
「ネイサン様!」
勢いよくドアを開けるとネイサンが倒れていた。しかし、部屋の中に他の人影も、争った形跡も無い。よく分からない状況に眉をひそめる。
(いったい何が?・・)
考えるのは後。まずは、ネイサンの無事を確かめないと。
「ネイサン 様。どうしたんですか?」
「はぁ・・はぁ・・はぁ」
慌てて駆け寄るとネイサンが赤い顔をして苦しそうにしている。
息づかいが荒いく、額に手を当てると熱い。
病気だ。
「クロ・・エ・・」
「喋らないで ください」
出かける前は元気だったのに・・。
急な発熱。インフルエンザ?そう思ったが、ネイサンの目が赤くなっているのに気付く。
この症状ジェームズさんに注意するように言われてたやつだ。
人は常に魔力を作り続けているいる。
ネイサンは他の人に魔力が多い。だから、そのため使わないと体に溜め込んで 自分で自分の害する。つまり、オーバーヒート中だ 。
私のように魔力がゼロも困るが、多いのも困りものだ。
クロエはネイサンを膝枕して 応急処置として
自分が、つけているブレスレットを外すと ネイサンの額に乗せる。
このブレスレットは、生まれつき魔力の私のための物で魔力を蓄積できる。
輝きを失っていた石が、 ネイサンの魔力を吸い取って、みるみる輝きを取り戻す。 それと同じくしてネイサンの呼吸が落ち着いてくる。
「良かった・・」
予想できたことなのに・・。
初めての旅行で浮かれて、気付くのが遅くなってしまった。 もっと気を配らないと。
年上だと、姉だと言っているくせに、 このていたらく。
「ごめんなさい・・」
「クロエ・・」
「分かっていますから。無理しないでください」
何か言おうとするネイサンを遮る。 今は安静が一番の薬だ。ネイサンが私の言葉に安心したように眠りにつく。
***
「おっ・・重い・・」
なんとかネイサンをベッドに寝かせると、疲れたと 腰を伸ばす 。
筋トレも練習メニューに追加しないと駄目だ。
今日は何とかなったが、どうにかして 魔力を放出する方法を考えないと。 また同じことが起こる。 遊びまわったから魔力の残量が少なくてよかったが、 ブレスレットで魔力を吸い取るにも限界がある。
屋敷に居る時は、医療用の魔法石を 作る事で消費していたが、ここには元になる石が無い。
調査は続くし早急に解決しないと、犯人を探すところでは なくなってしまう。
確か・・病人を連れてきて、籠った魔力を放出させていたと、 ジェームズさんが言ってたけれど ・・。初めての土地だから、このあたりは不案内だ。この時間では、病人を見つけるのも難しいだろう。
う~ん。
腕を組む。
ここで医療用の魔法石を作るための石が手に入れば一番なんだけど・・。ネイサンが『双子石』の被害者たちと接触しているから、犯人たちが 私達を見張ってるかもしれない。
となると、後をつけられる可能性が高い。
軽率な行動をしてネイサンが倒れている事が知られたら困る。
う~ん。
頬をおさえた腕をもう一方の手で支える。
怪しまれで外出する方法はないかと考える。
私の代わりにピーターさんに 行ってもらう?
同じ事だ。探し回ったら目立つ。
う~ん。
ウロウロと歩き回る。
何も浮かばない。いいや、何かあるはずだ。
そのとき、ふと 馬車の中でネイサンが、ランクアップしてくれたら愛刀に目が止まる。
(・・・!)
*****
(朝か・・)
ぱちりと目を覚ましたネイサンは、起き上がろうとして 何かが額からポトリと落ちた事に気づく。何だ?
落ちた物を拾い上げるとクロエのブレスレットだった。なんで、ここに?
