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さようなら。ありがとう。
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リサはご主人様に抱かれながら自分の中にいつのまにか 芽吹いていた気持ちに気づいた。
もっとお喋りしたい。もっと色んな所へ行きたい。もっと色んな物を食べたい。もっと仲良くなりたい。そう感じることが増えていた。ペットでいいそう思っていたのに…。
ご主人様たちと一緒に過ごす時間が増える度、それでは物足りなくなっていた。
マーカスの件が無かったとしても何時かは自覚しただろう。
( 私が人間だったら、マーカスのお母さんになってあげてもいいのに……)
猫でいるもどかしさを感じる。
首筋に頭を擦り付ける。
「眠いみたいだね」
そう言って歩き出した。そうだ。夢を見たんだ。人間になって普通の恋人同士のように、腕を絡めて、見つめ合って、キスして、そして……私はそれ以上を望んでしまう。だけど……。人間じゃないんだから、叶わぬことだ。猫としての自覚を持たないと。そうすれば幸せになれる。それなのに諦め切れない。どんなに自分を騙しても人間として扱って欲しいと願ってしまう。
(はぁ~嫌だ……)
もう何もかも嫌だ。何時までも踏ん切りがつかないのは、ここに居るからだ。だから、未練が残るんだ。このまま何度も同じ思いをして暮らして行くくらいなら出て行こう。長い目で見れば、それが私にとっても、皆にとっても良い事だ。
そして、猫として生きる。
まずは人間の考えを失くそう。
そのためにも三大欲求。否、二大欲求。食う、寝る。
それだけで生き抜こう。森に入ってしまえば生きるのに精一杯で他の事など考えなくなる。きっと時間が解決してくれる。
**
ご主人様の規則正しい寝息を
もっと聞いていたい。
ためらうな! 諦めろ! 行くんだ!
今の私に時間は毒だ。
別れを引き延ばしても辛いだけだ。もそもそと起き上がる。
この家に来てから ずっとこの腕の中で眠った。とっても安心出来た。 それも今夜までだ。最後にご主人様の寝顔を見つめる。
(寝顔までハンサムなんて狡いよ)
初めてその顔を見たときは大人の中に少年の面影が残っていてドキドキして、胸が高鳴ったものだ。
その表情にその香り。その大きな手で撫でられるのが好きだった。
淡い恋心もあったかもしれない。秘密にしていたが、もし私が人間だったらと妄想したものだ。
さようなら。ありがとう。そして、ごめんなさい。良くしてくれたのに、こんな形で出て行く私を許して。
深い眠りに入ったから、ちょっとくらいなら起きないだろう。
全ての思いを込めてご主人様の頬に口づけする。
後ろ髪引かれる気持ちを断ち切るようにベッドを下りた。
***
クルリと振り返って家を見つめる。星空の下、灯りは無く家全体が深い眠りについている。
これで本当にさよならだ。
皆との温かい思い出が甦る。最初に拾ってくれたのがこの家で良かった。とても楽しかった。
次もし誰かに拾われたなら、ちゃんと猫として生きて行く。人としての愛情など求めたりしない。
コミュニケーションは最低限。
贅沢も言わない。餌と寝床さえくれたらそれで十分。そう言う暮らしで良い。
そう決意すると森へ向かう。
朝日が闇を追い払い。全てを明るく照らしている。お帰りと言っているかのように木々が揺れ サラサラと葉音をさせる。踏みしめる大地は硬い。
帰ってきたんだ。
緑だけのテフィーナの森。こうして歩いていいると今までのことが思い出される。この世界に来たばかりの頃は助けてくれる人も居なかったし、 孤独で腹を空かせていた。でも優しいバントール家の皆と出会って私の第二の人生は変わった。そして、その全ての中心に
バントール家があった。
皆と楽しいときを経験した。
(そんな人たちを忘れるのに、どれくらい時間が掛かるかな)
もし運良く新しいご主人様に拾って貰えても、バントールと違うと、きっと比べちゃう。
そんな気持ちのまま他の人と一緒に暮らせる?
