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十四日目・その由来
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春花は 結婚の日取りが決まり、人目を憚らず イチャイチャしている香玉と吏元様に辟易していた。
二 人のことは嫌いではないが、こう見せつけられては 胸焼け しそうだ。用がないなら帰って欲しい。 そう思っていると吏元様が、目線を私に向けた。
「それで、旦那様から伝言がある」
旦那様から? 何だろう。無意識に居ずまいを正す。
「式が終わったら」
(えっ? もしかして……)
自分の予想した答えなのか 期待して吏元様を見る。すると、吏元様が大きく頷く。
「春花は 華西に行っていいとのことだ」
「本当ですか?」
思いがけない知らせに 腰を浮かせる。前から華西に行きたいと言っていたけど、
本当に行けるんだ……。
「そうだ。旦那様の許可がおりた。しっかり勉強してくるように」
喜びがじわじわと体中に広がる。 嬉しさを抑えきれない。
「ありがとうございます!」
あまりの嬉しさに、机に額を打ち付ける勢いで頭を下げた。
使用人である私に 長期に休みをくれるのは、お父様の代からの付き合いだからだ。ここまで 恵まれている使用人は そうそう居ない。
旦那様には一生 頭が上がらない。
「頑張ってね」
「はい」
(やった!)
嬉しくて小さく 飛び跳ねる。
そんな私は見て、香玉が嬉しそうに笑っている。小さい時からの付き合いだがら、香玉も私がどうして 華西に行きたいか 知っている。
私の母は薬師の間違った 処方で死んでしまった。生薬は乾燥して小さく切り刻まれると、似たような見た目になってしまう。だから間違って そのまま処方してしまったのだ。もう少し知識があったら、もう少し分かりやすかったら、残された父は、そう考えずにはいられなかった。そして、母のような無用の死を一人でも減らすために
父は 薬草図鑑を作ろう決意したのだ。父の死後 遺志を継ぎたいと思った。そのことを旦那様が理解してくれて、変わらぬ援助をすると約束してくださった。薬草図鑑を完成させるのは、父娘二代に渡る 悲願だ。
『何? 何? 何を頑張るんだ?』
話に加わっていなかった小黒が、箱から頭を出して教えてくれと 私たちの顔を見る。
「春花は 図鑑を作っているのよ」
『図鑑?』
「知らない? 花とか草が載っている本よ」
図鑑を作ると言っても、薬草の種類も多く。 一つの薬草でも 茎や葉、根と使われる部分によって効能が違ったりする。そのことも 記載しようと と考えているから、 気が遠くなるほど長い時間がかかる。それでもやり遂げたい。
私がダメなら私の子へと、何代かかったとしても。
そうすれば後世の人のためになる。だから無理だと言われても、自分のすることは人の役に立てることだと胸を張って言える。
「薬草の図鑑だ。と言ってもお前は薬草を知らないか」
「知らないみたいね」
「知らないのね」
『しっ、知ってるし』
長く生きていたとしても物の怪では、病気などにならない。無縁なんだか、知らなくて当然だ。
それなのに 小黒が知ったかぶりをする。すぐにバレるのに、全く見栄を張ってどうする。
「知らないなら 知らないって言いなさいよ」
「知らないでしょうね。賭けてもいいわ」
『はっ、本当に知ってる知ってし』
「知ってるなら 薬草 の名前言ってみる」
『…… 春菊のことだろう』
「なんで、春菊なんだ?」
吏元様が首をひねりが 小黒を見る。 確かにそれを選んだ理由が気になる。香玉と一緒に 身を乗り出す。
『苦い からだ。薬とは苦いものだろう』
小黒の答えに さらにがっかりして
全員がため息つく。
「はぁ~」
「はぁ~」
「はぁ~」
苦いイコール 薬。だから苦い草は薬草。ここまでくると 救いようがない。
『まっ間違えた。ええと……
少しでも期待した私は愚か者だ。 名前同様犬並みの知能だ。
『白菜…… いや違う。…… 苦い草だから……』
私たちの態度に小黒が正解を言おうとブツブツ考えだす。そんな小黒を無視して吏元様が、話を戻す。
「とにかく、それまで準備を進めておくように。必要なものがあったら言ってくれ」