持ち主のクロエは、どこだと姿を探すと ベッドに頭だけ乗せて寝ている。その姿に昨夜のことを思い出す。
ああ、 そうだ。倒れたんだ。
一晩中 看病してくれたのか。ネイサンは、その献身に微笑む。今回ばかりはクロエに助けられた。
(心配かけてしまったな・・)
クロエの乱れた前髪を直そうと指が髪に触れた
途端、クロエが パッと目を開ける。
反応の良さに面食らう。寝たふりしてたんじゃないかと思うほどだ。
「 心配かけ」
驚いたが、気を取り直して礼を言おうとした。
しかし、クロエは そんなことお構いなしにベッドに上ってくると私の額に手を当てて もう片方の手を自分の額に押し当てる。
「 よかった~。熱は下がったみたいですね」
「 ああ、もう大丈夫だ」
その心配気な瞳に膝枕された事をふと思い出して 意識してしまい、目が合わせづらい。
すると、クロエが私の手を取って自分の方に引き寄せる。
「 本当ですか?またどこか具合の悪い所があるんじゃないでしょうね」
「えっ?あっ、ああ・・無い。 元気だ」
(ベッドの上で男女が手を取り合っている・・)
親密すぎる行動にドギマギする。 何を考えているんだ。 これは看病の一環だ。 落ち着け、落ち着くんだ 。本当のクロエは10歳だ。そう言い聞かせても目の前のクロエは、 寝不足のせいか15歳に見える。
*****
赤い顔をしているネイサンを疑わしそうに見る。 私の視線を避けている。だから、念押しする。
「本当でしょうね」
「ほっ、 本当だ。すっかり良くなった」
ネイサンが大丈夫だと頷く。確かに目の充血も無くなっているから、とりあえずは大丈夫そうだ。
「無理しないでください。倒れるまで仕事するなんて やりすぎです」
「自己管理を怠った私の責任だ。 今度から気をつけるから、心配するな」
そう言われても、心配なものは心配だ。
「もう 治ったから、クロエも自分の部屋に戻りなさい」
「 いいえ、戻りません」
「えっ?」
今にもベッドから出て仕事をしそうなネイサンの両肩を抑えると まだ早いと首を横に振る。
症状は無くなったが まだ本調子じゃない。
「 この先の事を考えたら 今 魔力を消費したほうがいいです」
「消費? どうやって?」
クロエは、ベットから降りると机に置いてある紙を手に取る。
昨夜、寝ないでデザインした幾何学模様の絵をネイサンに見せる。
「じゃん!コレです。題して、ブレスレットのランクアップ大作戦」
「???」
私の傑作を前にしても ピンと来ていないネイサンの反応の悪さにガッカリする。
どうして、この良さが伝わらない。
仕方なく こと細かく説明する。
「魔力を一番消費するのは怪我をした時とき。その次が 集中してる時です。と、言う事で私のブレスレットの石に模様を彫ってください」
ネイサンが私の書いたデザイン画を見ながら頷く。
「 なるほど、細かい細工は集中力が必要だからな。 だったら、ついでに、チャームを一つ増やした方が いいじゃないか?」
「 そうですか?」
クロエは自分のブレスレットを手に取ってみる。 確かに、昔は ゆるゆるだったのに。今はジャストサイズだ。
「それは7歳の時に、ご両親が作ったんだろう。背だって 大きくなったし、体重だって重くなった。そろそろサイズ直しの時期 だ」
「重くなった?」
なんてデリカシーの無い。
いくら子供でも、女の子に言う言葉では無い。
クロエは、 目を細めてネイサンを見る。
私の視線に、たじろいたネイサンが 恐る恐る確認する 。
「どうして・・褒め言葉だろう?」
まったく解って無い。これだから、男は・・。
子供でも女は 女なのに。
そんなんだから、婚約の話の一つも無いんだ 。
「ふっ、そんな言葉に喜ぶのは5歳までです」
「・・・」
私が鼻で笑うと ネイサンが黙り込む。
***
クロエはチャームを作る為にテーブルに並べられた材料を見て気分が上がる。
ネイサンが 心配かけてお詫びにと、ゴールドだけでなく宝石も買ってくれた。
「どんな形のチャームがいい?」
ネイサンが紙とペンを用意する。
クロエは、空を見ながら 思いついた形を口にする。
「花、リボン。・・ハート。・・ 月に星」
「分かったよ」
ネイサンが笑いながら紙に形を作るための術式を円形に書く。その紙の中央に 作るサイズ分のゴールドを置いて、ネイサンが両手をかざして魔力を注ぐ。すると、ゴールドが生き物のように動いて形を変ながら花の形になる。 それをクロエは、テーブルに両肘を付ながら見つめる。
これは魔法と言うより錬金術ね 。金だけに。
チャームも増え、宝石には綺麗な模様が入ったブレスレットを見てクロエは、予想以上の出来にニヤニヤする。
お抱えのジュエリーデザイナーが、いるみたいだ。お店で売っている物の何倍も良い。
たなぼたで素敵な物が手に入った。
***
被害者の記憶から犯人を割り出した ネイサンが、その中の一軒を尋ねると言うので同行することに。 しかし、着いた家を見て驚く。
相手も貴族だと聞いていたけれど・・。
古いレンガ造りの家だが、被害者の貴族の屋敷と比べると見劣りする。 同じレンガの家でも、こっちは、ひびが入っているし、色もあせている。貴族と言ったてもピンキリね。でも、この家を選んだ理由は何だ ろう?
