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自分が座りたいなら ライバルを引きずり下ろせ
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ロアンヌの いつもと違った様子に、クリスが関わっていると知ったディーンは、そのことで問い詰めた。
「どう言うことだ? 」
「アイツが 僕に対抗して、ロアンヌにドレスを贈ったんだよ。自分の財力を見せつけるみたいに、高級なドレスを。しかも5着だ! 」
「 ……… 」
「5着だぞ」
クリスが手を広げて、苛立たしげに言う。そう言われれば大量に、化粧箱が届いたことがあった。
(あれが、そうだったのか)
メイドたちが騒いでいたから 記憶に残っている。
しかし、だからと言って、レグールから届いたとは限らない。
「なんで、それがレグール様だと分かるんだよ」
「えっ……お針子を頼まれたんだよ。いつもの倍の金額出すって言われたんだ」
俺をチラリと 盗み見すみすると、ふてくされて言う。
(じゃあ、前々から知っていたのか)
「なるほど ……」
「たとえ、10倍出すと言われても、絶対やらない」
「 ……… 」
自分にもプライドがあると口を引き結ぶ。レグール様も クリスの思惑が分かったから、反撃に出たんだろう。
悔しいという気持ちも分かる。
同情もする。だけど……。
「だからって、復讐の道具として、ロアンヌを利用するのは間違ってる」
「そんなの普段の行いが悪いからだよ。僕みたいに、清廉潔白だったら問題になってないさ」
自分を悪くない。グールの自業自得だ。と、でも言いたげにクリスが両手を上げて首を振る。
(まるで、恋愛することが悪いみたいな言い方だ)
他人の秘密を暴いて、相手を蹴落とそうとするなんて許せない。
しかし、自分は第三者。口出す権利はない。クリスの態度を、歯を食いしばって我慢する。
「それは過去の話だろう。今 付き合っている相手が、いないなら問題ない。それを わざわざロアンヌ様に伝えて、何の意味がある? 」
元カレ、元カノは、恋愛している上で障害になる事は、よくある。
しかし、相手が現れた訳でもないのに、問い詰めてどうする。
「でも、遅かれ早かれ分かる事だし……少し早くなった、だけの事だよ」
(自分の都合で、ロアンヌにバラして
おいて、良く言えるな! )
心の中で毒づく。これだから自己愛が強い奴は嫌いなんだ。
これ以上クリスの言い訳を聞くのも限界だ。
確かに作戦は、失敗に次ぐ失敗だったが、今回の件は男としても、人間としても恥ずかしい事だ。
「何が、遅かれ早かれだ。お前が言わなければ、ロアンヌ様は、一生知らなくても済んだだろうが! 」
いい加減にしろと、胸ぐらを掴んでいる手を揺する。すると、クリスが怒っている俺を宥めようと、俺の手を叩く。
「大丈夫だよ。僕が慰めるから」
機嫌を取ろうと、身振り手振りで話し出した。どうしても、俺を味方にしたいらしい。
「ちゃんと、どうするか考えてあるんだ」
「 ……… 」
考えてある? 最初から、そうなると分かってした事なのか? 信じられいと首を横に振る。傷ついて弱っているロアンヌの心の隙に、つけいる気なのか?
