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他の日
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リチャードと腕をくんで歩いていた。
そのことが 恋人同士、婚約した事で人目もはばからずイチャイチャ出来る。
(はぁ~、幸せ。実感する)
そんな気分に浸っていると 教会の鐘の音が響いてきた。
あっ!
よくよく考えれば、自分の身分を証明するものが無い。突然この世界に来たんだもの、戸籍が無い。結婚に そう言うものは必要ないんだろうか?
「リチャード。私、出生証明書みたいなもの無いんですけど大丈夫ですか?」
「ああ、それは大丈夫。教会で結婚証明書にサインする時、血でハンコを押せば良いんだ。そうすればリサは私の妻と言う事で身分が保証される。だから、ザブマギウムだと報告する必要も無い」
「母印? それだけですか? 他には要らないんですか?」
リチャードがそうだと頷く。
「貴族は家門が関係するから 証明書が必要だけど、平民に関しては 任意だ」
「任意⁉」
何となくイメージ出来るけど、やっぱりそれだけ貴族と平民との格差があるんだ。
不公平な気もする。
「そうだ。証明書を発行してもらうには寄付という名のお金が必要になる」
「………」
「それに、平民は人数も多いし、死亡率も高い。何より戦争や飢饉が起きると出入りが激しくなるから管理出来ないんだ」
「随分、ザックリしているんですね」
そんなシステムなら結婚詐欺に遭う人が続出しそうだ。
「でも、貴族でも平民でも結婚式は挙げる」
リチャードが私の肩に手を回す。
「本当なら結婚式と披露宴は一緒だが、披露宴は時間が掛かるから 人間に固定してからの方が良いと思うんだ」
確かに……。くしゃみ一つで猫に戻る事もある。貴族の結婚式には多くの人を招待しないといけないらしい。そんなところで 猫に戻ったら滅茶苦茶になってしまう。私がザブマギウムだと知られるのはまずい。
人間の姿を継続出来る方法は分かっているけど……それが妊娠なんだよね。
**
マーカスの誕生日が過ぎて穏やかな日々を送っていた。しかし、それを破るようにガランガランと聞き慣れぬ大きな音が屋敷中に響いた。
(何? 何の音なの?)
驚いて飛び起きた。不安を掻き立てるような嫌な音だ。隣で寝ていた
リチャードが素早くベッドから降りた。
「これは警報だ」
「………」
エリザベートの手下の 不法侵入を防ぐ為に設置されていると、前もって聞いていたけど……。
こんな風に襲撃されるなど初めてだ。
今迄一度も鳴った事など無かった。
(誕生日が終わって気を抜いていた……)
まさか他の日に 行動に移すとは考えもしなかった。切羽つまつてるんだ。だから、あり得る。向こうは、何が何でもマーカスを攫うつもりなんだから。
「リサ、これに着替えて」
「えっ? ええ」
手渡された洋服を着ようと思っても、指が震えて上手く出来ない。自覚していなかったが、体は正直ですくみ上がっていて、思うように動かせない。
(早く、早く)
嫌でも警報音が急き立てる。焦りそうになるのを何とかしようと、落ち着け、落ち着けと、自分に言い聞かせた。
それでも上手く行かない。
(ボタンは何処なのよ!)
