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首魁
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フィアナを立派なレディにしようと、レッスンしていてビビアンは ふと二人の馴れ初めが気になった。
アルフォンは 妖精だと知ってて、結婚したわけではなさそうだった。
だったら、理由は何だろう?
「断ることも出来たでしょう」
「そうなんだけど ……」
開いた口が、ふさがらない。
どんなロマンティックな話なのかと期待していたのに、がっかりだ。
一生のことなのに、そんな理由で結婚するなんてありえない。
(私のせいで、巻き込んでしまったと散々思い悩んだのに……)
確認するように 返ってきた言葉を繰り返す。
「魔法のドレスに選ばれた?」
そうだと、コクリとフィアナが頷く。嘘をついてるようには見えない。
だけど、そんなものを信じて 結婚するなんて信じられない 。
つまり、あとドレスが魔法のドレス?
いくら考えてもロマンティックになりそうにない。
まるで運命のように恋に落ちたと、一目惚れしたと、言われた方がましだ。魔法のドレスなんて、絶対嘘だ。
そんな話、聞いたこともない 。アルフォンの口車にのせられたに違いない。お父様が交渉上手だと言っていた。
「いいの? それでいいの? 結婚は大事な事なのよ」
「えっ、あっ……うん」
身を乗り出して尋ねると フィアナが、たじろいで私から距離を置こうとする。その分近づいてフィアナの顔の前で指を振る。
「だからって、会ったその場で結婚するなんて……。騙されたのよ」
愚かな選択をしたと首を横に振る。
女の結婚は、その後の人生を大きく左右する。そんな非科学的な事で決める
なんて間違っている。
もし、アルフォンが酷い男だったら どうする気だったんだろう 。
頭に "箱入り娘" という言葉が浮かぶ。 ぴったりだ。
おどおどしているかと思ったフィアナが、しっかりと私に向かって否定する。
「ううん、本当よ。だから、私とビビアンが入れ替わったんだもの」
「 ……… 」
そう言われるとフィアナの話の方が説得力ある。
……あのドレスが古いということは知っている 。だけど、……。
「う~ん」
腕組みして、もっと納得のいく説明がないか あれやこれやと考える 。
しかし、入れ替わりのことを考えると、 フィアナの言ってことが正しい。
お茶飲んで、ほっと小さな笑みを浮かべているフィアナの姿を見ていると自然と笑みが浮かぶ。
( 可愛らしい)
こうして見るとフィアナは、誰もが理想とする貴族の令嬢と言った感じだ。大人しく楚々としている。
男は従順な女が好きだ。何でも、" はい。はい。" と答える女が良いのだ。口答えをしようものなら、生意気だと怒鳴られる。
私だって、そのくらい分かる。
頭では分かっていても 間違った事が許せない性格のせいで、我慢できなくて言ってしまう。私は男たちにとって、結婚相手としては最悪の物件だろう。
だけど、ここで重要なのはフィアナ
の気持ちだ。
「それでフィアナは後悔しないの?」
「ええ、アルが花婿で良かったと心から思ってるわ」
「そっ、そう……」
花のような笑顔で、言い切られたら何も言い返せない。
フィアナは初めて会った時と違って力強さを感じる。一つの事を乗り越えて、成長したんだ。
結婚も恋愛も、どちらも未経験の私にアドバイス出来ることは無い。私の出番は ここまでね。
「分かった。結婚については、もういいわ。私がとやかく言う事じゃないもの」
「うん」
「これから先はアルフォンと二人で何とかして」
「分かったわ」
そう言って大きく頷く。
見る限りアルフォンもフィアナのことが好きみたいだし、大丈夫だろう。
フィアナが剥いてくれたブドウを食べるとナプキンで手と口を拭う。
私は、私が出来ることをしてフィアナの手助けしよう。
「それじゃあ、休憩終わり。さっきの続きをするわよ」
「はっ、はい」
慌ててフィアナがお茶を飲みほすと本を手に取る。
*****
屋根の色がオレンジ色に染まっていく。空を飛んでいる私もオレンジ色になる。
「結婚かぁ~」
ため息とも憧れとも言えない言葉が口から出る。
人間に戻ったら、お父様が どこからか見つけて来た相手と結婚することになるだろう。
(避けては通れないだろうなぁ~)
だけど、親の言いなりで自分の一生を決めるには余りにもリスクが大きい。
お父様が、 見つける前に私が見つけられれば、いいけど……。
そうそう男性と知り合うチャンスがない。
(……お父様がアルフォンを勧めたのは真面目だからだった)
本当かどうか、それと無く何人かに探りを入れたが、声をそろえて言う言葉は真面目。
実際、最初の私の印象も同じだ。
そんな真面目な男との結婚……。修道女になるくらいつまらなさそうだ。
何の変化も無い。判で押したような毎日。起きる時間、寝る時間、朝ごはん、晩ごはん、同じ時間に同じことを365日繰り返す。
そんな生活三日で飽きてしまう。
きっと、結婚した後も、全て私に押し付けて夫は仕事に明け暮れる。一人で食事、一人で子育て。そんな 寂しい一生が簡単に想像できる。
今日と言う日が昨日と変わらず明日と言う日になる。
少しでも好きなところがあれば耐えられるはず。だけど、そんな相手現れる?
