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君の名は……
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リサは 正体不明の犯人たちに さらわれた。隙をついて逃げようとしたが 失敗してしまい、再度捕まり枷まで付けられてしまう。
もはや自力での脱出は できそうになかった。
ドアの開くビクッと体が反応した。
そして、その音に本能なのか目を閉じてしまった。誰か知るのが怖いし、目を開けたら何かされそうだし…。
(起きるまでは何もして来ないだろう)
そんな臆病風に吹かれてしまった。
ズサッ、ズサッと重そうな足音が近付いてくる。音から察するに一人だ。
枕元まで来ると犯人が立ち止まった。
すると、古本屋の匂いがする。隣に居たゲロ仲間とは別人だ。歩くスピードを考えるとニックさんより年寄りっぽいけど そんな老人が犯人?匂いが強くなる。
息こそ かからないが、身を屈めていると感じた。匂いが無くなったと思ったら、行き成り瞼を捲られた。
(!!)
声を上げそうになるのを寸での所で止める。次に手首を掴まれ指を押し当てられた。脈を診て死んでないか確かめたようだ。手を離すと部屋を出て行った。
**
一人になってホッと胸を撫で下ろした。
(助かった……)
死にそうなほど心臓がドキドキしたのに、よく気付かれなかったものだ。まさか自分の人生で、こんな事を経験するとは想像をした事も無かった。だけど……よくよく考えれば、私は人ではなく奇跡の猫だ。
(奇跡……誰もが欲しがるものだ)
日和ってパスしてしまったが。流石に、このままとは行かないだろう。
(………)
何時かは立ち向かわなくてはいけない。私も覚悟を決めないと。グッと拳を作る。
……兎に角相手を怒らせないようにする事が重要だ。生きていれば必ずリチャードたちが助けに来てくれる。今思うに、私を軟禁するくらいだから攫われる事は想定してないかもしれない。となれば、犯人の目星が付いていたのかもしれない。だったら、このアジトが見つかるのも時間の問題だ。だったら、待てば良い。そう結論を出すと安心出来た。
緊張が解けたせいか急に眠気が襲って来た。寝よう。体力も頭も健康でなくちゃ、いざと言う時力が出ない。
✳✳
ギイー
ドアの開く音にハッとして目を覚ます。
(来た!)
コツコツ。この足音はさっきとは別の音だ。音から速さと力強さを感じる。
……きっとゲロ仲間の一人だ。どうする?
さっきの老人を待つ? う~ん。どうせ何時かは対面するんだ。相手は誰でも良い。自分のペースを掴む為にも自分から仕掛けよう。クイッと横を向くと、入って来た男とバチッと目が合う。驚いたらしく固まってしまった。
この服、私と並んでゲロを吐いていた男だ。二十代前半の若い男だ。私と大して変わらない。
「あんたが、誘拐犯ね!」
言い包めようと考えていたのに 犯人だと分かった途端 噛みいてしまった。男が小さく飛んだかたと思うと逃げるように出て行ってしまった。何なのよ……。まるで化け物を見たみたいじゃない。
人が一大決心したのに! 出鼻を挫かれた。
「戻って来い!」
ガチャガチャと枷を鳴らして怒りを爆発させていると、またドアが開いた。戻って来た。
「ちょっ……と……」
文句を言おうとしたが複数の足音に気付いて口を閉じた。一人じゃ無理だから仲間を連れて来たの? 困惑している私の周りに四人の男が取り囲む。みんな、自分と同じ年ぐらいの男の子たちだ。
(よっ、四人……)
流石にこの人数では……。
ヒョロい男の子もいるけど 倒せそうにはない。だからと言って泣いて、全員に同情させるのは無理だ。私を見る目にも何も浮かんでない。これは……大人しく従おう。最初の老人の方が説得しやすかったかも……。
枷を外して立たされると、今度は手錠のようなものをつけられた。
どうやら首謀者と対面するようだ。
✳✳
手錠をされて、両脇と前後を犯人に囲まれていると、なんだか犯罪者になった気分だ。
部屋を出て薄暗い廊下を歩いて行くと前方が明るくなった。階段を登ると視界が広がる。
立派な玄関ホール。
ここが起点になっているのか、ドアも廊下もたくさんある。そこを斜めに突っ切って廊下の一つを進んでいく。その廊下も変わっていた。右側はドアが並んだ壁。左側は全面が窓で、その先は森で他の建物が見えない。
(まるで学校みたいだ)
階段をまた上って二階に着いた。まだ階段は続いている。三階建て以上の建物だ。そのまま真っ直ぐ奥へ。
連れて行くと言う事は、この男たちは手下で次に会うのが主犯だ。
(どんな相手だろう……)
単にザブマギウムに会いたいだけ?