「はい。ありがとうございます」
春花は分かった とうなずく。
出発まで時間がない。香玉の結婚式の手伝いもある。 その間に引き継ぎしなくてはならない。
(忙しくなりそうだ)
吏元様が立ち上がると香玉に手を差し出す。
「また遊びに来るわね」
香玉がその手に 自分の手を重ねて 立ち上がる。そっと香玉の腰に手を回す仕草も 1枚の絵のように 様になっている。自分の中の絵心がくすぐられる。
『分かった! ふきのとうだ』
しかし、小黒が突然大声を出してぶち壊す。本人は、どうだ。正解だろうと 目を輝かせて 私たちを見ている。一瞬 注目したが、すぐに戻す。
香玉と吏元様が腕を組むと手を振って出て行く。
『おい待てよ! 正解だろう 』
2人の後ろ姿に小黒が声をかけた。しかし 振り返るはずもない。
不服そうに2人を見送る小黒を見ながら ほくそ笑む。
(こいつと離れ離れになる)
そう考えると 清々しい気持ちになる。小黒を連れて行くわけにはいかない。そのためには旅に出る前に何とかしないと。
そう思ったのに……。
他の使用人たちに小黒の世話を頼もうと思ったが、にべもなく断られた。小黒 は人でないことは全員が知っている。 それに無害なことも知っている。 口が悪く 食い意地が張っているが、食べられるわけでもないし、 襲ってくるわけでもない。 いくら そう言っても 誰も 首を縦に振ってくれない。
一日に二度餌やりだけでいいと譲歩しても誰もやりたがらない。
「ダメよ」
「青江姉さん~、そう言わずに」
香玉の次に一番付き合いの長い青江の腕を掴んで頼み込む。私より
3つ年上で姉御肌の青江は大抵のことならやってくれる。それなのに、青江 が無理だと私の手を外す。
「ねっ、ねっ、お願い」
「他のことなら 何でも預かるけど。 呪いの箱でしょ。 嫌だよ」
「全然大丈夫。 私を見て、元気 そのもの」
呪いはただの噂だと、両手を振って 健康 アピール。しかし、青江
姉さんが顔の前で手を振って断られた。
「駄目。駄目。他を当たって」
「青江姉さん~」
誰も呪わないのに 呪いの箱だという認識が残っている。
「駄目。駄目。他を当たって」
「青江姉さん~」
嫌だと 立ち去ってしまった。
他の人には すでに断られたから、青江姉さんが最後の頼みだったのに……。
がっくりと、うなだれて部屋に戻ってきた。
「はぁ~」
何処かに旦那様みたいに、物好きな人がいればいいんだけど……。
(無理だー!)
こんな変てこな物を預かってくれる そんな人いる?
難題だと頭を抱える。
卓に 頭を乗せると、見るとはなしに 小黒を見ていた。すると、ひょこっと顔を出した。
(部屋に置いて行っちゃう?)
駄目、駄目、そんなことしたら仕事も家も信用も失う。
でもチャンスを逃すことは出来
ない。なんとか噂を払拭したい。
でも どうしたらいいんだろう……。
『 おい! どうした 元気ないな』
「 ……… 」
どうしたものかと小黒をじっと見る。
最初の視線の時は 少々か怖かったが、見た目が見た目だけに、姿を見たことで怖くなくなった。
喋べると、アホさが滲み出ていた。
『なっ、何だよ。無言。怖いよー』
と言ってふたを閉じた。
何より見た目がいい以外は、人間と同じだ。意思疎通ができる段階で、恐れる存在じゃなくなる。
そんなものだ。一度顔合わせれば、平気かもしれない。
( 呪いの箱 と言ってるけど私は呪われてないし)
でもその前に、本当に呪いの箱か確かめる必要がある。 他人に預けるんだから、 そこは重要だ。
私の居ないところで、とりかえしのつかないことになったら大変だ。真相を確かめようと 小黒を呼ぶ。
「小黒。 ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
『なんだよ』
蓋が開いて 小黒が嫌そうな顔で、ぬるりと出てきた。
「あんたの呪いって何?」
『えっ』
「だから 呪いよ。呪いの箱 なんでしょ。 その内容を教えて」
『それは 開けてからのお楽しみということで 』
小黒 がニヤニヤしながら体を揺らす。愚かにも私と駆け引きしようとする小黒を、冷たいたい目線を向ける。
いいから話せと 小黒を見る。
しかし、ニヤケ顔が消えない。
私が下手に出ないと話さない気?