こうして独りぼっちでいると凄く寂しい。ご主人様たちと別れることを決意したのは自分なのに涙が頬を伝う。
でも思い出にしないと。
そんな私をもう一人の自分が問い詰める。
どうして人間の考え方を捨てられないの?
どうしてそれでも良いと思えなかったの?
どうして猫じゃダメなの?
どうして生き方を変えられないの?
どうして楽に生きられるのに苦労を選ぶの?
(………)
それが出来たら皆と別れることにも、家出をしてこんな所で泣いている事も無かった。
私だって一緒に暮らしたかった。でもそれは生きていると言えるのだろうが? 自分のアイデンティティを否定して猫として生きて行ける?分からない。自分を殺してでも傍に居ることが幸せなの? 分からない。寂しくてもご主人様
たちと別れて、自分らしく生きることが幸せなのか? それも分からない。どっちの選択が正しいかなんて私には分からない。
***
リチャードは次々と家の扉を開け、戸棚の中、本棚の奥まで扉という扉を開けたがリサは居なかった。
「リサ! リサ、居たら返事をしてくれ!」
リサの姿がないとハッキリと自覚したのは夕食のときだった。
ディナーに遅れてしまったかと思いながら食堂のドアを開けるとマーカスだけが本を読んでいた。既にテーブルには料理が並んでいる。だが、リサの姿がない。
(匂いに敏感なリサなのに……)
このところ食欲がないみたいだから好物のステーキにしたのに……。
「マーカス。リサと一緒じゃないのか?」
先に座っていたマーカスに訊ねるとマーカスが本から目を離す。
「一緒じゃないよ。父上と一緒じゃ無かったの?」
「否、私のところには居ない」
てっきりマーカスの所に居ると思ったのに。それとも何処かで、また木から下りられないでいるのかもしれない。
(探しに行くしかないか)
やれやれと首を振りながら、出て行こうとすると、丁度そこへマリーナが料理を運んで来た。
「リサを見なかったか?」
「リサですか?……そう言えば朝から見ていませんね」
(えっ? 朝?)
マリーナの返事にサーっと血の気が、引く。
そうだ。朝、目が覚めたとき既にリサは居なかった。
なぜ変だと思わなかったんだ!
いつも私が先に起きてリサを抱っこして食堂に行くのがルーティンだった。忘れていた。マーカスが病気になってそのルーティンが崩れていたから、姿がなくなっても何とも思わなかったんだ。私より早く起きることなんてないのに……。
「マーカス。リサを今日見たか?」
「えっ?」
マーカスが首を傾げて答えを探すように空を見る。その時間が長い。嫌な予感がする。
私もマーカスもマリーナもリサを見ていない。その事が示す答えに胸がざわつく。
まさか、自分から出て行ったのか? 何故だ。この家に居れば衣食住全てに困る事など無い。使用人たちだって可愛がってくれるのに……。何が不満なんだ。思い当たる事が一つも無い。確かにこのところ忙しくてリサを構ってあげなかった。そんな事で拗ねたのか?
ペットじゃないんだから、それくらいの事でへそを曲げるのはおかしい。リサは人間の考えが分かるんだから、それくらい理解して……。本当にそうか?
もう一人の自分が耳元で囁く。
人の心を持っていると知りながら、いつしかペット扱いになっていたんじゃないのか?
そんなことはない! だったら マーカスの部屋を出禁にしてたんだ?
