25 / 39
旅の再開・そして、グリッド村へ
しおりを挟む
火の爆ぜる音に目を覚ますと、ジャックが黙って焚き火を見ている。
皆を助けられたし、犯人も捕まったし、ザップからお礼にと、馬車とお金もらった。
これで、お姉ちゃんのところへ早く行ける。
(・・・)
すべてが、良い方向へ向かってるはずなのに・・。
ジャックは眠れないほど、一人で辛い思いを抱えている。
私に向けるジャックの笑顔は、何故か泣いているように見える。
ああ、どうして私は、力になれないんだろう。
聞くところによると、エマという女の人は詐欺師だと言う。
きっと、ジャックも騙されて嫌な思いをしたはずだ。話しを聞こうジャックに声をかけようとしたが、ザップに止められた。
「フローラは17年しか生きていないが、ジャックは500年も生きているんだ。色々あって当たり前だ」
だから、折り合いをつけるまで待ってやれと言われた。
どんな話でも聞くのに・・。
何も言ってくれないのは、私を信用してくれていないようで寂しい 。
私はジャックと思いを分かち合いたい。話せば、悲しみは半分に、喜びは倍になるとお父さんが言っていた。
私だって、分かってる。
たとえ知りたくても 無理やり聞き出そうとするのは、自己満足に過ぎない。 だから、その時が来る日を気長に待つつもりだ。
だかと言って、悲しみに暮れている
ジャックを放ってはおけない。
(・・・)
フローラは、むくりと起き上がり、 ジャックの隣に座る。すると、ジャックが、ハッとしたように私を見る。
「起こしてしまったか。すまない。今火を消す」
「・・・」
何か言おうと思ったのに、何も出てこない。完全に見切り発車だった 。何か言葉を用意していた訳ではない。ただ気持ちだけで、起き上がってしまった。
「フローラ?」
事情も何も知らない今の私に、慰めの言葉など見つからない。
私に出来るのは身も心もジャックに向きあうこと。
言葉が無理なら傍にいよう。
「私も焚き火が見たくなったんです」
そう言うと、自分の頭をジャックの肩にもたれかける。
*****
フローラが俺のことを心配して、気遣ってくれるのは、有り難い。
でも今の俺に、それに答えられる
余裕はない。
聞きたい事もたくさんあるだろうに、 俺の気持ちを尊重して、何も聞かないで傍にいてくれる 。
それだけでも十分救われる。
小さくなった焚き火に 追加の薪を放り込むと体動かすと 自分の大腿骨にストンとフローラの頭が落ちてくる。完全に熟睡してる。
篝火に照らされた可愛い寝顔を見ながら、ジャックはフローラの髪を撫で付ける。
沈んでいた心に暖かな思いが広がる。 フローラが居てくれてよかった。居なかったら、前に進もうとは思わなかっただろう。
いつのまにか自分にとって、大切な存在になっていた。
込み上げて来た愛しさに、かすかに下顎骨が上がる。
ふと、ザップの言葉が蘇る。
リンダの家でザップとウイスキーのグラスを傾けながら、お互いのことを語り合った。
いつしか話しは救出したときの話題になった。
「俺はとうの昔に、人間に見切りをつけた。だから、フローラがお前を助けに来た時は、夢だと思った。 そしてフローラが、頭蓋骨なのにお前を見つけた時は、奇跡だと思った。 そして、お前に抱きついた時は、 愛だと確信した」
「・・・」
やれやれと、ジャックは頚椎を動かす。随分ロマンチストな男だ。
真面目な顔で切々と言われても、ジャックは肯定も否定も出来ない。
フローラとの間に芽生えた絆が、男女の愛とは思えない。だが・・。
「俺達、アンデッドは恋愛の対象になりませんよ」
姿を見られただけで、悲鳴をあげられる存在なのに、愛だなんて・・。
すると、ザップが俺に向かって、分かってないと指骨を振る。
「俺たちは元人間だ。アンデッドになったからって、人間の感情まで失くしたわけじゃない。だから、心がある」
「・・・」
ザップが自分の胸骨を叩く。
確かに、そうだけど・・。
いくら俺たちがそう思っていても、 人間伝わるはずがない。
「俺はお前が羨ましい」
「俺ですか?」
「俺だってフローラのことを可愛いと思う。もう少し若ければ、口説いてた」
ザップが指骨で下顎 骨を撫でる。
「何言ってるんです」
人間のフローラを口説こうとするくなんて呆れる。
「考えてもみろ。俺達は、本物のアンデッドじゃない。つまり、本物のアンデッドのような考え方は出来ないんだ」
「それは、そうですけど・・」
だからといって、人間の女にちょかいをかけて良いことには、ならない。