「この家が、そうですか?」
そう聞いても、そうだと頷くだけで、詳しいことは教えてくれない 。何を考えてるのか、分からないが。ついていくしかない。
だけど、よく考えれば、今から会うのは犯罪者だ。 平気なんだろうか? 前を行くネイサンをチラリと見る。いつものように平静だ。
まあ、ネイサンは、過保護だから、私を危険な目に合わせないだろう。 そこは、信頼している。
ネイサンが王子と言う事で断ることもできず伯爵が渋々招き入れる。
応接室に通されたクロエは、加害者と思われる伯爵の様子に、犯人だろうと思う。
頻りに汗を拭いているし、 私たちと視線をあわせない。 見るからに怪しい。 しかも、気弱そうだ。これでよく犯罪を犯せたものだ。
メイドが、お茶を出して部屋を出ると ネイサンが、世間話も無しに いきなり本題に入る。
「『双子石』を買っただろ」
まさか、こんなに早くに?
大変だ。一秒でも早く助けなくてはと、剣を掴む。
「ネイサン様!」
勢いよくドアを開けるとネイサンが倒れていた。しかし、部屋の中に他の人影も、争った形跡も無い。よく分からない状況に眉をひそめる。
(いったい何が?・・)
考えるのは後。まずは、ネイサンの無事を確かめないと。
「ネイサン 様。どうしたんですか?」
「はぁ・・はぁ・・はぁ」
慌てて駆け寄るとネイサンが赤い顔をして苦しそうにしている。
息づかいが荒いく、額に手を当てると熱い。
病気だ。
「クロ・・エ・・」
「喋らないで ください」
出かける前は元気だったのに・・。
急な発熱。インフルエンザ?そう思ったが、ネイサンの目が赤くなっているのに気付く。
この症状ジェームズさんに注意するように言われてたやつだ。
人は常に魔力を作り続けているいる。
ネイサンは他の人に魔力が多い。だから、そのため使わないと体に溜め込んで 自分で自分の害する。つまり、オーバーヒート中だ 。
私のように魔力がゼロも困るが、多いのも困りものだ。
クロエはネイサンを膝枕して 応急処置として
自分が、つけているブレスレットを外すと ネイサンの額に乗せる。
このブレスレットは、生まれつき魔力の私のための物で魔力を蓄積できる。
輝きを失っていた石が、 ネイサンの魔力を吸い取って、みるみる輝きを取り戻す。 それと同じくしてネイサンの呼吸が落ち着いてくる。
「良かった・・」
予想できたことなのに・・。
初めての旅行で浮かれて、気付くのが遅くなってしまった。 もっと気を配らないと。
年上だと、姉だと言っているくせに、 このていたらく。
「ごめんなさい・・」
「クロエ・・」
「分かっていますから。無理しないでください」
何か言おうとするネイサンを遮る。 今は安静が一番の薬だ。ネイサンが私の言葉に安心したように眠りにつく。
***
「おっ・・重い・・」
なんとかネイサンをベッドに寝かせると、疲れたと 腰を伸ばす 。
筋トレも練習メニューに追加しないと駄目だ。
今日は何とかなったが、どうにかして 魔力を放出する方法を考えないと。 また同じことが起こる。 遊びまわったから魔力の残量が少なくてよかったが、 ブレスレットで魔力を吸い取るにも限界がある。
屋敷に居る時は、医療用の魔法石を 作る事で消費していたが、ここには元になる石が無い。
調査は続くし早急に解決しないと、犯人を探すところでは なくなってしまう。
確か・・病人を連れてきて、籠った魔力を放出させていたと、 ジェームズさんが言ってたけれど ・・。初めての土地だから、このあたりは不案内だ。この時間では、病人を見つけるのも難しいだろう。
う~ん。
腕を組む。
ここで医療用の魔法石を作るための石が手に入れば一番なんだけど・・。ネイサンが『双子石』の被害者たちと接触しているから、犯人たちが 私達を見張ってるかもしれない。
となると、後をつけられる可能性が高い。
軽率な行動をしてネイサンが倒れている事が知られたら困る。
う~ん。
頬をおさえた腕をもう一方の手で支える。
怪しまれで外出する方法はないかと考える。
私の代わりにピーターさんに 行ってもらう?