(………)
なんてことだ。無意識にリサに対してマーカスの看病は出来ないと最初から排除していた。
故意にしたこととは言え傷ついた事だろう。それが理由だ。そこまで追い込ませた私の責任だ。
自分の傲慢さに腹が立つ。
「いいえ、見ていません」
マーカスの言葉は決定的だった。リサは私たちに失望して出て行ってしまったんだ。マーカスの部屋の前で見かけたリサは何処か寂しそうだった。マーカスを心配しての事だろうと思っていた。だけど病気が治ってもそのままだった。
家族だと言いながらこの様だ。喋れないんだからもっと気を付けるべきだったんだ。
(心配する気持ちは一緒なのに……)
サインだってあったんだ。
一日中何もしないで外を見ていたり、食も細くなったり、夜もちゃんと眠れていないようで目を覚ますと月を見ていた。あんなに甘えたがりなのに全然仕事の邪魔をしなくなった。数えればキリがない。それなのに……。
愛想を尽かされても仕方ない。
「くそっ」
力任せにダンとテーブルを叩く。
びっくりしてマーカスが立ち上がる。
「父上、どうしたんですか?」
「旦那様、どうなさったのですか?」
まだ家を出て行ったとはっきりした訳じゃない。マーカスの前で感情をあらわにした事を反省すると、平坦な声音を意識する。
余計な心配をかけたくない。
「リサが……行方不明になった」
「えっ? 行方不明ですか?」
「いいから、リサを探せ」
他の使用人 更に聞き込みをした。皆の証言を合わせると朝食の用意をしようと厨房に入ったとき廊下を通り過ぎるのを見かけたとのことだった。
夕飯もそこそこに、マーカスとアイリスを留守番にして捜索するとことになった。
(もっと早く気付いていれば)
もう暫く経つと夕日に照らされた庭も夜が訪れる。
ランタンを手に二手に分かれて闇が深くなる前に捜索しようと、リチャードは家の前を、裏手をニックが探す事にした。
何時家出したか知らないが、かなりの時間が経っている。色んな場所を探したが、やはり姿が無い。
リチャードは額の汗を拭う。
向こうから裏手を探していたニックが戻って来た。期待に顔を向けたが首を振っている。結局、みんなで手分けして探したがリサは見つからなかった。
こんなに必死に探しているのに見つからないなら迷子じゃない。
家出だ。事は深刻だ。もうすでに
遠くに行っているかもしれない。
「………」
「全て探してました。旦那様、もう探すところがありません」
もっとお喋りしたい。もっと色んな所へ行きたい。もっと色んな物を食べたい。もっと仲良くなりたい。そう感じることが増えていた。ペットでいいそう思っていたのに…。
ご主人様たちと一緒に過ごす時間が増える度、それでは物足りなくなっていた。
マーカスの件が無かったとしても何時かは自覚しただろう。
( 私が人間だったら、マーカスのお母さんになってあげてもいいのに……)
猫でいるもどかしさを感じる。
首筋に頭を擦り付ける。
「眠いみたいだね」
そう言って歩き出した。そうだ。夢を見たんだ。人間になって普通の恋人同士のように、腕を絡めて、見つめ合って、キスして、そして……私はそれ以上を望んでしまう。だけど……。人間じゃないんだから、叶わぬことだ。猫としての自覚を持たないと。そうすれば幸せになれる。それなのに諦め切れない。どんなに自分を騙しても人間として扱って欲しいと願ってしまう。
(はぁ~嫌だ……)
もう何もかも嫌だ。何時までも踏ん切りがつかないのは、ここに居るからだ。だから、未練が残るんだ。このまま何度も同じ思いをして暮らして行くくらいなら出て行こう。長い目で見れば、それが私にとっても、皆にとっても良い事だ。
そして、猫として生きる。
まずは人間の考えを失くそう。
そのためにも三大欲求。否、二大欲求。食う、寝る。
それだけで生き抜こう。森に入ってしまえば生きるのに精一杯で他の事など考えなくなる。きっと時間が解決してくれる。
**
ご主人様の規則正しい寝息を
もっと聞いていたい。
ためらうな! 諦めろ! 行くんだ!
