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畢生
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ビビアンは フィアナが7ヶ月後に 死ぬと妖精王に言われ、だったら、その運命をは覆してみせると息巻く。
しかし、そんな私を妖精王が話になんと、首を振りながらナポレオンによじ上る。
「お前が ギャアギャア騒いでも、フィアナはもうすぐこの世から消える。生まれたときから決まっている事だ」
無駄だと決めつけたその顔を唇を噛み締めながら見据える。
コインの表を裏にしたいわけじゃない。少しだけその位置をずらしたいだけだ。
「別に大したことでは無い。そもそも妖精は儚い生き物だ。気にするな。悲しみはいっときだ」
儚かったとしても、一生懸命生きている。だからこそ、人でも、妖精でも命は大事なものだ。
「それはあなたが妖精だからよ。人間の私は違うわ」
「人間ねぇ~」
そう言って私の頭からつま先へと視線を下げる。
(本当に、この男のする事はぜんぶ苛立しい)
こっちは真剣なのに 妖精王が片眉を動かして、からかってくる。
「心の問題よ」
「はぁ~、人間は命が終わる事に悲観的過ぎる」
妖精王が呆れたように首を振る。
そんな姿に考えの隔たりを感じる。
妖精には当たり前でも、人間の心を持つ私には受け入れられない。
だって、さっきまで話して、動いてたのに、ある一瞬を境に一方的に関係が終わってしまうんだから。
(……死ぬのを怖がるのは、自分が死ぬことをより、愛する人たちを残すことが悲しいからなのかもしれない)
「 人一人死ぬのよ。そんな簡単に割り切れるものじゃないわ」
「お前は人間に戻れるのだから。何の問題もあるまい」
何を言うのよ。この冷血漢。 キッと睨みつける。自分が良ければ、それでいいと言う問題じゃない。
(王様ってこう言うもの? )
仮にもフィアナは自分の眷属なのに。その一人が 死ぬというのに、あまりにも無関心すぎる。そんなんだから、誰も助けに来ないのよ。
「大ありよ。フィアナは私にとって掛け替えのない親友なんだから」
(私が初めて心を許せる相手だったのに……)
また嘘だらけの社交界に一人で戻らなくてはいけないのかと思うと、腹立たしさに駆られて爪を噛む。
「だったら、人間の男と結婚して夫と絆を深めれば良いだろう」
「男なんて当てにならないわ」
こちらこそ願い下げだと手で払う。
男なんてフィアナの代わりにはならない。貴族の社会の男はみんな身持ちの悪い浮気野郎だ。お父様だって、若い頃は色々あったと聞いている。実の親でさそうなんだから、他所の男なんて、もっとたちが悪いに決まっている。
「お前がどんな手を使おうとも、運命に勝てるはずが無い。諦めろ。そして、人間に戻ってすべて忘れて生きろ。じゃあな」
「忘れて生きるなんて無理」
きっぱりとはねつけると、妖精王が苛立たしげに目を細める。
こんな経験、一生忘れられない。
運命なんて大嫌いだ。このまま諦めるなんてしたくない。
だけど妖精王が協力してくれそうにない。彼以上に役に立ちそうな人物はいない。
( ……… )
そうだ。 協力したいと思わせる魅力的な条件を提示すればいいんだ。
ポンと手を合わせる。
時間はまたある。また来よう。
ナポレオン乗って帰ろうとした妖精王が思い出したように 振り返る。
「そうだ。言い忘れていたが、フィアナの羽を持って来れば私が、お前を人間に戻してやろう」
「はっ? 何言ってるの。あなた妖精じゃなくて悪魔でしょ」
私にフィアナの羽を毟り取れと言っているの? まだ生きてるのよ。そんなこと言うなんて冷酷すぎる男だ。
いくら、自分の為だとしても、友達にそんなことはしない
腕組みして、プイッと横を向く。クスリという笑い声に、ギリギリと歯軋りする。すると、さらに妖精王の笑みが広がる。
(絶対バカにしてる!)
怒りすぎてワナワナと体が震える。
「嫌なら別に良い。せいぜい頑張る事だ」
「ふん」
手を振って去って行く妖精王に向かって鼻を鳴らす。私の事甘く見ている。
自分の運命なら自分で切り開きたい。 (今に見てなさいよ)
その後ろ姿に向かって拳をつくる。
折角見つけた妖精王も対して役に立たなかった。あんなに必死になって探したのにバカみたい。
私も帰ろうと飛び立ったが、このままフィアナの母親の元へ行く気にはなれなかった。
私でさえショックなのに、フィアナの母親は? そして、フィアナは?
