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救出作戦・その3
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フローラはリンダを残して モントス村でジャックの頭を探していた。 その時、村人と勘違いされたフローラは 逆にそのことを利用してアンデッドの頭が保管されている倉庫の場所を聞き出す。
リンダを連れて教えてもらった倉庫に着いた。
異変があったらすぐ助けられるように フローラはリンダと一緒に 一歩一歩探りながら進む。
今度の倉庫は 胴体じゃない。頭だ。
仕掛けが、あるかもしれない。
しかし、何事もなく 倉庫の前に着いた。
でも 扉には外付けの鍵がかかっている。
やはり簡単にはいかない。
ドアに耳を着けて聞き耳をたてるが、何も聞こえない。フローラは、リンダに父親に呼びかけて欲しいと頼む。
「悪いんだけど。もう一度、お父さんを呼んでみて」
愛娘の声だ。何かしらの反応があっても おかしくない。
「お父さん・・お父さん・・」
しかし、返事がない。
本当に?ここに頭があるの?
頭なら目も、耳も、口だってあるのになんで?
さっきの おばさんが、嘘をついてるとは考えられないが・・。
どうも腑に落ちない。
もう一度リンダに確かめる。
「 お父さんの気配する?」
「ううん」
やはり、しないと首を振る。 頭だから分かると思ったんだけど・・。
直接、中を確かめないと駄目か。
山のように、そそり立っている倉庫を見上げる。
錠前を調べてみたけど、見たことのないタイプの鍵だ。鍵を探しにくには時間かかる。肝心の鍵が どこにあるかわからないし、見たく言ったら逆に怪しまれる。とにかく 他に入れそうな場所がないか探してみよう。
ネズミが開けた穴が あったらそこから壊そう。
リンダと二手に分かれて探す事にした。普通の倉庫の違って 事務所も兼ねてるのか 明り取りの窓が空いている。その窓が一箇所だけ開いているところがある。
ここからの中の様子が分かるかも。
フローラは助走をつけて窓に向かって飛ぶ。
「よっと」
しかし、何度やっても指先に桟が触れるだけで届きそうにない。
フローラは、リンダを呼び寄せると 自分の肩の上に立たせて 中の様子を調べさせる事にした。
「どう、リンダ。何か見える?」
しかし、 いくら子供のアンデッドでも全体重が
かかると重い。思落ちないようにりの足首を掴んで 倉庫の壁ギリギリに立つ 。
「ひっ」
リンダの悲鳴に何事かと 頭を動かして上を見ると、リンダが口を手で覆って 首を左右に降っている。
「どうしたの?リンダ。何が見えるの?」
何度聞いても リンダは首を振るばかりで、何も答えない。リンダの怯え方からして 何か衝撃的なものを見たんだ。一体何だろう?
とにかく、リンダを降ろして落ち着かせよう。
「リンダ。お願い教えて。何を見たの?」
両肩を掴んで顔を見ようとしても 両手で顔を覆って、いやいやと体をひねる。
抱きしめて慰めようとするが、愚図るばかりで話を引き出せそうにない。
何を怖がっているのか、自分で確かめるしかない。そうは思っても・・。
リンダの姿を見ると 見たくないと逃げ出したくなる。 でも、ここまで来たのに逃げて何になる。たとえ、人の死体があっても確かめる。自分の中の不安を勇気で 追い出す。
入口 近くにあった木箱を 一人で何往復もして積み重ねる。
「ふぅー」
疲れたと肩を回す。体を動かしたせいか 気持ちも落ち着いてきた。
よし!
自分に気合を入れてから木箱をよじ登る。
窓の桟に手をかけるとゆっくりと顔を上げる。
(怖い。でも、見なくちゃ。ジャックの為だ)
「っ」
中を見た途端 悲鳴をあげそうになるのを手で押さえる。
部屋の棚に 大量のアンデッドの頭が並んでいる。
こんな光景を目の当たりにしたら リンダが怖がるのもわかる。100や 200じゃない。倍の400は ありそうだ。それを見てフローラは、これだけ数が揃ってると教会の集団墓地を思い出す。昔は土地が汚染されていて 墓穴が掘れなかったと聞く。
でも、リンダにとっては地獄のように見えたことだろう。
しかし、こんなに集めてどうするんだろう?
使用人として、こき使ってるのかと思ったけど・・。
まさか、 コレクター?
それとも アンデッド狩りの季へ記念品?
それとも 恨みによるもの?
でも、それならどうして 頭と胴体を別々に保管してるの? 壊すなり、なんなり出来ると思うんだけど・・。
身を乗り出して、もっとよく見ようとすると、額に番号が書かれている頭があることに気づく。
どうして?