そう言うことなら、くるりと後ろを向くと 竹簡を手に取る。
「喋りたくなるまで食事抜きよ」
『えっ? 本気かよ』
無言で竹簡を見せながら近づく。
二 人のことは嫌いではないが、こう見せつけられては 胸焼け しそうだ。用がないなら帰って欲しい。 そう思っていると吏元様が、目線を私に向けた。
「それで、旦那様から伝言がある」
旦那様から? 何だろう。無意識に居ずまいを正す。
「式が終わったら」
(えっ? もしかして……)
自分の予想した答えなのか 期待して吏元様を見る。すると、吏元様が大きく頷く。
「春花は 華西に行っていいとのことだ」
「本当ですか?」
思いがけない知らせに 腰を浮かせる。前から華西に行きたいと言っていたけど、
本当に行けるんだ……。
「そうだ。旦那様の許可がおりた。しっかり勉強してくるように」
喜びがじわじわと体中に広がる。 嬉しさを抑えきれない。
「ありがとうございます!」
あまりの嬉しさに、机に額を打ち付ける勢いで頭を下げた。
使用人である私に 長期に休みをくれるのは、お父様の代からの付き合いだからだ。ここまで 恵まれている使用人は そうそう居ない。
旦那様には一生 頭が上がらない。
「頑張ってね」
「はい」
(やった!)
嬉しくて小さく 飛び跳ねる。
そんな私は見て、香玉が嬉しそうに笑っている。小さい時からの付き合いだがら、香玉も私がどうして 華西に行きたいか 知っている。
私の母は薬師の間違った 処方で死んでしまった。生薬は乾燥して小さく切り刻まれると、似たような見た目になってしまう。だから間違って そのまま処方してしまったのだ。もう少し知識があったら、もう少し分かりやすかったら、残された父は、そう考えずにはいられなかった。そして、母のような無用の死を一人でも減らすために
父は 薬草図鑑を作ろう決意したのだ。父の死後 遺志を継ぎたいと思った。そのことを旦那様が理解してくれて、変わらぬ援助をすると約束してくださった。薬草図鑑を完成させるのは、父娘二代に渡る 悲願だ。
『何? 何? 何を頑張るんだ?』
話に加わっていなかった小黒が、箱から頭を出して教えてくれと 私たちの顔を見る。
「春花は 図鑑を作っているのよ」
『図鑑?』
「知らない? 花とか草が載っている本よ」
図鑑を作ると言っても、薬草の種類も多く。 一つの薬草でも 茎や葉、根と使われる部分によって効能が違ったりする。そのことも 記載しようと と考えているから、 気が遠くなるほど長い時間がかかる。それでもやり遂げたい。
私がダメなら私の子へと、何代かかったとしても。
そうすれば後世の人のためになる。だから無理だと言われても、自分のすることは人の役に立てることだと胸を張って言える。
「薬草の図鑑だ。と言ってもお前は薬草を知らないか」
「知らないみたいね」
「知らないのね」
『しっ、知ってるし』
長く生きていたとしても物の怪では、病気などにならない。無縁なんだか、知らなくて当然だ。
それなのに 小黒が知ったかぶりをする。すぐにバレるのに、全く見栄を張ってどうする。
「知らないなら 知らないって言いなさいよ」
「知らないでしょうね。賭けてもいいわ」
『はっ、本当に知ってる知ってし』
「知ってるなら 薬草 の名前言ってみる」
『…… 春菊のことだろう』
「なんで、春菊なんだ?」
吏元様が首をひねりが 小黒を見る。 確かにそれを選んだ理由が気になる。香玉と一緒に 身を乗り出す。
『苦い からだ。薬とは苦いものだろう』
小黒の答えに さらにがっかりして
全員がため息つく。
「はぁ~」
「はぁ~」
「はぁ~」
苦いイコール 薬。だから苦い草は薬草。ここまでくると 救いようがない。
『まっ間違えた。ええと……
少しでも期待した私は愚か者だ。 名前同様犬並みの知能だ。
『白菜…… いや違う。…… 苦い草だから……』
私たちの態度に小黒が正解を言おうとブツブツ考えだす。そんな小黒を無視して吏元様が、話を戻す。
「とにかく、それまで準備を進めておくように。必要なものがあったら言ってくれ」
「はい。ありがとうございます」
春花は分かった とうなずく。
出発まで時間がない。香玉の結婚式の手伝いもある。 その間に引き継ぎしなくてはならない。
(忙しくなりそうだ)
吏元様が立ち上がると香玉に手を差し出す。