今の私に時間は毒だ。
別れを引き延ばしても辛いだけだ。もそもそと起き上がる。
この家に来てから ずっとこの腕の中で眠った。とっても安心出来た。 それも今夜までだ。最後にご主人様の寝顔を見つめる。
(寝顔までハンサムなんて狡いよ)
初めてその顔を見たときは大人の中に少年の面影が残っていてドキドキして、胸が高鳴ったものだ。
その表情にその香り。その大きな手で撫でられるのが好きだった。
淡い恋心もあったかもしれない。秘密にしていたが、もし私が人間だったらと妄想したものだ。
さようなら。ありがとう。そして、ごめんなさい。良くしてくれたのに、こんな形で出て行く私を許して。
深い眠りに入ったから、ちょっとくらいなら起きないだろう。
全ての思いを込めてご主人様の頬に口づけする。
後ろ髪引かれる気持ちを断ち切るようにベッドを下りた。
***
クルリと振り返って家を見つめる。星空の下、灯りは無く家全体が深い眠りについている。
これで本当にさよならだ。
皆との温かい思い出が甦る。最初に拾ってくれたのがこの家で良かった。とても楽しかった。
次もし誰かに拾われたなら、ちゃんと猫として生きて行く。人としての愛情など求めたりしない。
コミュニケーションは最低限。
贅沢も言わない。餌と寝床さえくれたらそれで十分。そう言う暮らしで良い。
そう決意すると森へ向かう。
朝日が闇を追い払い。全てを明るく照らしている。お帰りと言っているかのように木々が揺れ サラサラと葉音をさせる。踏みしめる大地は硬い。
帰ってきたんだ。
緑だけのテフィーナの森。こうして歩いていいると今までのことが思い出される。この世界に来たばかりの頃は助けてくれる人も居なかったし、 孤独で腹を空かせていた。でも優しいバントール家の皆と出会って私の第二の人生は変わった。そして、その全ての中心に
バントール家があった。
皆と楽しいときを経験した。
(そんな人たちを忘れるのに、どれくらい時間が掛かるかな)
もし運良く新しいご主人様に拾って貰えても、バントールと違うと、きっと比べちゃう。
そんな気持ちのまま他の人と一緒に暮らせる?
こうして独りぼっちでいると凄く寂しい。ご主人様たちと別れることを決意したのは自分なのに涙が頬を伝う。
でも思い出にしないと。
そんな私をもう一人の自分が問い詰める。
どうして人間の考え方を捨てられないの?
どうしてそれでも良いと思えなかったの?
どうして猫じゃダメなの?
どうして生き方を変えられないの?
どうして楽に生きられるのに苦労を選ぶの?
(………)
それが出来たら皆と別れることにも、家出をしてこんな所で泣いている事も無かった。
私だって一緒に暮らしたかった。でもそれは生きていると言えるのだろうが? 自分のアイデンティティを否定して猫として生きて行ける?分からない。自分を殺してでも傍に居ることが幸せなの? 分からない。寂しくてもご主人様
たちと別れて、自分らしく生きることが幸せなのか? それも分からない。どっちの選択が正しいかなんて私には分からない。
***
リチャードは次々と家の扉を開け、戸棚の中、本棚の奥まで扉という扉を開けたがリサは居なかった。
「リサ! リサ、居たら返事をしてくれ!」
リサの姿がないとハッキリと自覚したのは夕食のときだった。
ディナーに遅れてしまったかと思いながら食堂のドアを開けるとマーカスだけが本を読んでいた。既にテーブルには料理が並んでいる。だが、リサの姿がない。
(匂いに敏感なリサなのに……)
このところ食欲がないみたいだから好物のステーキにしたのに……。
「マーカス。リサと一緒じゃないのか?」
先に座っていたマーカスに訊ねるとマーカスが本から目を離す。
「一緒じゃないよ。父上と一緒じゃ無かったの?」
「否、私のところには居ない」
てっきりマーカスの所に居ると思ったのに。それとも何処かで、また木から下りられないでいるのかもしれない。
(探しに行くしかないか)
やれやれと首を振りながら、出て行こうとすると、丁度そこへマリーナが料理を運んで来た。
「リサを見なかったか?」
「リサですか?……そう言えば朝から見ていませんね」
(えっ? 朝?)