それとも私の奇跡の力を利用したい?
もしくは私を他の誰かに売る為?
頭に浮かぶのは悪いことばかり。
……正直 会いたくない。敵地に一人。
どちらにせよ。私に有利なことは一つもない。。胃が痛くなって来た。
突き当たりの部屋に着くと前を歩いていた男がノックして、ドアが開くと湿った匂いが漏れ出て来る。
✳✳
辿り着いた部屋は、背表紙が擦り切れてタイトルも分からない。そんな本が壁のように並ぶ個人の図書室みたいな所だった。
(マーカスがおじいさんになったらこんな感じかも……)
人が一人通れるだけのスペースがあるだけで、それ以外は全て本で床が埋め尽くされている。その間をゲロ仲間に先導してもらいながら進むと、年の頃は八十歳……百歳?
髪は真っ白で皺も深い。
着ているものも古臭い。
(ここまで 年をとっては 年齢不詳だ)
兎に角、凄い歳を取っている男が居た。
初対面なのに何故か見覚えがある気がする。そう感じるほど 、どこにでもいそうな老人だ。到底、凶悪犯とは思えない。気の良いおじいちゃんと言う感じの顔だ。
でも 手下の態度からしてボズだろう。
気を緩めるのはまだ早い。
枷が外されて普通に椅子に座らされた。
名前さえも知らない相手。
どう対処したらいいか 頭をフル回転させた。
怒る?
泣く?
説明を聞く?
取引をする?
どれもこれも 相手の性格がわからないだけに
考えが行き詰まってしまう。
ここで弱気な態度を見せたら舐められる。それだけはわかる。
「………」
「………」
この状況が不満だと伝える為に手首をこれ見よがしに擦る。そんな私を顕微鏡で覘いているかのように見て来る。
居心地が悪い。視線を避けるように、何とはなしに見流していると老人の靴に目が靴に留まる。
(この靴……)
ドアを開けて倒れたときに見た靴と同じだ。間違いない。この老人が主犯だ。
見た目で判断してたら痛い目にあうところだった。どう出るか分からず身構えていると、ふっと老人が笑う。
(何おかしいのよ!)
この状況を楽しんでいる。
強引に連れて来たのに、ちっとも悪いと思ってない。馬鹿にされたようで 腹が立つ。それでも怒りは表に出さないようにしたが、目元がピクピクと痙攣する。体は正直だ。
ドミニクは目の前の娘を見て自然と笑みが出た。シャーと毛を逆なでて威嚇してる子猫のようだ。本人をごまかせてると思ってるようだが、爪が出ているのが見える。
随分 警戒されてしまったようだ。 だが、それも楽しい。彼女も最初は警戒して人前で餌を食べなかった。
✳✳
「何も聞かないんだな」
老人独特の平坦だけど滑舌が悪く低い声だ。
声の感じから、私に対して負の感情のようなものは見えない。今のところは友好的だ。
だったら強く出ても大丈夫だろう。
「聞いたら答えくれるんですか?」
「もちろんだ」
本当に⁉
チラリと横に立っている手下を見ると、老人がサッサと出て行けと言うように手を払う。すると、手下が一礼して出て行った。ドアの閉まる音も聞こえた。
やっと二人きりになった。
こっちは聞きたい事が山盛りだ。
「何が聞きたい?」
老人が机の上で手を組むとまた私を観察してくる。口ではそう言うが都合の悪い事は答えないだろう。でも、その口を開かせてみせる。
営業歴二年の腕前の見せ所だ。伊達に営業やってない。
相手から情報を聞き出す為に、ラポールを築かないと。そのためには、褒めて、褒めて、褒めちぎる。とはいえ、なかなか難しい。
んー、まずは……話しやすい質問をしよう。
「名前を教えて下さい」
「そうだったな。これは失礼した。私の名前はドミニク・ランドル・パラフェールだ。一応男爵の爵位を持っている」
わざわざ立ち上がると、片手を胸に当てて挨拶をした。ワザとらしい対応が鼻に付く。私はただの平民だ。
あれ? ドミニク⁉ 聞き覚えがある。どこで聞いたんだっけ?