(お父様が選ぶなら、また同じようなタイプの男になるかも……)
私だって理想はある。
やっぱり金髪に憧れる。
希望としたら碧眼で、王子様みたいな見た目。一緒に暮らすんだから、見た目も大事。
「赤毛の嫌いなわけじゃないけど……)
どうせ結婚してるなら 好みのタイプがいい。
「私の チャーミング王子はどこ?」
手でひさしを作って顔を左右に振る。
*****
人間のレディになるのって 大変……。
疲れ果ててベッドでうとうとしていると、ずっしりと片側だけ沈む。
アルが中に入ってきたんだ。目を開けなくても、匂いや気配でわかる。
「もう、寝たかい?」
「ううん。まだ、寝てない」
さらりと髪を撫でられる。
目を開けると片肘をついてアルが私の顔を覗き込んでいる。
「今日も頑張ったんだって」
「うん。頑張った」
その通りだと、起き上がるとポスッとアルの胸に頭を押し付ける。
本当に頑張ってる。自分でもそう思う。
歩き方だけじゃない。挨拶の仕方も習った。スカートをつまんで 膝を曲げるだけだと 思ってたけど 片足を後ろに伸ばすらしい。
お茶会などの返事を書くための飾り文字を習ったりと、色々と同時進行でレッスンが続いている。
頭を押し付けているアルの胸が震える。
笑ってる?
視線を送るとアルの口角が上がっている。
「酷いー」
他人事だと思って!
こっちは毎日大変なのに。
むっとして睨む。すると、アルが私を引き寄せて 額にキスする。
「ごめん。ごめん」
「はぁ~」
ため息をつくと、よしよしとアルが頭を撫でる。
「無理しないで。人生は長いんだから、ゆっくり覚えていけばいいよ」
その言葉をビビアンに聞かせたい。
なんでも、完璧を求めるビビアンは 自分が納得するまでやらされる。
「ありがとう」
暇を持て余してるからなのか、責任感からなのか、ビビアンが朝から晩まで居座って口うるさく注意してくる。
アルの胸にもたれかかりながら、雨が降らないかなと心の中で願う。
そうすれば、妖精のビビアンは、ここまで飛んで来れない。
休みが欲しい。 自由気ままに暮らしていた 妖精時代が恋しい。
「もう、お休み」
「んっ」
返事をするとまぶたが重くなる。
眠りへと落ちながら、頭に ダンスパートナーになってもらえと、ビビアンに言われていたことを思い出した。
でも睡魔に負けて 闇の中に溶ける。
自分に寄りかかったまま眠ってしまったフィアナを起こさないように、寝かせると そっと腕を引き抜く。
一緒に暮らすようになってから、色んな表情を見せてくれるようになった。 それだけ今の生活に馴染んだんだろう。それを嬉しく思いながらも 不安がつきまとう。
そっと、顔にかかっている前髪を耳にかける。 出会った頃と変わらず美しい。
自分の腕の中で驚いた顔で私を見つめていたフィアナを見た途端、自分のものにしたいという強い欲求が 込み上がってきた。
誰にも奪われたくない。
相手の出目も、未婚かも、年齢も関係なかった。
ただフィアナが欲しかった。
きっと、俗に言う一目惚れだろう。あの時は他のものが目に入らなかった。
現実主義でロマンティックなものは無縁。結婚は義務。そう考えていたのに。まさか自分が? という気持ちだった。 しかし、自分の心に嘘はつけない。
このチャンスを逃したくなかった。
奇跡のように舞い降りてきた私の運命。
フィアナの気持ちを無視して、結婚したこと 悪いと思うが、後悔はない 。
「幸せにするよ」
懺悔とも約束ともつかない言葉を口にする。
アルフォンは 妖精だと知ってて、結婚したわけではなさそうだった。
だったら、理由は何だろう?