マリーナの返事にサーっと血の気が、引く。
そうだ。朝、目が覚めたとき既にリサは居なかった。
なぜ変だと思わなかったんだ!
いつも私が先に起きてリサを抱っこして食堂に行くのがルーティンだった。忘れていた。マーカスが病気になってそのルーティンが崩れていたから、姿がなくなっても何とも思わなかったんだ。私より早く起きることなんてないのに……。
「マーカス。リサを今日見たか?」
「えっ?」
マーカスが首を傾げて答えを探すように空を見る。その時間が長い。嫌な予感がする。
私もマーカスもマリーナもリサを見ていない。その事が示す答えに胸がざわつく。
まさか、自分から出て行ったのか? 何故だ。この家に居れば衣食住全てに困る事など無い。使用人たちだって可愛がってくれるのに……。何が不満なんだ。思い当たる事が一つも無い。確かにこのところ忙しくてリサを構ってあげなかった。そんな事で拗ねたのか?
ペットじゃないんだから、それくらいの事でへそを曲げるのはおかしい。リサは人間の考えが分かるんだから、それくらい理解して……。本当にそうか?
もう一人の自分が耳元で囁く。
人の心を持っていると知りながら、いつしかペット扱いになっていたんじゃないのか?
そんなことはない! だったら マーカスの部屋を出禁にしてたんだ?
(………)
なんてことだ。無意識にリサに対してマーカスの看病は出来ないと最初から排除していた。
故意にしたこととは言え傷ついた事だろう。それが理由だ。そこまで追い込ませた私の責任だ。
自分の傲慢さに腹が立つ。
「いいえ、見ていません」
マーカスの言葉は決定的だった。リサは私たちに失望して出て行ってしまったんだ。マーカスの部屋の前で見かけたリサは何処か寂しそうだった。マーカスを心配しての事だろうと思っていた。だけど病気が治ってもそのままだった。
家族だと言いながらこの様だ。喋れないんだからもっと気を付けるべきだったんだ。
(心配する気持ちは一緒なのに……)
サインだってあったんだ。
一日中何もしないで外を見ていたり、食も細くなったり、夜もちゃんと眠れていないようで目を覚ますと月を見ていた。あんなに甘えたがりなのに全然仕事の邪魔をしなくなった。数えればキリがない。それなのに……。
愛想を尽かされても仕方ない。
「くそっ」
力任せにダンとテーブルを叩く。
びっくりしてマーカスが立ち上がる。
「父上、どうしたんですか?」
「旦那様、どうなさったのですか?」
まだ家を出て行ったとはっきりした訳じゃない。マーカスの前で感情をあらわにした事を反省すると、平坦な声音を意識する。
余計な心配をかけたくない。
「リサが……行方不明になった」
「えっ? 行方不明ですか?」
「いいから、リサを探せ」
他の使用人 更に聞き込みをした。皆の証言を合わせると朝食の用意をしようと厨房に入ったとき廊下を通り過ぎるのを見かけたとのことだった。
夕飯もそこそこに、マーカスとアイリスを留守番にして捜索するとことになった。
(もっと早く気付いていれば)
もう暫く経つと夕日に照らされた庭も夜が訪れる。
ランタンを手に二手に分かれて闇が深くなる前に捜索しようと、リチャードは家の前を、裏手をニックが探す事にした。
何時家出したか知らないが、かなりの時間が経っている。色んな場所を探したが、やはり姿が無い。
リチャードは額の汗を拭う。
向こうから裏手を探していたニックが戻って来た。期待に顔を向けたが首を振っている。結局、みんなで手分けして探したがリサは見つからなかった。
こんなに必死に探しているのに見つからないなら迷子じゃない。
家出だ。事は深刻だ。もうすでに
遠くに行っているかもしれない。
「………」
「全て探してました。旦那様、もう探すところがありません」
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