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赤い痣はキスマーク?
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親父のところから娘を連れたそうとすると 呼び止められる。
「 嘘をつけ! だったらその娘が胸にある痣は何だ?」
「えっ?」
その言葉にジャックの頸椎が 固まる。
「 これですか?」
娘がドレスの縁にある赤い痣を指差す。
その場所を見てドキリとする。 気の迷いの証拠。全身の力が抜けて 骨がバラバラになりそうだ。
長い人生真面目に生きてきた。
魔が差したな一回だけなのに・・。
でも、どうして俺がつけたと思うんだ? あの場所には俺たち2人きりだった。 他の人の気配は無かった。
だから、知りようも無い。
きっと、親父が カマをかけているに違いない。ここは知らぬ存ぜずで押し通す。
「痣? 虫にでも刺されたんだろう」
「 見た事があるからだよ」
( なっ、何だって!)
ジャックは、親父の告白に 側頭骨を殴られたショックを受ける。
まさか、親父に人間の恋人がいたのか? 初耳だ。
でも、お袋が死んで随分経つ。 あっても、おかしくない。
すると、違うと親父が 第七頸椎の隆椎と頭蓋骨を左右に 大きく動かす。
「 ジェームズの奥さんに同じ物があった。 聞いたら、腕に指骨が刺さった跡らしい。 だから、その痣は お前がその娘の胸に指骨を刺した証だ」
親父に観念しろと言うように 俺を指差す。
しかし、自分のしたことをどうしても、知られたくない。
調べたら俺の信用はガタ落ちだ。
「 だっ、だからって俺がつけたとは限らないだろう」
「 昨日までは、ありませんでした」
( そこは認めないで!)
娘の 告白2 親父が俺に 胡乱な目を向ける。
「 やっぱり・・」
「 違う。違う。断じて、違う」
ちょっとした悪戯心が人生最大のピンチ。
ここで認めたら俺は自分のことを 最低な男だと認めたことになる。
「 往生際の悪い。 そもそも、どうして人間が 訪ねてきたのに驚かない?それは知り合いだからだ」
「そっ、 それは・・」
そう言われたら 弁明の余地は無い。 口が重くなる。
親父が娘が来ている 外套を顎でしゃくる。
「それに、どうしてお前の 外套を その娘は着ている?」
「 これは、私が寒くないように 掛けてくれたようです」
そんな善意でした事では無い。
ただ単に、 取り返すには起こさないと イケなかったからだ。
「 寒くないようにって・・ 一夜を共にしたのか?」
叔父が困惑したように言う。
その言い方は語弊がある。 朝、気づいてたら 隣に寝てたんだ。 いわば、俺が夜這いされたようなものだ。
しかし、 叔父の言葉にジャックの頭の中は 大混乱を引き起こす。
「ちっ、ちっ、ちっ」
このままでは俺が 娘を手篭めにした事になる。否・・恋人が出来たことになるのか?
(ああ、どうにかしないと)
落ち着け俺。 冷静になれば 良い考えが思いつく。
娘とは知り合いでは無い。
なぜ、驚かない? 着ている外套は ?
娘とは知り合いだ。
では、胸の痣は誰がつけた ?一夜を共にしたのか?
娘とは知り合いで無いし、 一夜を共にしていない。
なぜ、驚かない? 着ている外套は? 胸の痣は誰がつけた?
娘とは知り合いだが、 一夜を共にしていない 。外套は、いつ渡した? 胸の痣は誰がつけた?
ダメだ。 いくら考えても 逃げ場がない。
どうしたら良いんだ!