「人間を襲いたいとか、食いたいとか、思ったことがあるか?」
「そんなこと思ったことも、ありませんよ 」
ザップが 身を乗り出して意見を求める。
「だったら、人間だ」
「考え方が、極端すぎますよ」
「ジャック。俺が言いたいのは、人間の人生は短い。あっという間に死ぬ。だから、その一瞬一瞬を大切にしないと後悔するぞ」
「後悔って・・。 俺に、どうしろって言うんですか」
ザップがフローラに告白させようと俺をそそのかしてくる。自分は村に 帰るのに、なんて無責任な大人なんだ。
「フローラは、アンデッドのお前を受け入れるだけの広い心がある。そんな相手に出会えるのは稀だ」
「・・・」
言われなくても、一番実感しているのは俺自身だ。躊躇なく声をかけ、体に触れ、 笑いかけてくる。それがどんなに嬉しい事か・・。
黙って聞いていたリンダの父親が口を開く。
「私もそう思います。 ジャックの元気がないと心配してました」
「・・・」
「何とも思わないヤツのことを心配するか?」
「死んでしまったと、泣いたりしませんよ」
「・・・」
二人にフローラが俺のことを好きだと言われて、失くしたはずの心臓がドキドキする。いや、可笑しくない。
人間だった時の記憶が、そう思わせてるんだ。しかし、俺はアンデッドで、フローラは人間。 所詮種族が違う。
でも、何かがあるのは真実。
それは信頼だとおもう。
お互いに相手のことを大切に思っている。
今にして思えば、 俺たち2人は最初から普通とは無縁だった。
人間に興味を持ち、 アンデッドを頼り、 人間に助けられ、アンデッドを・・。
** グリット村へ**
モントス村での一件も無事解決して、やっとグリッド村へと
さし掛かったが、 長い長蛇の行列ができている。
落ち着いた様子からトラブルではない。いつも混んでるのか?有名な観光地なのか?
隣に座っているフローラに目を向けると、ソワソワしている。
もうすぐ、姉に会えると言う気持ちが 、フローラの中に 期待と焦りが 落ち着きなくさせている。
早く再会させてあげたい。その為にも、情報が欲しい。
「フローラ。グリット村が、どんな村か知ってるか?」
ただ聞いただけなのに、余程嫌なのかフローラが鼻に皺を寄せる。
どうしてそんなことをするのか、全く身に覚えがないジャックは真正面から
見つめ返す。すると、フローラが両手を挙げて首を振る。
「とぼけないでください。グリット村と言ったら、美女村で有名なんですよ」
「美女村?そんなこと言われても、知らない」
「本当ですか~」
今更とぼけるきかと、フローラが肩をすくめる。その仕草に、さすがにムッとする。村の別名と 、ローラの態度から 大体の想像はつくが、そういう男だと思われるのは心外だ。
今も昔も、清廉潔白だ
「フローラ。俺を見ろ。500年前からアンデッドなんだぞ。行ければかないだろう」
「 ・・あっ、そうでした」
人間もアンデットも男は皆同じと
ひと括り
にして、軽蔑していたフローラだったが、やっと納得したようだ。
どうもフローラは、俺のことを人間だと考えがちだ。
「この行列は美女目当ての男どもと、娘を売りに来た親たちの列です」
「・・・」
何とも言いようがない。興味があると言っても、ないと言っても、何か言われる。 返事に困る内容だ。
「でも、何かあったんでしょうか?全然動きませんね」
フローラが 身を乗り出して先頭を見て来ると馬車を降りる。
今日も元気だ。
かけていくフローラを見送るとて手綱を緩める。
馬車を手に入れたことで、旅がが楽になった。ザップに感謝だな。
サントス村から2日でグリッド村かに
着いた。今夜は、久しぶりにフローラをベッドで寝かせてあげられる。
そんな事を考えていると、ふくれっ面のフローラが戻ってくる。
「どうした。何かあったのか?」
「聞いてくださいよ。村に入りたいなら入村料を払えって言うんですよ」
「入村料?」
そんなモノを取る
村などを聞いたことも無い。ヤクザが考えそうなことだ。
フローラと一緒にジャックは馬車の物陰から男達を観察する。どう見てもゴロツキだ。話してわかる奴らじゃない。
「やっぱり、悪い奴らですか?」
「ああ、旅人たちをカモにしてるんだろう。あの見た目だ。大概の者はトラブルを避けたがるからな」
「まったく、どこまでむしりとりば気が済むのよ」
フローラが弱者をいたぶると目を三角にする。
確かに腹立たしいことだが、村に入らないわけにはいかない。
(金か・・ )
「一人いくらだ?」
「銀貨3枚です」
「フローラ、いくら持ってる?」