「ロアンヌのお気に入りの場所で、好物をたらふく食べさせて、涙を拭くハンカチも沢山用意するし。涙が乾くまでずっと傍に居るよ」
そう言って口を閉じたクリスは、褒めて欲しそうに俺を見る。そして、その口は それ以上開きそうにない。
「 ……… 」
(そんな事で? )
自分を傷つけたモノに慰められて、なんになる。余計に傷が悪化するだけだ。ここまで無神経な奴だとは思わなかった。
クリスの余りにも子供過ぎる考え方に、頭が痛くなる。
クリスの言い方では、まるでお気に入りの人形を失くした子供を慰める方法だ。本人はそれでロアンヌの心の傷が癒されてると思ってる。
(最悪だ……)
「……ディーン? 」
「二度と俺に話しかけるな! 」
バタバタともがくクリスに向かって絶交宣言すると、投げ捨てるように手を放す。
「なっ……何って言ってる? 僕たち、同室だろう」
「……… 」
俺の怒りが伝わってない。一時的な事だと高を括ってる。
俺にはクリスを改心させる力が無い。クリスに取って俺の言葉は小言だ。はい。はい。と、聞き流されて終わり。
それだけ、俺が甘やかして来たんだ。どこで間違えたんだ? 兄として接して来たのに、こんな奴に成り下がってしまった。もっとクリスに心を砕いていれば……。もっとクリスと話していれば……。未然に防げたことなのに……。
背を向けて薪を拾おうとすると、空気を読んでクリスが回り込んで来た。
「ディーン……」
「…………」
このままクリスの顔を見ていたら殴りそうだ。どうせ、殴ったって痛いと泣くだけだ。殴った方の痛みなど、気づかない。いつだって被害者面だ。
どうしたら、クリスは大人になるんだ。どうしたら、人の痛みを自分の痛みのように感じられるんだ。
散らばった薪を、自分の間違いを数えるように拾い集める。
「ディーン……」
「 ……… 」
クリスが 俺を探るように見てくるが、無視する。今の俺に、気遣う余裕は無い。薪を拾うのを手伝おうとしたクリスを止める。
「拾うな。……これは俺の仕事だ」
「 ……… 」
全部拾い集めるとクリスを残して厨房へ向かった。
あんな男に手を貸していた俺は、大馬鹿者だ。自分の愚かさを呪うように息を吐き出す。
**過ぎた事なのに 嫉妬に身を焦がす**
ロアンヌは執務室で一人、レグールを待ちながらハンカチを弄りまわす。
(私は此処へ来て、良かったのだろうか? )
そんな気持ちを抱えながら、ここに来ることになってしまったクリスとのやり取りを思い出していた。
昔は一日の半分をクリスと遊んで過ごしていた。でも今は、一日中結婚準備で忙しい。僅に出来た時間を使ってレグールと逢瀬を重ねている。
そうなると、必然的にクリスとの時間が減った。自立するとクリスに伝えたことで、二人の関係も変わったと思っていたのに。クリスは、おやつの時間だと言って毎日訪ねてくる。それだけなら良かったが、私の結婚を反対しているクリスは、事あるごとにレグールの悪いところばかり口にする。
馬鹿らしいと取りあっていなかった。
ところが今日に限って、いつもと様子が違った。
「今日は、証拠があるんだ」
「証拠?」
アンと 3人でケーキを食べていたが、 クリスの言葉にフォークを持つ手が止まる。
おもむろにクリスが、ポケットから紙を取り出すと、私とアンに見せつけるように振る。
何の紙なのかと手を出すと、クリスが恭しく私の手のひらに置く。開いてみると、そこには十数人もの女性の名前が書いてあった。
それを見てピンと来た。レグール様の女性遍歴だ。女の勘というやつだ。
しかし、それくらい想定内。レグール
がモテるのは百も承知。
それに、過去の恋人の名前など知って
どうする。27歳だもの逆に恋人がいなかった方が心配だ。
「こんなもの必要ないわ」
要らないと、返そうとするとクリスが私の手を押しもどす。
「信じられるなら、本人に確かめれば良いじゃないか」
「何を言っているの? 」
一人一人、どう言う女性だったか聞けと言ってるの?