「断ることも出来たでしょう」
「そうなんだけど ……」
開いた口が、ふさがらない。
どんなロマンティックな話なのかと期待していたのに、がっかりだ。
一生のことなのに、そんな理由で結婚するなんてありえない。
(私のせいで、巻き込んでしまったと散々思い悩んだのに……)
確認するように 返ってきた言葉を繰り返す。
「魔法のドレスに選ばれた?」
そうだと、コクリとフィアナが頷く。嘘をついてるようには見えない。
だけど、そんなものを信じて 結婚するなんて信じられない 。
つまり、あとドレスが魔法のドレス?
いくら考えてもロマンティックになりそうにない。
まるで運命のように恋に落ちたと、一目惚れしたと、言われた方がましだ。魔法のドレスなんて、絶対嘘だ。
そんな話、聞いたこともない 。アルフォンの口車にのせられたに違いない。お父様が交渉上手だと言っていた。
「いいの? それでいいの? 結婚は大事な事なのよ」
「えっ、あっ……うん」
身を乗り出して尋ねると フィアナが、たじろいで私から距離を置こうとする。その分近づいてフィアナの顔の前で指を振る。
「だからって、会ったその場で結婚するなんて……。騙されたのよ」
愚かな選択をしたと首を横に振る。
女の結婚は、その後の人生を大きく左右する。そんな非科学的な事で決める
なんて間違っている。
もし、アルフォンが酷い男だったら どうする気だったんだろう 。
頭に "箱入り娘" という言葉が浮かぶ。 ぴったりだ。
おどおどしているかと思ったフィアナが、しっかりと私に向かって否定する。
「ううん、本当よ。だから、私とビビアンが入れ替わったんだもの」
「 ……… 」
そう言われるとフィアナの話の方が説得力ある。
……あのドレスが古いということは知っている 。だけど、……。
「う~ん」
腕組みして、もっと納得のいく説明がないか あれやこれやと考える 。
しかし、入れ替わりのことを考えると、 フィアナの言ってことが正しい。
お茶飲んで、ほっと小さな笑みを浮かべているフィアナの姿を見ていると自然と笑みが浮かぶ。
( 可愛らしい)
こうして見るとフィアナは、誰もが理想とする貴族の令嬢と言った感じだ。大人しく楚々としている。
男は従順な女が好きだ。何でも、" はい。はい。" と答える女が良いのだ。口答えをしようものなら、生意気だと怒鳴られる。
私だって、そのくらい分かる。
頭では分かっていても 間違った事が許せない性格のせいで、我慢できなくて言ってしまう。私は男たちにとって、結婚相手としては最悪の物件だろう。
だけど、ここで重要なのはフィアナ
の気持ちだ。
「それでフィアナは後悔しないの?」
「ええ、アルが花婿で良かったと心から思ってるわ」
「そっ、そう……」
花のような笑顔で、言い切られたら何も言い返せない。
フィアナは初めて会った時と違って力強さを感じる。一つの事を乗り越えて、成長したんだ。
結婚も恋愛も、どちらも未経験の私にアドバイス出来ることは無い。私の出番は ここまでね。
「分かった。結婚については、もういいわ。私がとやかく言う事じゃないもの」
「うん」
「これから先はアルフォンと二人で何とかして」
「分かったわ」
そう言って大きく頷く。
見る限りアルフォンもフィアナのことが好きみたいだし、大丈夫だろう。
フィアナが剥いてくれたブドウを食べるとナプキンで手と口を拭う。
私は、私が出来ることをしてフィアナの手助けしよう。
「それじゃあ、休憩終わり。さっきの続きをするわよ」
「はっ、はい」
慌ててフィアナがお茶を飲みほすと本を手に取る。
*****
屋根の色がオレンジ色に染まっていく。空を飛んでいる私もオレンジ色になる。
「結婚かぁ~」
ため息とも憧れとも言えない言葉が口から出る。
人間に戻ったら、お父様が どこからか見つけて来た相手と結婚することになるだろう。
(避けては通れないだろうなぁ~)
だけど、親の言いなりで自分の一生を決めるには余りにもリスクが大きい。
お父様が、 見つける前に私が見つけられれば、いいけど……。
そうそう男性と知り合うチャンスがない。
(……お父様がアルフォンを勧めたのは真面目だからだった)
本当かどうか、それと無く何人かに探りを入れたが、声をそろえて言う言葉は真面目。
実際、最初の私の印象も同じだ。
そんな真面目な男との結婚……。修道女になるくらいつまらなさそうだ。
何の変化も無い。判で押したような毎日。起きる時間、寝る時間、朝ごはん、晩ごはん、同じ時間に同じことを365日繰り返す。
そんな生活三日で飽きてしまう。
きっと、結婚した後も、全て私に押し付けて夫は仕事に明け暮れる。一人で食事、一人で子育て。そんな 寂しい一生が簡単に想像できる。
今日と言う日が昨日と変わらず明日と言う日になる。
少しでも好きなところがあれば耐えられるはず。だけど、そんな相手現れる?