同じ事だ。探し回ったら目立つ。
う~ん。
ウロウロと歩き回る。
何も浮かばない。いいや、何かあるはずだ。
そのとき、ふと 馬車の中でネイサンが、ランクアップしてくれたら愛刀に目が止まる。
(・・・!)
*****
(朝か・・)
ぱちりと目を覚ましたネイサンは、起き上がろうとして 何かが額からポトリと落ちた事に気づく。何だ?
落ちた物を拾い上げるとクロエのブレスレットだった。なんで、ここに?
持ち主のクロエは、どこだと姿を探すと ベッドに頭だけ乗せて寝ている。その姿に昨夜のことを思い出す。
ああ、 そうだ。倒れたんだ。
一晩中 看病してくれたのか。ネイサンは、その献身に微笑む。今回ばかりはクロエに助けられた。
(心配かけてしまったな・・)
クロエの乱れた前髪を直そうと指が髪に触れた
途端、クロエが パッと目を開ける。
反応の良さに面食らう。寝たふりしてたんじゃないかと思うほどだ。
「 心配かけ」
驚いたが、気を取り直して礼を言おうとした。
しかし、クロエは そんなことお構いなしにベッドに上ってくると私の額に手を当てて もう片方の手を自分の額に押し当てる。
「 よかった~。熱は下がったみたいですね」
「 ああ、もう大丈夫だ」
その心配気な瞳に膝枕された事をふと思い出して 意識してしまい、目が合わせづらい。
すると、クロエが私の手を取って自分の方に引き寄せる。
「 本当ですか?またどこか具合の悪い所があるんじゃないでしょうね」
「えっ?あっ、ああ・・無い。 元気だ」
(ベッドの上で男女が手を取り合っている・・)
親密すぎる行動にドギマギする。 何を考えているんだ。 これは看病の一環だ。 落ち着け、落ち着くんだ 。本当のクロエは10歳だ。そう言い聞かせても目の前のクロエは、 寝不足のせいか15歳に見える。
*****
赤い顔をしているネイサンを疑わしそうに見る。 私の視線を避けている。だから、念押しする。
「本当でしょうね」
「ほっ、 本当だ。すっかり良くなった」
ネイサンが大丈夫だと頷く。確かに目の充血も無くなっているから、とりあえずは大丈夫そうだ。
「無理しないでください。倒れるまで仕事するなんて やりすぎです」
「自己管理を怠った私の責任だ。 今度から気をつけるから、心配するな」
そう言われても、心配なものは心配だ。
「もう 治ったから、クロエも自分の部屋に戻りなさい」
「 いいえ、戻りません」
「えっ?」
今にもベッドから出て仕事をしそうなネイサンの両肩を抑えると まだ早いと首を横に振る。
症状は無くなったが まだ本調子じゃない。
「 この先の事を考えたら 今 魔力を消費したほうがいいです」
「消費? どうやって?」
クロエは、ベットから降りると机に置いてある紙を手に取る。
昨夜、寝ないでデザインした幾何学模様の絵をネイサンに見せる。
「じゃん!コレです。題して、ブレスレットのランクアップ大作戦」
「???」
私の傑作を前にしても ピンと来ていないネイサンの反応の悪さにガッカリする。
どうして、この良さが伝わらない。
仕方なく こと細かく説明する。
「魔力を一番消費するのは怪我をした時とき。その次が 集中してる時です。と、言う事で私のブレスレットの石に模様を彫ってください」
ネイサンが私の書いたデザイン画を見ながら頷く。