クリスの言わんとしている事が分からず眉間に皺を寄せる。
「信じるって言っても、口先だけなんでしょ」
「過去をほじくり返して何になるの」
「そうやって逃げるの? もしかしたら、まだ続いている女が いるかもよ」
「なっ」
そう言ってリストを私の手のひらにリストを押し付ける。
「私はレグール様を信じているわ! 」
この紙に書いてある女性たちとは、終わっている。今、愛しているのは私だけ。
百歩譲って、最近まで、居たとしても、私と婚約が決まった時点で解消しているはず。政略結婚でもないのだから、それくらいの常識は持ち合わせている。
それでもクリスが追い詰める。
「本当に? こんなに居るんだから、一人くらい居ても可笑しくないと思うけど」
「 ……… 」
クリスが腕組みして、挑発するように私を見る。その目をギロリと見据える。
「本当は、疑ってるんでしょ? 」
レグールに対する自分の想いを疑われたようで腹が立った。私の思いは本物で、レグール様も同じだ。
「分かったわ。今すぐ聞きに行くわ。その代わり間違っていたら絶交よ! 」
「どうぞ。どうぞ」
感情に任せて、吐き捨てるように脅しても、クリスはビクともしない。それが余計に私を苛立たせた。
フォークを投げ捨てて立ち上がる。
「いってらっしゃい~」
「ふん」
ドスドスとドアまで行くと、大きな音を立ててドアを閉めて、部屋を出た。
今こうしている私は愚か者だ。止めるタイミングは何度もあった。
馬車に乗り込んだときも、 降りたときも、建物に入った時も。
(いったい私は、何がしたいの? 何をしようとしているの? )
今、自分の心を占めているのは、信じるか、信じないかじゃない。
もっと別の事だ。
元カノの話しなど聞いたら、嫉妬深い女だと、怒って私をなじって、婚約破棄されるかもしれない………。それは絶対嫌だ。
失いたくない。そう思っているのに得意気なクリスの顔が ちらつく。
(ああ、どうしてクリスの口車に乗って、押しかけてしまったんだろう……)
「 ……… 」
やはり、出直そう。今の私は感情的になって冷静に考えられない。こう言う行動は、悪い結果を招く。
クリスには、適当に言ってしまえば良い。会う前に、このまま帰ろう。
「そうだ。そうしよう」
そう決めて立ちあがったが、時間切れだとドアが開く。
「どう言うことだ? 」
「アイツが 僕に対抗して、ロアンヌにドレスを贈ったんだよ。自分の財力を見せつけるみたいに、高級なドレスを。しかも5着だ! 」
「 ……… 」
「5着だぞ」
クリスが手を広げて、苛立たしげに言う。そう言われれば大量に、化粧箱が届いたことがあった。
(あれが、そうだったのか)
メイドたちが騒いでいたから 記憶に残っている。
しかし、だからと言って、レグールから届いたとは限らない。
「なんで、それがレグール様だと分かるんだよ」
「えっ……お針子を頼まれたんだよ。いつもの倍の金額出すって言われたんだ」
俺をチラリと 盗み見すみすると、ふてくされて言う。
(じゃあ、前々から知っていたのか)
「なるほど ……」
「たとえ、10倍出すと言われても、絶対やらない」
「 ……… 」
自分にもプライドがあると口を引き結ぶ。レグール様も クリスの思惑が分かったから、反撃に出たんだろう。
悔しいという気持ちも分かる。
同情もする。だけど……。
「だからって、復讐の道具として、ロアンヌを利用するのは間違ってる」
「そんなの普段の行いが悪いからだよ。僕みたいに、清廉潔白だったら問題になってないさ」
自分を悪くない。グールの自業自得だ。と、でも言いたげにクリスが両手を上げて首を振る。
(まるで、恋愛することが悪いみたいな言い方だ)
他人の秘密を暴いて、相手を蹴落とそうとするなんて許せない。
しかし、自分は第三者。口出す権利はない。クリスの態度を、歯を食いしばって我慢する。