(お父様が選ぶなら、また同じようなタイプの男になるかも……)
私だって理想はある。
やっぱり金髪に憧れる。
希望としたら碧眼で、王子様みたいな見た目。一緒に暮らすんだから、見た目も大事。
「赤毛の嫌いなわけじゃないけど……)
どうせ結婚してるなら 好みのタイプがいい。
「私の チャーミング王子はどこ?」
手でひさしを作って顔を左右に振る。
*****
人間のレディになるのって 大変……。
疲れ果ててベッドでうとうとしていると、ずっしりと片側だけ沈む。
アルが中に入ってきたんだ。目を開けなくても、匂いや気配でわかる。
「もう、寝たかい?」
「ううん。まだ、寝てない」
さらりと髪を撫でられる。
目を開けると片肘をついてアルが私の顔を覗き込んでいる。
「今日も頑張ったんだって」
「うん。頑張った」
その通りだと、起き上がるとポスッとアルの胸に頭を押し付ける。
本当に頑張ってる。自分でもそう思う。
歩き方だけじゃない。挨拶の仕方も習った。スカートをつまんで 膝を曲げるだけだと 思ってたけど 片足を後ろに伸ばすらしい。
お茶会などの返事を書くための飾り文字を習ったりと、色々と同時進行でレッスンが続いている。
頭を押し付けているアルの胸が震える。
笑ってる?
視線を送るとアルの口角が上がっている。
「酷いー」
他人事だと思って!
こっちは毎日大変なのに。
むっとして睨む。すると、アルが私を引き寄せて 額にキスする。
「ごめん。ごめん」
「はぁ~」
ため息をつくと、よしよしとアルが頭を撫でる。
「無理しないで。人生は長いんだから、ゆっくり覚えていけばいいよ」
その言葉をビビアンに聞かせたい。
なんでも、完璧を求めるビビアンは 自分が納得するまでやらされる。
「ありがとう」
暇を持て余してるからなのか、責任感からなのか、ビビアンが朝から晩まで居座って口うるさく注意してくる。
アルの胸にもたれかかりながら、雨が降らないかなと心の中で願う。
そうすれば、妖精のビビアンは、ここまで飛んで来れない。
休みが欲しい。 自由気ままに暮らしていた 妖精時代が恋しい。
「もう、お休み」
「んっ」
返事をするとまぶたが重くなる。
眠りへと落ちながら、頭に ダンスパートナーになってもらえと、ビビアンに言われていたことを思い出した。
でも睡魔に負けて 闇の中に溶ける。
自分に寄りかかったまま眠ってしまったフィアナを起こさないように、寝かせると そっと腕を引き抜く。
一緒に暮らすようになってから、色んな表情を見せてくれるようになった。 それだけ今の生活に馴染んだんだろう。それを嬉しく思いながらも 不安がつきまとう。
そっと、顔にかかっている前髪を耳にかける。 出会った頃と変わらず美しい。
自分の腕の中で驚いた顔で私を見つめていたフィアナを見た途端、自分のものにしたいという強い欲求が 込み上がってきた。
誰にも奪われたくない。
相手の出目も、未婚かも、年齢も関係なかった。
ただフィアナが欲しかった。
きっと、俗に言う一目惚れだろう。あの時は他のものが目に入らなかった。
現実主義でロマンティックなものは無縁。結婚は義務。そう考えていたのに。まさか自分が? という気持ちだった。 しかし、自分の心に嘘はつけない。
このチャンスを逃したくなかった。
奇跡のように舞い降りてきた私の運命。
フィアナの気持ちを無視して、結婚したこと 悪いと思うが、後悔はない 。
「幸せにするよ」
懺悔とも約束ともつかない言葉を口にする。
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