「ドミニク……ラン…パラ……」
思い出そうと名前を口に出してみる。
あっ! 思い出した。ポンと手を打つと、老人、否、ドミニク男爵を指差す。
「世界動物図鑑の作者だ!」
もはや自力での脱出は できそうになかった。
ドアの開くビクッと体が反応した。
そして、その音に本能なのか目を閉じてしまった。誰か知るのが怖いし、目を開けたら何かされそうだし…。
(起きるまでは何もして来ないだろう)
そんな臆病風に吹かれてしまった。
ズサッ、ズサッと重そうな足音が近付いてくる。音から察するに一人だ。
枕元まで来ると犯人が立ち止まった。
すると、古本屋の匂いがする。隣に居たゲロ仲間とは別人だ。歩くスピードを考えるとニックさんより年寄りっぽいけど そんな老人が犯人?匂いが強くなる。
息こそ かからないが、身を屈めていると感じた。匂いが無くなったと思ったら、行き成り瞼を捲られた。
(!!)
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**
一人になってホッと胸を撫で下ろした。
(助かった……)
死にそうなほど心臓がドキドキしたのに、よく気付かれなかったものだ。まさか自分の人生で、こんな事を経験するとは想像をした事も無かった。だけど……よくよく考えれば、私は人ではなく奇跡の猫だ。
(奇跡……誰もが欲しがるものだ)
日和ってパスしてしまったが。流石に、このままとは行かないだろう。
(………)
何時かは立ち向かわなくてはいけない。私も覚悟を決めないと。グッと拳を作る。
……兎に角相手を怒らせないようにする事が重要だ。生きていれば必ずリチャードたちが助けに来てくれる。今思うに、私を軟禁するくらいだから攫われる事は想定してないかもしれない。となれば、犯人の目星が付いていたのかもしれない。だったら、このアジトが見つかるのも時間の問題だ。だったら、待てば良い。そう結論を出すと安心出来た。
緊張が解けたせいか急に眠気が襲って来た。寝よう。体力も頭も健康でなくちゃ、いざと言う時力が出ない。
✳✳
ギイー
ドアの開く音にハッとして目を覚ます。
(来た!)
コツコツ。この足音はさっきとは別の音だ。音から速さと力強さを感じる。
……きっとゲロ仲間の一人だ。どうする?
さっきの老人を待つ? う~ん。どうせ何時かは対面するんだ。相手は誰でも良い。自分のペースを掴む為にも自分から仕掛けよう。クイッと横を向くと、入って来た男とバチッと目が合う。驚いたらしく固まってしまった。
この服、私と並んでゲロを吐いていた男だ。二十代前半の若い男だ。私と大して変わらない。
「あんたが、誘拐犯ね!」
言い包めようと考えていたのに 犯人だと分かった途端 噛みいてしまった。男が小さく飛んだかたと思うと逃げるように出て行ってしまった。何なのよ……。まるで化け物を見たみたいじゃない。
人が一大決心したのに! 出鼻を挫かれた。
「戻って来い!」
ガチャガチャと枷を鳴らして怒りを爆発させていると、またドアが開いた。戻って来た。
「ちょっ……と……」
文句を言おうとしたが複数の足音に気付いて口を閉じた。一人じゃ無理だから仲間を連れて来たの? 困惑している私の周りに四人の男が取り囲む。みんな、自分と同じ年ぐらいの男の子たちだ。
(よっ、四人……)
流石にこの人数では……。
ヒョロい男の子もいるけど 倒せそうにはない。だからと言って泣いて、全員に同情させるのは無理だ。私を見る目にも何も浮かんでない。これは……大人しく従おう。最初の老人の方が説得しやすかったかも……。
枷を外して立たされると、今度は手錠のようなものをつけられた。
どうやら首謀者と対面するようだ。
✳✳
手錠をされて、両脇と前後を犯人に囲まれていると、なんだか犯罪者になった気分だ。
部屋を出て薄暗い廊下を歩いて行くと前方が明るくなった。階段を登ると視界が広がる。
立派な玄関ホール。
ここが起点になっているのか、ドアも廊下もたくさんある。そこを斜めに突っ切って廊下の一つを進んでいく。その廊下も変わっていた。右側はドアが並んだ壁。左側は全面が窓で、その先は森で他の建物が見えない。
(まるで学校みたいだ)
階段をまた上って二階に着いた。まだ階段は続いている。三階建て以上の建物だ。そのまま真っ直ぐ奥へ。
連れて行くと言う事は、この男たちは手下で次に会うのが主犯だ。
(どんな相手だろう……)
単にザブマギウムに会いたいだけ?