「リサ」
名前を呼ばれてハッと顔を上げると、リチャードが私の肩をギュッと握った。
その力強さに、安心して涙が溢れそうになる。
「大丈夫だから。必ず守る」
私を見詰めて約束してくれた。
まだ音は鳴り続いている。だけどその一言で
勇気が持てた。コクリと頷く。
リチャードに手伝って貰って着替えると手を取り合って執務室に向かって走り出した。しかし、一緒に部屋を飛び出したがピタリと立ち止まる。
(そうだ。マーカスは? 助けに行かなくちゃ)
「マーカスは?」
「大丈夫。先にニックが迎えに行っている」
(良かった……)
執務室のドアを開けると既にマーカスが来ていた。無事だ。
ニックとアイリスさんの姿もある。
他の人の姿は無かった。
腕を広げて駆け寄る。
「マーカス!」
「リサ!」
互いにギュッと抱きしめ合った。
また、あの女がマーカスに辛い思いをさせるのかと思うと腹が立つ。これでは一年中警戒しなくてはならない。
腕を解くとマーカスの髪を撫でつける。パジャマ姿に寝癖。何時もの可愛らしい姿ただが、顔は強張って顔色も悪い。もう一度ど抱きしめると背中をトントンと安心させようと叩いた。
「ここにいてくれ」
リチャードが そう言うと部屋を出ていこうする。
「何処へ行くの?」
「私たちが戻って来るまで待っているように。我々は外の様子を見て来る」
「リチャ……」
私たちを守る為に行くのに『行かないで』、と思わず止めてしまいそうになった。
外に出たら怪我をするかもしれない。そう考えると心が乱れる。傍に居てと口から出かかる。でも、それを飲み込んだ。
「どうか、気をつけて……」
「分かった」
頷くとニックさんと一緒に部屋を出て行った。
ガチャリと言うドアの閉まる音が耳に残る。
(無事戻って来てね)
祈るようにドアを見続けていると
「ここに居れば安全ですよ」
私を宥めようとアイリスさんが声を掛けて来てくれた。
鐘の音は鳴り止まない。
重苦しい空気の中、自分の不安を隠すように
マーカスを膝の上に座らせると、ただマーカスの温かさを求める。
何時終わるの? 敵は誰なの? リチャードたちは無事なの?
家の中に入って来たらどうしたら良いの? いったい何人で襲って来たの? 全員倒せる? 頭に浮かぶのはネガティブな事ばかり。考えないようにしても無理だ。
不安で不安でギュッと目を閉じた。
平和ボケした生きてきた私には こう言う状況は辛い。誕生日の時は外から音が聞こえたから様子が想像出来たけど、確かめる事も出来ずにただ待つだけ。
(それがこんなに辛いなんて……)
不意に頭を撫でられて目を開けるとマーカスが 申し訳なそうな表情を浮かべていた。
「マーカス⁉」
「ごめんなさい。僕のせいで怖い思いをさせて……」
俯いてしまったマーカスの手を掴む。
守るべき相手に慰められるなんて……。
大人の私を気遣って謝罪を言わせるなんて情けない。謝らなくちゃいけなにのは私の方よ。私が怯えていてはマーカスに気を使われせてしまう。
「ううん。マーカスのせいじゃないよ」
それは違うと首を振る。
自分を責めなくて良い。悪いのはお母さんだ。自分の幸せの為にマーカスを利用しようとしているエゴイスト。そんな人に、マーカスを傷つけさせてたまるものか。
きっとこれからも、こんな事があるはずだ。今日で終わりじゃない。マーカスのママになるんだから、ドンと構えなくちゃ。
「だけど……」
この年代は自分勝手なやんちゃ盛り、悪戯の一つをしてもおかしくないのに……。
知り合ってから何一つ我儘を言わず良い子で居た。そんなマーカスの両肩に手を置く。
「悪いのは向こうで、マーカスは悪くないよ」
本当なら愛され、守られる存在なのに、よしよしと頭を撫でる。すると、マーカスが微かに頷く。可愛い子。ウリウリと頬を擦り付けた。私が甘やかしてあげる。
マーカスに癒やされて何時もの自分に戻れた。 落ち着こう。パニックになると正確な判断が出来ない。深呼吸して頭の中から臆病な自分を追い出す。
よし! 自分に気合を入れた。まずは……もしもの事を考えよう。万が一と言う事もある。
リチャードたちの事も心配だけど、女子供である私たちが人質になったりする方がリチャードたちにとって心配なはずだ。そして、犯人たちはマーカスを探している。
となれば見つからない事。もし見つかったとしても捕まらない事。リチャードは、ここに居ろと言ったし安全な場所なんだろう。それでも犯人たちに見つかったら……。何か手を打たないと。バリケードでも作る? そんな事を考えていると、
「大変ですアレを見て下さい」
アイリスさんの叫び声に指差す方を見るとドアの下から煙が入って来た。
火事? 家に火をつけたの? おかしい……。
マーカスが死んだり 大怪我をしたりしたら、エリザベートにとってマイナスでしかない。クンクンと匂いを嗅いだ。火事独特の焦げた匂いがしない。白い煙だけだ。
(………煙幕?)
確かめてみよう。
近くにあったクッションを掴んでドアの下に押し付けると数を数える。
「一、二、三、四、五!」
「リサ何するの?」
「危険です。戻って下さい」
後ろから止めるように声をかけられるが、そのまま続けた。パッと押し付けたクッションを離すと、ドアに面していた部分を火傷覚悟で指でチョンと触る。
そのことが 恋人同士、婚約した事で人目もはばからずイチャイチャ出来る。
(はぁ~、幸せ。実感する)
そんな気分に浸っていると 教会の鐘の音が響いてきた。
あっ!