「それは過去の話だろう。今 付き合っている相手が、いないなら問題ない。それを わざわざロアンヌ様に伝えて、何の意味がある? 」
元カレ、元カノは、恋愛している上で障害になる事は、よくある。
しかし、相手が現れた訳でもないのに、問い詰めてどうする。
「でも、遅かれ早かれ分かる事だし……少し早くなった、だけの事だよ」
(自分の都合で、ロアンヌにバラして
おいて、良く言えるな! )
心の中で毒づく。これだから自己愛が強い奴は嫌いなんだ。
これ以上クリスの言い訳を聞くのも限界だ。
確かに作戦は、失敗に次ぐ失敗だったが、今回の件は男としても、人間としても恥ずかしい事だ。
「何が、遅かれ早かれだ。お前が言わなければ、ロアンヌ様は、一生知らなくても済んだだろうが! 」
いい加減にしろと、胸ぐらを掴んでいる手を揺する。すると、クリスが怒っている俺を宥めようと、俺の手を叩く。
「大丈夫だよ。僕が慰めるから」
機嫌を取ろうと、身振り手振りで話し出した。どうしても、俺を味方にしたいらしい。
「ちゃんと、どうするか考えてあるんだ」
「 ……… 」
考えてある? 最初から、そうなると分かってした事なのか? 信じられいと首を横に振る。傷ついて弱っているロアンヌの心の隙に、つけいる気なのか?
「ロアンヌのお気に入りの場所で、好物をたらふく食べさせて、涙を拭くハンカチも沢山用意するし。涙が乾くまでずっと傍に居るよ」
そう言って口を閉じたクリスは、褒めて欲しそうに俺を見る。そして、その口は それ以上開きそうにない。
「 ……… 」
(そんな事で? )
自分を傷つけたモノに慰められて、なんになる。余計に傷が悪化するだけだ。ここまで無神経な奴だとは思わなかった。
クリスの余りにも子供過ぎる考え方に、頭が痛くなる。
クリスの言い方では、まるでお気に入りの人形を失くした子供を慰める方法だ。本人はそれでロアンヌの心の傷が癒されてると思ってる。
(最悪だ……)
「……ディーン? 」
「二度と俺に話しかけるな! 」
バタバタともがくクリスに向かって絶交宣言すると、投げ捨てるように手を放す。
「なっ……何って言ってる? 僕たち、同室だろう」
「……… 」
俺の怒りが伝わってない。一時的な事だと高を括ってる。
俺にはクリスを改心させる力が無い。クリスに取って俺の言葉は小言だ。はい。はい。と、聞き流されて終わり。
それだけ、俺が甘やかして来たんだ。どこで間違えたんだ? 兄として接して来たのに、こんな奴に成り下がってしまった。もっとクリスに心を砕いていれば……。もっとクリスと話していれば……。未然に防げたことなのに……。
背を向けて薪を拾おうとすると、空気を読んでクリスが回り込んで来た。
「ディーン……」
「…………」
このままクリスの顔を見ていたら殴りそうだ。どうせ、殴ったって痛いと泣くだけだ。殴った方の痛みなど、気づかない。いつだって被害者面だ。
どうしたら、クリスは大人になるんだ。どうしたら、人の痛みを自分の痛みのように感じられるんだ。
散らばった薪を、自分の間違いを数えるように拾い集める。
「ディーン……」
「 ……… 」
クリスが 俺を探るように見てくるが、無視する。今の俺に、気遣う余裕は無い。薪を拾うのを手伝おうとしたクリスを止める。
「拾うな。……これは俺の仕事だ」
「 ……… 」
全部拾い集めるとクリスを残して厨房へ向かった。
あんな男に手を貸していた俺は、大馬鹿者だ。自分の愚かさを呪うように息を吐き出す。
**過ぎた事なのに 嫉妬に身を焦がす**
ロアンヌは執務室で一人、レグールを待ちながらハンカチを弄りまわす。
(私は此処へ来て、良かったのだろうか? )
そんな気持ちを抱えながら、ここに来ることになってしまったクリスとのやり取りを思い出していた。