数の管理という訳でもなさそうだし・・。
首をひねって考えていたが、ハッとする。
今は理由を 考えてる場合じゃない。
ジャックを探さないと。
目を凝らして見てみるが、人間の私には 見分けがつかない。
(この中にジャックがいるはずなんだけど・・)
アンデッドだから 人間のように髪の色とか髪型とかでは判別できないし・・。唯一の特徴である瞳も ここからでは はっきりしない。 やっぱり中に入って探さないと駄目だ。
「ぬぐぐっ」
窓を開けようとするが固くて開かない。
・・・もう1回 。
「ふんっ!ぬぐぐっ・・くっ」
駄目だ。私の力では、これ以上開けられない。
けっかく出入り口を見つけたのに・・。
窓の開いている部分は狭くて リンダでも入れない。
何か方法を考えないと・・。
壊すのが手っ取り早いが、ノコギリも無いし、斧も無い。それに音で気づかれたら・・。
(う~ん)
開ける方法は後で考えるとして、とりあえず 建物の中に降りれるようにロープを探しに行くう。
「ロープ。・・ロープ ・・」
そうだ!最初の倉庫だ。
あそこならロープが あるかもしれない。
でも、探してる間に 唯一の出入り口が 閉じられたら困る。どうしようかと フローラは窓を腕組みする。高い所にあるから閉められる事はないだろうと 結論を出す。
探しに行くなら夜の方が見つかりにくい。
何より今の状態のリンダを一人には できない。それに、出て行ってまた 呼びつけられたら戻ってこれなくなる 可能性もある。
フローラは、小さくなって踞まっている リンダの隣に座ると その手をぎゅっと握りしめる。
「 大丈夫。きっと会えるよ」
「・・・」
俯いていたリンダが悲しそうな目で私を見つめる。 安心させるように笑みを浮かべると その手を叩く。
「だって、リンダが言ったんだよ。 頭と体がバラバラでも死なないって」
そう言うとリンダの目の陰りが消える 。
リンダと木箱の陰で 夜まで休もうとしていると、 いつの間にか うとうとしていたらしく人の話し声で目が覚める。
誰か来た!素早く 立ち上がるとリンダも目を覚ました。
「お姉ちゃん 」
「しっ」
リンダに静かにするように口に指を当てると 声のする方に壁伝いに、そろりそろりと近づく。
そっと覗くと男達が倉庫の鍵を開けている。
近くには荷台が止めてある。
何を持ってきたのかと思っていると 男達が被せてあった布をめくる。すると、アンデッドの頭が出てきた。
新しく集めてきたの?
だが、よく見ると額に番号が書いてある。 あの数字には意味があるらしい。
(・・・)
そう思っていると男達が アンデッドの頭を抱えて中に入って行く。
これは・・中に入れるチャンス?
そう思った途端、心臓が頭の上で どんどこ 太鼓を打ちならす。
犯人の居る部屋に入るのかと思うと 口の中はカラカラ。膝は笑っている。 緊張と恐怖で体が固まる。
見つかったら 運が良ければ使用人と勘違い。
運が悪かったら村を追い出される。 もしかしたら最悪の事態にだってなるかもそれない。
危険だ。今までみたいに運が味方してくれるとも限らない。
でも、でも、私がやらないなら 誰がやる?
そうだ。ジャックや、リンダのお父さん助けられるのは 私しかいない。
自分で、自分を励ますと リンダに指で中に入ることを知らせて出入り口に向かう。
『お姉ちゃん、気をつけて』
わかったと頷くと、さささっと倉庫の壁に張り付くように扉のところまで進む。
扉が開きっぱなしになっている。 出入り口から顔だけ出して中の様子を伺う。声は聞こえるが、男たちの姿は見えない。
(いまだ!)
すかさず 中に入ると近くの棚の裏に隠れた。
まだ、心臓が激しく打っている。 落ち着かせようとし無呼吸する。本番は、これからだ。
こっそり覗くと男たちがまるで キャベツのように、アンデッドの頭を 一人が投げて もう1人が受け取って 棚の空いている場所に押し込んでいく。
まるで 野菜の収穫風景みたいだ。それほど何気ない。慣れた感じに何度も 頭を持ち出してることがわかる。そういえば頭があれば胴体と繋がると言っていた。 つまり何かをさせるために頭を持ち出して、仕事終わったら頭だけをここに戻してるんだ。 一体どんな仕事をさせてるんだろう・・。
全て納め終わると備え付けの机で 何かしている。背伸びをしたり、 ぎりぎりまで体を出してなんとか見ようとしたが 見えない。
( 一体何をやってるの?)