よくよく考えれば、自分の身分を証明するものが無い。突然この世界に来たんだもの、戸籍が無い。結婚に そう言うものは必要ないんだろうか?
「リチャード。私、出生証明書みたいなもの無いんですけど大丈夫ですか?」
「ああ、それは大丈夫。教会で結婚証明書にサインする時、血でハンコを押せば良いんだ。そうすればリサは私の妻と言う事で身分が保証される。だから、ザブマギウムだと報告する必要も無い」
「母印? それだけですか? 他には要らないんですか?」
リチャードがそうだと頷く。
「貴族は家門が関係するから 証明書が必要だけど、平民に関しては 任意だ」
「任意⁉」
何となくイメージ出来るけど、やっぱりそれだけ貴族と平民との格差があるんだ。
不公平な気もする。
「そうだ。証明書を発行してもらうには寄付という名のお金が必要になる」
「………」
「それに、平民は人数も多いし、死亡率も高い。何より戦争や飢饉が起きると出入りが激しくなるから管理出来ないんだ」
「随分、ザックリしているんですね」
そんなシステムなら結婚詐欺に遭う人が続出しそうだ。
「でも、貴族でも平民でも結婚式は挙げる」
リチャードが私の肩に手を回す。
「本当なら結婚式と披露宴は一緒だが、披露宴は時間が掛かるから 人間に固定してからの方が良いと思うんだ」
確かに……。くしゃみ一つで猫に戻る事もある。貴族の結婚式には多くの人を招待しないといけないらしい。そんなところで 猫に戻ったら滅茶苦茶になってしまう。私がザブマギウムだと知られるのはまずい。
人間の姿を継続出来る方法は分かっているけど……それが妊娠なんだよね。
**
マーカスの誕生日が過ぎて穏やかな日々を送っていた。しかし、それを破るようにガランガランと聞き慣れぬ大きな音が屋敷中に響いた。
(何? 何の音なの?)
驚いて飛び起きた。不安を掻き立てるような嫌な音だ。隣で寝ていた
リチャードが素早くベッドから降りた。
「これは警報だ」
「………」
エリザベートの手下の 不法侵入を防ぐ為に設置されていると、前もって聞いていたけど……。
こんな風に襲撃されるなど初めてだ。
今迄一度も鳴った事など無かった。
(誕生日が終わって気を抜いていた……)
まさか他の日に 行動に移すとは考えもしなかった。切羽つまつてるんだ。だから、あり得る。向こうは、何が何でもマーカスを攫うつもりなんだから。
「リサ、これに着替えて」
「えっ? ええ」
手渡された洋服を着ようと思っても、指が震えて上手く出来ない。自覚していなかったが、体は正直ですくみ上がっていて、思うように動かせない。
(早く、早く)
嫌でも警報音が急き立てる。焦りそうになるのを何とかしようと、落ち着け、落ち着けと、自分に言い聞かせた。
それでも上手く行かない。
(ボタンは何処なのよ!)