それとも私の奇跡の力を利用したい?
もしくは私を他の誰かに売る為?
頭に浮かぶのは悪いことばかり。
……正直 会いたくない。敵地に一人。
どちらにせよ。私に有利なことは一つもない。。胃が痛くなって来た。
突き当たりの部屋に着くと前を歩いていた男がノックして、ドアが開くと湿った匂いが漏れ出て来る。
✳✳
辿り着いた部屋は、背表紙が擦り切れてタイトルも分からない。そんな本が壁のように並ぶ個人の図書室みたいな所だった。
(マーカスがおじいさんになったらこんな感じかも……)
人が一人通れるだけのスペースがあるだけで、それ以外は全て本で床が埋め尽くされている。その間をゲロ仲間に先導してもらいながら進むと、年の頃は八十歳……百歳?
髪は真っ白で皺も深い。
着ているものも古臭い。
(ここまで 年をとっては 年齢不詳だ)
兎に角、凄い歳を取っている男が居た。
初対面なのに何故か見覚えがある気がする。そう感じるほど 、どこにでもいそうな老人だ。到底、凶悪犯とは思えない。気の良いおじいちゃんと言う感じの顔だ。
でも 手下の態度からしてボズだろう。
気を緩めるのはまだ早い。
枷が外されて普通に椅子に座らされた。
名前さえも知らない相手。
どう対処したらいいか 頭をフル回転させた。
怒る?
泣く?
説明を聞く?
取引をする?
どれもこれも 相手の性格がわからないだけに
考えが行き詰まってしまう。
ここで弱気な態度を見せたら舐められる。それだけはわかる。
「………」
「………」
この状況が不満だと伝える為に手首をこれ見よがしに擦る。そんな私を顕微鏡で覘いているかのように見て来る。
居心地が悪い。視線を避けるように、何とはなしに見流していると老人の靴に目が靴に留まる。
(この靴……)
ドアを開けて倒れたときに見た靴と同じだ。間違いない。この老人が主犯だ。
見た目で判断してたら痛い目にあうところだった。どう出るか分からず身構えていると、ふっと老人が笑う。
(何おかしいのよ!)
この状況を楽しんでいる。
強引に連れて来たのに、ちっとも悪いと思ってない。馬鹿にされたようで 腹が立つ。それでも怒りは表に出さないようにしたが、目元がピクピクと痙攣する。体は正直だ。
ドミニクは目の前の娘を見て自然と笑みが出た。シャーと毛を逆なでて威嚇してる子猫のようだ。本人をごまかせてると思ってるようだが、爪が出ているのが見える。
随分 警戒されてしまったようだ。 だが、それも楽しい。彼女も最初は警戒して人前で餌を食べなかった。
✳✳
「何も聞かないんだな」
老人独特の平坦だけど滑舌が悪く低い声だ。
声の感じから、私に対して負の感情のようなものは見えない。今のところは友好的だ。
だったら強く出ても大丈夫だろう。
「聞いたら答えくれるんですか?」
「もちろんだ」
本当に⁉
チラリと横に立っている手下を見ると、老人がサッサと出て行けと言うように手を払う。すると、手下が一礼して出て行った。ドアの閉まる音も聞こえた。
やっと二人きりになった。
こっちは聞きたい事が山盛りだ。
「何が聞きたい?」
老人が机の上で手を組むとまた私を観察してくる。口ではそう言うが都合の悪い事は答えないだろう。でも、その口を開かせてみせる。
営業歴二年の腕前の見せ所だ。伊達に営業やってない。
相手から情報を聞き出す為に、ラポールを築かないと。そのためには、褒めて、褒めて、褒めちぎる。とはいえ、なかなか難しい。
んー、まずは……話しやすい質問をしよう。
「名前を教えて下さい」
「そうだったな。これは失礼した。私の名前はドミニク・ランドル・パラフェールだ。一応男爵の爵位を持っている」
わざわざ立ち上がると、片手を胸に当てて挨拶をした。ワザとらしい対応が鼻に付く。私はただの平民だ。
あれ? ドミニク⁉ 聞き覚えがある。どこで聞いたんだっけ?
「ドミニク……ラン…パラ……」
思い出そうと名前を口に出してみる。
あっ! 思い出した。ポンと手を打つと、老人、否、ドミニク男爵を指差す。
「世界動物図鑑の作者だ!」
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