フローラが自分の手のひらをに手持ちを出す。ジャックは、その手のひらに自分の財布の中身を出す。
二人で中身を確認してため息をつく
「「ふぅ~」」
1人分にもならない。
「どうする。ザップから貰った金を使うか?」
貰った金を使うかどうか、決めるのはフローラだ。金を失う代わりに早く村に入るか、 今後のためにとっておくか。
「そうですね・・」
フローラが顎を指で叩きな考える。
運良くこの村で姉が見つかったとしても、帰りのことを考えれば 少しは取っておきたい。
「決めました。夜、忍び込みましょう」
皆を助けられたし、犯人も捕まったし、ザップからお礼にと、馬車とお金もらった。
これで、お姉ちゃんのところへ早く行ける。
(・・・)
すべてが、良い方向へ向かってるはずなのに・・。
ジャックは眠れないほど、一人で辛い思いを抱えている。
私に向けるジャックの笑顔は、何故か泣いているように見える。
ああ、どうして私は、力になれないんだろう。
聞くところによると、エマという女の人は詐欺師だと言う。
きっと、ジャックも騙されて嫌な思いをしたはずだ。話しを聞こうジャックに声をかけようとしたが、ザップに止められた。
「フローラは17年しか生きていないが、ジャックは500年も生きているんだ。色々あって当たり前だ」
だから、折り合いをつけるまで待ってやれと言われた。
どんな話でも聞くのに・・。
何も言ってくれないのは、私を信用してくれていないようで寂しい 。
私はジャックと思いを分かち合いたい。話せば、悲しみは半分に、喜びは倍になるとお父さんが言っていた。
私だって、分かってる。
たとえ知りたくても 無理やり聞き出そうとするのは、自己満足に過ぎない。 だから、その時が来る日を気長に待つつもりだ。
だかと言って、悲しみに暮れている
ジャックを放ってはおけない。
(・・・)
フローラは、むくりと起き上がり、 ジャックの隣に座る。すると、ジャックが、ハッとしたように私を見る。
「起こしてしまったか。すまない。今火を消す」
「・・・」
何か言おうと思ったのに、何も出てこない。完全に見切り発車だった 。何か言葉を用意していた訳ではない。ただ気持ちだけで、起き上がってしまった。
「フローラ?」
事情も何も知らない今の私に、慰めの言葉など見つからない。
私に出来るのは身も心もジャックに向きあうこと。
言葉が無理なら傍にいよう。
「私も焚き火が見たくなったんです」
そう言うと、自分の頭をジャックの肩にもたれかける。
*****
フローラが俺のことを心配して、気遣ってくれるのは、有り難い。
でも今の俺に、それに答えられる
余裕はない。
聞きたい事もたくさんあるだろうに、 俺の気持ちを尊重して、何も聞かないで傍にいてくれる 。
それだけでも十分救われる。
小さくなった焚き火に 追加の薪を放り込むと体動かすと 自分の大腿骨にストンとフローラの頭が落ちてくる。完全に熟睡してる。
篝火に照らされた可愛い寝顔を見ながら、ジャックはフローラの髪を撫で付ける。
沈んでいた心に暖かな思いが広がる。 フローラが居てくれてよかった。居なかったら、前に進もうとは思わなかっただろう。
いつのまにか自分にとって、大切な存在になっていた。
込み上げて来た愛しさに、かすかに下顎骨が上がる。
ふと、ザップの言葉が蘇る。
リンダの家でザップとウイスキーのグラスを傾けながら、お互いのことを語り合った。
いつしか話しは救出したときの話題になった。
「俺はとうの昔に、人間に見切りをつけた。だから、フローラがお前を助けに来た時は、夢だと思った。 そしてフローラが、頭蓋骨なのにお前を見つけた時は、奇跡だと思った。 そして、お前に抱きついた時は、 愛だと確信した」
「・・・」
やれやれと、ジャックは頚椎を動かす。随分ロマンチストな男だ。
真面目な顔で切々と言われても、ジャックは肯定も否定も出来ない。
フローラとの間に芽生えた絆が、男女の愛とは思えない。だが・・。
「俺達、アンデッドは恋愛の対象になりませんよ」
姿を見られただけで、悲鳴をあげられる存在なのに、愛だなんて・・。
すると、ザップが俺に向かって、分かってないと指骨を振る。
「俺たちは元人間だ。アンデッドになったからって、人間の感情まで失くしたわけじゃない。だから、心がある」
「・・・」
ザップが自分の胸骨を叩く。
確かに、そうだけど・・。
いくら俺たちがそう思っていても、 人間伝わるはずがない。
「俺はお前が羨ましい」
「俺ですか?」