「リサ」
名前を呼ばれてハッと顔を上げると、リチャードが私の肩をギュッと握った。
その力強さに、安心して涙が溢れそうになる。
「大丈夫だから。必ず守る」
私を見詰めて約束してくれた。
まだ音は鳴り続いている。だけどその一言で
勇気が持てた。コクリと頷く。
リチャードに手伝って貰って着替えると手を取り合って執務室に向かって走り出した。しかし、一緒に部屋を飛び出したがピタリと立ち止まる。
(そうだ。マーカスは? 助けに行かなくちゃ)
「マーカスは?」
「大丈夫。先にニックが迎えに行っている」
(良かった……)
執務室のドアを開けると既にマーカスが来ていた。無事だ。
ニックとアイリスさんの姿もある。
他の人の姿は無かった。
腕を広げて駆け寄る。
「マーカス!」
「リサ!」
互いにギュッと抱きしめ合った。
また、あの女がマーカスに辛い思いをさせるのかと思うと腹が立つ。これでは一年中警戒しなくてはならない。
腕を解くとマーカスの髪を撫でつける。パジャマ姿に寝癖。何時もの可愛らしい姿ただが、顔は強張って顔色も悪い。もう一度ど抱きしめると背中をトントンと安心させようと叩いた。
「ここにいてくれ」
リチャードが そう言うと部屋を出ていこうする。
「何処へ行くの?」
「私たちが戻って来るまで待っているように。我々は外の様子を見て来る」
「リチャ……」
私たちを守る為に行くのに『行かないで』、と思わず止めてしまいそうになった。
外に出たら怪我をするかもしれない。そう考えると心が乱れる。傍に居てと口から出かかる。でも、それを飲み込んだ。
「どうか、気をつけて……」
「分かった」
頷くとニックさんと一緒に部屋を出て行った。
ガチャリと言うドアの閉まる音が耳に残る。
(無事戻って来てね)
祈るようにドアを見続けていると
「ここに居れば安全ですよ」
私を宥めようとアイリスさんが声を掛けて来てくれた。
鐘の音は鳴り止まない。
重苦しい空気の中、自分の不安を隠すように
マーカスを膝の上に座らせると、ただマーカスの温かさを求める。
何時終わるの? 敵は誰なの? リチャードたちは無事なの?
家の中に入って来たらどうしたら良いの? いったい何人で襲って来たの? 全員倒せる? 頭に浮かぶのはネガティブな事ばかり。考えないようにしても無理だ。
不安で不安でギュッと目を閉じた。
平和ボケした生きてきた私には こう言う状況は辛い。誕生日の時は外から音が聞こえたから様子が想像出来たけど、確かめる事も出来ずにただ待つだけ。
(それがこんなに辛いなんて……)
不意に頭を撫でられて目を開けるとマーカスが 申し訳なそうな表情を浮かべていた。
「マーカス⁉」
「ごめんなさい。僕のせいで怖い思いをさせて……」
俯いてしまったマーカスの手を掴む。
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大人の私を気遣って謝罪を言わせるなんて情けない。謝らなくちゃいけなにのは私の方よ。私が怯えていてはマーカスに気を使われせてしまう。
「ううん。マーカスのせいじゃないよ」
それは違うと首を振る。
自分を責めなくて良い。悪いのはお母さんだ。自分の幸せの為にマーカスを利用しようとしているエゴイスト。そんな人に、マーカスを傷つけさせてたまるものか。
きっとこれからも、こんな事があるはずだ。今日で終わりじゃない。マーカスのママになるんだから、ドンと構えなくちゃ。
「だけど……」
この年代は自分勝手なやんちゃ盛り、悪戯の一つをしてもおかしくないのに……。
知り合ってから何一つ我儘を言わず良い子で居た。そんなマーカスの両肩に手を置く。
「悪いのは向こうで、マーカスは悪くないよ」
本当なら愛され、守られる存在なのに、よしよしと頭を撫でる。すると、マーカスが微かに頷く。可愛い子。ウリウリと頬を擦り付けた。私が甘やかしてあげる。
マーカスに癒やされて何時もの自分に戻れた。 落ち着こう。パニックになると正確な判断が出来ない。深呼吸して頭の中から臆病な自分を追い出す。
よし! 自分に気合を入れた。まずは……もしもの事を考えよう。万が一と言う事もある。
リチャードたちの事も心配だけど、女子供である私たちが人質になったりする方がリチャードたちにとって心配なはずだ。そして、犯人たちはマーカスを探している。
となれば見つからない事。もし見つかったとしても捕まらない事。リチャードは、ここに居ろと言ったし安全な場所なんだろう。それでも犯人たちに見つかったら……。何か手を打たないと。バリケードでも作る? そんな事を考えていると、
「大変ですアレを見て下さい」
アイリスさんの叫び声に指差す方を見るとドアの下から煙が入って来た。
火事? 家に火をつけたの? おかしい……。
マーカスが死んだり 大怪我をしたりしたら、エリザベートにとってマイナスでしかない。クンクンと匂いを嗅いだ。火事独特の焦げた匂いがしない。白い煙だけだ。
(………煙幕?)
確かめてみよう。
近くにあったクッションを掴んでドアの下に押し付けると数を数える。
「一、二、三、四、五!」
「リサ何するの?」
「危険です。戻って下さい」
後ろから止めるように声をかけられるが、そのまま続けた。パッと押し付けたクッションを離すと、ドアに面していた部分を火傷覚悟で指でチョンと触る。
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