気になる。
すると、村で見た光と同じものが一瞬部屋を照らす。
「あっ」
逃げださないように魔法陣をセットしたんだ。
次に 何をするのかと 男たちを注視していたが 何もせず出て行った。扉の閉まる音に緊張から解放されて その場にへたり込む。
「 ふー、見つからなかった・・」
リンダを連れて教えてもらった倉庫に着いた。
異変があったらすぐ助けられるように フローラはリンダと一緒に 一歩一歩探りながら進む。
今度の倉庫は 胴体じゃない。頭だ。
仕掛けが、あるかもしれない。
しかし、何事もなく 倉庫の前に着いた。
でも 扉には外付けの鍵がかかっている。
やはり簡単にはいかない。
ドアに耳を着けて聞き耳をたてるが、何も聞こえない。フローラは、リンダに父親に呼びかけて欲しいと頼む。
「悪いんだけど。もう一度、お父さんを呼んでみて」
愛娘の声だ。何かしらの反応があっても おかしくない。
「お父さん・・お父さん・・」
しかし、返事がない。
本当に?ここに頭があるの?
頭なら目も、耳も、口だってあるのになんで?
さっきの おばさんが、嘘をついてるとは考えられないが・・。
どうも腑に落ちない。
もう一度リンダに確かめる。
「 お父さんの気配する?」
「ううん」
やはり、しないと首を振る。 頭だから分かると思ったんだけど・・。
直接、中を確かめないと駄目か。
山のように、そそり立っている倉庫を見上げる。
錠前を調べてみたけど、見たことのないタイプの鍵だ。鍵を探しにくには時間かかる。肝心の鍵が どこにあるかわからないし、見たく言ったら逆に怪しまれる。とにかく 他に入れそうな場所がないか探してみよう。
ネズミが開けた穴が あったらそこから壊そう。
リンダと二手に分かれて探す事にした。普通の倉庫の違って 事務所も兼ねてるのか 明り取りの窓が空いている。その窓が一箇所だけ開いているところがある。
ここからの中の様子が分かるかも。
フローラは助走をつけて窓に向かって飛ぶ。
「よっと」
しかし、何度やっても指先に桟が触れるだけで届きそうにない。
フローラは、リンダを呼び寄せると 自分の肩の上に立たせて 中の様子を調べさせる事にした。
「どう、リンダ。何か見える?」
しかし、 いくら子供のアンデッドでも全体重が
かかると重い。思落ちないようにりの足首を掴んで 倉庫の壁ギリギリに立つ 。
「ひっ」
リンダの悲鳴に何事かと 頭を動かして上を見ると、リンダが口を手で覆って 首を左右に降っている。
「どうしたの?リンダ。何が見えるの?」
何度聞いても リンダは首を振るばかりで、何も答えない。リンダの怯え方からして 何か衝撃的なものを見たんだ。一体何だろう?
とにかく、リンダを降ろして落ち着かせよう。
「リンダ。お願い教えて。何を見たの?」
両肩を掴んで顔を見ようとしても 両手で顔を覆って、いやいやと体をひねる。
抱きしめて慰めようとするが、愚図るばかりで話を引き出せそうにない。
何を怖がっているのか、自分で確かめるしかない。そうは思っても・・。
リンダの姿を見ると 見たくないと逃げ出したくなる。 でも、ここまで来たのに逃げて何になる。たとえ、人の死体があっても確かめる。自分の中の不安を勇気で 追い出す。
入口 近くにあった木箱を 一人で何往復もして積み重ねる。
「ふぅー」
疲れたと肩を回す。体を動かしたせいか 気持ちも落ち着いてきた。
よし!
自分に気合を入れてから木箱をよじ登る。
窓の桟に手をかけるとゆっくりと顔を上げる。
(怖い。でも、見なくちゃ。ジャックの為だ)
「っ」
中を見た途端 悲鳴をあげそうになるのを手で押さえる。
部屋の棚に 大量のアンデッドの頭が並んでいる。
こんな光景を目の当たりにしたら リンダが怖がるのもわかる。100や 200じゃない。倍の400は ありそうだ。それを見てフローラは、これだけ数が揃ってると教会の集団墓地を思い出す。昔は土地が汚染されていて 墓穴が掘れなかったと聞く。
でも、リンダにとっては地獄のように見えたことだろう。
しかし、こんなに集めてどうするんだろう?
使用人として、こき使ってるのかと思ったけど・・。
まさか、 コレクター?
それとも アンデッド狩りの季へ記念品?
それとも 恨みによるもの?
でも、それならどうして 頭と胴体を別々に保管してるの? 壊すなり、なんなり出来ると思うんだけど・・。
身を乗り出して、もっとよく見ようとすると、額に番号が書かれている頭があることに気づく。
どうして?