「俺だってフローラのことを可愛いと思う。もう少し若ければ、口説いてた」
ザップが指骨で下顎 骨を撫でる。
「何言ってるんです」
人間のフローラを口説こうとするくなんて呆れる。
「考えてもみろ。俺達は、本物のアンデッドじゃない。つまり、本物のアンデッドのような考え方は出来ないんだ」
「それは、そうですけど・・」
だからといって、人間の女にちょかいをかけて良いことには、ならない。
「人間を襲いたいとか、食いたいとか、思ったことがあるか?」
「そんなこと思ったことも、ありませんよ 」
ザップが 身を乗り出して意見を求める。
「だったら、人間だ」
「考え方が、極端すぎますよ」
「ジャック。俺が言いたいのは、人間の人生は短い。あっという間に死ぬ。だから、その一瞬一瞬を大切にしないと後悔するぞ」
「後悔って・・。 俺に、どうしろって言うんですか」
ザップがフローラに告白させようと俺をそそのかしてくる。自分は村に 帰るのに、なんて無責任な大人なんだ。
「フローラは、アンデッドのお前を受け入れるだけの広い心がある。そんな相手に出会えるのは稀だ」
「・・・」
言われなくても、一番実感しているのは俺自身だ。躊躇なく声をかけ、体に触れ、 笑いかけてくる。それがどんなに嬉しい事か・・。
黙って聞いていたリンダの父親が口を開く。
「私もそう思います。 ジャックの元気がないと心配してました」
「・・・」
「何とも思わないヤツのことを心配するか?」
「死んでしまったと、泣いたりしませんよ」
「・・・」
二人にフローラが俺のことを好きだと言われて、失くしたはずの心臓がドキドキする。いや、可笑しくない。
人間だった時の記憶が、そう思わせてるんだ。しかし、俺はアンデッドで、フローラは人間。 所詮種族が違う。
でも、何かがあるのは真実。
それは信頼だとおもう。
お互いに相手のことを大切に思っている。
今にして思えば、 俺たち2人は最初から普通とは無縁だった。
人間に興味を持ち、 アンデッドを頼り、 人間に助けられ、アンデッドを・・。
** グリット村へ**
モントス村での一件も無事解決して、やっとグリッド村へと
さし掛かったが、 長い長蛇の行列ができている。
落ち着いた様子からトラブルではない。いつも混んでるのか?有名な観光地なのか?
隣に座っているフローラに目を向けると、ソワソワしている。
もうすぐ、姉に会えると言う気持ちが 、フローラの中に 期待と焦りが 落ち着きなくさせている。
早く再会させてあげたい。その為にも、情報が欲しい。
「フローラ。グリット村が、どんな村か知ってるか?」
ただ聞いただけなのに、余程嫌なのかフローラが鼻に皺を寄せる。
どうしてそんなことをするのか、全く身に覚えがないジャックは真正面から
見つめ返す。すると、フローラが両手を挙げて首を振る。
「とぼけないでください。グリット村と言ったら、美女村で有名なんですよ」
「美女村?そんなこと言われても、知らない」
「本当ですか~」
今更とぼけるきかと、フローラが肩をすくめる。その仕草に、さすがにムッとする。村の別名と 、ローラの態度から 大体の想像はつくが、そういう男だと思われるのは心外だ。
今も昔も、清廉潔白だ
「フローラ。俺を見ろ。500年前からアンデッドなんだぞ。行ければかないだろう」
「 ・・あっ、そうでした」
人間もアンデットも男は皆同じと
ひと括り
にして、軽蔑していたフローラだったが、やっと納得したようだ。
どうもフローラは、俺のことを人間だと考えがちだ。
「この行列は美女目当ての男どもと、娘を売りに来た親たちの列です」
「・・・」
何とも言いようがない。興味があると言っても、ないと言っても、何か言われる。 返事に困る内容だ。
「でも、何かあったんでしょうか?全然動きませんね」
フローラが 身を乗り出して先頭を見て来ると馬車を降りる。
今日も元気だ。
かけていくフローラを見送るとて手綱を緩める。
馬車を手に入れたことで、旅がが楽になった。ザップに感謝だな。
サントス村から2日でグリッド村かに
着いた。今夜は、久しぶりにフローラをベッドで寝かせてあげられる。
そんな事を考えていると、ふくれっ面のフローラが戻ってくる。
「どうした。何かあったのか?」
「聞いてくださいよ。村に入りたいなら入村料を払えって言うんですよ」
「入村料?」
そんなモノを取る
村などを聞いたことも無い。ヤクザが考えそうなことだ。
フローラと一緒にジャックは馬車の物陰から男達を観察する。どう見てもゴロツキだ。話してわかる奴らじゃない。