「また遊びに来るわね」
香玉がその手に 自分の手を重ねて 立ち上がる。そっと香玉の腰に手を回す仕草も 1枚の絵のように 様になっている。自分の中の絵心がくすぐられる。
『分かった! ふきのとうだ』
しかし、小黒が突然大声を出してぶち壊す。本人は、どうだ。正解だろうと 目を輝かせて 私たちを見ている。一瞬 注目したが、すぐに戻す。
香玉と吏元様が腕を組むと手を振って出て行く。
『おい待てよ! 正解だろう 』
2人の後ろ姿に小黒が声をかけた。しかし 振り返るはずもない。
不服そうに2人を見送る小黒を見ながら ほくそ笑む。
(こいつと離れ離れになる)
そう考えると 清々しい気持ちになる。小黒を連れて行くわけにはいかない。そのためには旅に出る前に何とかしないと。
そう思ったのに……。
他の使用人たちに小黒の世話を頼もうと思ったが、にべもなく断られた。小黒 は人でないことは全員が知っている。 それに無害なことも知っている。 口が悪く 食い意地が張っているが、食べられるわけでもないし、 襲ってくるわけでもない。 いくら そう言っても 誰も 首を縦に振ってくれない。
一日に二度餌やりだけでいいと譲歩しても誰もやりたがらない。
「ダメよ」
「青江姉さん~、そう言わずに」
香玉の次に一番付き合いの長い青江の腕を掴んで頼み込む。私より
3つ年上で姉御肌の青江は大抵のことならやってくれる。それなのに、青江 が無理だと私の手を外す。
「ねっ、ねっ、お願い」
「他のことなら 何でも預かるけど。 呪いの箱でしょ。 嫌だよ」
「全然大丈夫。 私を見て、元気 そのもの」
呪いはただの噂だと、両手を振って 健康 アピール。しかし、青江
姉さんが顔の前で手を振って断られた。
「駄目。駄目。他を当たって」
「青江姉さん~」
誰も呪わないのに 呪いの箱だという認識が残っている。
「駄目。駄目。他を当たって」
「青江姉さん~」
嫌だと 立ち去ってしまった。
他の人には すでに断られたから、青江姉さんが最後の頼みだったのに……。
がっくりと、うなだれて部屋に戻ってきた。
「はぁ~」
何処かに旦那様みたいに、物好きな人がいればいいんだけど……。
(無理だー!)
こんな変てこな物を預かってくれる そんな人いる?
難題だと頭を抱える。
卓に 頭を乗せると、見るとはなしに 小黒を見ていた。すると、ひょこっと顔を出した。
(部屋に置いて行っちゃう?)
駄目、駄目、そんなことしたら仕事も家も信用も失う。
でもチャンスを逃すことは出来
ない。なんとか噂を払拭したい。
でも どうしたらいいんだろう……。
『 おい! どうした 元気ないな』
「 ……… 」
どうしたものかと小黒をじっと見る。
最初の視線の時は 少々か怖かったが、見た目が見た目だけに、姿を見たことで怖くなくなった。
喋べると、アホさが滲み出ていた。
『なっ、何だよ。無言。怖いよー』
と言ってふたを閉じた。
何より見た目がいい以外は、人間と同じだ。意思疎通ができる段階で、恐れる存在じゃなくなる。
そんなものだ。一度顔合わせれば、平気かもしれない。
( 呪いの箱 と言ってるけど私は呪われてないし)
でもその前に、本当に呪いの箱か確かめる必要がある。 他人に預けるんだから、 そこは重要だ。
私の居ないところで、とりかえしのつかないことになったら大変だ。真相を確かめようと 小黒を呼ぶ。
「小黒。 ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
『なんだよ』
蓋が開いて 小黒が嫌そうな顔で、ぬるりと出てきた。
「あんたの呪いって何?」
『えっ』
「だから 呪いよ。呪いの箱 なんでしょ。 その内容を教えて」
『それは 開けてからのお楽しみということで 』
小黒 がニヤニヤしながら体を揺らす。愚かにも私と駆け引きしようとする小黒を、冷たいたい目線を向ける。
いいから話せと 小黒を見る。
しかし、ニヤケ顔が消えない。
私が下手に出ないと話さない気?
そう言うことなら、くるりと後ろを向くと 竹簡を手に取る。
「喋りたくなるまで食事抜きよ」
『えっ? 本気かよ』
無言で竹簡を見せながら近づく。
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