昔は一日の半分をクリスと遊んで過ごしていた。でも今は、一日中結婚準備で忙しい。僅に出来た時間を使ってレグールと逢瀬を重ねている。
そうなると、必然的にクリスとの時間が減った。自立するとクリスに伝えたことで、二人の関係も変わったと思っていたのに。クリスは、おやつの時間だと言って毎日訪ねてくる。それだけなら良かったが、私の結婚を反対しているクリスは、事あるごとにレグールの悪いところばかり口にする。
馬鹿らしいと取りあっていなかった。
ところが今日に限って、いつもと様子が違った。
「今日は、証拠があるんだ」
「証拠?」
アンと 3人でケーキを食べていたが、 クリスの言葉にフォークを持つ手が止まる。
おもむろにクリスが、ポケットから紙を取り出すと、私とアンに見せつけるように振る。
何の紙なのかと手を出すと、クリスが恭しく私の手のひらに置く。開いてみると、そこには十数人もの女性の名前が書いてあった。
それを見てピンと来た。レグール様の女性遍歴だ。女の勘というやつだ。
しかし、それくらい想定内。レグール
がモテるのは百も承知。
それに、過去の恋人の名前など知って
どうする。27歳だもの逆に恋人がいなかった方が心配だ。
「こんなもの必要ないわ」
要らないと、返そうとするとクリスが私の手を押しもどす。
「信じられるなら、本人に確かめれば良いじゃないか」
「何を言っているの? 」
一人一人、どう言う女性だったか聞けと言ってるの?
クリスの言わんとしている事が分からず眉間に皺を寄せる。
「信じるって言っても、口先だけなんでしょ」
「過去をほじくり返して何になるの」
「そうやって逃げるの? もしかしたら、まだ続いている女が いるかもよ」
「なっ」
そう言ってリストを私の手のひらにリストを押し付ける。
「私はレグール様を信じているわ! 」
この紙に書いてある女性たちとは、終わっている。今、愛しているのは私だけ。
百歩譲って、最近まで、居たとしても、私と婚約が決まった時点で解消しているはず。政略結婚でもないのだから、それくらいの常識は持ち合わせている。
それでもクリスが追い詰める。
「本当に? こんなに居るんだから、一人くらい居ても可笑しくないと思うけど」
「 ……… 」
クリスが腕組みして、挑発するように私を見る。その目をギロリと見据える。
「本当は、疑ってるんでしょ? 」
レグールに対する自分の想いを疑われたようで腹が立った。私の思いは本物で、レグール様も同じだ。
「分かったわ。今すぐ聞きに行くわ。その代わり間違っていたら絶交よ! 」
「どうぞ。どうぞ」
感情に任せて、吐き捨てるように脅しても、クリスはビクともしない。それが余計に私を苛立たせた。
フォークを投げ捨てて立ち上がる。
「いってらっしゃい~」
「ふん」
ドスドスとドアまで行くと、大きな音を立ててドアを閉めて、部屋を出た。
今こうしている私は愚か者だ。止めるタイミングは何度もあった。
馬車に乗り込んだときも、 降りたときも、建物に入った時も。
(いったい私は、何がしたいの? 何をしようとしているの? )
今、自分の心を占めているのは、信じるか、信じないかじゃない。
もっと別の事だ。
元カノの話しなど聞いたら、嫉妬深い女だと、怒って私をなじって、婚約破棄されるかもしれない………。それは絶対嫌だ。
失いたくない。そう思っているのに得意気なクリスの顔が ちらつく。
(ああ、どうしてクリスの口車に乗って、押しかけてしまったんだろう……)
「 ……… 」
やはり、出直そう。今の私は感情的になって冷静に考えられない。こう言う行動は、悪い結果を招く。
クリスには、適当に言ってしまえば良い。会う前に、このまま帰ろう。
「そうだ。そうしよう」
そう決めて立ちあがったが、時間切れだとドアが開く。
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