「やっぱり、悪い奴らですか?」
「ああ、旅人たちをカモにしてるんだろう。あの見た目だ。大概の者はトラブルを避けたがるからな」
「まったく、どこまでむしりとりば気が済むのよ」
フローラが弱者をいたぶると目を三角にする。
確かに腹立たしいことだが、村に入らないわけにはいかない。
(金か・・ )
「一人いくらだ?」
「銀貨3枚です」
「フローラ、いくら持ってる?」
フローラが自分の手のひらをに手持ちを出す。ジャックは、その手のひらに自分の財布の中身を出す。
二人で中身を確認してため息をつく
「「ふぅ~」」
1人分にもならない。
「どうする。ザップから貰った金を使うか?」
貰った金を使うかどうか、決めるのはフローラだ。金を失う代わりに早く村に入るか、 今後のためにとっておくか。
「そうですね・・」
フローラが顎を指で叩きな考える。
運良くこの村で姉が見つかったとしても、帰りのことを考えれば 少しは取っておきたい。
「決めました。夜、忍び込みましょう」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

白い結婚をめぐる二年の攻防
藍田ひびき
恋愛
「白い結婚で離縁されたなど、貴族夫人にとってはこの上ない恥だろう。だから俺のいう事を聞け」
「分かりました。二年間閨事がなければ離縁ということですね」
「え、いやその」
父が遺した伯爵位を継いだシルヴィア。叔父の勧めで結婚した夫エグモントは彼女を貶めるばかりか、爵位を寄越さなければ閨事を拒否すると言う。
だがそれはシルヴィアにとってむしろ願っても無いことだった。
妻を思い通りにしようとする夫と、それを拒否する妻の攻防戦が幕を開ける。
※ なろうにも投稿しています。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
「こんな役立たずは要らん! 捨ててこい!!」
何が起きたのか分からず、茫然とする。要らない? 捨てる? きょとんとしたまま捨てられた私は、なぜか幼くなっていた。ハイキングに行って少し道に迷っただけなのに?
後に聖女召喚で間違われたと知るが、だったら責任取って育てるなり、元に戻すなりしてよ! 謝罪のひとつもないのは、納得できない!!
負けん気の強いサラは、見返すために幸せになることを誓う。途端に幸せが舞い込み続けて? いつも笑顔のサラの周りには、聖獣達が集った。
やっぱり聖女だから戻ってくれ? 絶対にお断りします(*´艸`*)
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/06/22……完結
2022/03/26……アルファポリス、HOT女性向け 11位
2022/03/19……小説家になろう、異世界転生/転移(ファンタジー)日間 26位
2022/03/18……エブリスタ、トレンド(ファンタジー)1位
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
愚者による愚行と愚策の結果……《完結》
アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。
それが転落の始まり……ではなかった。
本当の愚者は誰だったのか。
誰を相手にしていたのか。
後悔は……してもし足りない。
全13話
☆他社でも公開します

【完結】烏公爵の後妻〜旦那様は亡き前妻を想い、一生喪に服すらしい〜
七瀬菜々
恋愛
------ウィンターソン公爵の元に嫁ぎなさい。
ある日突然、兄がそう言った。
魔力がなく魔術師にもなれなければ、女というだけで父と同じ医者にもなれないシャロンは『自分にできることは家のためになる結婚をすること』と、日々婚活を頑張っていた。
しかし、表情を作ることが苦手な彼女の婚活はそううまくいくはずも無く…。
そろそろ諦めて修道院にで入ろうかと思っていた矢先、突然にウィンターソン公爵との縁談が持ち上がる。
ウィンターソン公爵といえば、亡き妻エミリアのことが忘れられず、5年間ずっと喪に服したままで有名な男だ。
前妻を今でも愛している公爵は、シャロンに対して予め『自分に愛されないことを受け入れろ』という誓約書を書かせるほどに徹底していた。
これはそんなウィンターソン公爵の後妻シャロンの愛されないはずの結婚の物語である。
※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる