50 / 50
あの日、あの時、二人出逢ったから 今がある
しおりを挟む
ルーカスの一撃で 小屋は崩壊してしまった。
ディーンは、立ち込めている土煙を手で払いながら辺りを見まわす。
「ゴホッ、ゴホッ、みんな無事か?」
埃の中に一人、二人と、影が現れる。
そんな中、レグールの声がする。
「ロアンヌ。怪我は無いかい?」
「大丈夫です。レグール様こそ、お怪我は有りませんか?」
見ると 互いに埃を払っている。
後は……。
「コホッ、コホッ、コホッ」
咳き込みながらクリスが立ち上がる。無事だ。あと一人。
ルーカスが 瓦礫を体から落としながら立ち上がった。
ルーカスは悪いヤツだが、死んでしまうのは可哀想そうだ。
ボロ小屋だったことが幸いした。
全員無事だ。誰も死んでない。見る限り、誰も大きな怪我はしていない。
良かった。安心したが、瓦礫で分断されて こちら側はルーカスと自分しかいない事に気付いた。
(俺が捕まえるしかない)
だけど……相手は貴族だ。
ぎゅっと拳を作る。
たとえ相手に非があったとしても、怪我をさせたら罪に問われるのは 俺たち市井の者だ。だからと言って、このまま見逃すわけにはいかない。
「潔く罪を認めろ」
令息達は幼い頃から騎士道精神を教えられると言う。しかし、この男にそれあるか? 無い。
だったら、ここで性根の腐った馬鹿貴族を成敗してやる。
そんな覚悟で剣を構えた。ところが、ルーカスがその刃先を指で退ける。
「待て」
「何だよ!」
出鼻をくじかれてムッとして声を荒げる。さっきまで、 執拗に攻撃してたくせに。
(なんなんだよ、まったく)
しかし、本人は真剣な顔をしている。
「ハッキリさせたい。さっきからロアンヌ嬢をクリスと呼ぶが、何故だ?」
「 ……… 」
「 ……… 」
「 ……… 」
「 ……… 」
その言葉に同情が広がる。
ルーカスの堂々とした態度が余計に哀れだ。ルーカスのプライドを傷つけるのが可哀想で誰も答えられない。脳裏にクリスを口説いていた姿が浮かぶ。
(クリスが実は男で、伯爵令嬢じゃないと知ったら……)
その事を告げただけで十分罰では?
何だか申し訳なくて剣を下げる。
どう言ったらいいものか分からず全員が悩む。
「何で答えない」
「 ……… 」
「 ……… 」
「 ……… 」
「 ……… 」
そう催促されても 誰も口を開かない。焦れたルーカスが、答えてくれるだろうと俺を見る。しかし、その視線に耐え切れずに視線を外す。次にクリスを見る。すると、慌てたようにソッポを向く。そして、ロアンヌを見る。
ロアンヌは ひきつった笑みを浮かべるだけで、口を開かない。
誰もルーカスと関わりを持ちたがらない。
「ああ、もう!」
沈黙を破るようにレグールが 頭をかきあげると、ロアンヌの両肩を掴んで前に出す。
「こっちが本物のアルフォード伯爵令嬢のロアンヌ。で、そっちが幼馴染のクリスだ」
顎でしゃくるとクリスが、そうだと頷く。
「ちなみに、クリスは男だ」
そう言うとルーカスに向かってニヤリと笑う。
「そんな馬鹿な……」
ルーカスがクリスを見て目を見開く。しかし、クリスがルーカスに向かって、トドメを差すように胸をはだけて洗濯板の胸を見せつける。
「本当だよ。僕は男だ!」
「 ……… 」
真実に気付いたルーカスが、膝から崩れ落ちた。 その顔は、燃え尽きて灰になったみたいに色が抜けている。
*****
ロアンヌは、これで事件は解決と考えていいだろうと判断した。
ルーカスが雇った用心棒は、すでに縛り上げている。人違いだと分ったルーカスは放心状態。
(ドレスまで買って入れ込んでたのに……)
レグールの剣術の凄さも見れたし、クリスの操は無事だった。色々あったが十分満足のいく結果だと、小さく何度もく頷く。
思ったより早く終わった。これなら式にクリスも出席してくれるだろう。
「怖かったでしょう。もう大丈夫よ。安心して」
クリスに駆け寄ると、あやすように背中を撫でて安心させた。
「ロアンヌ! 絶対助けに来てくれると思ってたよ」
目を潤ませてそう言うが、ルーカスとのやり取りを見るに、どう考えても計画に便乗したのは間違いない。
(いくら結婚に反対だからって、やり過ぎだ。今回の件に懲りて、もう仕掛けて来なければいいけど……)
内心ため息をつきながら、埃の付いた頬を拭いてあげていた。
「ロアンヌ。我々は先に帰ろう」
レグールの言葉に その手が止まる。
そうだ。
早く この事を知らせないと、両家とも気をもんでるはずだ。
レグールが指笛を吹くと私に手を差し出す。その手に自分の手を重ねると立ち上がる。
「はい」
レグールに肩を抱かれて歩きだした。
「えっ、もう行っちゃうの?」
クリスが 口を尖らせながら後をついてくる。それを止めさせようとクルリと振り返る。
「もうすぐ。 救助の人が来るから、クリスはその人達と一緒に帰ってきて」
クリスを構っている暇はない。 早く戻って婚約式の衣装に着替えないと。
「ロアンヌ! 置いて行かないで」
それでもクリスが、 引き止めようと私の手を掴もうとしたが、そこへ山を駆け上がって来たレグールの愛馬の嵐の大きな嘶きに手を引っ込める。 初めて見る嵐の大きさにクリスが怖がって後ずさる。そのクリスの目の前で、レグールが私の腰を掴むと、ヒラリと二人同時に馬にまたがる。
「ディーン、 後は任せた」
そう言って嵐のわき腹を蹴る。
唖然としているクリスにロアンヌは弾ける笑顔で手を振りながら叫んだ。
「二人とも式に遅れない様に! 待ってるわ~」
*****
ディーンは 手に手を取って帰ってく行くロアンヌ達を見送ると、どうしたものかと潰れて跡形もない小屋を見る。
「後は任せたって言われてもなぁ……」
クリスが、どんどん小さくなって行く二人を指さしながら憤慨している。
「ディーン。何だったんだよ。アレ! 僕を救出に来たんじゃないのかよ」
「仕方ないだろう。今日は婚約式で二人とも忙しんだから」
誘拐されたんだから、もっと大事に扱ってもらえると思ってたんだろう。
しかし、犯人たちを捕まつて 救出されたらそこまでだ。
「もっと、こう……僕を見ておいおい泣くとか、『二度と離さない』とか、『とっても心配したのよ』とか、『無事でよかった』とか、兎に角、かねぎらいの言葉が有っても、いいと思うんだけど。怖い思いしたのは僕なんだから」
と言ってクリスが自分の事を指さした。
(それなら、さっき言われただろう)
うだうだ言ってるクリスを放っておく。 問題はルーカスだ。 クリスをじっと見ている。 さっきまでは放心状態だったのに……。ようやく正気に戻ったのか? しかし、ルーカスが首を振って激しく否定する。
「そんなはずない。ただの貧乳だ」
どうしても信じたくないんだな。
可哀想に、恋した相手が男だったなんて、俺なら憤死するね。
「はっ、僕はクリス。れっきとした男だよ!」
クリスが二度と間違えるなとルーカス
を睨みつける。すると、ルーカスが すくっと立ち上がって、ツカツカと近づいてくる。
「なっ、なんだよ」
自分を見るルーカスから身を守るように胸を隠す。ディーンは クリスを守ろうと 一歩前に出たが、 ルーカスが途中で止る。
腹いせに殴るかと思ったが、その口から出たのは謝罪の言葉だった。
「すまなかった。……こんな綺麗な人を傷つけて」
(えっ? 綺麗な人……)
あっという間に距離をつめて、気づくとクリスの手を掴んでいた。その目がキラキラさせている。
「えっ? あっ、うっ、うん……」
クリスが手を振りほどくとするが 逆に引き寄せられた。
「なっ、なに?」
怖いのかクリスが泣きそう顔をしている。その顔にルーカスが興奮した様に自分の顔を近付ける。 ギョッとしてクリスが仰け反る。
「どう償えばいいのか……」
そう言ってクリスの手の甲に 自分の額を押し付けた。
「うわぁ!」
クリスが火傷したみたいに、手を引き抜くと俺の後ろに隠れた。 そんなクリスにルーカスが微笑みかける。 その微笑みにクリスが子犬のように、ブルブル震えながら俺のシャツを掴む。
「たっ、助けて。ディ、ディーン」
「身から出た錆だろ」
「ディーン!」
いいから助けろと俺の背中を叩く。
男だと知っても気持ちが変わらないなら、本気だろう。
クリスもルーカスに対して、 邪険にしてないし、買ってもらったドレスを着て喜んでた。
(これは新しい世界の扉が開いたのか?)
だからと言って、このままでは二人の将来が心配だ。
「ルーカ」
「僕は罪を償いたいだけです」
説得しようと口を開けたが、くいぎみに言葉を遮られた。
理由としては正論だ。
後ろからはクリスが、何とかしろとせっついてくる。前ではルーカスが不気味に微笑んでいる。
どうしたらいいんだ? 人の気持ちほど変えるのは難しいものはない。
(困ったことになったな…… )
頭をボリボリと掻いていると、馬の蹄の音が聞こえた。援軍の到着だ。助かった……。
音のする方を振り返ると、数頭の馬が此方に向かって来ているのが見えた。
ルーカスも 両親に会えば正気に戻るだろう。俺もクリスも 婚約式に間に合いそうだ。 大きく手を振って場所を知らせる。
*****
控え室でロアンヌは レグールと出番を待っていた。 招待客は、もう来てるんだろうか? そっとドアを開けて中を覗く。
ボールルームが、今日の婚約式のために美しく飾り立てられている。
こうして、目の当たりにすると苦労して計画を立てた 甲斐があったと思える。
立会人の神父様も到着したようだ。
クリスの誘拐事件があって、どうなるかと思ったが 、この分なら時間通りに始まるだろう。
二人揃ってみんなの前に出るかと思うと 緊張する 。落ち着こうと 自分の胸に手を置くと、ドレスが目に入る。
婚約式のドレスはローズ色の地で、白と水色の花とリボンでアクセントを付いた可愛らしいデザインのものだ。
それに合わせてレグールもお揃いの色のクラバットにした。
隣を見ると、どこか冴えない表情のレグールが床を見ている。緊張しているんだろうか? 送ってもらった時から様子が変だった。
ロアンヌは嵐に乗って自宅に向かいながら、チラリとレグールを盗み見する。
真面目な顔で 髪の毛をなびかせている。さっきまで騎士としての容赦ない顔とも、 ルーカスと口喧嘩している時とも違う顔だ。また一つ、レグールの事を知ることが出来た。本当にこの人は底が見えない。私の知らない事ばかりだ。でも、けして嫌では無い。一体いくつの顔を見せてくれるのかと逆にワクワクする。
「何だ?」
レグールの素っ気ない声音にロアンヌは笑みを零す。ジッと見過ぎたかしら。それにしても無口だ……。
ルーカスに 言われたことを気にしてるんですかと聞くと
「気にしてない!」
ピシャリと否定する。だけど、横を向いて顔を見せない様にしている。
(嘘ばっかり)
そんな態度をとること自体、気にしてる証拠だ。
話し会いたかったのに、その後はだんまり。私を降ろすと、さっさと帰ってしまった。
全く自信満々で、会ったその場でプロポーズした人と同一人物とは思えない。
(私がここに居るのに、それでは足りないの?)
こういうところはナイーブなんだから。 だけど、自信喪失中のレグールの気持ちが私に分かる。レグールが してくれたように私も心を砕かなくは。
レグールが、そう思えるまで、はっきりと口にすることが大切だ。 何度でも自分の気持ちを伝えよう。
ロアンヌはレグールの両手を掴んで向かい合う。
「レグール様」
「 ……… 」
「大好きですよ。じゅ……十五歳年上でも、…… たとえ年下だとしてもレグール様を選びます」
レグールと視線を合わせると真摯に告白する。余裕たっぷりな大人のレグールも、少年の様に傷つやすいレグールも、どちからも愛らしい。
私の可愛い男だ。
「……愛があればか?」
真剣に言ってるのに、レグールが茶化す。
「いいえ。二人で愛を育てて守る。強い気持ちがあればです」
そんなものではないと首を振って答えた。ロマンス小説は何時も結ばれたところで終わる。だけど現実はその先が有る。
「両想いになったから、ハッピーエンドと言う訳じゃないと」
そうだと頷く。すると、レグールが私を引き寄せてコツンと額を押し付けてくる。もっとレグールを 近くで感じたいと指を絡めて恋人繋ぎをする。
「そうです」
「どんな物語にする予定ですか婚約者殿?」
レグールが繋いだ手を持ち上げると私の指先にチュッとキスをする。
『勿論。誰もが羨むほどの素敵な物語です』そう答えようとしたが、ふと 頭にレグールがプロポーズの時の言葉が浮かんで、からかいたくなる。
ちょっとだけ、レグールの気持ち
が分かった。
「一人目の子供が産まれたときに教えてあげます」
「えっ?……一人目?」
目をまん丸にしているレグールに 向かって、素知らぬ顔で言葉を続ける。
「子供は最低でも三人欲しいので、三人目が産まれたときにしましょうか?」
「つ」
「それとも、最初は女の子で、次は男の子がいいと言ってましたから……。女の子が産まれたときにしましょうか?」
ポカンとしていたレグールの顔が笑顔に変わっていく。 私が何を再現したか分かったようだ。ヒョイと私を抱き上げるとクルリと回る。
「奥様の仰せのままに。だから、何時か教えてください」
「考えてみます」
レグールに真面目に、お願いされて軽く頷く。
ストンと私をおろすと後れ毛を耳にかける。
「今日はどんなに素敵か、もう言ったかな?」
「そういうのは、何度言ってもいいですよ」
「とっても綺麗だよ」
「あっ、ありがとうございます」
褒められることに慣れてなくて照れてしまう。そんな私を見てクスリと笑うとレグールが唇を重ねる。
髪も乱れ、化粧もハゲる。 分かっていても拒みたくない。そっと口を開けるとレグールの下が絡みつく。
(アンに 怒られるわね)
もっと深く愛を伝えようと、レグールの首に腕を回す。
エピローグ
厳かな式は終わり今はパーティーが催されていた。フロアーでダンスするロアンヌの、その笑顔は彼女が本当に幸せなんだと感じさせる。その横にはピッタリとレグールがくっついている。ディーンは そんな晴れの姿を仕事の合間に覗き見ていた。
給仕係として忙しく人々の間を縫って、空いたグラス回収してせっせと働いている。
クリスはと言えばロアンヌに仕立ててもらったフリルだらけのブラウスに瞳の色に合わせた空色のジャケットを身に着けて、酒樽の上にちょこんと座り足をぶらぶらさせている。
(子供みたいだ)
今日はクリスの失恋記念日だから、そっとして起きたが、猫の手も借りたい忙しさに同情してやる気持ちになれない。
(絶対、招待されて無い客も混じってるに違いない)
「クリス、サボってないで手伝えよ」
「ディーン。僕決めたよ」
此方へ振り返った顔は晴れ晴れとしている。おかしい……。もっと目を赤くして意気消沈して居なくちゃいけないのに。とうとう気が触れたのか? 恐る恐る声を掛けた。
「……何を?」
「諦めない!」
そう宣言したクリスの顔には空恐ろしいことに満面の笑みが浮かんでいる。
「だって、危険を顧みず僕の事を助けに来てくれたんだよ。 僕のことが好きだからでしょ」
(いや、 それは死なれたら目覚めが悪いからだよ)
無理やりのこじつけに頭が痛い。犯人を倒したのはレグールと俺だし、ロアンヌ様は何もしてない。
クリスの父親である男爵が加わった4家で、話し合って今回の事件は無かった事にされた。
どの家も公にされたら都合が悪かったからた。だからといって何もなかったことにはならなかった。
ルーカスは騎士見習いとして親戚の家に行くことになった。そして、クリスは……。
「クリス」
「なに?」
降りて来いと指を曲げて呼ぶと、クリスがストンと酒樽から降りた。
「男爵が迎えに来ると言ってたぞ」
「とっ、とっ、とっ、とっ、父様が」
ショックでカチコチに氷のように固まったクリスの肩をポンと叩く。 現実逃避しても無駄だ。
「早く支度しろ」
「嫌だ。嫌だ。ロアンヌのそばにいたい!」
両手を振り回して地団駄を踏む。被害者ではあるが、同情するものはいないだろう。事件を大きくしたのはクリスなんだか。
「パーティーが終わったら連れて帰ると言ってたぞ」
「嘘だ。……嘘でしょ?」
クリスが俺の腕を掴んで助けを求めようとするが、それを振り払う。
「嘘じゃない」
すると、しょぼんと俯く。
少しは反省が必要だ。自分の行動に責任を取らないと駄目だ。
「……分かった」
「えっ?」
他力本願のクリスは、いつもしつこく助けてくれと頼んでくる。
(やけにあっさり納得したな)
ちょっと拍子抜けした。 まあ、そういうことならと、仕事に戻ろうとした。しかし、嫌な予感にパッと振り返ると、 クリスが猛ダッシュで逃げていく。
「クリス!」
声をかけると振り返ったクリスが大きく手を振る。
「ディーン。あとはよろしく」
「はぁ~」
呆れ果てて追いかける気力もない。
こめかみ押さえてやれやれと首を振る。
(嫌だか逃げるって……5歳児か)
どうせ捕まるのに……。
門をくぐるクリスを見て、くるりと背を向けると口角を思い切りあげた。
これで当分クリスのお守りから解放される。鍛錬に集中できる。
(レグール様に稽古をつけてもらうのも いいかもしれないな)
夢が広がる。
ディーンが、弾む足取りで戻っていった。その気持ちを表すように、空には雲ひとつない青空が広がっている。
終わり
最後まで読んで下さり ありがとうございました。
胴体着陸っぽくなりましたが、その辺はご愛嬌と言うことで。
一週休んで 次回からは 独善令嬢の登場です。お楽しみに!
ディーンは、立ち込めている土煙を手で払いながら辺りを見まわす。
「ゴホッ、ゴホッ、みんな無事か?」
埃の中に一人、二人と、影が現れる。
そんな中、レグールの声がする。
「ロアンヌ。怪我は無いかい?」
「大丈夫です。レグール様こそ、お怪我は有りませんか?」
見ると 互いに埃を払っている。
後は……。
「コホッ、コホッ、コホッ」
咳き込みながらクリスが立ち上がる。無事だ。あと一人。
ルーカスが 瓦礫を体から落としながら立ち上がった。
ルーカスは悪いヤツだが、死んでしまうのは可哀想そうだ。
ボロ小屋だったことが幸いした。
全員無事だ。誰も死んでない。見る限り、誰も大きな怪我はしていない。
良かった。安心したが、瓦礫で分断されて こちら側はルーカスと自分しかいない事に気付いた。
(俺が捕まえるしかない)
だけど……相手は貴族だ。
ぎゅっと拳を作る。
たとえ相手に非があったとしても、怪我をさせたら罪に問われるのは 俺たち市井の者だ。だからと言って、このまま見逃すわけにはいかない。
「潔く罪を認めろ」
令息達は幼い頃から騎士道精神を教えられると言う。しかし、この男にそれあるか? 無い。
だったら、ここで性根の腐った馬鹿貴族を成敗してやる。
そんな覚悟で剣を構えた。ところが、ルーカスがその刃先を指で退ける。
「待て」
「何だよ!」
出鼻をくじかれてムッとして声を荒げる。さっきまで、 執拗に攻撃してたくせに。
(なんなんだよ、まったく)
しかし、本人は真剣な顔をしている。
「ハッキリさせたい。さっきからロアンヌ嬢をクリスと呼ぶが、何故だ?」
「 ……… 」
「 ……… 」
「 ……… 」
「 ……… 」
その言葉に同情が広がる。
ルーカスの堂々とした態度が余計に哀れだ。ルーカスのプライドを傷つけるのが可哀想で誰も答えられない。脳裏にクリスを口説いていた姿が浮かぶ。
(クリスが実は男で、伯爵令嬢じゃないと知ったら……)
その事を告げただけで十分罰では?
何だか申し訳なくて剣を下げる。
どう言ったらいいものか分からず全員が悩む。
「何で答えない」
「 ……… 」
「 ……… 」
「 ……… 」
「 ……… 」
そう催促されても 誰も口を開かない。焦れたルーカスが、答えてくれるだろうと俺を見る。しかし、その視線に耐え切れずに視線を外す。次にクリスを見る。すると、慌てたようにソッポを向く。そして、ロアンヌを見る。
ロアンヌは ひきつった笑みを浮かべるだけで、口を開かない。
誰もルーカスと関わりを持ちたがらない。
「ああ、もう!」
沈黙を破るようにレグールが 頭をかきあげると、ロアンヌの両肩を掴んで前に出す。
「こっちが本物のアルフォード伯爵令嬢のロアンヌ。で、そっちが幼馴染のクリスだ」
顎でしゃくるとクリスが、そうだと頷く。
「ちなみに、クリスは男だ」
そう言うとルーカスに向かってニヤリと笑う。
「そんな馬鹿な……」
ルーカスがクリスを見て目を見開く。しかし、クリスがルーカスに向かって、トドメを差すように胸をはだけて洗濯板の胸を見せつける。
「本当だよ。僕は男だ!」
「 ……… 」
真実に気付いたルーカスが、膝から崩れ落ちた。 その顔は、燃え尽きて灰になったみたいに色が抜けている。
*****
ロアンヌは、これで事件は解決と考えていいだろうと判断した。
ルーカスが雇った用心棒は、すでに縛り上げている。人違いだと分ったルーカスは放心状態。
(ドレスまで買って入れ込んでたのに……)
レグールの剣術の凄さも見れたし、クリスの操は無事だった。色々あったが十分満足のいく結果だと、小さく何度もく頷く。
思ったより早く終わった。これなら式にクリスも出席してくれるだろう。
「怖かったでしょう。もう大丈夫よ。安心して」
クリスに駆け寄ると、あやすように背中を撫でて安心させた。
「ロアンヌ! 絶対助けに来てくれると思ってたよ」
目を潤ませてそう言うが、ルーカスとのやり取りを見るに、どう考えても計画に便乗したのは間違いない。
(いくら結婚に反対だからって、やり過ぎだ。今回の件に懲りて、もう仕掛けて来なければいいけど……)
内心ため息をつきながら、埃の付いた頬を拭いてあげていた。
「ロアンヌ。我々は先に帰ろう」
レグールの言葉に その手が止まる。
そうだ。
早く この事を知らせないと、両家とも気をもんでるはずだ。
レグールが指笛を吹くと私に手を差し出す。その手に自分の手を重ねると立ち上がる。
「はい」
レグールに肩を抱かれて歩きだした。
「えっ、もう行っちゃうの?」
クリスが 口を尖らせながら後をついてくる。それを止めさせようとクルリと振り返る。
「もうすぐ。 救助の人が来るから、クリスはその人達と一緒に帰ってきて」
クリスを構っている暇はない。 早く戻って婚約式の衣装に着替えないと。
「ロアンヌ! 置いて行かないで」
それでもクリスが、 引き止めようと私の手を掴もうとしたが、そこへ山を駆け上がって来たレグールの愛馬の嵐の大きな嘶きに手を引っ込める。 初めて見る嵐の大きさにクリスが怖がって後ずさる。そのクリスの目の前で、レグールが私の腰を掴むと、ヒラリと二人同時に馬にまたがる。
「ディーン、 後は任せた」
そう言って嵐のわき腹を蹴る。
唖然としているクリスにロアンヌは弾ける笑顔で手を振りながら叫んだ。
「二人とも式に遅れない様に! 待ってるわ~」
*****
ディーンは 手に手を取って帰ってく行くロアンヌ達を見送ると、どうしたものかと潰れて跡形もない小屋を見る。
「後は任せたって言われてもなぁ……」
クリスが、どんどん小さくなって行く二人を指さしながら憤慨している。
「ディーン。何だったんだよ。アレ! 僕を救出に来たんじゃないのかよ」
「仕方ないだろう。今日は婚約式で二人とも忙しんだから」
誘拐されたんだから、もっと大事に扱ってもらえると思ってたんだろう。
しかし、犯人たちを捕まつて 救出されたらそこまでだ。
「もっと、こう……僕を見ておいおい泣くとか、『二度と離さない』とか、『とっても心配したのよ』とか、『無事でよかった』とか、兎に角、かねぎらいの言葉が有っても、いいと思うんだけど。怖い思いしたのは僕なんだから」
と言ってクリスが自分の事を指さした。
(それなら、さっき言われただろう)
うだうだ言ってるクリスを放っておく。 問題はルーカスだ。 クリスをじっと見ている。 さっきまでは放心状態だったのに……。ようやく正気に戻ったのか? しかし、ルーカスが首を振って激しく否定する。
「そんなはずない。ただの貧乳だ」
どうしても信じたくないんだな。
可哀想に、恋した相手が男だったなんて、俺なら憤死するね。
「はっ、僕はクリス。れっきとした男だよ!」
クリスが二度と間違えるなとルーカス
を睨みつける。すると、ルーカスが すくっと立ち上がって、ツカツカと近づいてくる。
「なっ、なんだよ」
自分を見るルーカスから身を守るように胸を隠す。ディーンは クリスを守ろうと 一歩前に出たが、 ルーカスが途中で止る。
腹いせに殴るかと思ったが、その口から出たのは謝罪の言葉だった。
「すまなかった。……こんな綺麗な人を傷つけて」
(えっ? 綺麗な人……)
あっという間に距離をつめて、気づくとクリスの手を掴んでいた。その目がキラキラさせている。
「えっ? あっ、うっ、うん……」
クリスが手を振りほどくとするが 逆に引き寄せられた。
「なっ、なに?」
怖いのかクリスが泣きそう顔をしている。その顔にルーカスが興奮した様に自分の顔を近付ける。 ギョッとしてクリスが仰け反る。
「どう償えばいいのか……」
そう言ってクリスの手の甲に 自分の額を押し付けた。
「うわぁ!」
クリスが火傷したみたいに、手を引き抜くと俺の後ろに隠れた。 そんなクリスにルーカスが微笑みかける。 その微笑みにクリスが子犬のように、ブルブル震えながら俺のシャツを掴む。
「たっ、助けて。ディ、ディーン」
「身から出た錆だろ」
「ディーン!」
いいから助けろと俺の背中を叩く。
男だと知っても気持ちが変わらないなら、本気だろう。
クリスもルーカスに対して、 邪険にしてないし、買ってもらったドレスを着て喜んでた。
(これは新しい世界の扉が開いたのか?)
だからと言って、このままでは二人の将来が心配だ。
「ルーカ」
「僕は罪を償いたいだけです」
説得しようと口を開けたが、くいぎみに言葉を遮られた。
理由としては正論だ。
後ろからはクリスが、何とかしろとせっついてくる。前ではルーカスが不気味に微笑んでいる。
どうしたらいいんだ? 人の気持ちほど変えるのは難しいものはない。
(困ったことになったな…… )
頭をボリボリと掻いていると、馬の蹄の音が聞こえた。援軍の到着だ。助かった……。
音のする方を振り返ると、数頭の馬が此方に向かって来ているのが見えた。
ルーカスも 両親に会えば正気に戻るだろう。俺もクリスも 婚約式に間に合いそうだ。 大きく手を振って場所を知らせる。
*****
控え室でロアンヌは レグールと出番を待っていた。 招待客は、もう来てるんだろうか? そっとドアを開けて中を覗く。
ボールルームが、今日の婚約式のために美しく飾り立てられている。
こうして、目の当たりにすると苦労して計画を立てた 甲斐があったと思える。
立会人の神父様も到着したようだ。
クリスの誘拐事件があって、どうなるかと思ったが 、この分なら時間通りに始まるだろう。
二人揃ってみんなの前に出るかと思うと 緊張する 。落ち着こうと 自分の胸に手を置くと、ドレスが目に入る。
婚約式のドレスはローズ色の地で、白と水色の花とリボンでアクセントを付いた可愛らしいデザインのものだ。
それに合わせてレグールもお揃いの色のクラバットにした。
隣を見ると、どこか冴えない表情のレグールが床を見ている。緊張しているんだろうか? 送ってもらった時から様子が変だった。
ロアンヌは嵐に乗って自宅に向かいながら、チラリとレグールを盗み見する。
真面目な顔で 髪の毛をなびかせている。さっきまで騎士としての容赦ない顔とも、 ルーカスと口喧嘩している時とも違う顔だ。また一つ、レグールの事を知ることが出来た。本当にこの人は底が見えない。私の知らない事ばかりだ。でも、けして嫌では無い。一体いくつの顔を見せてくれるのかと逆にワクワクする。
「何だ?」
レグールの素っ気ない声音にロアンヌは笑みを零す。ジッと見過ぎたかしら。それにしても無口だ……。
ルーカスに 言われたことを気にしてるんですかと聞くと
「気にしてない!」
ピシャリと否定する。だけど、横を向いて顔を見せない様にしている。
(嘘ばっかり)
そんな態度をとること自体、気にしてる証拠だ。
話し会いたかったのに、その後はだんまり。私を降ろすと、さっさと帰ってしまった。
全く自信満々で、会ったその場でプロポーズした人と同一人物とは思えない。
(私がここに居るのに、それでは足りないの?)