数の管理という訳でもなさそうだし・・。
首をひねって考えていたが、ハッとする。
今は理由を 考えてる場合じゃない。
ジャックを探さないと。
目を凝らして見てみるが、人間の私には 見分けがつかない。
(この中にジャックがいるはずなんだけど・・)
アンデッドだから 人間のように髪の色とか髪型とかでは判別できないし・・。唯一の特徴である瞳も ここからでは はっきりしない。 やっぱり中に入って探さないと駄目だ。
「ぬぐぐっ」
窓を開けようとするが固くて開かない。
・・・もう1回 。
「ふんっ!ぬぐぐっ・・くっ」
駄目だ。私の力では、これ以上開けられない。
けっかく出入り口を見つけたのに・・。
窓の開いている部分は狭くて リンダでも入れない。
何か方法を考えないと・・。
壊すのが手っ取り早いが、ノコギリも無いし、斧も無い。それに音で気づかれたら・・。
(う~ん)
開ける方法は後で考えるとして、とりあえず 建物の中に降りれるようにロープを探しに行くう。
「ロープ。・・ロープ ・・」
そうだ!最初の倉庫だ。
あそこならロープが あるかもしれない。
でも、探してる間に 唯一の出入り口が 閉じられたら困る。どうしようかと フローラは窓を腕組みする。高い所にあるから閉められる事はないだろうと 結論を出す。
探しに行くなら夜の方が見つかりにくい。
何より今の状態のリンダを一人には できない。それに、出て行ってまた 呼びつけられたら戻ってこれなくなる 可能性もある。
フローラは、小さくなって踞まっている リンダの隣に座ると その手をぎゅっと握りしめる。
「 大丈夫。きっと会えるよ」
「・・・」
俯いていたリンダが悲しそうな目で私を見つめる。 安心させるように笑みを浮かべると その手を叩く。
「だって、リンダが言ったんだよ。 頭と体がバラバラでも死なないって」
そう言うとリンダの目の陰りが消える 。
リンダと木箱の陰で 夜まで休もうとしていると、 いつの間にか うとうとしていたらしく人の話し声で目が覚める。
誰か来た!素早く 立ち上がるとリンダも目を覚ました。
「お姉ちゃん 」
「しっ」
リンダに静かにするように口に指を当てると 声のする方に壁伝いに、そろりそろりと近づく。
そっと覗くと男達が倉庫の鍵を開けている。
近くには荷台が止めてある。
何を持ってきたのかと思っていると 男達が被せてあった布をめくる。すると、アンデッドの頭が出てきた。
新しく集めてきたの?
だが、よく見ると額に番号が書いてある。 あの数字には意味があるらしい。
(・・・)
そう思っていると男達が アンデッドの頭を抱えて中に入って行く。
これは・・中に入れるチャンス?
そう思った途端、心臓が頭の上で どんどこ 太鼓を打ちならす。
犯人の居る部屋に入るのかと思うと 口の中はカラカラ。膝は笑っている。 緊張と恐怖で体が固まる。
見つかったら 運が良ければ使用人と勘違い。
運が悪かったら村を追い出される。 もしかしたら最悪の事態にだってなるかもそれない。
危険だ。今までみたいに運が味方してくれるとも限らない。
でも、でも、私がやらないなら 誰がやる?
そうだ。ジャックや、リンダのお父さん助けられるのは 私しかいない。
自分で、自分を励ますと リンダに指で中に入ることを知らせて出入り口に向かう。
『お姉ちゃん、気をつけて』
わかったと頷くと、さささっと倉庫の壁に張り付くように扉のところまで進む。
扉が開きっぱなしになっている。 出入り口から顔だけ出して中の様子を伺う。声は聞こえるが、男たちの姿は見えない。
(いまだ!)
すかさず 中に入ると近くの棚の裏に隠れた。
まだ、心臓が激しく打っている。 落ち着かせようとし無呼吸する。本番は、これからだ。
こっそり覗くと男たちがまるで キャベツのように、アンデッドの頭を 一人が投げて もう1人が受け取って 棚の空いている場所に押し込んでいく。
まるで 野菜の収穫風景みたいだ。それほど何気ない。慣れた感じに何度も 頭を持ち出してることがわかる。そういえば頭があれば胴体と繋がると言っていた。 つまり何かをさせるために頭を持ち出して、仕事終わったら頭だけをここに戻してるんだ。 一体どんな仕事をさせてるんだろう・・。
全て納め終わると備え付けの机で 何かしている。背伸びをしたり、 ぎりぎりまで体を出してなんとか見ようとしたが 見えない。
( 一体何をやってるの?)
気になる。
すると、村で見た光と同じものが一瞬部屋を照らす。
「あっ」
逃げださないように魔法陣をセットしたんだ。
次に 何をするのかと 男たちを注視していたが 何もせず出て行った。扉の閉まる音に緊張から解放されて その場にへたり込む。
「 ふー、見つからなかった・・」
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