隣で 話を聞いていた娘が ポンと手を打つ。
「ああ! 後から私が寝たから 気づかなかったんですね」
( 止めて! これ以上 口を開かないで)
ジャックは 指骨で娘の口を塞ぐ。
娘が何か言うたび 追い詰められる。
「 じゃあ、その痣をつけたのはジャックだ」
「 素直に付き合ってると認めれば良いのに。 私は反対しないぞ 」
ああ、もう。逃げられないなら、最小限の被害に食い止める。
「もし・・もし、その・・ 俺だとしても。 それは、たまたま刺さっただけだ」
「 胸にか? そんな偶然があるか! 手を出したことを認めて、おとなしく責任を取れ」
「 手を出すって、オーバーな。しかも、 それだけで結婚なんて」
時代錯誤だと 頸椎を 横に動かす。
この世界にアンデットと結婚したがる人間が 何処にいる。
ジェームスの奥さんだって 元を正せば売り物だ。
「 たとえそうでも責任はある。 お前は、その娘を傷物にしたんだから」
「傷って・・」
責任、責任と親父がしつこく言ってくる。 娘を手篭めにしたような事を言うけれど、手は出していない、 出したのは指一本だけだ。
それなのにまるで 、人のことを放蕩息子のように言わなくても。
頭ごなしに決め付けられて 気分が悪い。上顎骨と下顎骨を擦り合わせる。
「 偶然です。 だから、ジャックのせいじゃありません」
「 偶然 ?」
娘が俺の指骨を掴んで口から外すと庇う。
その姿に罪悪感が増す。 一緒に罵ってくれた方がましだ 。
「はい。隣同士で寝たので 、何かの拍子に出来たんだと思います」
事態は収拾したかに見えたが、さらに疑惑が。 叔父が横を向くとポツリと呟く。
「 どんな拍子だか・・」
「 もう、いい加減にしてくれ! これは俺と彼女の問題だ。 親父たちは口を挟むな」
叔父の言葉にカチンときたジャックは 吐き捨てるように言う。 年中、女の尻を追いかけ回している叔父にだけは 言われたくない。
「 そうは、いかないから言ってるんだろう。 ぐずぐずと男のくせに。 この期に及んで言い訳など 今すぐ切り捨ててやる」
痺れを切らした親父が 飾ってある剣に手を伸ばすと 娘が俺を庇うように前に出て 親父に向かって命乞いする。
思わぬ行動に唖然とする。
「待ってください。 私が悪いんです。 でさから、彼の命を奪わないでください」
我々アンデッドは、すでに死んでいる。
必死な姿に その場にいた全員が沈黙する。
「「「・・・」」」
このやり取りもお約束。
その中で彼女達が真剣な顔で 親父を見つめる。
皆の気が逸れてしまった。
たった一夜・・ いや、ほとんど初対面と言っていいのに 何故そこまでする?
そこまで考えてハッとする そうか俺のことを 人間と同じように考えているんだ。 だから、守ろうとしているんだ。
改めて自分のした事への次の人には今まで 罪の意識に苛まれる。
こんなに優しい子なのに・・ 俺は・・。
黙って娘を見ていた親父だったが 席に戻ると俺達に向かって手で追い払う。
「 分かったから、気が変わらないうちに 娘はさっさと連れて行って」
ジャックは、一応の解放に娘を立たせる。
***
フローラは手を引かれて歩きながら 繋いでいるジャックの手を見る。 骨の手なのに掴まれている感覚がある。 痛いのかと思ったが、そうではない。
不思議な感じ。
しかし、陽を浴びて光っているジャックの後頭部を見ると 改めて美しいと思う。
自分の物に ならなかったことが 残念で他ならない。
(こら!何を考えている)
見惚れていたフローラは 自分を叱りつける。
私を他のアンデットから守ろうとしてくれた 優しい人なんだ。
それなのに私は・・。
昨夜の夜 実行していたら私は人殺しになるところだった。
フローラの己の欲のために 切断しようとした自分を恥じる。本当にやらなくて正解だ。 思いとどまったのは神のご加護なろう。
せめてこの輝きだけでも 目に焼き付けておこう。
そんなことを思いながらも 協力して欲しいと、どう切り出そうかと 考える。
会ったばかりのジャックに助けを求めようとしているなんて 虫が良いと思う。 でも、たった一人姉を救うためなら 何でもする。
***
外に出て改めてジャックは娘に向き合う。
娘が、ほっとしたように息を吐くと 俺に笑顔を向ける。
「 一時は、どうなるかと思いましたけど 許してもらって良かったですね」
「うん。まぁ・・ところで・・なんで追いかけてきたんだ?」
「 もちろんこれです」
娘が巾着を大事そうに 両手で差し出す。
ジャックはポリポリと側頭骨をかく。
人間と違って金をほとんど使わない。 いらぬ、お節介だが・・。
「 そんなのよかったのに」
「そうは、いきません 」
わざわざ届けるなど 根は善良な人間なんだろう。
だが、そのせいで 親父達の誤解を招いた。
しかし、今更本当のことは言えない。 流れに身を任せるしかない。
だから、といって 娘の話を頭から信じるほど、 世間知らずでは無い。
アンデッドの村の中に入ってまで 返しに来たんだから 何か理由があるんだろう。
どんな理由か知らないが 俺にできることなら何でも 協力しよう。
それが、せめてもの罪滅ぼしだ。
「殺そうとした事は
知られては ならない !」」
「不埒な真似をした事は
じろじろと無遠慮な村人の視線に、ジャックは娘の手を取ると 一直線に自分の家に向かう。
「 話は後だ」
「 嘘をつけ! だったらその娘が胸にある痣は何だ?」
「えっ?」
その言葉にジャックの頸椎が 固まる。
「 これですか?」
娘がドレスの縁にある赤い痣を指差す。
その場所を見てドキリとする。 気の迷いの証拠。全身の力が抜けて 骨がバラバラになりそうだ。
長い人生真面目に生きてきた。
魔が差したな一回だけなのに・・。
でも、どうして俺がつけたと思うんだ? あの場所には俺たち2人きりだった。 他の人の気配は無かった。
だから、知りようも無い。
きっと、親父が カマをかけているに違いない。ここは知らぬ存ぜずで押し通す。
「痣? 虫にでも刺されたんだろう」
「 見た事があるからだよ」
( なっ、何だって!)
ジャックは、親父の告白に 側頭骨を殴られたショックを受ける。
まさか、親父に人間の恋人がいたのか? 初耳だ。
でも、お袋が死んで随分経つ。 あっても、おかしくない。
すると、違うと親父が 第七頸椎の隆椎と頭蓋骨を左右に 大きく動かす。
「 ジェームズの奥さんに同じ物があった。 聞いたら、腕に指骨が刺さった跡らしい。 だから、その痣は お前がその娘の胸に指骨を刺した証だ」
親父に観念しろと言うように 俺を指差す。
しかし、自分のしたことをどうしても、知られたくない。
調べたら俺の信用はガタ落ちだ。
「 だっ、だからって俺がつけたとは限らないだろう」
「 昨日までは、ありませんでした」
( そこは認めないで!)
娘の 告白2 親父が俺に 胡乱な目を向ける。
「 やっぱり・・」
「 違う。違う。断じて、違う」
ちょっとした悪戯心が人生最大のピンチ。
ここで認めたら俺は自分のことを 最低な男だと認めたことになる。
「 往生際の悪い。 そもそも、どうして人間が 訪ねてきたのに驚かない?それは知り合いだからだ」
「そっ、 それは・・」
そう言われたら 弁明の余地は無い。 口が重くなる。
親父が娘が来ている 外套を顎でしゃくる。
「それに、どうしてお前の 外套を その娘は着ている?」
「 これは、私が寒くないように 掛けてくれたようです」
そんな善意でした事では無い。
ただ単に、 取り返すには起こさないと イケなかったからだ。
「 寒くないようにって・・ 一夜を共にしたのか?」
叔父が困惑したように言う。
その言い方は語弊がある。 朝、気づいてたら 隣に寝てたんだ。 いわば、俺が夜這いされたようなものだ。
しかし、 叔父の言葉にジャックの頭の中は 大混乱を引き起こす。
「ちっ、ちっ、ちっ」
このままでは俺が 娘を手篭めにした事になる。否・・恋人が出来たことになるのか?
(ああ、どうにかしないと)
落ち着け俺。 冷静になれば 良い考えが思いつく。
娘とは知り合いでは無い。
なぜ、驚かない? 着ている外套は ?
娘とは知り合いだ。
では、胸の痣は誰がつけた ?一夜を共にしたのか?
娘とは知り合いで無いし、 一夜を共にしていない。
なぜ、驚かない? 着ている外套は? 胸の痣は誰がつけた?
娘とは知り合いだが、 一夜を共にしていない 。外套は、いつ渡した? 胸の痣は誰がつけた?
ダメだ。 いくら考えても 逃げ場がない。
どうしたら良いんだ!
隣で 話を聞いていた娘が ポンと手を打つ。
「ああ! 後から私が寝たから 気づかなかったんですね」
( 止めて! これ以上 口を開かないで)
ジャックは 指骨で娘の口を塞ぐ。
娘が何か言うたび 追い詰められる。
「 じゃあ、その痣をつけたのはジャックだ」
「 素直に付き合ってると認めれば良いのに。 私は反対しないぞ 」
ああ、もう。逃げられないなら、最小限の被害に食い止める。
「もし・・もし、その・・ 俺だとしても。 それは、たまたま刺さっただけだ」
「 胸にか? そんな偶然があるか! 手を出したことを認めて、おとなしく責任を取れ」
「 手を出すって、オーバーな。しかも、 それだけで結婚なんて」
時代錯誤だと 頸椎を 横に動かす。
この世界にアンデットと結婚したがる人間が 何処にいる。
ジェームスの奥さんだって 元を正せば売り物だ。
「 たとえそうでも責任はある。 お前は、その娘を傷物にしたんだから」
「傷って・・」
責任、責任と親父がしつこく言ってくる。 娘を手篭めにしたような事を言うけれど、手は出していない、 出したのは指一本だけだ。
それなのにまるで 、人のことを放蕩息子のように言わなくても。
頭ごなしに決め付けられて 気分が悪い。上顎骨と下顎骨を擦り合わせる。
「 偶然です。 だから、ジャックのせいじゃありません」
「 偶然 ?」
娘が俺の指骨を掴んで口から外すと庇う。
その姿に罪悪感が増す。 一緒に罵ってくれた方がましだ 。
「はい。隣同士で寝たので 、何かの拍子に出来たんだと思います」
事態は収拾したかに見えたが、さらに疑惑が。 叔父が横を向くとポツリと呟く。
「 どんな拍子だか・・」
「 もう、いい加減にしてくれ! これは俺と彼女の問題だ。 親父たちは口を挟むな」
叔父の言葉にカチンときたジャックは 吐き捨てるように言う。 年中、女の尻を追いかけ回している叔父にだけは 言われたくない。
「 そうは、いかないから言ってるんだろう。 ぐずぐずと男のくせに。 この期に及んで言い訳など 今すぐ切り捨ててやる」
痺れを切らした親父が 飾ってある剣に手を伸ばすと 娘が俺を庇うように前に出て 親父に向かって命乞いする。
思わぬ行動に唖然とする。
「待ってください。 私が悪いんです。 でさから、彼の命を奪わないでください」
我々アンデッドは、すでに死んでいる。
必死な姿に その場にいた全員が沈黙する。
「「「・・・」」」
このやり取りもお約束。
その中で彼女達が真剣な顔で 親父を見つめる。
皆の気が逸れてしまった。
たった一夜・・ いや、ほとんど初対面と言っていいのに 何故そこまでする?
そこまで考えてハッとする そうか俺のことを 人間と同じように考えているんだ。 だから、守ろうとしているんだ。
改めて自分のした事への次の人には今まで 罪の意識に苛まれる。
こんなに優しい子なのに・・ 俺は・・。
黙って娘を見ていた親父だったが 席に戻ると俺達に向かって手で追い払う。
「 分かったから、気が変わらないうちに 娘はさっさと連れて行って」
ジャックは、一応の解放に娘を立たせる。
***
フローラは手を引かれて歩きながら 繋いでいるジャックの手を見る。 骨の手なのに掴まれている感覚がある。 痛いのかと思ったが、そうではない。
不思議な感じ。
しかし、陽を浴びて光っているジャックの後頭部を見ると 改めて美しいと思う。
自分の物に ならなかったことが 残念で他ならない。
(こら!何を考えている)
見惚れていたフローラは 自分を叱りつける。
私を他のアンデットから守ろうとしてくれた 優しい人なんだ。
それなのに私は・・。
昨夜の夜 実行していたら私は人殺しになるところだった。
フローラの己の欲のために 切断しようとした自分を恥じる。本当にやらなくて正解だ。 思いとどまったのは神のご加護なろう。
せめてこの輝きだけでも 目に焼き付けておこう。
そんなことを思いながらも 協力して欲しいと、どう切り出そうかと 考える。
会ったばかりのジャックに助けを求めようとしているなんて 虫が良いと思う。 でも、たった一人姉を救うためなら 何でもする。
***
外に出て改めてジャックは娘に向き合う。
娘が、ほっとしたように息を吐くと 俺に笑顔を向ける。
「 一時は、どうなるかと思いましたけど 許してもらって良かったですね」
「うん。まぁ・・ところで・・なんで追いかけてきたんだ?」
「 もちろんこれです」
娘が巾着を大事そうに 両手で差し出す。
ジャックはポリポリと側頭骨をかく。
人間と違って金をほとんど使わない。 いらぬ、お節介だが・・。
「 そんなのよかったのに」
「そうは、いきません 」
わざわざ届けるなど 根は善良な人間なんだろう。
だが、そのせいで 親父達の誤解を招いた。
しかし、今更本当のことは言えない。 流れに身を任せるしかない。
だから、といって 娘の話を頭から信じるほど、 世間知らずでは無い。
アンデッドの村の中に入ってまで 返しに来たんだから 何か理由があるんだろう。
どんな理由か知らないが 俺にできることなら何でも 協力しよう。
それが、せめてもの罪滅ぼしだ。
「殺そうとした事は
知られては ならない !」」
「不埒な真似をした事は
じろじろと無遠慮な村人の視線に、ジャックは娘の手を取ると 一直線に自分の家に向かう。
「 話は後だ」
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