こういうところはナイーブなんだから。 だけど、自信喪失中のレグールの気持ちが私に分かる。レグールが してくれたように私も心を砕かなくは。
レグールが、そう思えるまで、はっきりと口にすることが大切だ。 何度でも自分の気持ちを伝えよう。
ロアンヌはレグールの両手を掴んで向かい合う。
「レグール様」
「 ……… 」
「大好きですよ。じゅ……十五歳年上でも、…… たとえ年下だとしてもレグール様を選びます」
レグールと視線を合わせると真摯に告白する。余裕たっぷりな大人のレグールも、少年の様に傷つやすいレグールも、どちからも愛らしい。
私の可愛い男だ。
「……愛があればか?」
真剣に言ってるのに、レグールが茶化す。
「いいえ。二人で愛を育てて守る。強い気持ちがあればです」
そんなものではないと首を振って答えた。ロマンス小説は何時も結ばれたところで終わる。だけど現実はその先が有る。
「両想いになったから、ハッピーエンドと言う訳じゃないと」
そうだと頷く。すると、レグールが私を引き寄せてコツンと額を押し付けてくる。もっとレグールを 近くで感じたいと指を絡めて恋人繋ぎをする。
「そうです」
「どんな物語にする予定ですか婚約者殿?」
レグールが繋いだ手を持ち上げると私の指先にチュッとキスをする。
『勿論。誰もが羨むほどの素敵な物語です』そう答えようとしたが、ふと 頭にレグールがプロポーズの時の言葉が浮かんで、からかいたくなる。
ちょっとだけ、レグールの気持ち
が分かった。
「一人目の子供が産まれたときに教えてあげます」
「えっ?……一人目?」
目をまん丸にしているレグールに 向かって、素知らぬ顔で言葉を続ける。
「子供は最低でも三人欲しいので、三人目が産まれたときにしましょうか?」
「つ」
「それとも、最初は女の子で、次は男の子がいいと言ってましたから……。女の子が産まれたときにしましょうか?」
ポカンとしていたレグールの顔が笑顔に変わっていく。 私が何を再現したか分かったようだ。ヒョイと私を抱き上げるとクルリと回る。
「奥様の仰せのままに。だから、何時か教えてください」
「考えてみます」
レグールに真面目に、お願いされて軽く頷く。
ストンと私をおろすと後れ毛を耳にかける。
「今日はどんなに素敵か、もう言ったかな?」
「そういうのは、何度言ってもいいですよ」
「とっても綺麗だよ」
「あっ、ありがとうございます」
褒められることに慣れてなくて照れてしまう。そんな私を見てクスリと笑うとレグールが唇を重ねる。
髪も乱れ、化粧もハゲる。 分かっていても拒みたくない。そっと口を開けるとレグールの下が絡みつく。
(アンに 怒られるわね)
もっと深く愛を伝えようと、レグールの首に腕を回す。
エピローグ
厳かな式は終わり今はパーティーが催されていた。フロアーでダンスするロアンヌの、その笑顔は彼女が本当に幸せなんだと感じさせる。その横にはピッタリとレグールがくっついている。ディーンは そんな晴れの姿を仕事の合間に覗き見ていた。
給仕係として忙しく人々の間を縫って、空いたグラス回収してせっせと働いている。
クリスはと言えばロアンヌに仕立ててもらったフリルだらけのブラウスに瞳の色に合わせた空色のジャケットを身に着けて、酒樽の上にちょこんと座り足をぶらぶらさせている。
(子供みたいだ)
今日はクリスの失恋記念日だから、そっとして起きたが、猫の手も借りたい忙しさに同情してやる気持ちになれない。
(絶対、招待されて無い客も混じってるに違いない)
「クリス、サボってないで手伝えよ」
「ディーン。僕決めたよ」
此方へ振り返った顔は晴れ晴れとしている。おかしい……。もっと目を赤くして意気消沈して居なくちゃいけないのに。とうとう気が触れたのか? 恐る恐る声を掛けた。
「……何を?」
「諦めない!」
そう宣言したクリスの顔には空恐ろしいことに満面の笑みが浮かんでいる。
「だって、危険を顧みず僕の事を助けに来てくれたんだよ。 僕のことが好きだからでしょ」
(いや、 それは死なれたら目覚めが悪いからだよ)
無理やりのこじつけに頭が痛い。犯人を倒したのはレグールと俺だし、ロアンヌ様は何もしてない。
クリスの父親である男爵が加わった4家で、話し合って今回の事件は無かった事にされた。
どの家も公にされたら都合が悪かったからた。だからといって何もなかったことにはならなかった。
ルーカスは騎士見習いとして親戚の家に行くことになった。そして、クリスは……。
「クリス」
「なに?」
降りて来いと指を曲げて呼ぶと、クリスがストンと酒樽から降りた。
「男爵が迎えに来ると言ってたぞ」
「とっ、とっ、とっ、とっ、父様が」
ショックでカチコチに氷のように固まったクリスの肩をポンと叩く。 現実逃避しても無駄だ。
「早く支度しろ」
「嫌だ。嫌だ。ロアンヌのそばにいたい!」
両手を振り回して地団駄を踏む。被害者ではあるが、同情するものはいないだろう。事件を大きくしたのはクリスなんだか。
「パーティーが終わったら連れて帰ると言ってたぞ」
「嘘だ。……嘘でしょ?」
クリスが俺の腕を掴んで助けを求めようとするが、それを振り払う。
「嘘じゃない」
すると、しょぼんと俯く。
少しは反省が必要だ。自分の行動に責任を取らないと駄目だ。
「……分かった」
「えっ?」
他力本願のクリスは、いつもしつこく助けてくれと頼んでくる。
(やけにあっさり納得したな)
ちょっと拍子抜けした。 まあ、そういうことならと、仕事に戻ろうとした。しかし、嫌な予感にパッと振り返ると、 クリスが猛ダッシュで逃げていく。
「クリス!」
声をかけると振り返ったクリスが大きく手を振る。
「ディーン。あとはよろしく」
「はぁ~」
呆れ果てて追いかける気力もない。
こめかみ押さえてやれやれと首を振る。
(嫌だか逃げるって……5歳児か)
どうせ捕まるのに……。
門をくぐるクリスを見て、くるりと背を向けると口角を思い切りあげた。
これで当分クリスのお守りから解放される。鍛錬に集中できる。
(レグール様に稽古をつけてもらうのも いいかもしれないな)
夢が広がる。
ディーンが、弾む足取りで戻っていった。その気持ちを表すように、空には雲ひとつない青空が広がっている。
終わり
最後まで読んで下さり ありがとうございました。
胴体着陸っぽくなりましたが、その辺はご愛嬌と言うことで。
一週休んで 次回からは 独善令嬢の登場です。お楽しみに!
13
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(11件)
あなたにおすすめの小説
捨てたものに用なんかないでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。
戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。
愛人はリミアリアの姉のフラワ。
フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。
「俺にはフラワがいる。お前などいらん」
フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。
捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。
9番と呼ばれていた妻は執着してくる夫に別れを告げる
風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から言いたいことを言えずに、両親の望み通りにしてきた。
結婚だってそうだった。
良い娘、良い姉、良い公爵令嬢でいようと思っていた。
夫の9番目の妻だと知るまでは――
「他の妻たちの嫉妬が酷くてね。リリララのことは9番と呼んでいるんだ」
嫉妬する側妃の嫌がらせにうんざりしていただけに、ターズ様が側近にこう言っているのを聞いた時、私は良い妻であることをやめることにした。
※最後はさくっと終わっております。
※独特の異世界の世界観であり、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
邪魔者はどちらでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
レモンズ侯爵家の長女である私は、幼い頃に母が私を捨てて駆け落ちしたということで、父や継母、連れ子の弟と腹違いの妹に使用人扱いされていた。
私の境遇に同情してくれる使用人が多く、メゲずに私なりに楽しい日々を過ごしていた。
ある日、そんな私に婚約者ができる。
相手は遊び人で有名な侯爵家の次男だった。
初顔合わせの日、婚約者になったボルバー・ズラン侯爵令息は、彼の恋人だという隣国の公爵夫人を連れてきた。
そこで、私は第二王子のセナ殿下と出会う。
その日から、私の生活は一変して――
※過去作の改稿版になります。
※ラブコメパートとシリアスパートが混在します。
※独特の異世界の世界観で、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
こんな婚約者は貴女にあげる
如月圭
恋愛
アルカは十八才のローゼン伯爵家の長女として、この世に生を受ける。婚約者のステファン様は自分には興味がないらしい。妹のアメリアには、興味があるようだ。双子のはずなのにどうしてこんなに差があるのか、誰か教えて欲しい……。
初めての投稿なので温かい目で見てくださると幸いです。
【完結】偽者扱いされた令嬢は、元婚約者たちがどうなろうと知ったことではない
風見ゆうみ
恋愛
クックルー伯爵家の長女ファリミナは、家族とはうまくいっていないものの、婚約者であり、若き侯爵のメイフとはうまくいっていると思っていた。
メイフとの結婚が近づいてきたある日、彼がファリミナの前に一人の女性を連れてきた。メイフに寄り添う可憐な女性は、こう名乗った。
「わたくし、クックルー伯爵家の長女、ファリミナと申します」
この女性は平民だが、メイフの命の恩人だった。メイフは自分との結婚を望む彼女のためにファリミナの身分を与えるという暴挙に出たのだ。
家族や友人たちは買収されており、本当のファリミナを偽者だと訴える。
メイフが用意したボロ家に追いやられたファリミナだったが、メイフの世話にはならず、平民のファリとして新しい生活を送ることに決める。
ファリとして新しい生活の基盤を整えた頃、元家族はファリミナがいたことにより、自分たちの生活が楽だったことを知る。そして、メイフは自分が馬鹿だったと後悔し始め、自分を愛しているはずのファリミナに会いに行くのだが――。
私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです
風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。
婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。
そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!?
え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!?
※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。
※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
あなたの妻にはなりません
風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。
彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。
幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。
彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。
悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。
彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。
あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。
悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。
「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」
あなたに未練などありません
風見ゆうみ
恋愛
「本当は前から知っていたんだ。君がキャロをいじめていた事」
初恋であり、ずっと思いを寄せていた婚約者からありえない事を言われ、侯爵令嬢であるわたし、アニエス・ロロアルの頭の中は真っ白になった。
わたしの婚約者はクォント国の第2王子ヘイスト殿下、幼馴染で親友のキャロラインは他の友人達と結託して嘘をつき、私から婚約者を奪おうと考えたようだった。
数日後の王家主催のパーティーでヘイスト殿下に婚約破棄されると知った父は激怒し、元々、わたしを憎んでいた事もあり、婚約破棄後はわたしとの縁を切り、わたしを家から追い出すと告げ、それを承認する書面にサインまでさせられてしまう。
そして、予告通り出席したパーティーで婚約破棄を告げられ絶望していたわたしに、その場で求婚してきたのは、ヘイスト殿下の兄であり病弱だという事で有名なジェレミー王太子殿下だった…。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※中世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物などは現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
退会済ユーザのコメントです
本当に お久しぶりでね。
新しく更新しましたので 続きをお楽しみ下さい。
退会済ユーザのコメントです
いつも ありがとうございます。
私は 携帯を使用して投稿しているのですが……。スペース入力の問題だと考えてます。(多分)
パソコンだと日本語入力なら大文字一つ、英語なら半角一つ。しかし、携帯だと、関係なく謎のサイズが一つ。
そのせいだと思います。
最後に出てきたのは あの三人の中の一人。さて、どの彼でしょう。
退会済ユーザのコメントです
そうです。幼馴染として一緒に過ごした時間が 、クリスの自信に繋がっているので厄介です。