涙をこらえて寿命の話をするフィアナの顔が思い出される。ギリギリで耐えていた印象だ。それが自分だと知らされたら……。
「はぁ~~」
心の中がグルグルと、いろんなフィアナとの思い出が混ざり合って重く、辛く、悲しい……。
出会いこそ最悪だったが、お互いを認め合い、支え合い励まし合って来た。素直なフィアナは、何時しか私にとって守るべき存在になっていた。
(折角、友と言う宝を手に入れたのに……。ああ、運命は何て残酷なんだろう)
知らなければ、それを失う痛みさえ知らずに済んだのに……。
握り締めていたはずの砂が、サラサラと指の間からこぼれ落ちて残ったのは僅かな砂。それは哀しみ色の砂。
「はぁ~~」
フィアナなの居ない、これからの一生を考えて深い溜め息を付いた。それ以外に、自分の気持ちを吐き出すことが出来ない。これ程、自分が孤独だと思ったのは初めてだ。
*****
「 失礼します」
気落ちした様子で一礼するとロージー
が部屋を出ていった。
「はぁ~」
アルフォンは執務室の机の上に肘をついて、組んだ手に額を押し付ける。
ロージーや他の使用人たちを使って、
フィアナの悩みは何か調べさせたのに、何一つ分からなかった。
(どうして、何も出てこないんだ)
自分の無能さを感じる。
このところ元気になったように見えるが、そうじゃない。私には分かる。
瞳に隠れている寂しさも、何気ない仕草にまとわりつく苦しみも、伝わってくる。
(こんなに調べて、何も出ないとしたら、やはり妖精がらみのことか)
人間になれると喜んでいたと思っていたが、やはり母親との別れが悲しいんだろうか? そう思うと、いまだに罪の意識を感じる。
誰よりも幸せにしたいのに、私が誰よりも不幸にしている。やりきれない。 自分を殴るように机を拳でドンと叩く。
(愛してるのに……)
愛すれば、愛するほどフィアナを傷ついて行く気がする。 心が欲しいなどと、望まない。だから、私からフィアナを奪わないでほしい。私の願いは、それだけなのに……。
(それさえも許してくれないのか!)
神に怒るように机を殴りつけた。その拳から涙のように血が滲む。
*****
ビビアンは 教会の十字架の上で膝を抱えて、雲と風が追いかけっこをしているのをぼんやりと見ていた。
どんなに掴まえようとしても、雲は形を変えて逃げていくのに……。
悩みに悩んだ末、フィアナのお母さんに妖精王の話をした。予想と違って、知っていると返事が返ってきた。
残り少ない時間だから、色々な経験をさせたいと言っていた。
(その事を知らず 恋に浮かれている娘をどんな気持ちで見ていたんだろ……)
その心中を察すると、秘密にしておくべきなのかもしれない。 でもそれでは、お互いに悔いが残らないのだろうか?
妖精王に会ってないと嘘をついて構わない。だけど、寿命のことを教えないことは間違ってる気がする。
『ああすればよかった。こうすればよかった』妖精になってから後悔ばかりだ。せめて一言、両親に何か言いたかった。 『愛してる』『ごめんなさい』『必ず返ってくる』何でもいい。
フィアナだって、何も知らないまま命が尽きてしまったら、後悔するはずだ。 そう思っても、そのことを伝えるのが自分かと思うと、なかなか決心がつかないでいた。
(なんで私ばかり、こんな役回りなの……)
前の時は、まだ救いがあった。妖精じゃなくても、人間として生きていけるんだから。だけど今回は……。
その役が出来るのは私しかいない 。死神だと思われても、やるしかない。
震えだした唇を奥歯を噛み締めて止める。だけど、裏切り者の涙が溢れ出た。
*****
フィアナは 自分の机の上で新しい図案を考えていた。しかし、書いては消しの繰り返し。 ひとつも 完成していない。だけど、それも仕方ない。何かしていないと余計なことを考えなくてすむ。ただそれだけで、刺繍を続けているんだから。
気に入らないと、せっかく書いた花の絵をペンでぐちゃぐちゃにする。
真っ黒に塗りつぶされた絵を見てため息をつく。
(何やってるのよ……)
心配させないように常に笑顔で、出されたものは全て食べて、アルが寝付くまで、寝たふりをして、 毎日薄氷を踏むような生活だ。
(いつまで続くんだろう……)
一息入れよう。
お茶を淹れようと立ち上がった。すると、
シャララン。
ハッとして音の聞こえた方を振り返るとビビアンが居た。7日ぶりだ。
その顔を見て本能的に分かった。
そう感じた。
ビビアンは意味もなく来たりしない。 運命の振り子は、どちらに傾いたんだろう。ぎゅっと拳を握る。
しかし、そんな私を妖精王が話になんと、首を振りながらナポレオンによじ上る。
「お前が ギャアギャア騒いでも、フィアナはもうすぐこの世から消える。生まれたときから決まっている事だ」
無駄だと決めつけたその顔を唇を噛み締めながら見据える。
コインの表を裏にしたいわけじゃない。少しだけその位置をずらしたいだけだ。
「別に大したことでは無い。そもそも妖精は儚い生き物だ。気にするな。悲しみはいっときだ」
儚かったとしても、一生懸命生きている。だからこそ、人でも、妖精でも命は大事なものだ。
「それはあなたが妖精だからよ。人間の私は違うわ」
「人間ねぇ~」
そう言って私の頭からつま先へと視線を下げる。
(本当に、この男のする事はぜんぶ苛立しい)
こっちは真剣なのに 妖精王が片眉を動かして、からかってくる。
「心の問題よ」
「はぁ~、人間は命が終わる事に悲観的過ぎる」
妖精王が呆れたように首を振る。
そんな姿に考えの隔たりを感じる。
妖精には当たり前でも、人間の心を持つ私には受け入れられない。
だって、さっきまで話して、動いてたのに、ある一瞬を境に一方的に関係が終わってしまうんだから。
(……死ぬのを怖がるのは、自分が死ぬことをより、愛する人たちを残すことが悲しいからなのかもしれない)
「 人一人死ぬのよ。そんな簡単に割り切れるものじゃないわ」
「お前は人間に戻れるのだから。何の問題もあるまい」
何を言うのよ。この冷血漢。 キッと睨みつける。自分が良ければ、それでいいと言う問題じゃない。
(王様ってこう言うもの? )
仮にもフィアナは自分の眷属なのに。その一人が 死ぬというのに、あまりにも無関心すぎる。そんなんだから、誰も助けに来ないのよ。
「大ありよ。フィアナは私にとって掛け替えのない親友なんだから」
(私が初めて心を許せる相手だったのに……)
また嘘だらけの社交界に一人で戻らなくてはいけないのかと思うと、腹立たしさに駆られて爪を噛む。
「だったら、人間の男と結婚して夫と絆を深めれば良いだろう」
「男なんて当てにならないわ」
こちらこそ願い下げだと手で払う。
男なんてフィアナの代わりにはならない。貴族の社会の男はみんな身持ちの悪い浮気野郎だ。お父様だって、若い頃は色々あったと聞いている。実の親でさそうなんだから、他所の男なんて、もっとたちが悪いに決まっている。
「お前がどんな手を使おうとも、運命に勝てるはずが無い。諦めろ。そして、人間に戻ってすべて忘れて生きろ。じゃあな」
「忘れて生きるなんて無理」
きっぱりとはねつけると、妖精王が苛立たしげに目を細める。
こんな経験、一生忘れられない。
運命なんて大嫌いだ。このまま諦めるなんてしたくない。
だけど妖精王が協力してくれそうにない。彼以上に役に立ちそうな人物はいない。
( ……… )
そうだ。 協力したいと思わせる魅力的な条件を提示すればいいんだ。
ポンと手を合わせる。
時間はまたある。また来よう。
ナポレオン乗って帰ろうとした妖精王が思い出したように 振り返る。
「そうだ。言い忘れていたが、フィアナの羽を持って来れば私が、お前を人間に戻してやろう」
「はっ? 何言ってるの。あなた妖精じゃなくて悪魔でしょ」
私にフィアナの羽を毟り取れと言っているの? まだ生きてるのよ。そんなこと言うなんて冷酷すぎる男だ。
いくら、自分の為だとしても、友達にそんなことはしない
腕組みして、プイッと横を向く。クスリという笑い声に、ギリギリと歯軋りする。すると、さらに妖精王の笑みが広がる。
(絶対バカにしてる!)
怒りすぎてワナワナと体が震える。
「嫌なら別に良い。せいぜい頑張る事だ」
「ふん」
手を振って去って行く妖精王に向かって鼻を鳴らす。私の事甘く見ている。
自分の運命なら自分で切り開きたい。 (今に見てなさいよ)
その後ろ姿に向かって拳をつくる。
折角見つけた妖精王も対して役に立たなかった。あんなに必死になって探したのにバカみたい。
私も帰ろうと飛び立ったが、このままフィアナの母親の元へ行く気にはなれなかった。
私でさえショックなのに、フィアナの母親は? そして、フィアナは?
涙をこらえて寿命の話をするフィアナの顔が思い出される。ギリギリで耐えていた印象だ。それが自分だと知らされたら……。
「はぁ~~」
心の中がグルグルと、いろんなフィアナとの思い出が混ざり合って重く、辛く、悲しい……。
出会いこそ最悪だったが、お互いを認め合い、支え合い励まし合って来た。素直なフィアナは、何時しか私にとって守るべき存在になっていた。
(折角、友と言う宝を手に入れたのに……。ああ、運命は何て残酷なんだろう)
知らなければ、それを失う痛みさえ知らずに済んだのに……。
握り締めていたはずの砂が、サラサラと指の間からこぼれ落ちて残ったのは僅かな砂。それは哀しみ色の砂。
「はぁ~~」
フィアナなの居ない、これからの一生を考えて深い溜め息を付いた。それ以外に、自分の気持ちを吐き出すことが出来ない。これ程、自分が孤独だと思ったのは初めてだ。
*****
「 失礼します」
気落ちした様子で一礼するとロージー
が部屋を出ていった。
「はぁ~」
アルフォンは執務室の机の上に肘をついて、組んだ手に額を押し付ける。
ロージーや他の使用人たちを使って、
フィアナの悩みは何か調べさせたのに、何一つ分からなかった。
(どうして、何も出てこないんだ)
自分の無能さを感じる。
このところ元気になったように見えるが、そうじゃない。私には分かる。
瞳に隠れている寂しさも、何気ない仕草にまとわりつく苦しみも、伝わってくる。
(こんなに調べて、何も出ないとしたら、やはり妖精がらみのことか)
人間になれると喜んでいたと思っていたが、やはり母親との別れが悲しいんだろうか? そう思うと、いまだに罪の意識を感じる。
誰よりも幸せにしたいのに、私が誰よりも不幸にしている。やりきれない。 自分を殴るように机を拳でドンと叩く。
(愛してるのに……)
愛すれば、愛するほどフィアナを傷ついて行く気がする。 心が欲しいなどと、望まない。だから、私からフィアナを奪わないでほしい。私の願いは、それだけなのに……。
(それさえも許してくれないのか!)
神に怒るように机を殴りつけた。その拳から涙のように血が滲む。
*****
ビビアンは 教会の十字架の上で膝を抱えて、雲と風が追いかけっこをしているのをぼんやりと見ていた。
どんなに掴まえようとしても、雲は形を変えて逃げていくのに……。
悩みに悩んだ末、フィアナのお母さんに妖精王の話をした。予想と違って、知っていると返事が返ってきた。
残り少ない時間だから、色々な経験をさせたいと言っていた。
(その事を知らず 恋に浮かれている娘をどんな気持ちで見ていたんだろ……)
その心中を察すると、秘密にしておくべきなのかもしれない。 でもそれでは、お互いに悔いが残らないのだろうか?
妖精王に会ってないと嘘をついて構わない。だけど、寿命のことを教えないことは間違ってる気がする。
『ああすればよかった。こうすればよかった』妖精になってから後悔ばかりだ。せめて一言、両親に何か言いたかった。 『愛してる』『ごめんなさい』『必ず返ってくる』何でもいい。
フィアナだって、何も知らないまま命が尽きてしまったら、後悔するはずだ。 そう思っても、そのことを伝えるのが自分かと思うと、なかなか決心がつかないでいた。
(なんで私ばかり、こんな役回りなの……)
前の時は、まだ救いがあった。妖精じゃなくても、人間として生きていけるんだから。だけど今回は……。
その役が出来るのは私しかいない 。死神だと思われても、やるしかない。
震えだした唇を奥歯を噛み締めて止める。だけど、裏切り者の涙が溢れ出た。
*****
フィアナは 自分の机の上で新しい図案を考えていた。しかし、書いては消しの繰り返し。 ひとつも 完成していない。だけど、それも仕方ない。何かしていないと余計なことを考えなくてすむ。ただそれだけで、刺繍を続けているんだから。
気に入らないと、せっかく書いた花の絵をペンでぐちゃぐちゃにする。
真っ黒に塗りつぶされた絵を見てため息をつく。
(何やってるのよ……)
心配させないように常に笑顔で、出されたものは全て食べて、アルが寝付くまで、寝たふりをして、 毎日薄氷を踏むような生活だ。
(いつまで続くんだろう……)
一息入れよう。
お茶を淹れようと立ち上がった。すると、
シャララン。
ハッとして音の聞こえた方を振り返るとビビアンが居た。7日ぶりだ。
その顔を見て本能的に分かった。
そう感じた。
ビビアンは意味もなく来たりしない。 運命の振り子は、どちらに傾いたんだろう。ぎゅっと拳を握る。
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