「 なるほど、細かい細工は集中力が必要だからな。 だったら、ついでに、チャームを一つ増やした方が いいじゃないか?」
「 そうですか?」
クロエは自分のブレスレットを手に取ってみる。 確かに、昔は ゆるゆるだったのに。今はジャストサイズだ。
「それは7歳の時に、ご両親が作ったんだろう。背だって 大きくなったし、体重だって重くなった。そろそろサイズ直しの時期 だ」
「重くなった?」
なんてデリカシーの無い。
いくら子供でも、女の子に言う言葉では無い。
クロエは、 目を細めてネイサンを見る。
私の視線に、たじろいたネイサンが 恐る恐る確認する 。
「どうして・・褒め言葉だろう?」
まったく解って無い。これだから、男は・・。
子供でも女は 女なのに。
そんなんだから、婚約の話の一つも無いんだ 。
「ふっ、そんな言葉に喜ぶのは5歳までです」
「・・・」
私が鼻で笑うと ネイサンが黙り込む。
***
クロエはチャームを作る為にテーブルに並べられた材料を見て気分が上がる。
ネイサンが 心配かけてお詫びにと、ゴールドだけでなく宝石も買ってくれた。
「どんな形のチャームがいい?」
ネイサンが紙とペンを用意する。
クロエは、空を見ながら 思いついた形を口にする。
「花、リボン。・・ハート。・・ 月に星」
「分かったよ」
ネイサンが笑いながら紙に形を作るための術式を円形に書く。その紙の中央に 作るサイズ分のゴールドを置いて、ネイサンが両手をかざして魔力を注ぐ。すると、ゴールドが生き物のように動いて形を変ながら花の形になる。 それをクロエは、テーブルに両肘を付ながら見つめる。
これは魔法と言うより錬金術ね 。金だけに。
チャームも増え、宝石には綺麗な模様が入ったブレスレットを見てクロエは、予想以上の出来にニヤニヤする。
お抱えのジュエリーデザイナーが、いるみたいだ。お店で売っている物の何倍も良い。
たなぼたで素敵な物が手に入った。
***
被害者の記憶から犯人を割り出した ネイサンが、その中の一軒を尋ねると言うので同行することに。 しかし、着いた家を見て驚く。
相手も貴族だと聞いていたけれど・・。
古いレンガ造りの家だが、被害者の貴族の屋敷と比べると見劣りする。 同じレンガの家でも、こっちは、ひびが入っているし、色もあせている。貴族と言ったてもピンキリね。でも、この家を選んだ理由は何だ ろう?
「この家が、そうですか?」
そう聞いても、そうだと頷くだけで、詳しいことは教えてくれない 。何を考えてるのか、分からないが。ついていくしかない。
だけど、よく考えれば、今から会うのは犯罪者だ。 平気なんだろうか? 前を行くネイサンをチラリと見る。いつものように平静だ。
まあ、ネイサンは、過保護だから、私を危険な目に合わせないだろう。 そこは、信頼している。
ネイサンが王子と言う事で断ることもできず伯爵が渋々招き入れる。
応接室に通されたクロエは、加害者と思われる伯爵の様子に、犯人だろうと思う。
頻りに汗を拭いているし、 私たちと視線をあわせない。 見るからに怪しい。 しかも、気弱そうだ。これでよく犯罪を犯せたものだ。
メイドが、お茶を出して部屋を出ると ネイサンが、世間話も無しに いきなり本題に入る。
「『双子石』を買っただろ」
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